【岐阜】養老町「養老の滝」の見事な紅葉と「理屈でわかろうとしないでいい」養老天命反転地を歩く 

こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

岐阜県に養老公園という公園があります。

その公園内にある「養老の滝」紅葉の美しさで有名な場所です。

また同じく公園内にある「養老天命反転地」という所は "心のテーマパーク" と呼ばれています。

2023年の晩秋〜初冬の季節に、この2つの場所に訪れました。

また養老町は焼肉街道という道があるほど焼肉文化が根づいている地域です。

有名な飛騨牛はじめ、美味しい焼肉をたっぷり味わってきましたのでそちらもご紹介します。

目次

養老公園とは

養老公園は、岐阜県養老郡養老町にある公園で、揖斐関ケ原養老国定公園に属しています。

敷地は養老山の養老の滝から麓の県道まで東北東に広がっており、面積は78.5haにも及び、今から140年以上も前の1880年に開園しました。

養老公園は当初、地元有志が作った偕楽社によって開発されました。当時彼らによって植林された樹木が見事に育ち、現在の美しい景観を作り出しています。養老公園はその後、県営となってからは100周年を迎えています。

>>養老公園の公式情報はこちら

養老の滝

養老の滝は、木曽川水系に属する滝で、落差32m、幅4m

「日本の滝百選」のひとつに数えられ、ほとばしるその清らかな水は若がえりの水と言われています。

養老とは老いた者を養うという意味を持ち、この地には「孝子物語」という逸話が語り継がれています。

孝子物語とは?

むかし、美濃の国に、貧しいけれど親を敬い大切にしている若者が住んでいました。名前を源丞内(げんじょうない)と言いました。

毎日山に登り薪を取ってそれを売り、年老いた父を養っていましたが、その日の暮らしに追われて老父の好む酒を十分に買うことができませんでした。
ある日、いつもよりずっと山奥に登りました。谷深くの岩壁から流れ落ちる水を眺め「あぁ、あの水が酒であったらなぁ」と老父の喜ぶ顔を思い浮かべた時、苔蒸した岩から滑り落ちてしまいました。

しばらく気を失っていましたが、ふと気づくとどこからか酒の香りが漂ってくるのです。

不思議に思ってあたりを見まわすと、岩間の泉から山吹色の水が湧き出ているのです。これはどうしたことだろうとすくってなめてみると、かぐわしい酒の味がするのです。

夢かと思いましたが、「ありがたや天より授かったこの酒」と腰にさげているひょうたんに汲んで帰り、老父に飲ませたところ、老父は一口飲んで驚き、二口飲んでは手をたたいて喜び、父と子のなごやかな笑い声が村中に広がりました。老父はこの不思議な水を飲んだので白い髪は黒くなり、顔の皺もなくなり、すっかり若々しくなりました。

この不思議な水の出来事が都に伝えられると、奈良の都の元正天皇は「これは親孝行の心が天地の神々に通じてお誉めになったものでありましょう」と仰せになり、さっそくこの地に行幸になり、ご自身で飲み、「わたしの膚は滑らかになり、痛む所を洗ったらすっかり治りました。めでたい出来事です、老を養う若がえり水です」と、年号を養老と改められ、80歳以上の老人に授階(じゅかい)や恩賜(おんちょう)があり、孝子(こうし)や節婦(せっぷ)を表彰され、この地方の人々の税を免除なされました。(養老町公式サイトより抜粋引用)※逸話は諸説あり

では養老の滝まで歩いて参りましょう。

駐車場から養老孝子坂という路を歩き、登りきったところに滝があります。(片道徒歩約20分)

紅葉

この日の天候は曇りでしたが、見事な紅葉を味わうことができました。

養老孝子坂

養老孝子坂に平行して谷川が流れ、そこには7つの橋が架けられており、そこからの景色も絶景でした。

サイダー

名物養老サイダーは日本で最初のサイダーと言われているそうです。1900年に誕生し、「東の三ツ矢、西の養老」と言われるほど有名だったそうです。一度は途絶えましたが、復活を望む声により復刻しました。

養老サイダー

こちらが復刻養老サイダー(320円)です。 炭酸がきつすぎず、コクがあって優しくまろやか甘み。お子さんにもお年寄りにも人気だそうです。

水の清らかさが感じられる優しいサイダーでした。

ひょうたんランプ

道沿いにはひょうたんランプ館があります。ひょうたんに穴を開け、ランプにすることでロマンチックで幻想的な美しさを創り出していました(入館料100円)

ひょうたんランプ

ひょうたんの透かし部分から光が発して、美しい世界が生まれていました。ここもおすすめです。

>>ひょうたんランプ館公式サイトはこちら

養老孝子坂

養老孝子坂は徐々に傾斜がきつくなっていきますが、美しい紅葉を愛でながら散策を楽しめます。

養老の滝

養老の滝が現れました。この日の水量は普段よりやや少なめだそうです。

養老の滝

それでは養老の滝を動画でご覧ください。

旧道

下りは旧道を歩きましたが、こちらも紅葉をたっぷり楽しめました。

紅葉

養老の滝

養老神社境内にあり、元正天皇が浴した美泉と言われています。天皇がこの泉で手や顔を洗うと肌がきれいになり、痛い所を洗うと痛みが取れたと言われました。泉の水は菊の香りがすると評判になったため、菊水泉と言われています(養老公園公式サイトより引用)

養老の滝の散策は約1時間位でたっぷり歩いて楽しむことができます。

>>養老公園公式サイトはこちら

養老天命反転地

結論から言いますが、この養老天命反転地はかなり難解です。

「あ~なるほどそういうことね」と簡単に理解することは難しいでしょう。

養老天命反転地とは

現代美術家である荒川修作とパートナーである詩人マドリン・ギンズのアート/建築プロジェクト作品で養老公園内に1995年に開園。

ふたりは長年の研究の末に、人間は人間の「身体」の無限の可能性を活かし、この世界を希望ある未来に転換すべきだという結論に至りました。身体感覚の変革により、意識の変革が可能になると語っています。

その目的の為にふたりは身体を変革し、死を克服し、運命を反転させる手段としての建築=環境を探求し、構築することを決意しました。

養老天命反転地では、水平、垂直な線は極力排除され、人工的な地平線が数多く配されるなど、至るところに人間の平衡感覚や遠近感を混乱させる仕掛けが施されています。

園内は私たちをよちよち歩きの子供の状態に戻し、世界を初めて知り始めた頃のように、私たちの知覚を再構築させるような構造になっています。

人間は生まれながらにして死ななければならない という常識を覆す。

みなさんが身体を使い、バランスを取りながら、わたしたちの身体の持つ様々な可能性を見つけることが出来ます。

予想がつかない"不思議"と出会える空間をぜひお楽しみください。(園内パンフレットより抜粋引用)

どうでしょうか。。。難しいですよね。

この心のテーマパークができたのが約30年前。年間約10万人が来場しています。

テレビで芸能人が訪れたり、映え写真が撮れるということで人気が爆発したそうです。

施設の方も「理屈で理解しようとするのではなく自由に感じてみてください。映える写真が撮れるということで楽しんでもらうこともありです。」と仰っていました。

肩の力を抜いて自分で何かを感じることができたらそれはそれでよいのかなと思います。

では養老天命反転地の中に入って参りましょう!

エントランスを入ってすぐ現れるのが、養老天命反転地記念館です。

この建物は比較的新しく(1997年建築)、元々は事務所として使用する予定だったそうです。

養老天命反転地記念館
<養老天命反転地記念館の内部>

ここの特徴は上下が対象に作られているという点です。

なぜ?

・・・ともかくこの構造によってこのような写真が撮れます。

養老天命反転地記念館

天井から人がぶら下がっているように見える写真。これが映える写真で人気となったポイントです。

またこの建物は出入口が10ヶ所あり、どこからでも出入り自由です。

次に現れるのが、昆虫山脈です。

昆虫山脈

昆虫のように四つん這いで登っていく姿からこの名前が付けられたそうです。

昆虫山脈

山頂には井戸と甕があります。水を求めて昆虫が登ってくる。。。

なぜ?どゆこと?

わかりません。。。

登りはそれほどでもないですが、下りはスリリングです。けがをしないようにゆっくり下りました。

極限で似るものの家

そしてこちらがこのテーマパークのメインパビリオンである「極限で似るものの家」です。

「極限で。。。似るものの。。。家。。。?」

屋根には岐阜県の地図が使われています。

極限で似るものの家

内部はこのようにガスコンロやトイレ、バスタブ、ベッドなどが斜めに置かれています。

なんで???

なぜこの「極限で似るものの家」がメインパビリオンなの・・・?

わかりません。。。

極限で似るものの家

園内にはこういう溝もありました。

死なないための道

傾斜

園内はすべて傾斜面で作られていますので、こういう写真も撮れます。

園内の高低差は25m。

傾斜

視線を外に向けたら、岐阜市、名古屋市のビル群まで見渡すことができます。ここ養老公園は高台に位置しているんですね。濃尾平野の広さがよくわかります。

楕円形のフィールド

「楕円形のフィールド」こちらもすべて斜面で作られており、水平、平行は存在しません。

バックに養老山がそびえています。

山を借景としているのはおふたりのこだわりで、これがあるからこそ、この場所に作りたいという思いがあったそうです。

山肌のような斜面に中に瓦

山肌のような斜面に中に瓦が見えます。

なんで・・・?

私はこの「なんで?」という言葉を何度も施設のスタッフの方に尋ねました。

「なんで(こうなっているん)ですか?」と。

スタッフの方はこう仰っていました。

「う~ん、なんでなんですかね」と。

「無理に理解しようとしない方がよいですよ」とも。

荒川氏も「わかった気になるなよ」と仰っていたそうです。

もしかしたら子供のほうが体で感じられるのかもしれません。

大人は常識や既成概念に囚われてしまいがちですから。

(c) 1997 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation

>>養老天命反転地サイトはこちら

焼肉道場ローヤル 養老本店

養老町は焼肉の町でもあります。BBQが盛んな土地柄です。焼肉街道という道もあるんです。

養老町は昔から精肉が盛んな地域でした。

現在も岐阜県内で飼育された飛騨牛のほとんどが養老町に届けられ、ここで加工されています。

だからこそ養老町では、上質で安価(卸売価格でリーズナブル)な精肉を食べることができます。

今回、焼肉街道沿いの焼肉道場ローヤル養老本店で焼肉をいただきました。

焼肉道場ローヤル養老本店

「焼肉道場」という店名のイメージより、シックで大人のお店という雰囲気でした。

老舗精肉店の卸売部が、厳選したA5等級の飛騨牛を始め、国産牛と岐阜県産豚だけを提供していて、部位の種類が豊富で鮮度も抜群。

併せてサラダ、デザートなどサイドメニューも充実しており、地元でも人気が高いお店だそうです。

焼肉道場ローヤル養老本店

極上サーロイン焼肉、牛赤身、上カルビ、特上霜降り肉、豚ロース、とりむねの花セット(3~4人前)をいただきました。

花セット
<花セット5,880円>

極上サーロイン焼肉

こちらが花セット別盛りの極上サーロイン焼肉です。

牛タン

単品で牛タンと

力こぶ

力こぶ(二の腕)、

いちぼ

いちぼ(お尻の近く)を頼みました。

もも肉でありながらサーロインに似た味わいで適度な霜降りが入る独特の深みのあるお肉でした。

おいしい食べ方

食べ方のコツが書いてありました。こういうのありがたいですね。

牛タン
<牛タン>

赤身
<赤身>

すみません。これ以外は焼けてからすぐ食べてしまったため、焼けた状態のお肉の写真を撮り忘れてしまいました。

岩塩とタレがあり、味に変化をつけて味わえます。岩塩は肉本来の味がしっかり伝わっておすすめです。

焼肉の町、養老町、すごい!文句なく美味しかったです。

>>焼き肉道場ローヤル養老本店サイトはこちら

コンフォートイン大垣

今回は、JR大垣駅北口より徒歩約3分の便利な立地にあるコンフォートイン大垣に泊まりました。

コンフォートイン大垣
<コンフォートイン大垣の外観>

ウェルカムドリンク

ウェルカムドリンク(コーヒー、レモン水)が14:00~24:00まで無料でいただけます。

ワッフルガウン

ワッフルガウンという肌触りのよい部屋着がうれしいです。ロビーで自分でピックアップして部屋に向かいます。

シングルルーム

こちらが泊まったシングルルームです。シンプルで機能的。無駄なものはなく快適に過ごせました。

ユニットバス

ユニットバスもさほど広くはありませんが、ちょうどよいサイズでした。

朝食

朝食は無料で付いているのがまた嬉しい。しかも、無料とは思えない充実度でした。

焼き立てパンが売りで、大垣限定でハツシモ鶏ごぼうめしがあるのが珍しいです。

無料朝食

パンの案内

案内

パン

ちょっとつまむにはちょうどよいサイズのパンが7種類。

ハツシモ鶏ごぼうめし、スクランブルエッグ、ベーコン

左からハツシモ鶏ごぼうめし、スクランブルエッグ、ベーコン。

会場

朝食会場もシンプルで余計なものはありません。過不足なく機能的。これで十分です。

>>コンフォートイン大垣公式サイトはこちら

最後に

養老の滝の紅葉は見ごたえありました。滝までの路も趣があって散策をたっぷり楽しめました。親孝行の息子の物語も心温まりました。

養老天命反転地。歩き終わった今でも「???」が続いていますが、「わかった気になるな」「常識や既成概念に囚われるな。心と体を開放せよ」という荒川さんとギンスさんのメッセージに心を揺さぶられました。

焼肉道場ローヤル。久しぶりに焼肉をお腹いっぱい堪能しました。やはり肉を食べなきゃですね。

養老町は岐阜県の中ではそれほど有名なエリアではありませんが、魅力に溢れた面白いところでした。

観光客が押し寄せる人混みもありませんので、ゆっくりのんびり旅を楽しむことができます。

ぜひ一度お出かけください。

>>養老町観光協会公式サイトはこちら

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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