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新幹線で立ち乗りする方法やできる場所は? 指定席車両でも可能?
早くて快適な新幹線は、レジャーや出張の際の長距離移動の強い味方。ただ、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期を中心に満席になってしまうこともあります。
乗りたい新幹線が満席だった場合、立って乗ることは可能なのでしょうか。新幹線で立ち乗りする方法や立ち乗りができる場所、新幹線に立ち乗りする際の注意点などをわかりやすく解説します。
目次
1. そもそも新幹線の立ち乗りは可能?
長距離移動に使う新幹線は着席乗車が基本ですが、繁忙期の利用などを中心に席が確保できないこともあります。満席の場合、そもそも新幹線に立って乗ることは可能なのでしょうか。
結論からいえば、有効な乗車券と特急券を持っていれば、新幹線に立ち乗りすることは可能です。新幹線に立ち乗りをする際は、新幹線の種類や時期に応じて「自由席特急券」または「立席特急券」を購入しなければなりません。新幹線に立ち乗りをするための特急券の種類については、次で詳しく解説します。
2. 新幹線で立ち乗りとなるパターン
座って乗る場合と同様、立ち乗りであっても新幹線に乗る際は、乗車券と特急券の両方が必要です。新幹線に立ち乗りする場合、特急券は「自由席特急券」または「立席特急券」のいずれかを購入します。
自由席特急券を利用する
乗車券と「自由席特急券」を購入することで立ち乗りができます。自由席特急券の場合、乗る列車の指定はないため、駅に着いてから乗車券と特急券を購入し、最初に来た新幹線に飛び乗ることも可能です。
もちろん、自由席に空きがあれば座って乗ることもできます。ただし、東海道・山陽新幹線「のぞみ」は年末年始と4〜5月の大型連休、お盆期間中などのピーク期は全車指定席となるため、自由席特急券では立ち乗りしかできません。
立席特急券を利用する
東北・北海道・山形・秋田新幹線の「はやぶさ」「はやて」「つばさ」「こまち」と北陸新幹線の「かがやき」は、年間を通して全車指定席で自由席がありません。そのような新幹線には「自由席特急券」が存在しないため、指定席が満席の場合、「立席特急券」が発売されることがあります。
立席特急券は全車指定席の新幹線が満席になった場合のみ発売されるため、満席になっていない場合は指定席特急券を購入しなければなりません。また、立席特急券は乗車する列車が指定されるため、指定された列車以外の列車に乗ることはできません。
なお、東海道・山陽新幹線「のぞみ」については、全車指定席になる期間が限定されているため、立席特急券の発売はありません。ピーク期間中に「のぞみ」に立ち乗りをする場合は、前述の通り「自由席特急券」を購入することになります。
3. 新幹線で立ち乗りをするときの料金
大幅な違いが出るわけではありませんが、新幹線に立ち乗りする場合、指定席特急券を購入する場合に比べて若干料金が安くなります。
自由席特急券を購入する場合
自由席特急券を購入して新幹線に立ち乗りする場合、自由席特急券と指定席特急券の差額分が安くなります。
自由席と指定席の差額は原則として530円ですが、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」「みずほ」の指定席には「特定特急料金」が設定されているため、乗車区間により最大1,590円(東京~博多の場合)の差額が発生します。さらに、乗車する時期によって加算料金が異なり、閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しとなります。
例えば、「自由席特急券」を購入して東京から新大阪まで「のぞみ」に立ち乗りした場合、「指定席特急券」を購入した場合に比べて、通常期は850円、閑散期は650円、繁忙期は1,050円、最繁忙期は1,250円安くなります。
なお、立ち乗りだからといって特別に料金が安くなるわけではなく、立ち乗りであっても自由席に座って乗っている人と料金は同じです。
立席特急券を購入する場合
一部新幹線で設けられている「立席特急券」を購入して立ち乗りした場合、通常期に「指定席特急券」を購入して乗った場合に比べて、530円安くなります。
4. 新幹線で立ち乗りができる場所
「自由席特急券」または「立席特急券」で新幹線に立ち乗りする場合、どこに立つことになるのでしょうか。新幹線で立ち乗りができる場所は次の3つで、混雑状況に応じて立ち乗りできる範囲が変わってきます。
デッキ
<出典元:写真AC>
新幹線に立ち乗りする際は、原則としてデッキに立つことになります。「自由席特急券」を購入した場合は自由席車両のデッキに立ち、「立席特急券」を購入した場合は、切符で指定された車両のデッキで立つのが大前提です。
自由席車両の通路
<出典元:写真AC>
前述の通り、新幹線の立ち乗りはデッキ乗車が原則ですが、デッキが混雑しているなど、状況に応じて通路での立ち乗りが認められることがあります。その場合、「自由席特急券」を購入した場合は自由席車両の利用が原則なので、自由席特急券を持っている場合は自由席車両の通路に立ち乗りします。
ただし、自由席車両が極端に混雑している場合などは、乗客の安全を考慮し、乗務員の判断で指定席車両の通路やデッキでの立ち乗りが認められる場合があります。
指定席車両の通路
「立席特急券」を購入した場合も指定された車両のデッキでの立ち乗りが原則ですが、デッキが混雑しているなど、状況に応じて指定席車両の通路での立ち乗りが認められることがあります。
乗務員からの誘導がない限り、基本的に自由席特急券で指定席車両のデッキや通路に立ち乗りをするのはNGですが、混雑状況により、自由席特急券でも指定席車両の通路での立ち乗りが認められる可能性があります。
5. 新幹線で立ち乗りができない場所
新幹線で立ち乗りができる場所は混雑状況に応じて変わることがありますが、状況にかかわらず立ち乗りができない場所もあります。
グリーン車
<出典元:写真AC>
グリーン車は車両内にいるだけでグリーン料金が発生するため、立ち乗りの場合もグリーン券が必要です。指定席特急券・グリーン券なしで新幹線グリーン車のデッキや通路で立ち乗りをすることはできません。
グランクラス
<出典元:写真AC>
グリーン車同様、グランクラスも車両への立ち入りにグランクラス料金がかかるため、指定席特急券・グランクラス券なしで立ち乗りすることはできません。
6. 立ち乗りの方法
<出典元:写真AC>
新幹線に立ち乗りする場合、どのように過ごすことになるのでしょうか。
新幹線は着席利用を前提としていること、また比較的揺れが少ないこともあって吊り革がないため、デッキや通路にただ立つだけです。揺れたときやふらつくときには、デッキにある手すりや座席にある突起をつかむなどして、安全を確保しましょう。
いくら快適な新幹線といえども、それは座っていられるからこそ。新幹線は乗車時間が2時間を超えることも多いため、健康な若い人であって立って乗るのはとても大変です。乗車区間にもよりますが、新幹線の立ち乗りは体力的にハードだと覚悟しておく必要があります。
7. 新幹線で立ち乗りする場合の注意点
お盆や年末年始など立ち乗りが出やすい繁忙期を中心に、立ち乗り客のマナーが問題視されることもあります。新幹線で立ち乗りをする際には、次のことに注意しましょう。
他の乗客の通行を邪魔しない
繁忙期を中心に、座席を確保できなかった乗客が新幹線車両のデッキに座り込むなど、他の乗客の通行を妨げる立ち乗り客がしばしば問題になっています。原則として、立ち乗りは文字通り「立って乗る」行為なので、通路やデッキに座り込む、邪魔になる場所に荷物を置くなど、通行の妨げになるような行為は避けましょう。
折り畳み椅子などを使うのは基本NG
新幹線のデッキや通路はあくまでも人が通るための場所なので、折り畳み椅子などを使うのも避けたほうがいいでしょう。
無理をして立ち乗りを選ばない(かかる時間、体調などを考慮)
乗車区間にもよりますが、長距離移動に使われることの多い新幹線に立ち乗りするのは体力的にハードなものです。立ち乗りはあくまでも最終手段と考えて、乗車時間や自身、あるいは同行者の体調などを考慮して、無理をしないようにしてください。
繁忙期など混雑する時期に新幹線に乗ることがわかっている場合は、早めに指定席を予約するなどして、極力立ち乗りを避けることをおすすめします。
8. 新幹線の予約方法
<出典元:写真AC>
新幹線の料金は指定席でも立ち乗りでも大きくは変わりません。にもかかわらず快適さは段違いとなれば、「やっぱり立ち乗りはしたくない」という人も多いのではないでしょうか。自由席車両がある新幹線の場合、始発駅から乗るという方法もありますが、確実に座りたいなら、やはり指定席を予約しておくのが一番です。
新幹線の指定席特急券は「みどりの窓口」や駅の自動券売機、インターネットなどで購入することができ、原則として乗車を希望する日の1ヵ月前、午前10時から申込みが可能です。例えば、5月1日に乗車する場合は、4月1日の午前10時から購入できます。ただし、「えきねっと」や「スマートEX」「エクスプレス予約」では乗車日の1カ月1週間前から、予約の事前受付を申込むことができるほか「スマートEX」と「エクスプレス予約」なら、一部商品において1年前からの予約も可能です(座席数などに限りがあります)。
ゴールデンウィークやお盆、年末年始など人の移動が活発になる時期は、新幹線の指定席が早期に埋まってしまう傾向にあるため、予定が決まったら早めの購入をおすすめします。新幹線の予約について、詳しくは「新幹線のチケット予約はいつからどこでできる?」の記事をご参照ください。
新幹線は着席乗車が原則ですが、場合によっては立ち乗りという選択肢もあります。立ち乗りは、「どうしても次の新幹線に乗りたい」といった場合には便利なこともありますが、体力的にはハードなので、新幹線の利用はなるべく計画的にしたいものです。
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