【アルゼンチン】我が家のママの味7選

「アルゼンチンでどんな物食べているの?」よく聞かれる質問です。我が家はママである私が生粋の日本人ということもあり、日本食多めのメニューです。義母から教えてもらったアルゼンチンらしいママの味ももちろん作りますよ。

今回は、アルゼンチンで教わった我が家のママの味についてご紹介します。

目次

1. エンパナーダ

エンパナーダ

アルゼンチンに来たら絶対に食べるべき国民食エンパナーダ。牛肉100%のミンチ肉に玉ねぎやパプリカ、ゆで卵などを合わせた具を包んで焼いたミートパイです。

以前は「焼き」と「揚げ」がありましたが、最近の健康志向ですっかり「揚げ」を見かけることが少なくなりました。

エンパナーダは「アルゼンチンの」というより南米各所で食べられている料理です。日本人にとってのおにぎりのような手軽さで、正しい食べ方は手で掴んで立って食べる物らしいですが、今はレストランでフォークとナイフを使って食べます。我が家では、玉ねぎとネギに似たセボーシャベルデオという野菜、ゆで卵、そして種を抜いたオリーブを牛肉のミンチと炒めて包みます。お店やお家によっては、パプリカなどの野菜が追加される場合も。

あとは、主人と息子がチーズ好きなので、ハムとチーズも入れたバージョンも大量に作って冷凍します。お弁当やおやつ、昼食や夕食などいつでも温めて食べられるように準備しています。

2. ミラネッサ

ミラネッサ

鶏肉、牛肉、豚肉を薄く伸ばして、卵と味付けしたパン粉をつけて揚げたカツレツのような物。どこのレストランでも大体置いてある定番食。

我が家では、主人が鶏肉を食べないので牛肉か豚肉のミラネッサをよくいただきますが、巷では鶏肉か牛肉のミラネッサが主流です。

街のお肉屋さんでは、揚げるだけになったミラネッサを販売しています。

忙しいママたちは、このミラネッサを大量に買って冷凍し、料理したくない日に備えます。揚げるだけではありますが、油を使うと後片付けが大変&健康が気になります。我が家ではオリーブオイルをチョロっとかけてオーブンに放り込みます。この方法は義母から教わりました。

3. カルネ アル オルノ

カルネ アル オルノ

毎週土曜日は義母宅にお呼ばれし、昼食をいただきます。家族を大事にするアルゼンチンでは、土曜日(もしくは日曜日)はママの家でご飯を食べる、という習慣があり、嫁にとってはめんどくさい行事の1つかもしれません。

幸い我が家は、人間的に素晴らしい義母となるべく料理したくないグータラ嫁の私、という構図のおかげで、ありがたく毎週ご飯を食べに伺っています。

カルネ アル オルノは、義母がよく作ってくれる私にとってのアルゼンチンの母の味。「牛肉をオーブンに入れるだけよ。」という義母ですが、その絶妙な塩加減や肉汁の旨さはどこから来るのか。同じ肉屋で買っているはずの肉が全然違う品のよう。マッシュポテトやジャガイモをスライスして焼いた付け合わせと頂きます。

4. フィデオ(パスタ)

フィデオ(パスタ)

日曜日はフィデオの日。日本でいうパスタやニョッキなどの小麦粉練り製品を「フィデオ」と呼び、イタリア人の移民が多いアルゼンチンでは、よく食べます。

手作りフィデオを販売するお店が街中に溢れているブエノスアイレスですが、昔は自宅で作るお家も多かったようです。主人は「日曜日は祖母の家でニョッキを作って、フォークで転がすのが子供の頃の楽しみだった。」そう。生地を伸ばすマシーンもキッチン食材屋さんには必ず置いてあります。

乾麺ももちろんスーパーで販売していますが、生麺も売られています。手作りフィデオ屋さんは日曜日に長蛇の列。タンゴの先生の家に生徒数名で伺ってご馳走になった時も、手作りフィデオのお店で買ったニョッキをいただきました。アルゼンチンでフィデオは日常食であり、おもてなし料理の1つでもあるようです。

我が家の定番は、乾麺フィデオを塩多めのお湯で茹で、オリーブと胡椒、粉チーズをかけただけのシンプルフィデオ。ちなみにアルゼンチンでは、体臭や口臭を気にする人が多いので、ペペロンチーノなどニンニクを使った料理を食べる人が極端に少なく感じます。

5. ギソ デ レンテハ

ギソ デ レンテハ

冬の煮込み料理といえばコレ。アルゼンチン人にとっての日本でいうカレー的なポジションです。

やはり煮込み料理は古今東西、2日目が美味しいらしく主人は作った翌日を楽しみにしています。レンズ豆と玉ねぎやジャガイモなどの野菜、チョリソーというソーセージや肉のさまざまな部位が入った煮込み料理です。

家庭で行うアサードをした後に、残ったチョリソーや肉などを細かく刻んで作ると、たくさんの材料を集める必要がなくて楽ちん。アサードに行った際に肉が余ると「持って帰る?」と聞かれたりすることがあるので、たくさんいただいた際に私は作っています。

6. パステル デ パパ

パステル デ パパ

こちらはアルゼンチンの、というわけではなくヨーロッパからの移民によって持ち込まれた家庭料理の1つだと思われます。玉ねぎと炒めた挽肉の上にペースト状になったジャガイモを乗せてオーブンで焼いた料理です。

パステル デ パパは、ほっこりして優しいお母さんの味。初めて義母の家でこの料理をいただいた時、あまりの美味しさにつたないスペイン語でレシピを教えて欲しい、と懇願した日のことを思い出します。健康志向の義母は、バターを使い過ぎないようにいつも「ほんの少しだけ、ね。バターを隠し味で入れてね。」と念を押します。

熱いうちにマッシュしたジャガイモに卵と牛乳と塩を入れて、ほんの少しのバターで味付けするのが、優しい味のポイントです。

挽肉の上に砕いたゆで卵と細かく刻んだオリーブ漬けをのせて、ジャガイモのペーストをのせてフォークで筋を描いてオーブンへ。ペーストの上にチーズを乗せることもできて、我が家のアルゼンチン人にはチーズのせが人気。

7. フィレ デ メルルーサ

フィレ デ メルルーサ

ブエノスアイレスで魚料理といえば、「メルルーサ」。この魚に衣をつけ過ぎた天ぷらのような料理です。サクッという食感はまったくなくて、衣がどっしり、しっとりした食感。

メルルーサはとてもポピュラーな魚で、味は淡白なタラに似た味です。ちゃんとした魚屋さんで買えば(これがとても大事)身もふわふわで美味しくいただけます。アルゼンチン人は魚を嫌いな人が多いのですが、日本と違って処理が甘い場合やお店の管理が悪いと、アンモニア臭や独特の嫌な匂いがすることがよくあります。

魚屋選びはとても大切です。義母や義姉から近所の魚屋情報はしっかり聞いて、さらに毎日魚が入荷するわけではないので、入荷日をチェックします。

先日、魚屋で調理されたフィレ デ メルルーサを買って食卓に並べたところ、大当たりで美味しかったです。魚好きの4歳の息子が「ママ、美味しかったからまた作ってね。」と可愛い笑顔を見せてくれました。これもきっと(言わなければ)ママの味でしょうか?

パパの料理

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パパは料理を作らないのか?というと、アサード(アルゼンチン流BBQ)はパパの仕事です。この日ばかりは、ママは簡単なサラダボール(ほぼレタスを洗っただけ)を用意したら席に座って、おしゃべりしながら出来上がりを待ちます。完全に何もしません。

「アサードが上手に焼けるか?」が女性の男性選びの重要なポイントになるアルゼンチン。自分の選んだ男性が焼くアサードを堪能する時間が、愛を感じる瞬間でもあります。肉と愛の国、アルゼンチンの日曜日によくある平和な家族の風景です。

最後に

ちらし寿司

今回は、アルゼンチンのママの味をご紹介しました。

各ご家庭によってママが作るものは違うとは思いますが、どれも古典的なブエノスアイレスでよく食べられているお料理です。私が日本食を食べて「ホッ」と落ち着くように、アルゼンチンの義母から教わった料理を食卓に並べると、主人もとても嬉しそうに食べています。やはり、小さな頃から食べて来たものは、心にも身体にも栄養を与えてくれますね。

アルゼンチンにお越しの際は、ぜひアルゼンチン人のソウルフードを味わってみてくださいね。

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アルゼンチンのブエノス・アイレス在住のタンゴダンサー、講師。タンゴやブエノス・アイレスの文化・情報について、日本から見て地球の反対側の本場ブエノス・アイレスから情報を発信中。

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