海外グルメ、現地で食べる?日本で食べる?海外グルメマニアに聞いてみた!

海外グルメ、現地で食べる? 日本で食べる? 海外グルメマニアに聞いてみた!

土日祝だけで年間365軒以上、東京にあるおいしい・珍しい海外グルメを食べ歩いている、海外グルメマニアのおぐグルメさん。「東京にいながらグルメで世界一周旅行」を目標に、これまで100カ国以上、2,500軒以上のお店を開拓し、ブログに掲載してきました。

海外旅行も大好きで、世界60カ国以上、ヨーロッパは54カ国すべてに渡航し、現地でも食べ歩きをしてきたそうです。その豊富な経験から、海外グルメマニアとしてテレビやラジオに出演されることもあり、ブログのほか、TwitterやPodcastなどでも日々海外グルメの魅力について発信しています。

今回はそんなおぐグルメさんに、海外グルメの魅力や、日本で楽しめる海外グルメのお店などについて語っていただきました。現地で食べるのと日本で食べるのとでどう違ってくるのかについても教えてもらっています。

目次

<1. イギリスの「コーニッシュ・パスティ」が海外グルメの世界に導いた!>

<2. 東京で100ヵ国以上の海外グルメを制覇!>

<3. 海外グルメを、現地で食べる! その魅力やお店の選び方>

<4. 海外グルメを、日本で食べる! その魅力やお店の選び方>

<5. 今大好きな海外グルメは「ナポリピザ」と「ニューヨークベーグル」>

<6. 現地でも日本でも、海外グルメを楽しもう!>

イギリスの「コーニッシュ・パスティ」が海外グルメの世界に導いた!

海外グルメにはまったきっかけは、2014年の1月、イギリスに一人旅をしたときです。イギリスに行くのも一人旅も初めてでした。高速鉄道のユーロスターを使えば、イギリスからフランスやベルギーへも日帰りで行けます。せっかくなら時間をいっぱい使いたいと、朝早くから駅へ向かいました。

そのとき、ホームの前にあるキオスクのような売店で見つけたのが「コーニッシュ・パスティ」(※)というイギリスのパイです。それがすごくおいしくて!

コーニッシュ・パスティ

※コーニッシュ・パスティがどんなものかは、「ロンドンでも味わえる!コーンウォール名物「コーニッシュ・パスティ」」の記事をご覧ください

イギリス料理といえば、おいしくないというイメージも抱かれがちですが、こんなにおいしいものがあるんじゃないか!と衝撃を受けました。コーニッシュ・パスティとの出会いをきっかけに、自分はまだ海外の料理を全然知らないな、開拓してみたいなと思うようになったのです。

コーニッシュ・パスティ以外にも、イギリスのパイ生地の料理「パスティ」には色々と種類があります。私が一番好きなのはチキンクリームです。イギリス料理にもヴィクトリアケーキやヨークシャープディング、スコッチエッグなどおいしいものがたくさんあるのですが、なかなか周知されないので非常に寂しいというか、残念だなと思っています。

東京で食べられるコーニッシュ・パスティの店

東京にも、コーニッシュ・パスティをはじめとしたイギリスのパイを提供している「スワン&ライオン」というお店が市ヶ谷にありますので、興味のある方はぜひ食べてみてください。営業している曜日が少ないのには注意ですが、本場の方が作っている本場の味です。とってもおいしいですよ。

スワン&ライオンの外観
<スワン&ライオンの外観/画像提供:おぐグルメさん>

「東京グルメで世界一周」のページ「【木・金限定】イギリス伝統のパイ専門店(スワン&ライオン / 市ヶ谷)」で紹介しています。

東京で100カ国以上の海外グルメを制覇!

もともと海外旅行も食べ歩きも好きで、旅先でもひたすら食べ歩くのですが、私はサラリーマンなのでずっと海外を飛び回ってグルメ開拓をしているわけにもいかず......。そこで、東京には世界の料理が集まっているのだから、せっかくなら東京で海外グルメの開拓をしよう!と、東京で楽しめる海外グルメの食べ歩きを始めました。

東京は飲食店の数が本当に多いので、「日本で唯一の◯◯料理のお店」が結構あったりもして、私が知っている限り、110カ国ぐらいの料理が食べられると思います。私も、100カ国を目標に東京の海外グルメの食べ歩きをしてきて、今年の3月5日、ついに100カ国以上を達成できました。

でも、まだたった100カ国なんですよね。私が食べたことのない、行ったことのない国のお店は東京にもまだまだありますし、食べたことのある国でもすべてのメニューを食べたわけではないので、これからも東京で海外グルメを食べ歩いていきたいと思っています。

東京にもお店がなかったコソボやマケドニアの料理

私は、自分が食べたいな、行きたいなというお店のリストを作っているのですが、東京で食べたことのない・リストにもない国といえば、コソボですね。あとマケドニア。現地でいろんな料理を知って、それらの料理名などで検索してもいっこうに出てきません。もしかしたらあるのかもしれませんが、私が調べた限りでは、コソボやマケドニアの料理を常設として出しているレストランはないと思います。

コソボのピタパン
<コソボのピタパン/画像提供:おぐグルメさん>

コソボのペースト
<コソボのペースト/画像提供:おぐグルメさん>

マケドニアの「タヴチェ・グラヴチェ」
<マケドニアのタヴチェ・グラヴチェ/画像提供:おぐグルメさん>

特に、バルカン半島の料理は本当に少ないですね。そもそも国自体を知らない人も多く、東京でも全然見つからないです。それらの国の方々も東京に住んでいるとは思うのですが、レストランに携わらないか、そもそも認知がなさすぎて経営していくのが大変なのか......。アルバニアの料理が前菜だけあったりするときはあるんですけどね。

海外グルメを、現地で食べる! その魅力やお店の選び方

東京で海外グルメを食べ歩いているおぐグルメさんですが、やはり理想は現地で食べるのが一番と考えているそうです。今後はアフリカなどのグルメも開拓していきたいと意気込んでいます。海外グルメを現地で食べる際の魅力や、お店選びのポイントなどを教えてもらいました。

現地で食べる魅力は「こだわり」や「交流」

現地であれば、ひとつの料理をとっても、バラエティーに富んでいます。たくさんお店がある中、いろいろなアレンジを加えていたり、若い人がちょっと進化させていたりするものがあるんですよね。

例えば昨年行ったバルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナには、「ブレック」というパイみたいな料理がありました。東京でも食べられるところがあるんですけど、現地でびっくりしたのは「ブレック」というメニューひとつでも、いろんな形、味つけ、食べ方があったことです。パイってそのまま食べるのかなと思ったら、サワークリームをつけて食べたり、ヨーグルトにそのまま浸して食べたりするんです。

ブレックのイメージ1

ブレックのイメージ2
<どちらもブレック/画像提供:おぐグルメさん>

それぞれのお店ごとに「私のお店はこういうこだわりなんだ」「焼き方はこういう風に変えているんだ」「こういうふうに食べてほしいんだ」という、そういう違い、面白さ、豊富さが現地で食べる良さですよね。

もう一つ、食を通じて人との交流が生まれやすいというのも、現地ならではの魅力だと思います。海外の方は人と人との距離感が近い気がします。例えば、一緒のレストランにいたとしても、日本では隣のテーブルにあまり話しかけたりしませんが、海外では「ねぇ、それ何食べているの?」「これおいしそうだね、私も頼んでみようかな」と気軽に話しかけてくるので、交流が生まれやすい。そういうところも現地の魅力、食を介する楽しみだなと思います。

海外でお店を選ぶときの優先順位

海外では、観光ガイドブックに載っているお店よりも、とにかく歩いて探すことが多いです。高級そうなお店ではなく、現地の作業員とかベビーカーを押している人とか、買い物かごを持った人とか、普通の人が集まっているようなお店に、勇気を出して飛び込むようにしています。そのほうが、日常的に現地の方が食べている料理に出会えたりするので。

海外の通りとお店
<海外の通りとお店/画像提供:おぐグルメさん>

あとは、現地の人にひたすら聞き込みをしますね。「あなたの好きなお店はありますか?」「いつも行っているところはどこですか?」と。その際、「おすすめを教えてください」とは絶対に言いません。おすすめを聞くと、だいたい似通ってしまうので。現地の人の、普段使いのお店を聞き出して、そこに行くようにしています。

海外グルメを、日本で食べる! その魅力やお店の選び方

現地で食べるのが魅力的な一方、海外グルメを日本で食べる良さもあります。おぐグルメさんに、海外グルメを日本で食べる際の魅力やポイントを教えてもらいました。

日本で食べる魅力は「日本に居ながら」と「追体験」

ブログの名前も「東京グルメで世界一周」ですし、東京での海外グルメの開拓が私の主な活動です。日本に居ながらにして、食べることで海外の文化や香りに接していると実感できる。これこそが海外グルメの良さだと私は思っています。

そして、現地に行ったことがある場合には、「あのときの海外旅行で、◯◯という料理を食べたな」という思い出をまた日本でも追体験できるところが大きな魅力だと思います。食事をしながら、あのときこうだったな、友達が一緒にいたなとか、思い出を振り返ることができる時間は良いですよね。

また、まったく現地に行ったことがない場合には、日本で食べた料理からその国に興味が湧いて、行ってみようかな、もっと知りたいな、という新しい行動のきっかけになったりすることもあると思います。

日本でお店を選ぶときの優先順位

日本でだと、まずはその国出身の方が働いているお店を選んでいます。もちろん日本人によるお店を否定するわけではないのですが、その国で育って、その国でその食べ物を食べてきた人が提供する味は、体に染みついているといいますか、より本場の味を体験させてくれると思うんです。

それはお店の雰囲気作りにも反映されます。装飾ですとか、肌で感じるような匂いですとか、異国感ですとか。東京に居ながら、その国に行ったかのような体験ができる、そういう点を重視しています。

例えば、池袋にあるヨルダン料理のお店、「月の沙漠」はすごかったですね。絨毯から装飾からお皿から、現地の雰囲気で。オーナーがヨルダン出身の方ですし、お茶を入れるポットみたいなものも現地で買ってきたものだったり、すべてにこだわっていました。

月の砂漠の内観
<月の砂漠の内観/画像提供:おぐグルメさん>

月の砂漠の「ヨルダンのご飯」
<月の砂漠の「ヨルダンのご飯」/画像提供:おぐグルメさん>

私が開拓しているのは、観光のために作った料理ではなく、日々その国で受け継がれている料理です。そういった料理を提供しているお店を探していくと、家族経営であったり、1人でやられていたりして、オペレーションの関係上、結構料理メニューがガッと絞られてくるので、メニューの数もチェックポイントですね。その絞られたメニューにお店の思い入れが詰まっていたりするのもまたいいんですよ。

今大好きな海外グルメは「ナポリピザ」と「ニューヨークベーグル」

参考に、私が今大好きな海外グルメをご紹介しましょう。

1つ目はナポリピザです。ナポリピザは、生地自体がすごくモチモチふわふわとしているのが特徴で、現地のものは芸術作品のようにバラエティーに富んでいます。具材とか形とか、調理法もいろいろあって。ナポリに実際にピザを食べに行ったことがあるのですが、お店ごとにここまで違うのか!と驚きましたね。発酵の仕方とか、こね方とかで食感が全然違うんです。ピザにこれだけ情熱を注げるってすごいなと思いました。

東京だと、駒沢大学駅近くにある「ナポリスタカ」のナポリピザはすごいです(神谷町店もあり)。本場の味です。職人のペッペさんが作る、いわゆる「デカ縁系ピザ」(ナポリのピザの縁のところをプクッとわざと膨らませる、いわゆるナポリで今、若者に流行のピザ)が食べられます。スタッフもイタリア人ばかりですし、お店の雰囲気もすごくイタリアで、何度も訪れているお店です。

ナポリスタカの「ドン・サルヴォ」
<ナポリスタカの「ドン・サルヴォ」/画像提供:おぐグルメさん>

2つ目は、これも定番なんですがニューヨークベーグルです。普通のべーグルとはちょっと食感が違う、生地に弾力感がありつつも、ただ硬いのではなく、モチッとした感じやふかふかとしたところがちゃんと残っていて。多分私がもともとモチモチ系の食べ物が好きなんですね(笑)。

東京で食べられるニューヨークベーグルのお店は、まず白金高輪にある「マルイチベーグル」ですね。こちらはニューヨークの本場で修行された女性がやっている人気店で、ここのベーグルの食感はすごい。他とは一線を画す感じです。

マルイチベーグルの外観

マルイチベーグルのベーグル
<マルイチベーグル/画像提供:おぐグルメさん>

あと、最近やっと店頭販売が再開された、水天宮前にある「オーゾウベーグル」も、すごく食感があっていいです。平日のみの営業で、開店1時間前に私が行ったらすでに30人ぐらい並んでいたというすごい行列の人気店ですが、並ぶだけの価値はあると思います。

オーゾウベーグルのベーグル
<オーゾウベーグル/画像提供:おぐグルメさん>

現地でも日本でも、海外グルメを楽しもう!

東京には、現地と同じレベルの海外グルメが楽しめるお店が数多あります。ぜひ多くの方に海外グルメを味わっていただき、世界の国々に興味を持っていただけたらと思います。海外グルメの食べ歩きを通して、食べることを通じて色々な人と関われる良さ、海外旅行に思い入れのある人たちと食を通じて繋がる楽しさを感じています。これからも海外グルメの食べ歩きを発信し続け、そういう輪が小さくても広がっていけたらいいなと思っています。

まだ知らない食の世界や文化が楽しめる海外グルメをみなさんもぜひ体験してみてください。

おぐグルメさん

ブログ:東京グルメで世界一周
Twitter:@ogu_gourmet
Podcast:東京グルメで世界一周

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