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「ルクセンブルクにあるリトル・スイス、ミュラータール」
こんにちは。Saori K. Courtoisです。
目次
世界で唯一の大公国、ルクセンブルク
ルクセンブルクという国名を聞いて、その位置や文化を思い浮かべることのできる人はあまりいないのではないでしょうか?
ルクセンブルク はフランス、ベルギー、ドイツに囲まれた、神奈川県ほどの大きさの小国です。ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語が公用語とされていますが、多くの場所で英語も通じます。国家君主が「大公(Grand duke)」である、世界で現存する唯一の大公国です。世界で初めて公共交通機関の無料化をした国でもあり、観光客も含め、無料でバス、トラム、電車、ケーブルカーに乗ることが可能です。通貨はユーロを使用しており、ほとんどのお店でカード決済が主流となっています。
日本からルクセンブルクへのアクセスは、直行便がないため、フランクフルト、ミュンヘン、ヘルシンキ、イスタンブール、パリ等のハブ空港を経由する必要があります。そのため、日本から観光に行く場合、その他の国と組み合わせて、旅程を組むこともオススメです。例えば、パリからルクセンブルク 中央駅までは、TGVを使うと2時間でアクセスできるので、フランス旅行の途中でデイトリップも可能です。ルクセンブルク空港に到着した場合、29番のバス(もちろん無料!)で市内中心までアクセスできます。
今回は、ルクセンブルク人が愛してやまない、UNESCOにも登録された美しい地方、ミュラータール(Mullerthal)をご紹介します。
リトル・スイスの愛称で知られるミュラータール
ミュラータールはルクセンブルク にある5つの地方のうちの1つで、丘が連なるその地形がスイスを連想させることから、リトル・スイスの愛称で知られています。砂岩と土壌の浸食によって、独特の地形をなしており、2022年にUNESCOグローバル・ジオパークに登録されています。ミュラータール地方の首都はルクセンブルクでもっとも古い街エシュテルナッハ。
この街で毎年5月ごろに行われる踊りの行進(Dancing Procession of Echternach)は、2010年に世界文化遺産にも登録されています。
ユニークなミュラータール の地形を楽しむため、全長112kmに渡るハイキングルートが設定されています。最も有名なのはミュラータール・トレイルとよばれる40km程のコースが3本ありますが、初心者向けに4〜10kmのコースも。公式サイトには距離、所要時間、難易度も記載されているので、体調や経験に合わせて好きなコースを選びましょう。
ミュラータール・トレイルの出発地点へは、公共交通機関のみを利用する場合、ルクセンブルク中央駅から29番のバスに乗り、セニンゲルバーグ(Senningerberg)で212番に乗り換え、Bech, Um Faubourgで 下車し、徒歩8分の位置にあるBercher Gareからハイキングトレイルに入るルートが最短です。Mと表示してある道をひたすら進んでいくのですが、公式の地図もしくはGPSを辿っていくほうが安全です(筆者は標識を追っていった結果、いつの間にか長いトレイルに迷い込み、予定よりも10km長く歩かなければならないことに・・・)。
岩場の多い地形で、小川も多く流れ、苔が生しているため、滑りにくいトレッキングシューズや薄手のジャケットが必要です。木が覆い茂るので日焼けの心配はあまりない一方で、マダニなど虫刺されには要注意。
森の中にそびえ立つ中世の城、ボーフォール
ミュラータールのハイキングコースの途中には、所々で観光地があります。例えば、ルネサンス調の中世の城ボーフォール(Beaufort)もその1つ。4月から11月までの間、1015年から1650年の間に建てられた中世の城跡と、その後20世紀に建てられたルネサンス宮殿の内部を見学できます。中世の城跡の方は、かなり古いため遺跡のようになっており、実際に使われていた地下牢や拷問部屋も残っており、当時の拷問器具も展示されています。
ルネサンス宮殿は17世紀にジョン・バロン・ド・ベックというルクセンブルク人建築された後、様々な権力者の手に渡りながらも、大きな損傷なく維持され現存しています。現在は、ガイド付きのツアーでのみ内部を見学できますが、数年前に亡くなったオーナーが暮らしていたそのままのインテリアが残されています。
歴代のオーナーの家紋が入ったステンドグラスは圧巻です。
また、ボーフォール城では、地元名産のカシスリカーも生産しており、ツアーの最後にテイスティングが含まれています。生産量が非常に少なく、国外へ輸出されることがほとんどないため、お土産にも最適です。
まとめ
今回は、ルクセンブルク のリトル・スイス、ミュラータール地方の自然と歴史を垣間見るスポットをご紹介しました。ルクセンブルクへの観光は、あまり日本人にとって馴染みがありませんが、パリやフランクフルトといったヨーロッパの主要都市に加えて、足を伸ばす価値があります。ルクセンブルク人は英語にも堪能で、非常に親切なので、「モイエン(Moien)=ルクセンブルク語でこんにちは」と挨拶をすれば、旅の手助けをしてくれることでしょう。ぜひ、ルクセンブルクの豊かな自然と歴史を感じに来てください。
ミュラータール トレイル
- 住所: 1 Bécher Gare, 6230 Bech
- 入場料:無料
- 公式サイト:Mullerthal
ボーフォール城
- 住所: 24 Rue du Château, 6313 Beaufort
- 営業時間: 4月から11月まで9時から18時
- 入場料:大人12ユーロ
- 公式サイト:Medieval Castle Beaufor
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Saori K. Courtois
- 西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。