週末プチ旅行。自然が少なく、ストレスが生じやすい大都会では、週末にちょっとした息抜きができれば最高です。私が住むここサンパウロでも同様で、週末に往復3時間以内で行ける近郊の町へのプチ旅行が人気。

旅の目的は、何もしないこと。あくせくしないこと。心を静めること。旅行仲間とのんびり会話を楽しむことなど。なので、観光名所が目的ではありません。

今回は、サンパウロの人たちの間で人気の「何もしない」旅行先を取り上げたいと思います。

目次

• ブラジル人は「何もしない」旅行でどんなことをするか
• おすすめプチ旅行先その1「サン・ホッキ」
• おすすめプチ旅行先その2「コチア」
• おすすめプチ旅行先その3「エンブ―・ダス・アルチス」
• まとめ

ブラジル人は「何もしない」旅行でどんなことをするか

ブラジル人の余暇の一般的な過ごし方は、家族や友人と食卓を囲んでの会話を楽しむこと。日帰り、あるいは1泊プチ旅行でも、これがベースになります。サンパウロ近郊の町は、国内外から観光客が詰めかけるような大きな観光スポットはありません。

でも、旅先で旅行らしいことをあまりせず、のんびりすることを目的としている場合は、心が安らぐ自然の美しい風景と美味しい食事とちょっとした観光スポットがあるだけで十分。少し観光して、その後はのんびり食事をしながら会話を楽しみます。

1泊するのであれば、プールのあるホテルに泊まり、日光浴やプールで楽しむ、というのもあり。大都会とは異なり、緑の多い環境でワインやビールを飲みながらリラックス。わずかとは言え、贅沢な時間が過ごせたおかげで、帰路に就くころにはリフレッシュでき、ストレスの多い生活に再び立ち向かうだけの元気も回復していたりするのです。

私もサンパウロに住んでもう5年になりますが、日常に自然が不足していることをつくづく感じます。その上、いつも何か考えごとをしていて、一息つくことができないのが現状。自ら率先して「何もしない」時間をつくらないと、自分がどれだけ無理しているのかも分からなくなっています。そんなわけで、私が楽しめた市内から車で片道2時間以内の町をご紹介したいと思います。

おすすめプチ旅行先その1「サン・ホッキ」

サンパウロ市から約60km離れた町、サン・ホッキはワイナリーがたくさんあり、そこでワインの試飲や購入、レストランでの食事が楽しめます。レストランで広大な景色を眺めながら食事をし、ワインを飲んだ後は、敷地内を散歩したりしてゆっくりとした時間が過ごせます。

私が訪問したのは、キンタ・ド・オリヴァルド（QUINTA DO OLIVARDO）というワイナリー。「死者のワイン」というポルトガルはトランスモンタノ地方のワイン（地中に埋めて発酵・貯蔵する）と同じ手法でワインを作っていることで有名です。

レストランではポルトガル料理やお菓子が振舞われ、ワインとの相性もバッチリ。昼間から優雅にワインを飲んで何もしない贅沢な時間を過ごしているとポルトガルのどこかでバカンスを過ごしているような！そんな錯覚にも陥ります。最高！

それ以外のアトラクションが何かあるかと言えば、特に何もありません。普段の生活であれば、1～2時間で終わってしまうようなことを倍の時間かけてゆっくり過ごすのが良い。テラスで美しい景色を見ながら時間を気にせず食事をするなんて究極の贅沢です。

サンパウロ産のワイン（ブドウはブラジル南部のもの）は、普段飲むことはないのですが、フルーティーでまろやか。とても飲みやすいワインでした。しかも安い！ただ、家に持って帰って飲んでみるとその印象は半滅し、普通だったのは、やはり現地の素晴らしい環境効果も加わっていたのかもしれません・・・だからこそ、現地まで赴き、現地で飲まなければならないワインなのです！

基本情報：キンタ・ド・オリヴァルド（Quinta do Olivardo）

• 住所：Estrada do Vinho Km 4 - São Roque
• 営業時間：月～木 11:00～17:30、金・土 11:00～20:00、日 11:00～17:00
• 公式サイト：キンタ・ド・オリヴァルド

おすすめプチ旅行先その2「コチア」

コチアは、サンパウロ市から約34kmの距離で、車で約1時間で行けます。ここには仏光山如来寺(Zu Lai)という中国系の大きな寺院があり、ブラジルでは仏教寺院は珍しいだけではなく、建物も美しいことから観光地として人気があります。

風鈴の涼やかな音で心が休まるこの空間に何時間も身を置くことができる、そんな場所です。また寺院の横に広大な庭があるので、のんびり散歩することで心身ともにデトックスすることができます。

このお寺はコチア市の中心から離れているので、昼食をとる場所が周囲にあまりないのが残念ですが、心の安定が取り戻せる不思議な場所。交通の便はイマイチな場所にあっても、「何もしない」旅行には欠かせない名所です。

基本情報：佛光山如来寺（Templo Zu Lai）

• 住所：Estr. Fernando Nobre, 1461 - Parque Rincao, Cotia - SP
• 参拝時間：火～金 12:00～17:00、土・日・祭日9:30～17:00
• 閉門日：月
• 公式サイト：佛光山如来寺　

おすすめプチ旅行先その3「エンブー・ダス・アルチス」

この町もサンパウロ市内から約31kmの距離で、車で1時間以内で行ける所です。以前、この町については別稿で取り上げたことがありますが、週末に立つ手作り市が有名です。

【ブラジル】サンパウロの郊外エンブー・ダス・アルチスで週末のんびりショッピング

手作り品や民芸品を見たり、買ったりしながら散歩ができ、休憩できるカフェやレストランもたくさんあるので、週末まったりした時間が過ごせること間違いなし。

賑やかなサンパウロ市からこんな近くにカントリーで穏やかな時間が流れる観光地があるなんて、本当に意外です。ホッと息がつける憩いの場所です。

基本情報：エンブ―市（Feira de Embu）

• 住所：Largo dos Jesuítas, 101 - Centro, Embu das Artes - SP
• 営業時間：土・日　10:00～17:30

まとめ

以上、サンパウロ市から車で往復3時間以内で行ける「何もしない」ことを目的とする贅沢な旅行先を紹介しました。もちろん市内からもバスが出ています。サンパウロへ来られた時は、ぜひ足を延ばしてみてください。

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