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スペイン在住者がおすすめするアンダルシアの小さな町5選
スペイン南部アンダルシア地方には、フラメンコや闘牛、白い家とステレオタイプのスペインが詰まった人気の観光地が点在してます。特にすばらしい世界遺産があるセビーリャ、コルドバ、グラナダの三都は観光のメッカで、訪れる人も多いことでしょう。
その際には足を延ばして、味のある小さな町も訪れてみたいもの。私はバレンシア在住ですが、大のアンダルシア好き。今回はお約束の三都観光に行く際に足を延ばしたい小さな町を5つご紹介します。
目次
- 世界遺産の町ウベダとバエサ
- 遠くに地中海を望む白い町フリヒリアナ
- シェリー酒の産地でシーフードがおいしいサンルーカル・デ・バラメダ
- 崖の上にある白い町アルコス・デ・ラ・フロンテ―ラ
- 高品質オリーブオイルの産地プリエゴ・デ・コルドバ
世界遺産の町ウベダとバエサ
日本人観光客が少ないハエンの郊外には、『ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群』としてユネスコの世界遺産に登録された2つの町があります。ウベダとそこから10kmほど離れたバエサです。
どちらも町の中心部を歩くと、古く美しい建造物が目に入ります。そしてなぜかウベダにもバエサにも上品な雰囲気が漂っているのです。
見どころとしては、ウベダだと16世紀に建てられたスペイン・ルネッサンス建築のエル・サルバドール聖堂、バエサなら13世紀に創建された大聖堂などが挙げられます。
<クリスマスの飾りが置かれたエル・サルバドール聖堂前の広場>
エル・サルバドール聖堂/Capilla del Salvador
- 住所:Pl. Vázquez de Molina, Úbeda (Jaén)
- 開場時間:月~土 10:00~14:30、16:00~19:00、日 12:00~14:30、16:00~19:00
- 入場料:一般5ユーロ
- 公式サイト:エル・サルバドール聖堂
<夕暮れ時のバエサの大聖堂>
バエサ大聖堂/Catedral de Baeza
- 住所:Plaza de Santa María, Baeza (Jaén)
- 開場時間:月~金 10:00~14:30、16:00~19:00、土 10:00~19:00、日 10:00~16:00
- 入場料:一般 7ユーロ
- 公式サイト:バエサ大聖堂
こじんまりしていて居心地がよく、私はウベダやバエサのお気に入りの一角にあるテラス席でコーヒーやワインを飲むひとときが好きです。個性的な小さなホテルも多々あり、またおいしいレストランもあるので、ぜひ1泊して両方の町を楽しんでください。ハエンは世界最大のオリーブ産地なので、高品質のオリーブオイルを扱う専門店もありますよ。
【アクセス】
グラナダ-ウベダ:バスで2~3時間、コルドバ-ウベダ:バスで2時間半、マドリード-ウベダ:バスで4時間。ウベダ-バエサ間はバスで15分。
遠くに地中海を望む白い町フリヒリアナ
次にご紹介するのは典型的な白い町フリヒリアナ。玄関口となる海辺のネルハの町からバスに乗り、山を登って行ったところに位置します。
白い町としてはマラガ県のミハスも有名ですが、フリヒリアナはミハスほど観光化されていないところが気に入っています。
<遠くに地中海を望むEl Mirador Frigilianaのテラス席>
レストラン・エル・ミラドール・フリヒリアナ/Restaurante El Mirador Frigiliana
- 住所:Calle Santo Cristo, 29 Frigiliana (Málaga)
- 電話:+34 95‐253‐3291
- 営業時間:12:00~18:00
- 定休日:無し
特に観光スポットはないので、することは細い小道が入り組んだ坂の多い町を歩くくらい。でも、次はどんな光景が見られるんだろうとわくわくするのです。
フォトジェニックな町なので、写真を撮るのが好きな人には特におすすめです。道に面したキッチンから包丁のトントン音が聞こえたりと生活感が漂うのも、ここの魅力。
猫好きな私には、散策途中によく猫を見かけることをたまりません。町の上の方には遠くに地中海を望むテラス席を持つ飲食店も何軒かあるので、そこでのんびり過ごすときっと心が充電されることでしょう。
【アクセス】
グラナダ-ネルハ:バスで2~3時間、マラガ―ネルハ:バスで1~1時間半。ネルハからフリヒリアナはバスで約15分、もしくはタクシーを利用。
シェリー酒の産地でシーフードがおいしいサンルーカル・デ・バラメダ
サンルーカル・デ・バラメダは、グアダルキビール川が大西洋に注ぐ河口にある町。その昔、新大陸からの財宝を載せた船はこの川を遡ってセビーリャに向かったそうです。河口からは大西洋に沈む美しい夕日を眺めることができます。川の対岸にはヨーロッパ有数の自然地区ドニャーナ国立公園があるので、見学ツアーが出ています。
この町はマンサニージャ(シェリー酒の一種)産地。町の中にはバルバディージョやラ・ヒターナなどいくつかのワイナリーがあり、見学することもできます。
川に面した遊歩道バホ・デル・ギアには地元の魚介類を食べさせるレストランが並び、町の中にはタパスを出すバルも多々あるので、お酒とおいしいものが好きな方にはもってこい。
<スペイン版小海老のかき揚げ、トルティジータ・デ・カマロネスとマンサニージャ>
町の中心カビルド広場にあるカサ・バルビノという人気バルは 私も大のお気に入りです。地元の魚介を使ったタパスの種類が豊富なので、滞在中に繰り返し通ってしまいます。
名物のスペイン版小海老のかき揚げや塩ゆでした海老には、やはり地元のお酒マンサニージャがよく合います。どうぞお試しください。
カサ・バルビノ/Casa Balbino
- 住所:Plaza del Cabildo 14, Sanlúcar de Barrameda (Cádiz)
- 電話:+34 95‐636‐0513
- 営業時間:年中無休 12:00~17:00、19:00~24:00
- 公式サイト:カサ・バルビノ
【アクセス】
セビーリャ-サンルーカル・デ・バラメダ:バスで2時間、へレス・デ・ラ・フロンテーラ-サンルーカル・デ・バラメダ:バスで40分
崖の上にある白い町アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
岩山の上に白い家並みが広がるアルコス・デ・ラ・フロンテーラも人気の白い町のひとつです。町に着いたらまず訪れたいのが、延々と平原が続く絶景を眺めることができる崖の上にあるカビルド広場。すぐ横には昔の司教館を改装したパラドール(国営ホテル)があるのですが、断崖上のバルのテラス席は素晴らしい眺めで、お茶休憩だけでも利用の価値があります。
<パラドールのテラスから見下ろす絶景>
パラドール/Parador de Arcos de la Frontera
- 住所:Plaza del Cabildo, Arcos de la Frontera (Cádiz)
- 電話:+34 95‐670‐0500
- 公式サイト:パラドール
町の楽しみ方は、フリヒリアナ同様、白い家に挟まれた入り組んだ細道を歩いて回ること。白く異国情緒にあふれる町並みそのものが、アルコス・デ・ラ・フロンテ―ラの見どころになのです。あてもなく気の向くままに散策すると、まるで映画のワンシーンに入り込んだような気分が味わえます。
【アクセス】
セビーリャからバスで1時間45分、またはヘレス・デ・ラ・フロンテーラからバスで35分。
高品質オリーブオイルの産地プリエゴ・デ・コルドバ
ここまでに書いた4つの町は日本のガイドブックに出ていることもありますが、最後にご紹介するプリエゴ・デ・コルドバはまだまだ知られていない町です。
旧市街のビジャ地区には白壁の家の間を細い道が通り、散策すると花咲く鉢を飾る家や小さな広場などを目にします。この地区を抜けると断崖にあるアダルベのバルコニーと呼ばれる遊歩道に突き当たります。
ここからはオリーブの木が点在する景色を楽しむことができます。また、時間があれば町を一望できるお城(古い要塞)に登ることもおすすめです。
ビジャ地区/Barrio de la Villa
町に戻り、昔のお金持ちのお屋敷も残るリオ通りを進むと、王の泉と呼ばれる池のある公園に着きます。スブベティカ山地に位置するため、水が豊富な町なのだそうです。
小さな町にも関わらず見ごたえのある教会が何軒もあり、春に行われるカトリックの祭典"聖週間(セマナサンタ)"でキリスト像やマリア像を担ぎ出す宗教行列も有名です。
この周辺は世界有数の高品質オリーブオイルの生産地なので、お土産にはぜひ地元のオリーブオイルを買いたいですね。
【アクセス】
グラナダからバスで1時間45分、コルドバからバスで2時間
いかがでしたでしょうか? 行ってみたいなと思ったところはありますか? どこも、のんびり過ごすための町です。ぜひ足を運んでみてください。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。