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シチリア料理はどんなもの? 現地食レポ付きで解説!
イタリアの左端にあり、地中海に浮かぶ島・シチリア。「イタリア料理」ならイメージがつきやすいものの、「シチリア料理」となると、どんな料理かわからない方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、シチリア料理の全体像に触れながら、有名なシチリア料理12選とスイーツ5選を、現地のお店での食レポ付きでご紹介します。シチリア旅行を予定、ご検討されている方もぜひご覧ください。
目次
- 3.1 アランチーニ(「KePalle - Arancine d'Autore」にて)
- 3.2 イワシのベッカフィーコ(「Fish m Chips」にて)
- 3.3 カポナータ(「Bar Di Maria Agata」にて)
- 3.4 オレンジのサラダ(「L'Antica Corte」にて)
- 3.5 アンティパスト ミスト(「L'Antica Corte」にて)
- 3.6 パスタ・アッラ・ノルマ(「Il Pipino Rosso」にて)
- 3.7 パスタ コン レ サルデ(「Vecchia Trattoria da Totò」にて)
- 3.8 フリットミスト ディ マーレ(「Trattoria Del Massimo」)
- 3.9 マグロのステーキ(「Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar」にて)
- 3.10 パニーノ コン カッツィッリ / パネッレ(「Antica Friggitoria Dal 1947」にて)
- 3.11 パニーノ コン ミルツァ(「Il Chioschetto - Pani cà meusa」にて)
- 3.12 スフィンチョーネ(「カーポ市場」にて)
- 4.1 カンノーロ(「Bar Marocco」にて)
- 4.2 カッサータ(「La Promenade dei Templi」にて)
- 4.3 グラニータ(「Cafe Ristoro Arcosoli」にて)
- 4.4 ブリオッシュ・コン・ジェラート(「Donnafrancalab - arancine gourmet e pasticceria」にて)
- 4.5 ブッチェッラート(「Bar Pasticceria Ruvolo Rosario」にて)
1. シチリアの食文化
シチリアの主食は「パン」や「パスタ」です。
朝食は、ベーカリーやカフェでパンを片手にエスプレッソなどを飲むのが一般的となっています。
パンの種類はさまざまです。シチリア独自のパンや、ナポリ発祥のパン、コルネッティ(イタリアのクロワッサン)など本土と共通のパンもあります。
お店では陳列の仕方が非常にうまく、思わず手を伸ばしたくなるほどです。
昼食や夕食には、パスタがよく食べられています。
新鮮な魚介を使ったものや、栗を使った「パスタ コン レ カスターニャ」のようなシチリア特有のパスタも見かけました。
昼食時からシチリアのワインを楽しまれている方もいます。
また、アランチーニ(ライスコロッケ)やカンノーロ(シチリア発祥のデザート)は時間帯を問わず食べられていました。
アランチーニは揚げ物ですが、ベーカリーにも必ずと言っていいほど並んでいます。
空港の免税店にまでカンノーロが販売されていたのは驚きでした。庶民の生活に根付いた料理なんだと実感した瞬間です。
2. シチリア料理はどんなもの?
シチリア料理はさまざまな国の影響を受け発展してきました。アラブやスペイン、ギリシャなどに支配された過去をもつからです。
たとえば、ピスタチオやサフラン、タロッコ(ブラッドオレンジ)はアラブの影響を色濃く感じる食材となっています。タロッコを使ったリキュールも有名です。
地理的に複数の国に囲まれているため、周辺諸国から影響を受けた料理が見られます。北アフリカにルーツをもつ「クスクス」がその一例。
また、新鮮な魚介類はシチリアを代表する食材と言ってよいでしょう。イワシ、マグロ、メカジキ、タコ、イカなどが主要な魚介類です。
シチリア最大の都市「パレルモ」で市場を歩いていると、新鮮な魚介が店頭に並んだお店を多く見かけます。早朝から買いに来る地元の人もおり、魚介が日常生活の一部だと感じました。
また、レストランのメニューにも魚介料理が数多く載っています。調理法も「生」「グリル」「揚げ」とさまざまで、前菜からパスタ、メインまで魚介が使われています。
メインがお肉の傾向にあるヨーロッパで、これだけ魚介料理が豊富なのも珍しいと感じました。
3. 有名なシチリア料理はこれ! 現地食レポ付き
有名なシチリア料理を12品ご紹介します。料理名の後ろの「」は、その料理を食べた現地のお店の名前です。
- アランチーニ(「KePalle - Arancine d'Autore」にて)
- イワシのベッカフィーコ(「Fish m Chips」にて)
- カポナータ(「Bar Di Maria Agata」にて)
- オレンジのサラダ(「L'Antica Corte」にて)
- アンティパスト ミスト(「L'Antica Corte」にて)
- パスタ・アッラ・ノルマ(「Il Pipino Rosso」にて)
- パスタ コン レ サルデ(「Vecchia Trattoria da Totò」にて)
- フリットミスト ディ マーレ(「Trattoria Del Massimo」)
- マグロのステーキ(「Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar」にて)
- パニーノ コン カッツィッリ / パネッレ(「Antica Friggitoria Dal 1947」にて)
- パニーノ コン ミルツァ(「Il Chioschetto - Pani cà meusa」にて)
- スフィンチョーネ(「カーポ市場」にて)
3.1 アランチーニ(「KePalle - Arancine d'Autore」にて)
アランチーニとはシチリアのライスコロッケです。
定番の具材はラグーソースとグリーンピース。シチリアでは1、2位を争うほど有名なストリートフードです。
食べ歩きできるゴルフボール型から、大きな洋ナシ型まで、さまざまな形や大きさがあります。まず驚くのはその大きさです。手に持ってみると、ずっしり重いんです。外の衣は厚めで、カリッと食感。
中には、ドライカレーのようなライスが、具材と一緒に詰まっています。重そうな見た目とは異なり、優しい味でした!
ヨーロッパは主食がパンなので、ご飯が恋しくなる人も多いはず。そんな日本人にもうれしい料理です。
アランチーニ専門店「KePalle - Arancine d'Autore」では、定番の具材からさまざまなアランチーニが店頭に並んでいます。
珍しいのが揚げたアランチーニです。外の衣がパイのようにサクッとしているのが印象的でした。
中にはとろ〜りとしたマッシュルームソースがたっぷり入っています。
最初は食べ切れるか心配だったアランチーニ。でも食べ出すと、いつの間にか完食してしまいました。
どこでも食べれるアランチーニだからこそ、専門店の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
【KePalle - Arancine d'Autore】
- 住所:Via Maqueda, 270, 90133 Palermo PA, Italy
- 公式サイト:KePalle - Arancine d'Autore
3.2 イワシのベッカフィーコ(「Fish m Chips」にて)
イワシの名産地として知られるシチリアで、よく見かける前菜。
松の実やレーズン、パン粉などを詰めて焼いています。イワシ本来の渋みを堪能したいなら、必食の前菜です。
イワシのベッカフィーコを食べたのは「カーポ市場」にある「Fish m Chips」。
さまざまな調理法で仕上げた魚介料理が、ショーケースにずらり。どれを食べようか悩んでしまいます。
レストランでは3個で1皿として提供されるのが一般的です。そうすると、いろんな料理を少しずつ食べるのは難しくなります。海外はサイズも大きいからです。
しかし、「Fish m Chips」では1個単位で好きな料理を組み合わせて食べさせてくれました!
イワシのベッカフィーコと一緒に、「フィッシュボール」や「渦巻状に巻いた串」も1つ単位で注文。これなら小皿で少しずつ楽しみたい方や少食の方でも安心ですね。
レストランでしっかりとした食事をする前に食べてもOKです。小腹が空いたときのストリートフードとしても最適だと思います。
【Fish m Chips】
- 住所:Via Porta Carini, 62 90100 Palermo, Sicilia, Italy
- 公式Facebook:Fish m Chips
3.3 カポナータ(「Bar Di Maria Agata」にて)
「カポナータ」はシチリアでよく知られた前菜の1つです。
食材のベースは炒めたナス。そこに、オリーブやケッパー、セロリをビネガー・砂糖などで煮込んだものを入れます。甘酸っぱい風味が料理全体から感じられます。食感はどこかラタトゥイユ(野菜の煮込み)に似ている気がしました。食べ進めていくと、わずかにピリッと辛みも感じました。メイン料理に向けて、お腹の準備を整えるのにピッタリな前菜です。
「Bar Di Maria Agata」はパレルモの市場でもっとも賑わっている「バッラロ市場」に店を構えています。
大皿に盛り付けられた料理が店頭にずらっと並ぶ様子は、まさに圧巻。思わず足を止めて料理に釘付けになってしまいました。
そして店員さんの陽気な勧誘もイタリアらしいです。勧誘されているのに、まったく嫌な気分にならず、いつの間にか席に着いてしまいました。
大皿から巨大なスプーンで盛り付けられた「カポナータ」は新鮮そのもの。これぞ市場で味わう料理の醍醐味と言えるでしょう。
毎日提供する料理も変わるので、常に新しい料理に出会うチャンスもあります。市場なのにクレジットカード決済もOKと、寛容なところも嬉しい限りです。
ぜひ、本場シチリアの市場で出される伝統料理を食べてみてください。
【Bar Di Maria Agata】
- 住所:Via Ballaro, 29, 90134 Palermo PA, Italy
3.4 オレンジのサラダ(「L'Antica Corte」にて)
カポナータと並び有名なオレンジサラダ「Insalata di arance」。
オレンジの特産地であるシチリアならではのサラダと言っていいでしょう。
テーブルに運ばれてきて驚いたのが、非常に鮮やかなオレンジの色合いです。
オレンジから滲み出る甘みが爽快な気分にさせてくれます。そこにオリーブの塩気や玉ねぎ特有の辛味がプラス。全体としてバランスの取れたサラダになっています。
「L'Antica Corte」は世界遺産の街「チェファルー」にあるレストラン。開店前から待つ人がおり、ピークの時間帯は満席状態の人気店です。
洞窟のような形をした内装に光が灯り、おしゃれな雰囲気が漂います。複数人で行くなら、開店直後か予約がおすすめです。
【L'Antica Corte】
- 住所:Via Carlo Ortolani di Bordonaro, 19, 90015 Cefalù PA, Italy
- 公式Facebook:L'Antica Corte
3.5 アンティパスト ミスト(「L'Antica Corte」にて)
「アンティパスト ミスト」とは、前菜の盛り合わせです。その地方の特産物を1つの皿に乗せて提供します。
シチリアは海に囲まれた島であるため、魚介が有名。新鮮な魚介をワンプレートに乗せた「アンティパスト ミスト」は、とても豪華です。店員さんが運んでくるまでに、他のお客さんが振り返って見ていたほど、目を引く盛り合わせです。
気になる中身は、シチリアで有名な魚「メカジキ」や「マグロ」を始め、スモークサーモン、えび、マリネしたアンチョビ、タコのサラダです。
まずは新鮮な魚介をそのままいただきます。
その後、バケットに乗せてピンチョスのように食べてみてください。魚介の旨みがパンにも染み込み、止まらなくなりますよ。
バケットはお代わり無料なので、なくなったら追加しましょう。
なお、お肉やチーズの盛り合わせもあります。魚介だけでなくお肉も食べたい方は注文してみてください。
「L'Antica Corte」の店員さんも料理に負けないほど印象的でした。笑顔がすてきで、さりげない気遣いもしてくれます。
満席で忙しいときも、目の前のお客さんとのコミュニケーションを疎かにしません。自信をもっておすすめできるレストランです。
【L'Antica Corte】
- 住所:Via Carlo Ortolani di Bordonaro, 19, 90015 Cefalù PA, Italy
- 公式Facebook:L'Antica Corte
3.6 パスタ・アッラ・ノルマ(「Il Pipino Rosso」にて)
「パスタ・アッラ・ノルマ」はシチリアを代表するパスタで、カターニアの名物料理です。
ナス、リコッタチーズ、トマト、バジルなど食材は至ってシンプル。パスタには短い筒状のもの(リガトーニやペンネ)が使われ、弾力があります。
トマトの甘さと酸味を強く感じるパスタです。材料がシンプルゆえにごまかしが効かないので、素材のうまみを堪能できるのが魅力。
「Il Pipino Rosso」はメイン通りの横道を入ったところにポツンとあるレストランです。
看板がなかったら気づかず通り過ぎてしまうでしょう。
店内は落ち着いた、大人の雰囲気が漂います。
外観からは想像できないほど広々とした店内。しかし、ランチ時間帯は予約のお客さんで満席になるほど人気です。イタリアのグルメ雑誌にも掲載されており、その実力は折り紙付き。
そんな人気店「Il Pipino Rosso」で、濃厚なトマトの旨みを存分に味わえる「パスタ・アッラ・ノルマ」を食べてみてください!
【Il Pipino Rosso】
- 住所:Salita Sant'Antonio, 7, 90133 Palermo PA, Italy
- 公式サイト:Il Pipino Rosso
3.7 パスタ コン レ サルデ(「Vecchia Trattoria da Totò」にて)
イワシのパスタ「パスタ コン レ サルデ」。
新鮮なイワシにフェンネル(ハーブ)、松の実、サフランを加えて仕上げたパスタです。魚介の中でもイワシは前菜からパスタ、メイン料理と幅広く使われます。
イワシのパスタは「トマト使用(ロッソ)」と「トマト不使用(ビアンカ)」の2種類があり、トマトを使わないのがおすすめと言われました。シチリアにはトマトの旨みを前面に押し出した「パスタ・アッラ・ノルマ」があり、違った味わいを楽しめるからです。
パスタからイワシやハーブ独特の香りを感じます。
できあがったパスタにサクサクのパン粉を振りかけ、食感を増すのがこのパスタの食べ方です。ほかのパスタとは異なり、渋みやほんのり苦味もあります。パスタ自体は細いのですが、芯がモチっとして歯ごたえを感じました。
「Vecchia Trattoria da Totò」は「ヴッチリア市場」にある小さなお店。イタリア語のメニューが中心で、市場で働く人が訪れたりしてました。地元に密着したお店という雰囲気です。
凝った装飾はありません。しかし、こういうお店だからこそ、伝統的な料理をありのままの姿で楽しめると思います。
【Vecchia Trattoria da Totò】
- 住所:Via Coltellieri, 6, 90133 Palermo PA, Italy
- 公式Facebook:Vecchia Trattoria da Totò
3.8 フリットミスト ディ マーレ(「Trattoria Del Massimo」にて)
「フリットミスト ディ マーレ」は魚のミックスフライです。海の幸が自慢なシチリアらしい料理ですね。
小魚、イカ、海老、タコなど新鮮な魚介がカリッと揚げられ、盛り合わせで出てきます。
味付けはシンプルに塩とレモン。魚介の旨みを引き立てます。薄い衣は軽い口当たりで、むちっと弾力のある身が印象的です。
屋台でも食べられるのですが、レストランで食べるのが個人的に おすすめ。揚げたてが1番おいしいからです。屋台は提供の都合上、店頭に並んで時間が経っている場合もあります。そうすると、油が少しねっとりしてしまうこともあるんです。
「Trattoria Del Massimo」では、前菜ではなく魚のメイン料理として「フリットミスト ディ マーレ」が提供されます。
食材の種類も多くボリュームがあり、揚げたてを食事として楽しめるのがよかったです。
お店はパレルモの「マッシモ劇場」の裏側にあります。場所が分かりづらく、まさに隠れ家。
店内は上品な内装ながら、料理の値段は比較的リーズナブルです。
年末で休業するお店が多い中でも営業しており、この時期に旅行する人の味方ですね。
【Trattoria Del Massimo】
- 住所:P.za Giuseppe Verdi, 25/26, 90138 Palermo PA, Italy
- 公式サイト:Trattoria Del Massimo
3.9 マグロのステーキ(「Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar」にて)
イワシに負けず劣らず有名なマグロ。あらゆる調理法がある中で、今回はステーキをご紹介します。
肉の赤身のようにレアな状態で提供されるのが特徴です。
肉厚ながら、ナイフですーっと切れてしまう柔らかさに驚かされます。同時に甘みを感じたのも印象的でした。
トッピングされているピスタチオからはコクのある甘み、表面につやを与えているバルサミコ酢からは爽やかな甘みと、2種類の調味料がマグロに見事なアクセントを加えています。
「Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar」は世界遺産の街「チェファルー」の海岸に面した場所に立つレストランです。テラス席からは美しい海が一望できます。とりわけ、テラス席の海側は人気で予約で埋まるほどです。
15時ごろにはランチ営業を終え休憩に入るレストランが多い中、通し営業をしています。観光に夢中でランチの時間帯を過ぎてしまっても安心ですね。
絶景を楽しみながら、シチリア自慢のマグロを召し上がってはいかがでしょうか。
【Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar】
- 住所:C. O, Via Carlo Ortolani di Bordonaro, 48, 90015 Cefalù PA, Italy
- 公式Facebook:Liberty Restaurant Bistrot Wine Bar
3.10 パニーノ コン カッツィッリ / パネッレ(「Antica Friggitoria Dal 1947」にて)
ポテトのコロッケ「カッツィッリ」や、ヒヨコ豆を四角い形に揚げた「パネッレ」をパンに挟んで食べるストリートフードです。「パニーノ コン ミルツァ」と同様に、シチリアでは広く知れ渡っている料理。
ヒヨコ豆を使っている点から、アラブの影響が色濃く残っていると感じます。ヒヨコ豆のコロッケ「ファラフェル」などはアラブで有名な料理だからです。
全体的にホクホクとして優しい風味です。味付けがしっかりしている料理が多い中、さっぱり目で薄味を好む日本人にも合うと思います。
現地ではベジタリアン向けの料理としても重宝されているようです。
「Antica Friggitoria Dal 1947」はパレルモ中央駅の右側にある路面店。目立たない外観ですが、地元の人がバイクで立ち寄り買って行く姿を見かけます。店頭に置かれたドラム缶テーブルで食べるのも現地風。
「カッツィッリ」や「パネッレ」を中心とした揚げ物専門店で、ストリートフードを体験してみてくださいね!
【Antica Friggitoria Dal 1947】
- 住所:Via Niccolò Palmeri, 4, 90123 Palermo PA, Italy
3.11 パニーノ コン ミルツァ(「Il Chioschetto - Pani cà meusa」にて)
さまざまなシチリア料理がある中で、独特なのが牛モツのサンドイッチ「パニーノ コン ミルツァ」です。ゴマ入りのパンで挟んで食べます。
パンの外は香ばしい一方、中は具材を包み込むような柔らかさ。
パニーノ コン ミルツァ(牛モツのサンドイッチ)という名前だけ聞くと敬遠してしまいそうですよね。私も最初はどんな風だろうと警戒してました。しかし、実際に食べてみると臭みもなく意外とマイルドな風味です。コリっとしたお肉の食感も印象的です。
「Il Chioschetto - Pani cà meusa」は、観光の中心地から離れた大通り沿いにあるお店。
店内に入ると巨大な鍋に入ったお肉に目を奪われました。
注文を受けてからお肉を手でぎゅーっと握り、スープの旨みを肉に再度染み込ませます。そのお肉を真ん丸としたパンに挟んで完成。大きなスプーンでお肉を掬(すく)う店が多い中、手が込んでいると思いました!
英語がまったく通じず、地元の常連客と談笑で盛り上がる、ディープな店内。こういう所でこそ、現地そのままの味を体験できます。
パレルモでは特にメジャーな屋台飯なので、ぜひトライしてみてくださいね!
【Il Chioschetto - Pani cà meusa】
- 住所:90123 Palermo, PA, Italy
3.12 スフィンチョーネ(「カーポ市場」にて)
シチリアでピザといえば「スフィンチョーネ」と言うほど有名です。
ストリートフードの中でも三輪車に似た移動式販売店で提供されることが多い「スフィンチョーネ」。
市場だけでなく、住宅街にも出店しています。
長方形で全体が均一に分厚いのがシチリア風ピザの特徴です。
注文すると、強面の男の子が三輪車の中央にある鉄板で焼き直してくれます。
ジューっという香ばしい音とともに、匂いが立ち込め、なんとも美味しそうです。
表面はカリッと、中はモチっふかっとしています。どこかフォカッチャに似ていると感じました。トマトソース、アンチョビ、玉ねぎ、オリーブオイルなどを使って作られ、味は思ったよりあっさり目です。
2、3ユーロと安く持ちやすい形なので、食べ歩きに最高のシチリア料理ですね!
【カーポ市場(Mercato del Capo)】
- 住所:Via Cappuccinelle, ., 90138 Palermo PA
4. シチリアの有名なスイーツはこれ!
シチリアで有名なスイーツを5つご紹介します。
- カンノーロ(「Bar Marocco」にて)
- カッサータ(「La Promenade dei Templi」にて)
- グラニータ(「Cafe Ristoro Arcosoli」にて)
- ブリオッシュ・コン・ジェラート(「Donnafrancalab - arancine gourmet e pasticceria」にて)
- ブッチェッラート(「Bar Pasticceria Ruvolo Rosario」にて)
4.1 カンノーロ(「Bar Marocco」にて)
カンノーロは、シチリア発祥のデザートです。
筒状の揚げたパイ生地にリコッタチーズを詰めています。ザクザクと香ばしい生地。甘くてクリーミーなチーズで口の中がいっぱい、幸せな気分になれますよ。
確かに甘いのですが、その甘さがいやらしくありません。食べ終わった後もまた食べたいと思うのが不思議。
発祥地シチリアでは、レストランやカフェはもちろん、カンノーロ専門店もあります。
バリエーションもさまざまです。筒の両端から飛び出しているチーズに、オレンジやレモンの皮で装飾を加えるのは定番。
他にも、チョコレートチップを付けたりもします。
中身のリコッタチーズをピスタチオに変えたバージョンまでも。
小さいサイズもあるので、食後や少食の方でも心配いりません。
「Bar Marocco」は観光名所「カテドラーレ / 大聖堂」の目の前にあるカフェ。テラス席で絶景を楽しみながら、カンノーロを楽しめます。
中心地から少し離れているため、落ち着いた雰囲気と紳士なスタッフさんも自慢です。
トリップアドバイザーチョイスにも選ばれ、世界の旅行客から高い評価を得ています。
【Bar Marocco】
- 住所:Via Vittorio Emanuele, 494, 90134 Palermo PA, Italy
- 公式Instagram:Bar Marocco
4.2 カッサータ(「La Promenade dei Templi」にて)
「カッサータ」も「カンノーロ」と並び、シチリアの伝統的なデザートです。
スポンジケーキ、リコッタチーズ、マジパン、砂糖に漬けたフルーツなどで作られます。マジパンなどから生まれる甘みが強いデザートです。
生地はしっとりしており、リコッタチーズの甘みは抑えめに感じました。代表的なデザートだからこそ、どこで食べればよいのか悩み方も多いと思います。
「La Promenade dei Templi」は白色のマジパンで覆われた「カッサータ」を提供しています。お店の方いわく、これがカッサータの元祖らしいです。
緑色のマジパンで作られたカッサータはガイドブックでも取り上げられるほど一般的。一方、白色のカッサータは「La Promenade dei Templi」で初めて出会いました。
「La Promenade dei Templi」は観光地「アグリジェント」の「州立考古学博物館」近くにあります。この辺りは街の中心地から離れ、お店がほとんどないため、観光の一休みとしても重宝されるカフェです。
【La Promenade dei Templi】
- 住所:Via Passeggiata Archeologica, 12, 92100 Agrigento
4.3 グラニータ(「Cafe Ristoro Arcosoli」にて)
シチリア・カターニア発祥の氷菓「グラニータ」。
シャーベットのように爽やかでつぶつぶ食感が特徴です。
さまざまなフレーバーがある中で、おすすめされたのが「レモン」。シンプルで口の中に潤いを与えてくれます。
かき氷のようにキーンっと頭が痛くなることもあるので、食べるペースには注意してくださいね!
デザートとして楽しむのはもちろん、ブリオッシュと一緒に朝食で食べる習慣もあるそうで興味深いです。
「Cafe Ristoro Arcosoli」は「神殿の谷(アグリジェント)」内部の中間にあります。広い神殿群だけあって、中に入るとレストランはおろか、売店もありません。日陰も少ないため、直射日光に晒されながらの観光は、体力をかなり消耗します。
そんなとき、「Cafe Ristoro Arcosoli」で爽快なグラニータを食べてエネルギー補給をしてみてはいかがでしょうか。
【Cafe Ristoro Arcosoli】
- 住所:Unnamed Road, 92100, Agrigento, Sicily, Italy
4.4 ブリオッシュ・コン・ジェラート(「Donnafrancalab - arancine gourmet e pasticceria」にて)
ブリオッシュ・コン・ジェラートとは、その名の通り、ブリオッシュパンにたっぷりのジェラートを詰めたもの。ジェラートバーガーと言っても過言ではありません。
注文をすると、ブリオッシュパンをがばっと開き、これでもかとジェラートを入れます。おすすめのジェラートは、ピスタチオだそうです。
パンより厚みのあるジェラートは圧巻。ずっしり重く、そのボリュームが伝わってきます。
ジェラートの表面は溶け出し滑らかな風味。一方、パンの奥に詰まったジェラートは固めでしっかりとした食感を楽しめます。ピスタチオの上品な甘みが、ふかふかのブリオッシュと相まって、思わず笑顔がこぼれるデザートです。
シチリアは冬でも日中は上着が要らないほど暖かいため、年中食べられます。
ジェラートはイタリア全土で有名。でも、ブリオッシュに挟むのはシチリアならではです。
洋菓子店「Donnafrancalab - arancine gourmet e pasticceria」は、パレルモの「マッシモ劇場」から伸びる中心通りにあります。
スタイリッシュな造りで、若者を始め大人気です。朝7時から営業しており、朝食にデザートとコーヒーを楽しむこともできます。
ぜひシチリアスタイルのジェラートを食べてみてください!
【Donnafrancalab - arancine gourmet e pasticceria】
- 住所:Via Maqueda, 292, 90133 Palermo PA, Italy
4.5 ブッチェッラート(「Bar Pasticceria Ruvolo Rosario」にて)
クリスマス定番のデザートが「ブッチェッラート」です。
生地にイチジク、ナッツ、レーズン、シナモン、チョコレートなどを入れ、蜂蜜や砂糖を振りかけて作ります。
イタリアでは「パネトーネ」がクリスマスの伝統菓子として有名です。しかし、シチリアでは「パネトーネ」はあまり見かけず、「ブッチェッラート」が店頭に並んでいました。
通常、リング型で1人で食べるには大き過ぎるのですが、手軽に食べれるサイズで売られているのでご心配なく!
口に近づけると、芳香な風味が香ってきます。外はしっかり食感、中もしっとりしており、見た目以上に食べ応えがありました。
中身によってフルーティーさから香ばしさまで、味わいも多岐にわたります。
「Bar Pasticceria Ruvolo Rosario」のテラスには、早朝からデザートとカフェを楽しむ地元の人で賑わっています。観光地のど真ん中にあるにも関わらず、金額も良心的です。
【Bar Pasticceria Ruvolo Rosario】
- 住所:Via Bara All'Olivella, 121, 90133 Palermo PA, Italy
- 公式Facebook:Bar Pasticceria Ruvolo Rosario
シチリアのスイーツについては「逃したら後悔する!絶対食べて帰りたいシチリアのスイーツ5選」のページでも詳しく紹介されています。興味のある方はそちらもご覧ください。
5. シチリアにはどんな飲食店がある?
シチリアにはレストラン、路面店、キッチンカー、ベーカリー、カフェ、バーなどさまざまな飲食店があります。
中でもシチリアの州都「パレルモ」はストリートフードが非常に有名です。
小さな路面店が点在し、キッチンカーも観光の中心地に限らず出店しています。お店の数も料理の種類も豊富です。
ストリートフードを楽しむ上で、パレルモにある3つの市場は欠かせません。
特に「バッラロ市場」は賑わっており、休日でもオープンしているのでおすすめです。
市場にも関わらずクレジットカード決済できる店が多かったのは意外でした。ただ、一部のお店は現金決済だけで、大きな金額はNGだったりするので、少額の現金(ユーロ)を持っていきましょう。
市場を歩く上で注意したいのがスリです。地元の方からも「スリに注意してね」と何回も言われました。高額を持ち歩かないことはもちろん、バックパックに注意を払う、テーブルの上にスマホやカメラを置かないなど、細心の注意を払いましょう。
また、市場に限らずベーカリーなどでも値段が書かれていないことがよくあります。イタリア語が分からないと、地元の人より高額な料金を請求される恐れがあります。購入する前に値段を確認したり、地元の人がいくら払っているか見ておくのもよいでしょう。
お店によっては店内飲食とテイクアウトで値段が異なる場合もありました。
ベーカリーは早朝から営業しています。
早起きして近くのベーカリーに行けば、地元の人が仕事前に買いに来る様子など、日常の風景に出会えますよ!
カフェは朝7、8時ごろからのオープンが一般的。
市場は9、10時ごろから料理が並び出すので、その時間帯に訪れるのがおすすめです。
レストランで食事をしたい場合は、早くて11時、12時半オープンというところもあるので、昼食や夕食向きです。
6. シチリア料理に合う飲み物、お酒は?
シチリア料理に合うお酒を3つご紹介します。
1つ目は「赤ワイン」です。
「Nero d'Avola」がよく知られています。
赤ワインはハムやサラミ、チーズなど前菜の盛り合わせとよく合います。
2つ目は「タロッコ」を使ったリキュールです。
香り豊かで爽やかな味わいが感じられます。お酒が苦手な方でも楽しめるでしょう。
魚介料理は白ワインと思われがちです。しかし、ブラッドオレンジで作られたリキュールも見事に合うので、ペアリングしてみてください。
3つ目は「ロゼ」です。
リキュールに比べて、深みが増したロゼはパスタに合わせてみてください。世界遺産の街「チェファルー」のレストランでお店の方よりおすすめされた組み合わせです。
7. 現地で本場のシチリア料理を楽しみましょう!
食文化の説明を交えながら、有名なシチリア料理をご紹介してきました。
長い歴史の中でさまざまな国の影響を受けながら発展してきた、シチリア料理を感じ取っていただけたのではないでしょうか。
新鮮な海の幸はもちろん、最大の都市「パレルモ」を中心にストリートフードも見逃せません。
観光地としてシチリアの魅力を堪能しつつ、現地でシチリア料理をぜひ楽しんでみてください!
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おぐグルメ
- 東京にある美味しい・珍しい海外グルメを食べ歩く海外グルメマニア。ブログには100ヶ国以上の世界の料理を掲載し、休日だけで年間365以上の海外グルメを開拓しています。実際に現地に行き本場のグルメも食べていて、これまでヨーロッパを中心に60ヶ国以上に渡航しています。