【イギリス】7年ぶりの英国旅~南イングランドを車で巡る

久しぶりに英国を旅しました。

英国はスイスから飛行機で2時間弱の距離ですが、我が夫は極度の"飛行機恐怖症"。そこでスイスからフランスを車で北上し、ドーバー海峡を渡って英国上陸、そこから南イングランドの町を気ままに巡りました。

目次

多少の忍耐必要?車ごとドーバー海峡を渡る

スイスの我が家からユーロトンネルまでは800kmほど。そのためフランスで途中一泊し、翌日の昼過ぎにフランスのカレーに到着しました。ここからユーロトンネルを通るシャトルに乗って、車ごと英国へ渡ります。

今回で3度目のユーロトンネル体験ですが、英国がEU離脱してからは初めての渡英なので心配でした。なぜなら、英国のEU離脱後、フランスと英国双方で出入国審査に時間がかかり、自分たちが予約したシャトルに乗れなくなるのでは、と危惧したからです。

そしてその不安は的中。シャトル出発時間の1時間以上前に列に並びましたが、すでに車やバイク、キャンピングカーの長い列ができており、往復共に予約時間のシャトルには乗れず。。。後のシャトルに乗らねばなりませんでした。

プラットホームを車で降りて行き、シャトルに乗り込みます
<プラットホームを車で降りて行き、シャトルに乗り込みます>

さて、やっと自分たちの車がシャトルに乗る番に。スタッフの誘導で内部に入ると、英語とフランス語で注意事項の自動アナウンスが流れ始めました。

やがてシャトルは出発。小さな窓から外の景色が見えていましたが、そのうちトンネルに入ったのか真っ暗で何も見えなくなりました。

35分後、英国南部の町フォークストーンに到着。南イングランド旅行の始まりです。

シャトル内部
<シャトル内部>

英国最古のカンタベリー大聖堂に宿泊

カンタベリー大聖堂(とホテル)の立派なゲート
<カンタベリー大聖堂(とホテル)の立派なゲート>

40分ほど車を走らせてカンタベリーに到着。

中世都市カンタベリーと聞いて、まず私の頭に浮かぶのがジェフリー・チョーサーの著作「カンタベリー物語」。チョーサーは1343年頃に生まれたロンドンの詩人です。

この話に出て来る登場人物は、カンタベリー大聖堂まで巡礼に行く30人ほどの巡礼者たち(チョーサー本人も含む)。巡礼の道中最も面白い話をした者は、皆から食事をおごってもらうと決め、1人ひとり話をしていくストーリーなのですが、話は24編で終わっています。これは執筆半ばでチョーサーが他界したため。

そんなカンタベリーのシンボル、カンタベリー大聖堂は英国で一番最初に建てられた教会ですが、1173年に火事で焼失し、1184年に再建されました。

ホテルは寮とか寄宿舎っぽい雰囲気
<ホテルは寮とか寄宿舎っぽい雰囲気>

そして私たちが宿泊するのは何と大聖堂の敷地内!そのため大聖堂の立派なゲートは同時にホテルの入り口になっていました。

夕方に大聖堂が閉まると、表のゲートもその大きな扉を閉ざしてしまいますが、ホテル宿泊者は大聖堂の敷地内にいるため、いつでも大聖堂の周辺を散策でき、また大聖堂内にも無料入場できるのが嬉しかったです。

若干部屋は狭かったのですが、居心地は良かったです
<若干部屋は狭かったのですが、居心地は良かったです>

さっそく大聖堂を見て回りました。広い庭や敷地内の廃墟、お墓などゆっくり散策。丁寧に手入れされた緑の芝には、樹齢200年の木もあり歴史の古さを感じます。大聖堂の敷地内に宿泊するのは初めてだったので、ちょっとユニークな体験でした。

<夜のカンタベリー大聖堂は迫力満点>
<夜のカンタベリー大聖堂は迫力満点>

カンタベリー大聖堂ロッジ(Canterbury Cathedral Lodge)

駆け足でウィンザーとオックスフォードをまわる

ウィンザー城
<ウィンザー城>

翌朝カンタベリーに別れを告げ、目指すはオックスフォード。その前にウィンザーにも立ち寄ることにしました。

ウィンザー&イートンリバーサイド駅前の駐車場から坂道を上がって行くと、左手にウィンザー城が見えてきました。時間があればウィンザー城を見学したかったのですが、ウィンザーに着いたのが昼過ぎ。時間が足りないうえ、当日券が33ポンド(約6,600円)することに驚き、諦めました(苦笑)。

そこで今度はウィンザー・ロイヤル駅に行ってみることに。ウィンザー・ロイヤル駅は、グレート・ウェスタン鉄道がウィンザーに開通した1851年に建設されたビクトリア様式の鉄道駅で、1997年に金融サービス会社が個々の敷地を購入、駅舎を改築・拡張してショッピングセンターになったそう。

いろんな店やレストラン、カフェなどがあり、ここで可愛いカバンを購入しました♪

ウィンザー・ロイヤル駅ショッピングセンター
<ウィンザー・ロイヤル駅ショッピングセンター>

その後慌ただしくオックスフォード近郊のホテルへ。その翌日オックスフォードを訪れました。

1日あれば主な観光スポットは全部まわれる、と考えていましたが甘かった。あれも見たい、ここも行きたい!と欲張りになっていき、結局消化不良な観光となりましたが、それでも1日楽しく過ごせました。

有効的に町を周ろうと、主な観光スポットを巡る「ホップオン・ホップオフ・バス」を利用しました。歩かずオックスフォードの観光スポットが見られ、良かったです。興味のある観光スポットがあれば、途中で容易に乗り降りもできますしね。

>>ホップオン・ホップオフ・バスツアー(Hop-on Hop-off Bus Tours)サイトはこちら<

<観光バスでのんびりオックスフォード観光>
<観光バスでのんびりオックスフォード観光>

本場英国コッツウォルズでアフタヌーンティー体験

コッツウォルズ、バーフォードにあるハフキンスの店
<コッツウォルズ、バーフォードにあるハフキンスの店>

オックスフォード近郊の宿を発ち、次の目的地へ向かいます。しかしその前に寄りたい所がありました。それはコッツウォルズのバーフォード。

コッツウォルズ地方には、ここバーフォードの他、バイブリーやストウ・オン・ザ・ウォルド、ボートン・オン・ザ・ウォーターなど多くの可愛い村が点在します。

しかし、コッツウォルズ地方は広いので、可愛い村を全部制覇するには時間が足りない...ということで今回はバーフォードのみ立ち寄ることにしたのでした。

バーフォードは30分ぐらいでざっと見て回れてしまう小さな村ですが、ここに来たかった理由は、滞在ホテルから近かったこと、そして次の目的地の途中にあったこともありますが、最たる目的は「ハフキンス」というコッツウォルズ発の老舗ベーカリー&ティールームでアフタヌーンティーを楽しむため。

「ハフキンス」は1890年に創業、現在はコッツウォルズとロンドンに9店(2024年7月現在)を展開し、ここバーフォード店は1号店なのだとか。

レモンケーキ、フルーツスコーンとジャム&クロテッドクリーム
<レモンケーキ、フルーツスコーンとジャム&クロテッドクリーム、そして具だくさんで大きなサンドイッチが4つ。アールグレイティーと共に楽しみました>

ランチにはまだ少し早い時間だったので、店内は比較的空いていました。こじんまりとしていてブティックのような雰囲気。

最初に席を取り、席番号をレジで言うとそこでオーダーを取ってくれます。夫はクリームティー(ジャムとクロテッドクリーム付のスコーン&ティー)を、私はクラシック・アフタヌーンティーを選びました。

しばらくして、アフタヌーンティーが運ばれてきました!ケーキとお茶の種類が選べ、スコーンもフルーツ入りかプレーンか、さらにサンドイッチも具材を選べましたが、どれも美味しそうで迷いまくりました。値段は1人前で22ポンド弱だったと思います。どれも美味しくいただいたのですが、ハフキンスの一番の自慢はスコーン。さくさくで口当たりが軽く、何個でも食べられそう。

とはいえ、私1人では量が多かったため、夫に半分手伝ってもらい完食しました。

ハフキンス(Huffkins)

  • 住所:98 High St, Burford OX18 4QF イギリス
  • 電話:+441993824694
  • 営業時間:月~金 9:00~16:00 土 09:00~16:30 日 10:00~16:00
  • 公式サイト:Huffkins Burford

世界遺産の町バースとローマ浴場

バースの町並み
<バースの町並み>

旅の最後の目的地はバースです。バースといえば町全体がユネスコ世界遺産で、1世紀にローマ人が浴場を建設した町として有名ですが、温泉繋がりで大分県別府市と姉妹都市でもあるそうです。

バースの町に来たら、当然ローマ浴場を見なければ!ということでミュージアムへ。

実は30年ほど前にバースとローマ浴場博物館を訪れたことがあるのですが、ハイライトの大浴場は記憶にあるものの、後の展示はほとんど覚えておらず。きっと当時はここまで洗練された展示ではなかったのでしょう。

グリーンの水をたたえる大浴場が特に印象深いですが、水が緑色なのは藻が繁殖しているから。昔は屋根があったそうですが、現在はそれがなく、そのため太陽光が直接浴場に差し込むからだとか。

ところでこのローマ浴場は1948年~1976年まで治療の一環として利用されたり、年に一度に開催されるバース祭りの時、大浴場で水浴ができたりしたのだそうです。しかし1978年、女の子がこの大浴場で泳いだ後、天然バクテリアに感染による髄膜炎関連の病気で亡くなったことから、浴場の水が汚染されていることが判明。それ以降水浴不可となりました。

<緑色の水をたたえる大浴場>
<緑色の水をたたえる大浴場>

さてこのローマ浴場のハイライトはまだあります。それは出口近くでバースの温泉水(スパウォーター)を味見できるコーナーがあること。2012年に温泉水飲み場が館内にでき、入場者は無料で飲めるようになりました。

温泉水には多くの種類のミネラルが含まれていて、健康に良いと聞きますが、私は勇気がなく飲めませんでした。温泉水のあの独特な味がちょっと――(汗)。 

ローマ浴場(The Roman Baths)

    • 住所:The Roman Baths, Abbey Church Yard, Bath BA1 1LZ, UK
    • 電話:+44 (0)1225 477785
    • 開館日時:季節や日により異なります。ウェブサイトをご参照ください。
    • 入館料:季節や日により異なります。ウェブサイトをご参照ください。
    • 公式サイト:The Roman Baths

<バースの温泉水は自由に試飲可>
<バースの温泉水は自由に試飲可>

まとめ

今回大きなトラブルもなく、天気にも恵まれた旅でした。

ただ苦労したのは「お金」。しばらく英国を訪れていない間に新札になっており、手持ちの旧札と古い1ポンド硬貨が使えず。郵便局で新札に替えてもらいましたが、1ポンド硬貨はイングランド銀行でのみ交換可能とのこと。結局20枚ほどの1ポンド硬貨は、旅行中に全額募金箱へ寄付してきました。

ちなみに旧札を郵便局で替えてもらう時、パスポートが必要で1人当たり300ポンドまで交換可能でした。

こうして現行のお札に替えてもらえたものの、思いのほか"現金不可"の店が多く、現金を使う機会はほぼありませんでした、とほほ。

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小島瑞生

1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。

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