【オーストリア】母の日にカーネーションはNG?ウィーンらしい母の日の過ごし方

<TOP画像:ドイツ語で「すばらしい私のママへ」のメッセージ>

皆さん、母の日の予定は決まりましたか?どんなふうにお母さんを喜ばせようかと、毎年頭を悩ませている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、私の住むウィーンの母の日トリビアをご紹介しつつ、オーストリアらしい母の日の過ごし方をご紹介します。いつもとちょっと違う視点で予定を立ててみるのも良いかもしれませんね。

海外生活をしていて、結構つまずくことも多い「母の日あるある」やおすすめの過ごし方についてお話ししたいと思います。

目次

母の日って世界共通?

母の日といえば海外から入ってきた習慣なので、日本と海外は同じでしょ?と思っている方も多いかもしれませんが、実際は国ごとの文化を反映していて、結構違います。

私が過去に住んだイギリスでは、母の日が5月ですらないですし、他にも日本と違う日の国はたくさんあります。海外在住だと在住国と日本の日付が違って、お花を贈るタイミングを間違ってしまうことも「母の日あるある」です。

オーストリアの母の日は、日本と同じ5月第2日曜日ですが、父の日は日本と違って6月第2土曜日で、お隣のドイツやスイスも違う日なので、毎年混乱してしまいます。

オーストリアでは、女性運動の創始者マリアンネ・ハイニッシュの息子ミヒャエル・ハイニッシュが大統領となり、その二期目の1924年に母の日が導入されたので、戦後に導入された日本より早くから定着していたようです。女性運動家の息子が大統領になるなんて、影響力の強い母親ですね。

母の日に贈る花は?

母の日に花を贈る習慣はオーストリアと日本で同じですが、贈る花の種類には大きな違いがあります。

母の日といえばカーネーション!と日本育ちの私は思っていたのですが、実はオーストリアでは、母の日の花束にはバラ、ユリ、チューリップ、ガーベラなどが選ばれますが、カーネーションは入らないことが一般的です。

母の日の花屋に並ぶ花束
<母の日の花屋に並ぶ花束。赤いカーネーションの姿は見られません>

赤いカーネーションを送る習慣は、アメリカの女性活動家アナ・ジャーヴィスの娘アンナが、母親の大好きだった白いカーネーションを500本飾った、1908年の記念式典が起源とされています。その後、生きている母には赤やピンクのカーネーションを贈る習慣が生まれ、後に、母親の生死に関わらず赤色に統一されたそうです。アメリカやカナダ、日本などでこの習慣は定着しています。

赤いカーネーションの花束
<赤いカーネーションの花束>

一方ヨーロッパでは、1898年にパリで開かれた国際社会主義会議で、赤いカーネーションが労働者運動や社会主義のシンボルの花がと定められていました。5月に咲くことから労働者運動の日メーデーの花とされ、オーストリアやイタリアでは、赤いカーネーションが社会党のシンボルとなりました。今でも選挙キャンペーンなどでは、社会党の政治家が赤いカーネーションを胸につける習慣として定着しています。

赤いカーネーションが母の日のシンボルになる前から、ヨーロッパでは社会主義運動のシンボルとして定着していたので、母の日にあえてこの花を選ぶと、何らかの政治的意思の表明と誤解されてしまうようです。

実際私も、一度「母の日に何が欲しい?」と聞かれたときに、「赤いカーネーション!」と答えたところ、「え?社会主義の象徴だけどいいの?」と言われ驚いたことがあります。国によって花の意味が異なるなんて、長く住んで細かい慣習を知らないと、気が付かないことですよね。

オーストリアで人気の母の日の過ごし方は?

日本の学校のように、幼稚園や学校で母の日のプレゼントを用意してくれることがあまりないオーストリア。気の利く先生だと、工作で作った花などを持ち帰ることもありますが、基本的に小さい子どものいる家族で、母の日に一番頑張るのは、お父さんです。

お母さんをゆっくり寝かせてあげて、お父さんと子供たちで朝食を用意して、テーブルを飾り付ける、というのが、母の日のファミリーの典型的な過ごし方になるのは、洋の東西を問わないのかもしれませんね。

大人が母の日のプレゼントを贈る場合、最も好まれるのはやはり、「花を買って母を訪れる」という行為そのものでしょう。オーストリアでは基本的に、日曜日は全てのお店が閉まるのですが、母の日の花屋だけは例外的に営業していて、花を買うことができます。

この季節は名物白アスパラのおいしい時期でもありますので、産地直売で購入して、家族みんなで楽しむ、なんていう過ごし方をしている家族も多いようです。

アスパラ農家の直売所
<アスパラ農家の直売所>

ドナウ川のクルーズ船や、ウィーンを一望のもとに臨めるカフェで母の日ブランチを楽しんだり、クラシック音楽のコンサートやバレエ公演を鑑賞したりするのも、いかにもウィーンらしい母の日の過ごし方です。

ウィーンを見下ろす絶景カフェにて
<ウィーンを見下ろす絶景カフェにて>

気候の良い時期ですので、家族でウィーンの森にハイキングに出かけたり、世界遺産ヴァッハウ渓谷でワインを楽しむ日帰り旅行に誘ったり、家族ぐるみで1日ゆっくり時間を過ごすのが好まれます。

ウィーンの森のハイキングコース
<ウィーンの森のハイキングコース>

母を労わりながら、家族でのんびりした時間を過ごすのが、オーストリア流の母の日。あえて予定を入れず、その日の気分と気候に合わせて、母の日の主役本人に、気の向くままにに決めてもらってもいいかもしれませんね。

まとめ

オーストリアでの母の日の過ごし方、いかがだったでしょうか?母に感謝し、家族ぐるみでゆったりと過ごす日という点では、日本もオーストリアも変わりませんが、好まれる花や食べたいグルメ、人気のお出かけ先などは、国によって好みや特徴が出ますね。皆さんも素敵な母の日をお過ごしくださいね!

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ひょろ

オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。

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