【モロッコ】美しい大西洋とサハラ砂漠を楽しむ、西サハラ・ダフラへの旅

こんにちは。Saoriです。

目次

正式国家ではない西サハラとはどんな場所?

西サハラはモロッコ、モーリタニア、アルジェリアと国境を接する地域で、大部分の領土がモロッコに実効支配されている一方、「サハラ・アラブ民主共和国」という独立した国家としての領有権を主張しています。アフリカや中南米諸国はサハラ・アラブ民主共和国を承認していますが、欧米や日本は国家として承認していません。モロッコ軍によって建設された全長2,000kmにも及ぶ「砂の壁」以西をモロッコが、以東をサハラ・アラブ民主共和国が実行支配しています。

モロッコ軍の駐屯地
<街中を少しでるとモロッコ軍の駐屯地があります>

日本国外務省はこの砂の壁以東に退避勧告を出しています。今回記事で紹介するダフラはモロッコ軍により安定が保たれていますので、一般的な海外旅行における注意で大丈夫ですが、それ以外の地域に行く場合は、外務省の情報などをもとに十分注意をしてください。日本人が西サハラに行く場合、3ヶ月以内の観光であればビザは必要ありません(国境はモロッコが管理しており、モロッコと同様のルールが適用されます)。

ダフラの景色
<上空から見たダフラの光景>

日本からのアクセスとしては、中東系航空会社を利用しドバイもしくはカタールを経由する中東ルートとパリやイスタンブールを経由するヨーロッパルートがあります。1年を通して非常に乾燥しており、日中は日差しがとても強く暑く感じるものの、朝方や夜は冷え込むので、薄手の長袖や日焼け止めが必須です。また、乾燥しているので蚊は少ないものの、マラリア等の心配もあるため、虫除けスプレーも携帯すると良いでしょう。雨季でも降水確率は10%以下なので、年間を通して訪問しやすい地域です。

一方で、後述するカイトサーフィンを目的とするのであれば風の強くなる4月から9月がベストシーズンとなります。公用語はアラビア語ですが、一部フランス語も通じます。

銀行
<銀行では自分のIDを受付に並べ、順番の管理をします(無造作に受付に置かれたIDはとても不安です...)。>

西サハラの通貨はモロッコディラハムとなります。現地では日本円からの換金は基本的に受け付けてもらえないので、ユーロを持参しましょう。ダフラ空港にあるBanque Populaireで両替ができるほか、市内にある銀行でも両替ができます。筆者は市内の銀行で両替をしましたが、フランス語が話せる人々が少なく、容易ではありませんでした。

ベルベルの人々の文化に触れる市内観光

ダフラ市内は非常にコンパクトなので、歩いて観光が可能です。治安も安全で、女性の1人歩きも全く問題ありませんでした。基本的に夜間も危ないことはありませんが、交通量や出歩く人々が増えることもあり、タクシーの利用がおすすめです。ダフラのタクシーは相乗りですので、タクシーを捕まえるとすでに先客がいることがほとんど。危険から身を避けるためにも、念のため女性や子どもが乗ったタクシーを選ぶようにしていました。

Complexe d'Artisanal

海岸沿いを歩くと、Complexe d'Artisanalがあります。2016年にオープンしたこの建物には西サハラの歴史的な芸術作品(瓶や手編みのかご、手織りのカーペットや豪華な刺繍の施された衣服)が飾ってあるほか、現役の職人が作品を作成・売買しています。

Complexe d'Artisanal

屋台

市内を歩いているとよく目にするのが果物や野菜を売る屋台。中心部にはスーパーマーケットもありますが、野菜などに関しては、現地の人々はこうした屋台を利用しているようです。

お肉屋

お肉屋さんでは部位と重量を指定すれば、その場でサイコロステーキのサンドイッチにしてくれます。

中央市場

ぜひ足を伸ばして欲しいのが、この中央市場。ここでは魚や野菜から、ドライフルーツにスパイスまで、お土産を揃えるにもうってつけの場所です。西サハラでは漁業が盛んで、特にここで取れるタコは肉厚で柔らかく、日本の築地市場やスーパーでも取引されているそう。生鮮食品を買うのはハードルが高い場合でも、ここでは日本でも最近注目の健康食品デーツも手に入ります。

中央市場

  • 住所: Boulevard Al Masjid, Dakhla 73000

おすすめのお土産は、その場で調合してくれるモロッカンスパイス。魚用、タジン用、鶏肉用など用途を指定すれば、その場で好みのスパイスを調合してくれます。

モロッカンスパイス

大西洋でマリンスポーツをエンジョイ!

ダフラを訪れる人々の大半の目的はマリンスポーツ。サーフィンやカイトサーフィン、ジェットスキーを楽しみに、欧米の若者で賑わいます。

マリンスポーツを中心に滞在したいのであれば、海沿いのリゾートもしくはキャンプに泊まるのもおすすめです。Dakhla Attitude、Dakhla Evasion、Hotel PK25、Ocean Vagabondなどのホテルはマリンスポーツを楽しめる入江や海沿いに位置し、オールインクルーシブもしくはハーフボードなどの宿泊プランを提供するので、移動を気にすることなくマリンスポーツに専念できます。

ラクダ

キャンプの多くが位置するスピードスポットという入り江には、野生のラクダも住んでいます。

筆者はZakiteboardingというスクールを利用しました。市内に宿泊しつつも、毎日ホテル送迎をしてくれその日のコンディションにあったスポットへ送り迎えしてくれることが利点でした。

Zakiteborading

  • 住所: Boulevard Ail Ismail Mohamed Salek, Dakhla 73000
  • 公式サイト:Zakiteborading
  • 営業時間: 10:00~20:00

海の幸とスパイスを楽しむ西サハラ料理

タジン

西サハラ料理はモロッコ料理と似ていて、先住民ベルベル人とアラブ系の文化が混じった料理です。日本でもよく知られているスパイスをたっぷり使ったタジンなどが代表例。クスクスと野菜の上に鶏肉やラクダの肉もしくは魚が乗せられています。毎週金曜日は家族揃ってタジンを囲み、塩気のあるヨーグルトドリンクを飲むのが定番です。

牡蠣

また、TalhaMarと呼ばれる牡蠣の養殖場もあり、見学ができるほか、その場で生牡蠣を楽しめます。ここでは牡蠣以外にも、魚やロブスターも手頃な価格で食べられるので、おすすめです。

TalhaMar (牡蠣の養殖場)

  • 住所: Near Plage Boutalha, Dakhla Morocco
  • 公式SNS:Facebook

シーフード

また、ダフラでは大西洋で獲れるシーフードも手頃な価格で楽しめます。市場ではこのように新鮮な魚介が売っており、付近のレストランでは市場で仕入れた魚介を使ったシーフード料理が非常に手頃な値段で食べられるので是非足を運んでみて!

まとめ

西サハラという名前を聞いてもあまりピンと来る人はいないかもしれません。文化や風景はモロッコと似ているようですが、観光客の比較的少ないダフラは人々も優しく穏やかで、ストレスフリーに砂漠と大西洋を楽しむにはもってこいの場所です。

(一部の人にとって)唯一の欠点といえば、宗教上の理由からアルコールが手に入る場所が極端に少ないことでしょうか。マリンスポーツに興味のある方々、観光客の集まる場所を避けた旅行をしてみたい方々にぜひおすすめしたいスポットです。

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Saori K. Courtois

西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。

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