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【青森】青荷温泉「ランプの宿」は明るい時間帯に到着するべし
こんばんは!たびこふれライターの中尾です。ランプの宿ってご存知でしょうか?
日本には建物内の灯りが"ランプ"だけという宿がいくつかあります。その中のひとつが青森県黒石市の青荷温泉(あおにおんせん)にあるランプの宿です。青荷温泉と言っても山の中にポツンと一軒宿。鄙びた秘湯という言葉がピッタリです。周りには何もありません。普段、煌々と輝く電気の下で生活している僕が、ランプの灯りの下へ行くとどうなったのか???
青荷温泉ランプの宿の紹介と併せて体験談を記事にしましたので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 青荷温泉ランプの宿
- 明るいうちにチェックインを!
- 部屋は思った以上に暗い
- 夕食は郷土料理...ご主人の料理説明が最高!
- 温泉は少しぬるめかも
- 朝食はシンプル!
- 朝になった!館内をめぐりましょう!
- 青荷温泉ランプの宿に泊まってみての感想
青荷温泉ランプの宿
基本情報
- 住所:青森県黒石市大字沖浦字青荷沢滝ノ上1の7
- TEL:0172-54-8588
- 公式サイト:青荷温泉ランプの宿
概要
- 予約:公式サイトまたは電話にて
- チェックイン/アウト:15:00/10:00
- 客室:全32室。全て和室です。本館・水車館、離れ3棟からなる宿泊施設です
- 支払い:現金のみ。クレジットカードや電子マネーは使えません。
- 館内および施設内にはネット環境はありません。もちろんWi-Fiもありません。携帯もほぼ繋がりません。家族や友達に連絡が取れなくなることを伝えておきましょう
- 部屋には風呂(大浴場)、洗面所(共同)、トイレ(共同)はありません。テレビやコンセントもありません。充電は充電器を持参しましょう
- 部屋には浴衣、タオル、歯ブラシは用意されています
- 館内は禁煙です。喫煙用の灰皿は「健六の湯」の入口と「滝見の湯」の入口の2ヶ所に設置されているそうです
- 食事は大広間の利用となります。個室や部屋食はありません
アクセス
【自家用車】
4月1日~11月30日までは直接青荷温泉まで直接進入可能。しかし、冬期となる12月1日~翌3月31日までは進入不可のため、国道102号線沿いにある「道の駅虹の湖」で車を駐車し、送迎バスに乗り換える必要があります。送迎バスは完全予約制なので、予約を忘れないようにご注意ください。
【公共交通機関】
- 青森駅・新青森駅到着の場合:在来線(約30~45分)###弘前駅(弘南電車(約40分))+++黒石駅(路線バス(約45分))===道の駅「虹の湖」(送迎バス(約30分))===青荷温泉ランプの宿
- 青森空港到着の場合:空港バス(約55分)===弘前駅(弘南電車(約40分))+++黒石駅(路線バス(約45分))===道の駅「虹の湖」(送迎バス(約30分))===青荷温泉ランプの宿
本数が少ないので事前に確認が必要です。青荷温泉 ランプの宿のアクセスページをご参照ください。
チェックイン時に配布された本館と水車館の平面図です。
部屋に置いてあった案内書です。
部屋に置いてあった施設案内図です。
明るいうちにチェックインを!
利用したのは10月下旬でしたので、車で行くことができました。道路は整備されているものの狭いので対向車が来ないかと冷や冷や。雪深いところなので、冬期は宿まで直接車で行くことはできません。なお、この写真の時点で17:00。辺りは暗くなっていていたので運転は慎重に行いました。
車は宿の手前の駐車場へ。写真だとまだ明るいように見えますが、日がどっぷり暮れ、辺りが見えません。暗くなってから到着すると、どこへ行けばいいのか分かりづらいです。駐車場で車を停め、荷物を持ってこの先の坂を100mほど下ります。(身障者用の車はこの先にも進めるみたいです)
多分、これが本館なんだなという建物へ入ります。まずは靴を脱いで下駄箱へ入れます。
帳場です。ランプの宿ですが、ここだけは電気が通っていました。予約とか公式サイトの管理はパソコンを使うので100%電気無しとはいかないようです。
廊下はランプの淡い光で照らされていました。
部屋は思った以上に暗い
部屋はランプが1個だけ。ランプは調整されているので触らないようにとのこと。部屋には真ん中にテーブル、ポットとお茶セット、奥には金庫があり、10月下旬だったのでストーブが点けられていました。あと、ペンライトが用意されていました。こうやって見ると明るいように見えますが、部屋の案内書は(老眼ということもあり...)暗くて見えませんでした。夜は風呂に入るか、早く寝ろということでしょうね(笑)。
※部屋にはテレビやコンセントがありません。充電は充電器を持参しましょう
※部屋には浴衣、タオル、歯ブラシは用意されています
明るくなると外の景色が素晴らしいことに気がつきました(笑)。
なお、布団は自分で敷きます。外国人がここまで来るので、外国語の布団の敷き方が置いてありました。
ホンマに2割くらいは外国人でした。お茶の入れ方も外国語の案内書がありました(笑)
夕食は郷土料理...ご主人の料理説明が最高!
夕食は大広間で食べます。18:00~20:00までの利用です。畳の大広間にお膳でのセットメニューです。足の悪い人は小型のイスが用意されています。
真ん中のテーブルに御飯とみそ汁があります。こちらはセルフサービスです。奥には飲料の注文カウンターがあります。こちらもセルフサービスです。代金は部屋付け可能です。
【飲み物代(2023年10月時点)】
生ビール600円、瓶ビール500円、缶ビール400円、ハイボール550円、チューハイ550円、缶チューハイ350円、冷酒・温燗・常温各1合480円、岩魚骨酒2合2,200円、3合2,650円、十和田ワイン(赤)2,200円、黒霧島ボトル(芋焼酎)2,200円、津軽海峡(米焼酎)ボトル1,900円、赤い林檎のチューハイ600円、ペットボトル飲料200円、果汁100%食べるりんごジュース300円、ノンアルコールビール350円でした。
夕食です。これに御飯とみそ汁がセルフサービスとなります。
宿の主人が料理の案内を津軽弁でしてくれました。面白かったのでぜひお聞きください。
左上の鍋です。鴨鍋です。
※食事は大広間の利用となります。個室や部屋食はありません
温泉は少しぬるめかも
青荷温泉の絵まっぷです。温泉施設は4ヶ所+足湯があります。本館横の水車館に1ヶ所(男女別)、本館裏手の吊り橋を渡って左側に混浴の露天風呂、奥に滝見の湯(男女別)があります。滝見の湯には小さな露天風呂があります。本館前の健六の湯(男女別)があり、こちらは女性のみ露天風呂が併設されています。あと、本館前には足湯があります。
<写真提供:青森県観光情報サイト>
※露天風呂は混浴です。レディースタイムが設定されていて11:00~12:00と17:00~18:00が女性専用
混浴はやはり女性にとっては恥ずかしいもの。宿にはレンタルの湯あみ着がありました。レンタル料2,300円(税込)、返却時に2,000円が返金されるシステムです。帳場で申し出てください。
温泉施設は4ヶ所ありますが、どこも少しぬるく感じました。熱々の温泉が好きな人には物足りないかも。また露天風呂はちょっとぬるくてすぐに出てきました。
※泉質はどこも単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は47.5℃前後(露天風呂はもう少し低い)です
※ボディソープとリンスインシャンプーあり(露天風呂にはありません)。シャワーはありません。ドライヤーも使えません
※4ヶ所の風呂は清掃時間(朝のうち)以外、いつでも入浴することができます
朝食はシンプル!
朝食です。朝食も大広間で食べます。7:30~8:30の間に食べます。シンプルですが、素朴な朝食でおいしかったです。残念ながら朝食時はご主人による説明はありませんでした(笑)
あ、でも部屋には朝食時の卵とじの食べ方が置いてありました。
- まんず、鍋っこさ火っこつけでけ(まず、鍋に火をつけてください)
- 3分ばりしたらふたっことってけ(3分位経ったらふたを取ってください)
- 卵をかましてけへ(卵をときほぐしてください)
- グヅグヅど煮だってきたら、卵っこへでけ(グツグツ煮立ってきたら、卵を回し入れてください)
- かましてるうぢに、どんどんかだまってくるはんで、こごでがっぱど火通してまればまねんづ(かき混ぜているうちに、どんどん固くなってきますが、ここで完全に火を通してしまうと失敗です)
- かましてるうぢに余熱でトロトロさなってできあがりだんず(かき混ぜているいつに余熱でトロトロになりできあがりです)
- ままさかげで食ってみんでけへ、めぇ~よ(ご飯の上にかけて食べてみてください、とっても美味しいよ~)
朝になった!館内をめぐりましょう!
明るくなったので青荷温泉ランプの宿の全体像が見えてきました!
帳場
チェックイン、チェックアウトはこちらで行います。クレジットカードや電子マネーは使えませんので注意が必要です。館内の説明もチェックイン時に受けます。部屋の案内などは特にありません。
※帳場の受付時間は7:00~21:00です。
大広間
夕食と朝食会場になります。夕食は18:00~20:00、朝食は朝食は7:30~8:30となります。
大広間の壁には郷土出身の画家の水墨画(上)が、ふすまにはクレヨン画家の描いた青森佞武多(ねぶた)が出迎えてくれます。
売店
売店には黒石の地酒が各種揃っています。また郷土の菓子類や民芸品も販売しています。
※売店営業時間は7:00~21:00
おしゃべりハウス
大広間の隣には囲炉裏があり、ラウンジになっています。
※ラウンジの利用時間は7:00~21:00
本館洗面所
本館と水車館の境目にある洗面所です。部屋には風呂、洗面所、トイレがないので共同になります。夜は21:00過ぎにはランプの灯が落とされますので、歯みがきは早めに磨かないと大変です。
本館の内風呂
本館には男女別の内風呂があります。湯船も床も青森県産総ヒバ造りの内湯です。無色透明で、いつまでもほかほかと温かい、源泉かけ流しのお湯です。
※泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は47.5℃です
※ボディソープとリンスインシャンプーあり。シャワーはありません。ドライヤーも使えません
※4ヶ所の風呂は清掃時間(朝のうち)以外、いつでも入浴することができます
本館の外観
渓谷沿いに建つ2階建ての本館です。この左側に渡り廊下でつながっている水車館があります。
本館の玄関前には...。ハートの演出が憎いですね。
健六の湯
健六の湯は本館前にあります。男女別の内風呂と女性のみ露天風呂があります。内風呂同様、こちらも青森県産総ヒバ造りの湯です。
※泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は47.5℃です
※ボディソープとリンスインシャンプーあり。シャワーはありません。ドライヤーも使えません
※4ヶ所の風呂は清掃時間(朝のうち)以外、いつでも入浴することができます
足湯
本館前と健六の湯の間に足湯があります。真ん中に置かれた石のテーブルを囲んでゆったりと足湯につかることができます。
本館裏口
本館裏口にスリッパが置いてあり、裏への施設へ行くことができます。
こちらからランプ小屋、露天風呂、滝見の湯へ行くことができます。また、離れの幻渓楼、ふるさと館、十方堂にも行くことができます。
ランプ小屋
ランプ小屋です。ここで館内のランプを管理しています。
毎日200個くらいのランプがここで管理されています。
吊り橋
渓流には吊り橋が架かっています。右から離れの十方堂、ふるさと館、幻渓楼です。
吊り橋を渡って振り返ると...。紅葉に彩られた本館を見ることができました。
露天風呂
混浴です。女性は湯あみ着のレンタルがありますので安心です。男女同じ暖簾をくぐって中へ。中に男女別の脱衣所があります。露天風呂は岩風呂になっています。露天ですが、屋根があるので空は見えません。横に樽風呂があり、そこは完全な露天になっています。露天風呂はぬるく感じ、樽風呂は通常の泉温だったので、僕は樽風呂に入っていました。露天風呂だけでは身体は温まりそうにありませんでした。
※レディースタイムが設定されていて11:00~12:00と17:00~18:00が女性専用
※泉質は単純泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は43.5℃です
※露天風呂にはボディソープ、リンスインシャンプー、シャワーがありません。ドライヤーも使えません
※足ふきマットがないので、靴下履いていくと乾かすのに苦労しそうです...
※4ヶ所の風呂は清掃時間(朝のうち)以外、いつでも入浴することができます
滝見の湯
裏に流れ落ちる滝を見ながら入れるお風呂です。野趣あふれる露天風呂もあります。
※泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は47.5℃です
※ボディソープとリンスインシャンプーあり。シャワーはありません。ドライヤーも使えません
※4ヶ所の風呂は清掃時間(朝のうち)以外、いつでも入浴することができます
幻渓楼
山小屋を思わせる造りの離れです。
ふるさと館
茅葺き屋根に白壁が愛愁を誘う離れです。
十方堂
主に大人数の団体用に使われる離れです。
竜ヶ滝
滝見の湯から眺められる滝です。結構、落差がある滝です。
ホタルの池
夏になるとホタルが飛び交います。
駐車場
駐車場はこのスロープを100mくらい上ったところにあります。車は身障者以外は本館前に入れないのでこの坂を上っていかないといけません。この時は紅葉の真っ盛りだったので最高でした。
施設内のランプを交換していました。こうやってランプの宿が守られているのでしょうね。
前日の到着時は分からなかったですが、結構大きな駐車場があります。
※冬期は車で来ることができません
途中の道路にて
<湯っコはこぢ!>
前日の訪問時は暗くて気が付かなかったのですが、こんな看板が至る所にありました。
<ケッパレ!アドハンブン>
青荷温泉ランプの宿に泊まってみての感想
- 完全に非日常の世界が味わえる。だからといって仕事をしに行くところではない
- 鄙びた秘湯がぴったりの温泉宿
- 放置プレイのサービスがかえって嬉しい
- 明るいうちに宿について探索したい。暗くなってからではちょっと不安。特に冬場
- 施設内のあちこちに津軽弁の案内看板がある
- 電話もネットもつながらないところがまだ日本にはある
- 夜は予想以上に暗い。ランプの灯りでは本が読めない
- 郷土料理が素朴で最高
- 4つのお風呂の湯めぐりが楽しめる。僕は健六の湯が気に入りました
- どこもぬるめのお湯なので長湯できます。でも露天風呂はちょっと長湯は厳しいかも
以上、10点を承知してもらえれば絶対におすすめの宿です。ご検討くださいませ。
※当記事は2023年10月下旬に利用した時のものです。
個人では行きづらい宿なので旅行会社のツアーに参加するのも良いかもしれません。※外部サイトに遷移します
- 新幹線時間帯選択可 秘湯 ランプの宿 青荷温泉<夕朝食付> 3日間
- 新幹線時間帯選択可 秘湯 ランプの宿 青荷温泉<夕朝食付> 4日間
- 【首都圏発着】ランプの宿「青荷温泉」(1泊目)に泊まる東北秘湯4湯巡り 3日間
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。