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【ロンドン】ビートルズゆかりの通り、サヴィル・ロウ
2023年11月、「最後の新曲」がリリースされ、再び世界的な脚光を浴びることとなったビートルズ。
今回は、そのビートルズにゆかりのある通りとして知られるサヴィル・ロウ(Savil Row)をご紹介します。
目次
サヴィル・ロウがあるのはどこ?
ロンドンのメイフェア地区にあり、ショッピング街として有名な大通り、リージェント・ストリートのすぐ西側で並行して南北に走っています。長さはほんの270mほどで、細く短い通りです。最寄り駅の地下鉄ピカデリー・サーカス駅から、徒歩5分ほどのところにあります。
高級紳士服の聖地
サヴィル・ロウといえば、ビスポーク、つまりオーダーメイドの名門紳士服店が多く並ぶスーツの通りとして知られています。「サヴィル・ロウ」の発音が変化して日本語の「背広(せびろ)」の語源となったという説もあるほどです。
たとえば、11番地のハンツマン(Huntsman & Sons)。1849年創業、王室御用達の称号を有するテイラーです。お店のウェブサイトによると、ビスポークの仕立ては4,200ポンド、日本円にして約77万6,200円からとのこと!(参考換算レート:£1.00=184.83円。2023年11月7日現在)
今日では女性向けの仕立ても行われているほか、既製品も販売しており、オンラインでのオーダーも可能です。
>>ハンツマン(Huntsman & Sons)の公式サイトこちら
こちらはお隣10番地のディージ&スキナー。1865年創業で、軍服の王室御用達ブランドとして有名です。通りの東側に並ぶテイラーはいずれも地下に仕立てルームがあり、通りからその様子をうかがうことができます。
通りの西側には、1836年創業の高級服地マーチャント「ホーランド&シェリー(Holland & Sherry)」に加え、より新しいブランドや既製品を取り扱う店などが並びます。散歩がてらにショーウィンドウから中をのぞいてみるだけでも楽しめます。
ビートルズとのつながりは?
高級紳士服の仕立て屋街として有名な通りがなぜビートルズとゆかりがあるのか?
それは、かつてビートルズが所有していた会社、アップル・コア社(Apple Corps)が、サヴィル・ロウ3番地の建物を本社ビルとしていたからです。そしてそれを証明するのが、こちらのブルー・プラーク (blue plaque)(※1)。
「ビートルズが1969年1月30日にこのビルの屋上で最後のライブパフォーマンスを行った」と記されています。音楽ファンにはよく知られた、告知も観客もなく行われた歴史的なライブセッションの舞台となったのが、まさにこのビルの屋上なのです。
(※1)ブルー・プラーク:歴史上著名な人物にゆかりのある建物(生家・住処など)や、歴史的なできごとに関する建物に設置されている案内板。イングランドの歴史的建造物を保護する組織、イングリッシュ・ヘリテージが管轄している。
屋上を見上げ、ドキュメンタリー映画の『レット・イット・ビー』や『ゲット・バック』を脳内再生してみるのもいいかも?
今日でも、このビルの前で写真撮影を行っている旅行者たちの姿が見られます。建物には一時ここで営業していたアメリカの大手アパレルメーカー「アバクロンビー&フィッチ」の名が残っていますが、店は既に閉店しており、2023年11月現在、一般の人が建物の中に入ることはできません。とはいえ、このビルの前に立って屋上を見上げるだけでも満足できるビートルマニアたちが、今もこの地を訪れ続けているのです。
さいごに
サヴィル・ロウの南側の端は突き当りで、東はリージェント・ストリートへと続くヴィーゴ・ストリート(Vigo Street)、西はロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(Royal Academy of Arts, RA)のあるバーリントン・ガーデンズ(Burlington Gardens)という2つの短い通りにつながっています。ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの南側はピカデリーの大通りで、その大通りを挟んだ向かいにあるのは、世界的に有名なデパート、フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)です。
この付近は徒歩圏内で見どころ満載のエリアなので、観光やショッピングの合間に、サヴィル・ロウにも足を延ばして歴史を感じてみてください。
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ハル・リーチ
- 音楽、映画・演劇・TV、サッカーなど、UKカルチャーをこよなく愛す。2001年よりロンドン在住。以来、会社員&ものかき業を継続中。