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福岡の明太子入門!めんたいマニア・たぐめんさんに学ぶ楽しみ方
福岡の名物といえば「明太子」です。福岡には数多くの明太子メーカーが存在しますが、そのメーカーごとの味の違いや楽しみ方を知っている人はなかなかいません。
そんな明太子業界で「もっと明太子を楽しもう!」というメッセージとともに活動していらっしゃる方がいます。それが、福岡めんたいこ地位向上協会の理事長であるたぐめん(田口めんたいこ)さんです。
今回は、たぐめんさんに明太子の基本から楽しみ方まで、詳しく解説していただきます。
たぐめん(田口めんたいこ)について:
明太子の楽しさを伝える、福岡めんたいこ地位向上協会の理事長。東京出身だが、明太子が好きすぎて、2020年から1年半ほどめんたいこのためだけに福岡に移住して取材活動を行っていた。明太子業界を盛り上げるため、様々な活動を行う明太子マニア。
目次
<2. 1年半のめんたいこ移住生活......福岡の印象は?>
<3. たぐめん厳選! 福岡の明太子旅行で外せないスポット4選>
<4. たぐめん厳選! 福岡・明太子旅行で買いたいお土産4選>
そもそも明太子とは?ルーツは朝鮮半島
<出典:写真AC>
──そもそも「明太子」と「たらこ」はどう違うんでしょうか。
たぐめん:たらこは、主にスケトウダラの卵巣を塩漬けしたもの。明太子はスケトウダラの卵巣を唐辛子を使用した調味液で漬けたものです。大きな違いは唐辛子の有無ですね。
──シンプルな違いですね。福岡では「明太子」と「辛子明太子」で、唐辛子の有無を使い分けている人もいますが......。
たぐめん:今では一般的に同じ意味で使われていますが、以前福岡ではたらこのことを明太子と呼んでいました。その名残です。ちなみに、正式名称は「辛子めんたいこ」とされています。
──そもそも、なぜ「明太子」と呼ぶのでしょうか。
たぐめん:もともと、スケトウダラの卵巣を加工して食べる文化は朝鮮半島の発祥です。朝鮮半島では、スケトウダラのことを「明太(ミョンテ)」と呼ぶので、その子どもだから「明太子」です。
──朝鮮半島の食べ物だったのが、なぜ今は福岡名物になっているんですか。
たぐめん:明太子を福岡に持ち込んだのは、有名なメーカー「ふくや」創業者の川原俊夫さんです。朝鮮半島で育った川原さんは、福岡の地で朝鮮半島で食べられている「明太(ミョンテ)」を再現しました。
──今食べている明太子の味は、朝鮮半島で食べられていた味ということですか?
たぐめん:いえ、福岡で再現する際に日本風にアレンジが施されています。そのため、朝鮮半島で食べられていたものとは別物ですね。あくまで「ルーツ」が朝鮮半島ということになります。
──明太子の基本はだいぶわかりました。実際に福岡で明太子旅行するとなったら、あんまり食べ過ぎるのもよくないですよね?
たぐめん:まあ、たしかに食べ過ぎはよくないと思いますけど、旅行したその1~2日くらいは、あまり気にしなくてもいいんじゃないかな。
──塩分も気になりますよね。
たぐめん:とはいえ、健康に悪いイメージが強過ぎる気はします。明太子1本食べても、梅干し1個の塩分と同じくらいですよ。
──あ、そんなものなんですね。
たぐめん:プリン体についても、タラの白子と同じようなイメージを持っている人が多いんじゃないでしょうか。実際は3分の1にも満たないです。
──たしかに、イメージ先行しちゃってるかも。日常的に食べすぎないように気をつけつつ、福岡旅行のときはちょっとはしゃいじゃってもいいかもしれませんね。
たぐめん:そうそう。必要以上に気にせず、ぜひ福岡の美味しい明太子を体感してほしいですね。
1年半のめんたいこ移住生活......福岡の印象は?
──たぐめんさんは、なぜ明太子が好きになったんですか?
たぐめん:福岡旅行に行った時に、4メーカーの明太子を食べ比べする機会があって。その時に、美味しさはもちろん、メーカーごとに全く味が違うことに感動しちゃって。それからハマりこんでいきました。
<当時の写真>
──そこから始まり、福岡での明太子移住生活に突入するわけですね。移住生活の1年半はいかがでした?
たぐめん:毎日が刺激的でしたね。たくさんの明太子メーカーに取材して、知識量が一気に増えました。貯金は無くなったけど、明太子活動をしていく上でかげがえのない時間を過ごせたなと思っています。
──福岡には、明太子メーカーがたくさんありますからね。
たぐめん:メーカーの数が多いので、取材先がたくさんありました。結局、一年半ですべてを廻ることはできなかったですが、40社ほど取材できたので良かったです。
──40社はすごいですね。そんな人はなかなかいないと思います。
たぐめん:街を歩いていると、海産物店にオリジナルの明太子があったりして。そんな出会いも楽しかったです。
──移住して知った、明太子以外の福岡の魅力はありますか?
たぐめん:たくさんありますよ。博多天ぷらのひらおのスタッフの手際のあまりの良さに驚いて、笑っちゃったことがあります。あとは、ふとっぱらの「ラーソーメン」も美味しかった......。
──けっこう明太子以外にも、いろいろ楽しんでいますね。
たぐめん:とくに福岡のうどんの美味しさは印象に残っていますね。ウエスト、資さん、因幡うどん......。東京にはない美味しさでした。
──お気に入りのスポットはありますか?
たぐめん:福岡移住時は六本松に住んでいたので、大濠公園がお気に入りでした。都会の公園だけど、人が多すぎないのがいいですね。カフェもいくつかあって、ゆったりと過ごせます。
──たしかに、大濠公園は定番ですね。
たぐめん:あとは北九州の皿倉山の夜景には驚きました。東京の都心で見る夜景とはひと味違う、味のある夜景。今まで見た夜景で一番きれいでしたね。
たぐめん厳選! 福岡の明太子旅行で外せないスポット4選
そんなたぐめんさんに、福岡の明太子旅行で外せないスポットを4か所教えていただきました。たぐめんさんが選んだスポットは、以下の通りです。
ラーメン海鳴 博多デイトス店「博多明太まぜそば」
<博多明太まぜそば 890円>
たぐめん:海鳴さんは福岡空港店でも辛子明太子入りのラーメンがあるんですが、博多デイトス店のまぜそばは特に新感覚だったんですよね。八角を使っていて、ちょっと普通のまぜそばとは味が違うんですよ。とっても明太子が絡んでいるし、山クラゲが入っていて、食感も楽しいですね。
ラーメン海鳴 博多デイトス店
- 住所:福岡市博多区博多駅中央街1−1 内 2F, 博多めん街道
- 営業時間:11:00~23:00(22:30L.O.)
- 定休日:年中無休
- 電話番号:092-475-8511
- 公式サイト:ラーメン海鳴 博多デイトス店
辛子明太子の島本博多駅前店「できたて辛子明太子を楽しむ会」(要予約)
たぐめん:土鍋でごはんを炊くところから始まって、島本こだわりの国産明太子を試食できる体験会。これ、信じられないんですけど無料なんです。予約はすぐ埋まるので、なるべく早めにチェックして、ぜひ行ってみてほしいです。明太子の勉強もできます!
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
島本「できたて辛子明太子を楽しむ会」に参加してみた
辛子明太子の島本博多駅前店
- 住所:福岡市博多区御供所町2-63
- 営業時間:9:00~19:00
- 定休日:お盆・お正月休みのみ
- 電話番号: 092-291-2771
- 公式サイト:辛子明太子の島本博多駅前店
- 「できたて辛子明太子を楽しむ会」の予約はこちら
パンとエスプレッソと博多っと「ムーめんたい」
たぐめん:「ムー」というもちもち食感のパンに、明太子、めんたいクリーム、めんたいソースと3種類の明太子系具材が乗っています。明太子系パンの中でも、かなり独創的なメニューで美味しいので、食べてほしい......!
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
「ムーめんたい」をパンとエスプレッソと博多っとの店長と食べてみた
パンとエスプレッソと博多っと
- 住所:福岡市博多駅前2丁目8-12
- 営業時間:8:00~19:00
- 定休日:不定休
- 電話番号:092-292-1190
- 公式サイト:パンとエスプレッソと博多っと
博多の食と文化の博物館 ハクハク
<工場の様子>
たぐめん:ハクハクは工場見学できるだけでなく、明太子の手作り体験もできますし、明太メニュー充実のカフェもあります。fミュージアムでは博多の祭、食、工芸についても知ることが出来るので、(私なら)半日以上滞在できるおすすめスポットです。
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
ふくやの明太子工場が見学できる「ハクハク」に行ってみた【福岡めんたい図鑑】
博多の食と文化の博物館 ハクハク
- 住所:福岡市東区社領2-14-28
- 営業時間:10:00~16:00(入館15:30まで)
- ※工場の稼働は14:00前後のため、工場見学は午前中がおすすめです。
- 定休日:火曜・水曜日、年末年始
- 電話番号:092-621-8989
- 公式サイト:博多の食と文化の博物館 ハクハク
たぐめん厳選! 福岡・明太子旅行で買いたいお土産4選
さらにたぐめんさんに、福岡の明太子旅行で買いたいお土産を4種類教えていただきました。たぐめんさんが選んだめんたいお土産は、以下の通りです。
椒房庵「あごだしめんたいこ(ゆず)」
<めん地協の動画より>
たぐめん:椒房庵の小箱シリーズはパッケージがおしゃれなので、お土産にぴったり。「あごだし」と「ゆず」なんて合うの?と思われるかもしれませんが、むしろゆずがあごだしの味と香りを引き立てており、「だしの旨味」をよりハッキリ感じられる明太子です。新たな発見があるはずです。
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
椒房庵の明太子はなぜ人気になったのか?めんたいヒストリー【福岡めんたい図鑑】
椒房庵「あごだしめんたいこ(ゆず)」2,613円/140g (税込)
販売ページはこちら
公式サイト:椒房庵
中島商店「博多なかなか三昧」
<めん地協の動画より>
たぐめん:めんたいこの乾物を3種類セットにして売っているというマニアックな商品です。からすみ風ドライ明太子、明太子の皮ジャーキー風、ドライ明太子の燻製が入っています。どれも絶品です。保存が効くので、お土産として渡しやすいのも魅力。
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
乾燥明太子って、ご存知?中島商店「博多なかなか三昧」を食べてみた【福岡めんたい図鑑】
中島商店「博多なかなか三昧」1,296円(税込)
販売ページはこちら
公式サイト:中島商店
福太郎「めんべい焼きチョコバー」
<めん地協の動画より>
たぐめん:めんたいこを練り込んだせんべい=めんべいを焼きチョコバーにしたという変わり種の商品です。甘いのに、ちゃんと辛い。焼きチョコバーとしての美味しさは守りつつ、めんべいの味も守っているという攻めた商品です。こちらも保存が効くので、お土産にチョイスしやすい!
▼福岡めんたいこ地位向上協会の動画
福岡民も知らないマイナーめんべいの世界【福岡めんたい図鑑】
福太郎「めんべい焼きチョコバー」480円 (税込)
販売ページはこちら
公式サイト:福太郎
島本「めんたいマヨネーズ」
<画像提供:株式会社島本食品様>
たぐめん:このめんたいマヨネーズは、めんたいマヨ好きに1度は食べてみて欲しい!明太子の量が圧倒的です。主役はマヨネーズではなく、明太子。フレッシュな明太子の風味が口の中に広がります。こだわっている分要冷蔵で、賞味期限も長くないのですが、美味しいのでぜひ。
島本「めんたいマヨネーズ(中)」460円(税込)
販売ページはこちら
公式サイト:島本
これからの明太子は「加工品」に注目すると面白い
──いろいろと明太子について詳しくなりました。これからの明太子シーンについても知りたくて。どんなところに注目すると面白いですか?
たぐめん:まず基本として、明太子の各メーカーの開発の「冒険心」には注目してほしいです。老舗だろうと関係なく、どのメーカーもかなり攻めた商品の開発を行っています。いろんな味の明太子が出ていますよ。
──たしかに......。おすすめの商品もどれも斬新でした。
たぐめん:知られていない美味しい商品がたくさんあるんです。もっと知ってほしいですね。とくに最近は「明太子系の加工品」が面白いです。
──明太子系の加工品ですか。たしかにおすすめの商品の中にも、そんなものがたくさん入っていましたね。
たぐめん:お中元やお歳暮のほか、プチギフトとして贈られることが多くなっていく中で美味しい加工商品が続々誕生しています。様々な美味しい加工商品が誕生しました。最近は明太子を「調味料的に活用する」というムーブメントも存在するので、そちらにも注目してほしいですね。
──なるほど。明太子沼はまだまだ深いですね。
たぐめん:はい、ぜひ福岡旅行に行って、明太子沼に浸かってみてください。おいしくて、楽しい世界が待っていますよ。
──本日は貴重なお話をありがとうございました!
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大塚たくま
- 福岡をこよなく愛する編集者。株式会社なかみ代表。自身でスポンサーになるほどのアビスパ福岡サポーター。