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フランスの有名な美術館10選! オルセーやルーブルなど
芸術と文化の国、フランス。世界的に有名な「ルーブル美術館」をはじめ、「オルセー美術館」や「オランジュリー美術館」など、フランス国内には巨匠の傑作が集まる美術館がたくさんあります。フランス旅行の定番とも言える美術館巡りは、ヨーロッパのアートの旅を楽しむ絶好の機会。
今回は、フランスの有名な美術館を10ヶ所厳選してご紹介します。
目次
<3. 近現代美術なら「国立近代美術館(ポンピドゥー・センター内)」>
<10. 没入型のアート体験!「アトリエ・デ・リュミエール」>
1. 入場者数世界一の「ルーブル美術館」
<出典元:写真AC>
ルーブル美術館は、パリの中心部に位置する世界最大級の美術館で、フランス旅行では欠かせない観光スポットです。年間800万人以上もの人々が訪れ、フランスで最も来場者数の多い美術館となっています。
ルーブル美術館の魅力や見どころ
ルーブル美術館の魅力は、なんといってもその圧倒的なコレクション数。収蔵品は38万点以上で、そのうち約3万5,000点が常設展示されているそうです。作品は古代オリエントや古代エジプト、中世ヨーロッパから19世紀フランスまで多岐にわたり、どれも教科書で見たことがあるような巨匠の傑作ばかりです。
有名な『モナ・リザ』や『ミロのヴィーナス』をはじめ、彫刻、絵画、工芸など幅広いジャンルの作品が揃っています。展示面積は約7万3,000平方メートルに及び、すべての作品を見るには1週間ほどかかると言われています。そのため、事前に見たい作品やスケジュールを決めておくと効率的です。
ルーブル美術館に所蔵されている有名な作品
ルーブル美術館の代表的な作品には、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』や作者不詳の『ミロのヴィーナス』、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』などがあります。とくに『モナ・リザ』は人気が高く、周辺は混雑することが多いため、あらかじめ展示場所を確認しておくとスムーズに鑑賞できますよ。
2. 元駅舎だった「オルセー美術館」
<出典元:写真AC>
オルセー美術館は、ルーブル美術館と並んで年間300万人以上が訪れる人気の美術館です。主に19世紀の作品を展示しており、とくに印象派の作品が多く収蔵されています。
1900年開催のパリ万国博覧会のために建設されたオルセー駅を改装し、1986年に美術館として開館しました。その後、大規模な改修工事を経て現在の姿になっています。
オルセー美術館の魅力や見どころ
オルセー美術館の魅力のひとつは、かつて駅として利用されていた面影を残す建物の美しさです。荘厳なアーチ状の構造がそのまま残っており、気品漂う空間を楽しむことができます。
見どころのひとつは、ガラス窓に掲げてある金色の大時計。駅舎当時のもので、その精巧な美しさも必見です。
また、館内にはレストランが併設されており、豪華な天井画やシャンデリアなど、まるで宮殿のような内装の中で食事を楽しむことができます。美術鑑賞の後に、レストランで優雅なひと時を過ごすのもおすすめですよ。
オルセー美術館に所蔵されている有名な作品
オルセー美術館には、ルノワール、モネ、ドガ、ゴッホなど印象派の巨匠たちの作品が数多く展示されています。
とくに有名なのは、ルノワールの『田舎で踊る』やゴッホの『自画像』、ミレーの『落穂拾い』など。絵画のほかにも、装飾芸術や建築など、約4,000点の作品を鑑賞することができます。かつてプラットフォームだった地上階には、カルポーの彫刻『地球を支える四つの世界』が展示されています。
3. 近現代美術なら「国立近代美術館(ポンピドゥー・センター内)」
<出典元:写真AC>
ポンピドゥー・センターは、1969年にジョルジュ・ポンピドゥー大統領が構想を発表し、1977年に完成した総合文化施設です。
国立近代美術館は、このセンターの4階と5階に位置し、6階では企画展が開催されています。近現代美術のコレクション数はヨーロッパ最大規模。デザイン、音楽、映画、図書館など、多岐にわたる近現代芸術の作品を取り扱っています。
国立近代美術館の魅力や見どころ
国立近代美術館の魅力は、教科書で見たことがあるような巨匠の傑作から現在活躍しているアーティストまで、近現代の美術史の流れを追えるところ。年々コレクションが増え続けており、その数は6万点を超えています。
館内の空間を最大限に活用するため、配管やエレベーターを色分けして、外部に配置するユニークな設計も見どころのひとつです。
国立近代美術館に所蔵されている有名な作品
国立近代美術館に所蔵されている有名な作品には、ピカソの『女性の頭部』や『若い女性の肖像』、マルセル・デュシャンの『泉』などがあります。
現代芸術の代表作としては、アンディ・ウォーホルの『10人のリズ』なども見逃せません。さらに、マティス、マグリット、ダリといった巨匠たちの作品も数多く展示されています。
4. 幅広いコレクションの「リヨン美術館」
<出典元:写真AC>
リヨン美術館は、リヨン中心街にある17世紀に建設されたサンピエール修道院内に位置しています。ここでは、古代エジプトから近現代美術まで、幅広い時代のコレクションを楽しむことができます。
館内には70もの展示室があり、古代ギリシャやローマ時代の美術品、ルネッサンスから近現代に至るまで、作品は多岐にわたります。ヨーロッパでも最大規模の美術館のひとつです。
リヨン美術館の魅力や見どころ
リヨン美術館の魅力は、その幅広いコレクションだけではありません。元々、修道院として使われていた建物からはヨーロッパらしい荘厳さが感じられ、その美しさも楽しめます。
中庭にはロダンの彫刻が置かれており、ゆっくりとした時間を過ごせるスポットとして人気です。また、壁一面にラウル・デュフィの作品が飾られたカフェも必見ですよ。
リヨン美術館に所蔵されている有名な作品
所蔵されている有名な作品には、ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌが手がけた迫力満点の壁画『芸術とミューズにとって愛しい聖なる森』や、ペルジーノの『キリストの昇天』などがあります。
そのほかにも、ドガやゴーギャン、モネといった巨匠たちの作品も収蔵されており、リヨン観光では外せない美術館です。
5. モネの『睡蓮』が見られる「オランジュリー美術館」
<出典元:写真AC>
オランジュリー美術館は、ルーブル美術館やオルセー美術館の近くに位置する、アート散策にぴったりな美術館です。建物は、19世紀半ばに建てられたチュイルリー宮殿のオレンジ温室(オランジュリー)を利用しています。
オランジュリー美術館の魅力や見どころ
オランジュリー美術館の最大の見どころは、クロード・モネの『睡蓮』です。
高さ2メートルにも及ぶ8点からなる連作は、2つの大広間の壁全体に展示されています。1つの部屋に4枚ずつ、壁面をぐるりと取り囲むように展示されているため、まるでモネの庭に入り込んだかのような感覚を味わえます。
展示室は天井から自然光が降り注ぐ構造になっているため、時間帯によって変わる睡蓮の姿も見どころのひとつ。また、148点ものヴァルテール=ギヨーム・コレクションも圧巻です。
オランジュリー美術館に所蔵されている有名な作品
オランジュリー美術館には、クロード・モネの『睡蓮』をはじめ、ルノワールの『ピアノに向かう少女たち』やモディリアーニの『ポール・ギヨームの肖像』、セザンヌの『林檎とビスケット』などが展示されています。
そのほかにも、ピカソやルソーの作品もあり、19世紀から20世紀初頭にかけての印象派からエコール・ド・パリに至る近代絵画の流れを楽しむことができます。
6. 考える人で有名な「ロダン美術館」
<出典元:写真AC>
ロダン美術館は、「近代彫刻の父」として知られるオーギュスト・ロダンの作品や彼が収集した絵画や彫刻を展示する美術館です。
美術館の建物は、晩年にロダンが住居兼アトリエとして使っていた「ビロン館」を利用しています。彼が生前、自分の作品と財産を国に寄贈する代わりに、国がロダン美術館を設立することを約束したことが誕生のきっかけになりました。
ロダン美術館の魅力や見どころ
ロダン美術館の魅力は、彼の彫刻作品だけではなく、デッサンや手紙、ロダンが収集した絵画や彫刻など、多岐にわたる展示物にあります。
建物自体も見どころのひとつで、お城のような外観は、美術館というよりもまるで邸宅のよう。展示スペースは比較的コンパクトにまとまっているため、約1時間半で全体を見て回ることができます。
美しい庭園を散策しながら、点在する彫刻を楽しむのもおすすめです。
ロダン美術館に所蔵されている有名な作品
ロダン美術館には、有名なロダンの『考える人』や『地獄の門』、『カレー市民像』などが展示されています。さらに、ロダンが収集した美術作品も多く、とくにゴッホの『タンギー爺さん』は見逃せません。16の部屋に作品が展示されており、なかには弟子のカミーユ・クローデルの作品も多数展示されています。
7. 多作なピカソの作品群「ピカソ美術館」
ピカソ美術館は、パリの閑静な歴史的地区マレに位置し、「サレ館(塩の館)」と呼ばれる17世紀の館を改装して作られました。
国内に複数あるピカソ美術館の中でも最大規模を誇り、ピカソの死後、相続税代わりに納められた作品がコレクションの中心となっています。フランス国内にはほかにも、フランス南部の都市ヴァロリスやアンティーブにピカソ美術館があります。
ピカソ美術館の魅力や見どころ
ピカソ美術館(サレ館)の見どころは、その圧倒的なコレクション数です。ピカソの初期から晩年までの作品に加え、彼の自筆原稿や彼自身が集めた絵画も数多く所蔵されています。
彼が愛した女性たちや家族を描いた作品も多く、彼の人生を深く知ることができるのが大きな魅力です。
ピカソ美術館に所蔵されている有名な作品
ピカソ美術館のコレクションは約5000点にも及び、世界中にあるピカソ美術館の中でも群を抜きます。20代のピカソが残した『自画像』や、14歳のときに描いた『裸足の少女』などの名作をはじめ、彫刻や版画など、多彩なコレクションを鑑賞できます。
また、ピカソの自筆原稿や、彼自身が集めたセザンヌやマティスの絵画も見どころです。
8. 豪華絢爛な「ヴェルサイユ宮殿美術館」
<出典元:写真AC>
ヴェルサイユ宮殿は、17世紀にルイ14世が拠点とし、フランスの政治の中心として使用されたヨーロッパ最大級の宮殿です。その建築には50年もの年月が費やされ、ル・ヴォー、マンサール、ル・ブランといった一流の建築家や画家たちが手がけました。
ルイ16世の統治時代にフランス革命が勃発し、宮殿は一時荒廃しましたが、その後修復され現在は美術館として公開されています。
ヴェルサイユ宮殿美術館の魅力や見どころ
ヴェルサイユ宮殿美術館は、宮殿全体が大きな見どころ。ルイ14世やマリー・アントワネットの肖像画をはじめ、数多くの絵画や彫刻などの作品が展示されています。
なかには、ルイ14世が自ら選んだ絵画も含まれています。広大な敷地内には、宮殿のほかにも庭園やマリー・アントワネットの離宮など、多くの見どころがあります。庭園には彫刻や泉が点在しており、じっくり鑑賞すると1日では回り切れないほど。庭園内を効率的に移動するために、自転車や電動カートなどの乗り物を借りるとスムーズですよ。
ヴェルサイユ宮殿美術館に所蔵されている有名な作品
ヴェルサイユ宮殿は、面積6万3000平方メートル、部屋数2,300と見どころ満載。とくに有名な作品は、バロック的な装飾が施されたヴィーナスの間や、ダヴィッド作の『ナポレオン1世の戴冠式』が展示されている戴冠の間です。
絵画コレクションには、ル・ブランの『マリー・アントワネットと子どもたち』や、イアサント・リゴーの『ルイ14世肖像画』および『ナポレオンの肖像画』などが含まれています。
9. モダンアートなら「パリ市立近代美術館」
パリ市立近代美術館は、20世紀から21世紀にかけての近現代美術作品を所蔵する美術館です。そのコレクションは約1万5,000点に及び、モダンアートを鑑賞するために訪れる観光客が絶えない人気の美術館です。
パリ市立近代美術館の魅力や見どころ
パリ市立近代美術館は、1937年のパリ万国博覧会の日本館として建てられたパレ・ド・トーキョーの東側に位置し、建物自体は1930年代のアールデコ建築を象徴する宮殿です。
展示作品だけではなく、建築様式にも注目するとさらに楽しめるでしょう。テラスのカフェでは、エッフェル塔やセーヌ川を眺めながらコーヒーを楽しむこともできます。観光の合間にリラックスするのにぴったりなスポットです。
パリ市立近代美術館に所蔵されている有名な作品
常設展で見逃せないのが、ラウル・デュフィの『電気の妖精』です。高さ10メートル、幅60メートルの巨大な壁画で、「電気」という新しいエネルギーを鮮やかな色彩で描いた迫力のある作品です。
そのほか、マティスの『ダンス』の連作をはじめ、キュビズムやシュールレアリズムなど、20世紀美術史の大作が数多く展示されています。
10. 没入型のアート体験!「アトリエ・デ・リュミエール」
アトリエ・デ・リュミエールは、2018年4月にオープンした最先端の没入型エンターテインメントスポットです。
19世紀の鋳物工場を改装して作られたパリ初のデジタル美術館で、音楽とプロジェクションマッピングによるアート作品を臨場感たっぷりに楽しむことができます。
アトリエ・デ・リュミエールの魅力や見どころ
アトリエ・デ・リュミエールの見どころは、プロジェクションマッピングによる圧巻の映像美です。総面積3,300平方メートル以上の広大な敷地に、140ものプロジェクターが配置され、今までにない特別な体験ができます。
展示内容は定期的に変わり、各展示は1年間続きます。各プログラムの上映時間は1時間で、基本的にはいつでも入場でき、好きなだけ滞在することが可能です。歩きながら鑑賞したり、座って空間を楽しんだりと、さまざまな視点から楽しめるのが大きな魅力です。
アトリエ・デ・リュミエールに所蔵されている有名な作品
過去には、クリムトやシャガールなどの巨匠をテーマにしたプログラムが人気を博し、多くの来場者が訪れました。本記事執筆現在は3つのプログラムが上映中で、2024年2月9日から2025年1月5日まで開催予定です。
- 「L'ÉGYPTE DES PHARAONS DE KHÉOPS À RAMSÈS II(エジプトのファラオ クフ王からラムセス2世まで)」
- 「FOREIGN NATURE CRÉATION CONTEMPORAINE(異国の自然 現代美術)」
- 「LES ORIENTALISTES INGRES, DELACROIX, GÉRÔME...(東洋学者 アングル、ドラクロワ、ジェローム...)」
今回は、フランスの有名な美術館を10ヶ所厳選してご紹介しました。それぞれの美術館には独自の魅力があり、どれも一度は訪れたい場所ばかりです。フランス旅行の際には、本記事で紹介した美術館巡りもぜひプランに加えてみてくださいね。
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