地獄でもあり、極楽でもある!日本三大霊場「恐山」の雄大な風景

恐山

青森県下北半島の恐山といえば、比叡山、高野山と並ぶ日本三大霊場のひとつ。故人と話ができる「イタコの口寄せ」でも有名で、恐山という名前からしてもミステリースポットと思われている方もいるかもしれません。しかし、地獄谷の荒涼とした風景、極楽浜の日本離れした雰囲気は、訪れた人の心を洗い流すかのようです。今回は、見事な景観を誇る霊場恐山をご紹介します。

目次

最果てロマンただよう下北半島

下北半島 大間崎

最果ての地のロマン漂う、青森県下北半島。その代表的な観光スポットといえば、マグロで有名な本州最北端の地、大間崎。そしてもう一か所、下北半島の観光では外せないのが日本三大霊場のひとつ恐山です。

恐山

日本の果て、いや地の果てにでも来たのかと思わせる光景が広がる恐山。日本三大霊場の名はダテではない、地獄でもあり極楽でもある恐山の景観を楽しんでみましょう。

三途の川を渡ってあの世へ!?

恐山は下北半島の中央部、山中にある宇曽利山湖畔に位置しています。ちなみにかつては宇曽利(うそり)山と呼ばれていたのが転じて、恐山と呼ばれるようになったとのこと。

宇曽利山湖

山道をひた走って、神秘的な色の水をたたえる宇曽利山湖に辿り着けば、なんとなく硫黄臭が漂ってきます。この宇曽利山湖はいわゆるカルデラ湖、つまり恐山は火山でもあったのです。

太鼓橋

太鼓橋

そんな恐山への入口ともいえるのが、この朱塗りの太鼓橋。この太鼓橋で渡るのは三途の川。文字通りここから先は「あの世」で、恐山はあの世にある霊場といわれているのです。たしかにここを過ぎると、辺りを取り巻く空気がなんとなく変わったような気がして、霊場に辿り着いたことを肌で感じることでしょう。(太鼓橋は2018年5月から老朽化により渡ることができなくなっています)

ちなみに太鼓橋は急勾配になっており、悪人にはこの橋が針の山に見えて渡れないのだとか。また欄干に白い布が棚引いていますが、これはあの世へと向かう道が真っ暗なため、手探りでこの白い布を頼りに進めるようにと掛けられているのだそうです。

総門をくぐり広大な境内へ

恐山

恐山

太鼓橋を過ぎれば恐山への入口「総門」が見えてきます。総門前には広い駐車場やお土産店もあります。ズラリと並んだ大きな地蔵も目に入ってきます。ちなみに恐山は菩提寺というお寺の山号です。日本三大霊場の比叡山が延暦寺、高野山が金剛峯寺であるように、この恐山も寺院なのです。

山門

恐山菩提寺の境内へと足を踏み入れるには入山料が必要となります。総門の脇で入山料を納め、門をくぐっていきましょう。参道を歩けばすぐに見えてくるのが立派な山門です。

恐山

恐山

山門をくぐって本尊を祀る地蔵堂を目指して歩けば、右手に大きな宿坊の建物が。そして参道脇には何やらお風呂らしき小屋があることに気づきます。硫黄の匂いが漂っていた境内ですが、ここにはなんと入浴できる温泉が湧いているのです!しかも参拝者は無料で利用可能です。

恐山

温泉

恐山の境内にある温泉小屋は全部で4つ。しかもそれらは、全て異なる効能を持つ本格的な温泉。ただし小屋の中は湯舟しかありません。かつては恐山を訪れる人が温泉で身を清めた後に参拝していたということで、まさに身を清めることに特化したような潔い造りです。そのためか温泉を目当てに恐山を訪れる温泉通も少なくないのだそう。

恐山

恐山

恐山

恐山

本尊を祀る地蔵堂を参拝したら、進路を左手にとってみましょう。その先には荒涼とした光景が広がっています。こちらにも恐山の参道があり、巡礼ルートとなっています。比叡山や高野山は文字通り「山」というイメージで、巨木が立ち並ぶ荘厳な雰囲気。しかし、恐山は荒涼とした大地というイメージで、木々の中を歩くようなことはありません。

荒涼とした地獄谷をめぐる

地獄谷

地獄谷

みたま石

地獄谷

地獄谷

地獄谷

地獄谷

風車

地獄谷

参道とはいうもののゴロゴロと岩がむき出しになったような道で、ここは地獄谷と呼ばれます。文字通りの景色の中を歩いていけば、無間地獄や重罪地獄と名付けられた地獄めぐりをすることができます。下北半島では昔から「人は死んだらお山(恐山)へ行く」と言われてきたのですが、この風景を見れば、まさにこの場所こそあの世そのもの、と感じます。

ところどころに噴き出している火山性ガスや、湧き出る硫黄色のお湯などが、この世のものとは思えない風景を更に醸し出しています。しかしそんな荒涼とした風景の中にも、ところどころに地蔵や観音が配置されていて、地獄の中にも救いがあるようにも思えます。

そして地獄を抜けて極楽へ...

宇曽利山湖畔

宇曽利山湖畔

荒涼とした風景の中を歩けば、やがて宇曽利山湖畔に辿り着きます。東日本大震災慰霊塔の背後には穏やかな水面が広がっています。

宇曽利山湖畔

極楽浜

風車

極楽浜

極楽浜

荒涼とした「地獄谷」と対照的な光景、それがこの宇曽利山湖畔の「極楽浜」です。宇曽利山湖の水は透明度が高く、晴れていればその透明な水の美しさは言葉を失うほどです。「南国リゾートのビーチです」といわれても不思議ではない絶景は極楽浜の名にふさわしい光景です。

日常とは違った別世界が広がる恐山。じっくりと時間をかけてめぐれば、心が浄化されていくような感覚も味わえます。冬季は雪に閉ざされてしまうため、開山される5月~10月が観光シーズンです。中でも7月と10月に行われる大祭は、恐山のもっとも霊場たる光景が見られる時で、イタコの口寄せが行われるのもこの大祭の期間です。

恐山菩提寺

  • 住所:青森県むつ市田名部宇曽利山3−2
  • 電話番号:0175-22-3825
  • 恐山菩提寺公式HP:恐山菩提寺

まとめ

本州最北端の下北半島にあり、まさに地の果てにある日本三大霊場のひとつ恐山。

その「看板に偽りなし」の雰囲気を存分に味わえるスポットです。ここを訪れれば、改めて、生きるということを見つめなおす機会を持てると思います。青森を旅する時には、ぜひ訪ねてみてください。

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