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昭和の宝箱「スマイル北竜本店」へようこそ~不思議な時間旅行~【北海道】

北海道雨竜郡北竜町は、四季の移ろいが美しい自然豊かな町です。
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夏には「ひまわりの里」に約200万本のひまわりが咲き誇り、町一面が鮮やかな黄色に染まります。遠くの山並みと澄んだ空、風に揺れる花々が織りなす光景は、まさに北の短い夏の象徴です。
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そんな自然あふれる北竜町を走る国道275号。その沿線に、旅人の目を引く一軒の店があります。それが「スマイル北竜本店」。
築年数の経った古民家を改装し、外観からすでにどこか懐かしさを感じさせる佇まい。屋外にはクラシックカーや三輪自動車「ミゼット」が並び、昭和の世界がそのまま残されています。
目次
- 1. 国道275号沿いに佇む「スマイル北竜本店」
- 2. ミゼット入手から始まった夢
- 3. "焼き芋痛車"として再始動
- 4. もう一台の主役「コブラ」
- 5. 昭和遺産の宝庫・店内の世界
- 6. 昭和の自販機、遊び心全開
- 7. 「懐かしい」だけじゃない、愛と情熱
- 8. タイムトラベルの入口に立つ
1. 国道275号沿いに佇む「スマイル北竜本店」
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足を踏み入れると、そこには時代を超えた宝物のような品々がぎっしり。まるで昭和という時代を一軒の店に詰め込んだかのような空間です。
2. ミゼット入手から始まった夢
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スマイル北竜本店の店主・冨澤正典さんは、この店を始めたきっかけについてこう語ります。
「どうしてもミゼットが欲しくて、店を始めたんですよ。」
冨澤さんが愛してやまない「ダイハツ・ミゼット」は、1957年に登場した日本初の量産軽三輪車。空冷2ストローク単気筒エンジン(305cc)を搭載し、12馬力ながら小回り抜群、最高速度は50〜65km/hほど。狭い道でもスイスイ走るその姿は、かつての日本の商店街に欠かせない存在でした。
積載量は約350kg、車体重量も軽く、3速マニュアルFR駆動。昭和の街角を象徴するそのフォルムは、今も多くのレトロカー愛好家を惹きつけています。
3. "焼き芋痛車"として再始動
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店を開いて数年後、ついに冨澤さんのもとに"夢のミゼット"がやってきました。そのミゼットは今や、Vtuber「日ノ本マイ」とのコラボによって「焼き芋痛車キッチンカー」へとリニューアル。
その名も「焼きいも屋マイちゃん」。かわいらしいペイントと昭和レトロのボディが絶妙にマッチしたこのクルマでは、甘くとろける焼き芋が販売され、イベント時には売り切れ続出の人気ぶりを見せています。
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冨澤さんは、常にオークションでパーツを探し、ストックし続けており、何度も修理を重ねてこのミゼットを"動くレトロ遺産"として維持しています。
4. もう一台の主役「コブラ」
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そしてもう一台、スマイル北竜本店を代表するクルマが「コブラ」。オープンカーの迫力あるフォルムに、イギリス製の軽量シャシーとアメリカ製V8エンジンを搭載。パワーウェイトレシオが高く、圧倒的な加速と存在感を誇ります。
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鮮やかなストライプに、肉厚なフェンダーライン。まるで映画から飛び出してきたようなスポーツカーが、北竜町の片隅に実在している。その非現実的なギャップこそ、スマイル北竜本店の"魔法"なのかもしれません。
5. 昭和遺産の宝庫・店内の世界
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スマイル北竜本店の店内は、昭和アイテムの密林のよう。ガラスケースにはブリキのおもちゃ、昭和人形、真空管ラジオ、黒電話、アイドルフィギュアなどがずらり。
脚付きのブラウン管テレビの上には古いラジオ。壁には「ながぬま温泉経由 ハイジ牧場」の案内看板、「菅公印 学生服」の旗も見受けます。
レイアウトは整然としていて、どこを見ても"懐かしさ"と"驚き"が共存。まるで、記憶の中の風景がそのまま立ち上がってきたかのようです。
6. 昭和の自販機、遊び心全開
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屋外にも見どころはあります。例えば、昭和の香りが漂う「赤まむしドリンク」の自販機。白い筐体に「赤まむしぃ〜」と語りかける研ナオコさんの広告パネル。
しかも商品棚にはリアルなニセ蛇が潜んでおり、そのユーモアに思わず笑いがこぼれます。価格は1本100円。懐かしさと遊び心が共存する空間です。
7. 「懐かしい」だけじゃない、愛と情熱
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スマイル北竜本店の魅力は、単なるレトロなコレクションにとどまりません。その奥には、「昭和」という時代への深い愛情と、モノに対する細やかな手入れ、そして何よりも店主・冨澤さんの"遊び心"が詰まっています。
訪れた人は皆、その不思議な空気と、ご主人の穏やかで温かい人柄に心をほぐされ、ついつい長居してしまうのです。
8. タイムトラベルの入口に立つ
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スマイル北竜本店は、過去を懐かしむだけの場所ではありません。そこには「記憶の共有」と「発見の楽しさ」があり、訪れる誰もが子どものような目で"昭和"という宝物を見つけていきます。
昭和の記憶と北海道の空気が、やさしく溶け合うこの場所で、あなたも静かで濃密な時間を過ごしてみませんか?
スマイル北竜本店
All Write&Photo:Masakazu Yoshida
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吉田匡和
- 札幌市在住のよろずライターです。美味しい食べ物から温泉、穴場スポットや定番スポットの知られざる楽しみ方など、地元ライターらしい視点でワクワクを紹介します。




























