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日本へ行ったチリの若者たちに日本旅行の感想をきいてみました。
先日、私が住んでいるチリ南部の地方都市で、日本のアニメ・マンガ・ゲーム・コスプレなどオタクカルチャーのイベントがありました。主催は日本好きのイベントプランナーで、安くない入場料をとったにも関わらず大盛況で、その人気の強さを感じました。
工夫を凝らしたコスプレ、スペイン語に訳されたアニメソングのカラオケやゲーム対戦など、かなり盛り上がり拍手や絶叫が聞こえました。
日本からは遠く遠く離れたチリですが、「死ぬまでに一度日本に行ってみたい」というチリ人はたくさんいます。イベントに来た若者たちはもちろんのこと、「空手を習いに行きたい」「桜を見に行きたい」「本物の寿司とラーメンを食べてみたい」など、オタクじゃなくても日本に行ってみたいという人はたくさんいます。
南米チリの若者が、日本に行って何を思ったのか、彼らは何に注目したのか、何を買ってチリに持て来たのか興味はありませんか?「日本に行く」という夢を実現したチリの若者たち6人に日本の感想を聞いてみたらおもしろかったので、それをお伝えしたいと思います。
目次
日本の印象的だったところ
印象的だったところは、「東京の人とモノの多さ」。
特にチリの地方都市出身の若者にとって、渋谷の交差点や秋葉原のものの多さは相当なインパクトだったようです。他には京都の「金閣寺の金の部屋」、鳥居で有名な「伏見稲荷大社」はやはり面白かったようです。
季節行事に居合わせた幸運な人は「満開の桜」「阿波おどりの熱気」が忘れられないとのこと。
日本の気に入ったところ
治安の良さ
みんなが口をそろえて言ったのが「日本の治安の良さ」。
よく言われる話ですが、日本人がスターバックスなどで、最初に荷物を置いて席をとってから、コーヒーを買いにレジに行くという様子を見て、びっくりする外国人は多いです。
インタビューしたチリの若者たちも同様に「チリだったらあり得ない。荷物は秒でなくなる」と言います。また、夜遅くに歩いても全く危なさを感じないこと、車の運転が丁寧なことも挙げていました。海外から来た外国人に安心して旅行を楽しんでもらえるというのは、素晴らしいことだと思います。
親切さと丁寧さ
「日本人の親切さと丁寧さ」も皆が言っていました。
道を聞いたり、買い物をしたとき、日本人はとても親切で丁寧だったそうです。私は自分の経験からチリ人の方が親切なのでは?と言ったら、「親切さの質が違うと思う。日本人の親切さは礼儀正しくて丁寧。チリ人の親切さは情や親愛から来ている、とのこと。なるほど。
働き方の組織化・連携
そして、「日本人の働き方の組織化・連携」。
インタビューをしたチリの若者のうち二人は、7か月間とある大学の医学系研究室で研修をしていたのですが、そこでの働き方や部門間の連携がとてもしっかりしていて、効率がよく、働きやすかったことを挙げていました。
チリに10年以上住んでいる私もそれは同意するところで、チリでは組織がそこまで強固ではないので個人プレーが多く、人々が連携して何かを行うというシステムはあまりありません。
コストパフォーマンスが良いこと
最後に、「買い物のコストパフォーマンスが良いこと」。
日本は物価が高いと思って、覚悟して行ったが、日本の食べ物も製品も、そんなに高くなくてびっくりした。物によっては安いのにとても品が良かったり、おいしかったりするのが素晴らしかった。とのことでした。
日本の変だと思ったところ
2週間~2か月、日本に観光に行った若者たちは、そんなに変なところは感じなかったとのことでしたが、7か月間、医学系研究室で研修をした二人が変だと感じたところが面白かったです。
<日本で7か月研修したチリ人の歯科医二人組>
空気を読む習慣
例えば、飲み会の終盤で、「もう一杯どう?」と聞いてきた同僚がいた。自分はまだ飲めるので、「じゃあ、もう一杯いただきます」と答えたが、冷たい視線を感じ、周囲を見渡したら皆もう酔っ払っていて、帰りたかったことが感じられた。
その空気を察し「もう結構です」と答えなければならなかったと後悔したが、もう遅かった。日本人ははっきり言わないので、空気を読まなければならないのが大変だった。
残業の考え方
チリでは残業をする人は「時間内にサボっていたんだな/効率的に仕事ができなかったんだな」と考えられることが多いが、日本では遅くまで残って仕事をすることは仕事熱心と考えらえる。
そもそも、人生の中で大切なことを聞かれたら、日本人は「仕事」と答える人が多いと思うけど、チリでは「家族と過ごす時間」が大切だと考える人が多い。
ちなみに僕の場合は二番目に来るのが「プライベートの時間の充実」で、三番目に来るのが仕事。自分の職業(歯科医)は好きだし仕事への情熱もあるけど、仕事というのは人生において、家族との時間やプライベートを充実させるための手段・モーターであると考えている人はチリでは多い。
例えば、自分の義父は40年間チリの大学で数学を教えていて、たくさんの論文を書き教え子にも慕われていたけど、定年退職した今、「大学に戻りたい?」と聞くと「絶対に嫌だ。今は孫と過ごす時間や自分の趣味に没頭する幸せに勝るものはない」と言ったとのこと。
ちなみに、私が勤めている職場の同僚に聞いても、残業や仕事への考え方は、インタビューした彼と似ていると思います。
日本で買ったもの
日本で買ったものを聞いてみました。
ゲームソフト
ゲームソフトは、新発売のものから古いものまで、チリで売っている価格の半分以下で買えてすごい嬉しかった。
ガチャガチャのおもちゃ
ガチャガチャのおもちゃ。ハマって、たくさんやった。
駄菓子とカードゲーム
駄菓子とカードゲームは、レトロ感がたまらない。友達にも喜ばれると思ってたくさん買った。
Tシャツ
このTシャツは、自分用。
日本でおいしかったもの
一番人気はやはり「ラーメン」。
チリでもラーメンは流行っていますが、やはり日本のラーメンは食べたことのないおいしさだったとのこと。
そして、定番の「たこやき」。意外と人気の高い「お好み焼き」「タイ焼き」そして、コンビニのデザートが美味しくてたくさん食べたという声もありました。
チリの甘いものは甘いだけだけど、日本のお菓子は甘さもちょうどいいし、いろんな味や、食感が楽しめて素晴らしかったそうです。
日本の印象的だったところ
最後に、6人とも「日本はとても楽しかった!また日本に行きたい」と言っていました。
ようやくパンデミックが終わり、日本にはこれまで以上に世界中から観光客が押し寄せるのではないかと思います。
日本にいると、むしろ悪いところに目が行ったり、当たり前すぎてあまり感じたりしないと思いますが、「日本」はとても面白くて魅力的。日本経済活性化のためにも、日本はますます観光業に力を入れ、その魅力を発信していければ良いと思います。
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IZUKAWAUSO
- 日本青年海外協力隊員。チリ南部の田舎暮らしも8年半になります。趣味は旅行(特に屋台めぐりと温泉)と料理。地元の週末フリーマーケットでおにぎりと味噌汁売ってます。