岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)~観光できる図書館シリーズ4~

岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)~観光できる図書館シリーズ4~

観光で訪れた先で立ち寄りたい図書館をピックアップする「観光できる図書館シリーズ」。4回目は、Library of the Year 2022大賞を受賞した、みんなの森 ぎふメディアコスモスの中にある「岐阜市立中央図書館」をご紹介します。

開館当初から、施設コンセプトや建築スタイルが大きく注目され、全国各地から視察が絶えない話題の図書館。「メディコス」の略称で地元の人々から親しまれているのはもちろん、旅の途中で訪れる人も多いのだそうです。

目次

<1. 岐阜市立中央図書館は「屋根の付いた公園」がコンセプト>

<2. 図書館の天井がすごい!匠の技が集結した自然美の芸術>

<3. リビングのような「小さな家」、11のグローブ>

<4. 岐阜市立中央図書館には3か所のテラスがある>

<5. ぎふメディアコスモスの1階には何がある?>

<6. 図書館のグローブによく似たスタバもある>

<7. 岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)周辺の観光スポット>

<8. 岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)へのアクセス方法>

<9. 岐阜市立中央図書館の基本情報>

1. 岐阜市立中央図書館は「屋根の付いた公園」がコンセプト

岐阜市立中央図書館の内観

岐阜市立中央図書館は、2015年にオープンした「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の2階にあります。昔ながらの公共図書館から大きく様変わりをして、広々とした空間でのんびり過ごせる滞在型の図書館になりました。まさに、コンセプト通りの「屋根の付いた公園」です。

岐阜へ初めて訪れる人にも分かりやすいロケーションの良さも大きな魅力。JR岐阜駅北口から長良川方面へ続く、金華橋(きんかばし)通りを2kmほどまっすぐ北へ進むと、岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)が簡単に見つかります。市内を運行するバスも複数の路線を利用できてアクセスの良さは抜群です。

岐阜市立中央図書館の外観

図書館の中では、小さなお子さんを連れた方が多いことに気づくはずです。

おうちの人を呼ぶ声を耳にすることもあれば、話し声に笑い声、ときにはぐずっている声も。しかし、ここでは子どもたちのざわざわ声は想定内。「子どもの声は未来の声」を合言葉に、来館者もスタッフも子どもたちの自然体な姿を大きな心で見守っているのです。

赤ちゃんからお年寄りまで、多くの市民から公園のように親しまれている証といえるのかもしれません。

2. 図書館の天井がすごい!匠の技が集結した自然美の芸術

岐阜市立中央図書館の天井

ぎふメディアコスモスの中に入ると、穏やかな木の香りが包み込んでくれます。2階へ上がって図書館の天井を見上げると、一面に広がる格子状の屋根に圧倒されることでしょう。

天井の格子には、岐阜県産ひのき材がふんだんに使われています。なんと丸太約17,500本分もあるそう。格子のゆるやかなカーブは、加工ナシの自然のしなりで曲がったもの。大勢の大工さんの技によって3か月かけて作り上げられた芸術作品と言えるでしょう。

岐阜市立中央図書館の照明

天井から降り注ぐ、ナチュラルな光もぜひ感じ取ってください。ぎふメディアコスモスの照明にはすべて電球色が使われていて、心が落ち着く光であふれています。天井には、大きな漏斗(ろうと)型の「グローブ」と呼ばれるかさが吊るされ、それぞれの天頂から外の自然光が入ってきます。

ひのき材の格子が一面に広がる天井は屋根のある公園のような「大きな家」を、吊るされたグローブは家のリビングのような「小さな家」を演出しています。

3. リビングのような「小さな家」、11のグローブ

それでは、岐阜市立中央図書館の大きな特徴である11のグローブを紹介します。グローブには、ひとつずつ異なる模様がほどこされ、お目当ての場所を探すための目印になっています。

天頂からは、柔らかな自然光が差し込み、日中は読書に適した明るさが保たれています。また、グローブの上には換気窓があり、かさの側面に沿って、空気が上昇していきます。自然光と空気の対流によって、グローブの下には心地良いリビングのような空間ができあがっているのです。

1. 図書館の玄関口「エントランスグローブ」

岐阜市立中央図書館のグローブ

ぎふメディアコスモス1階のメインエントランスから入って2階へ上がると、ドーム状の大きな「エントランスグローブ」が頭上に広がり、迎え入れてくれます。階段とエスカレーターの両方が利用でき、その右側にはエレベーターも設置されています。グローブの模様は、丸いモチーフが細長いバーの連なりを形作っています。

2. 各種手続きや総合案内は「受付のグローブ」

エントランスグローブ

エントランスグローブから館内へ入って左側にあるのは、丸いモチーフで大きなリング模様をあしらった「受付のグローブ」です。貸し出しや返却のカウンターや総合カウンターが設けられています。

岐阜市立中央図書館のなかには、視覚障がいのある方を対象にした「対面読書のへや」、パソコンの持ち込みができる「研究のへや」、グループ学習に適した「みんなで学ぶへや」、中高生だけが使える「談話のへや」など、特色ある個室があります。これらの個室の利用手続きも「受付のグローブ」で行えます。

3. 地元発の情報が収集できる「展示グローブ」

受付のグローブ

「展示グローブ」は、六角形のモチーフでひし形がかたどられています。グローブを囲む展示パネルやグローブ内では、季節や行事に沿ったテーマで本の紹介や展示が行われます。市民がおすすめの本を紹介する「みんなのライブラリー」には熱の入った紹介コメントが並び、普段あまり手に取らないジャンルの本を見つけることもできるでしょう。

グローブの一角では、岐阜市の広報紙やぎふメディアコスモス周辺の情報収集に役立つフリーペーパー、岐阜市立図書館だよりなどを手に取ることができます。旅の途中、まち歩きや地元の人しか知らない名店めぐりを楽しみたいなら、ここで最新情報をチェックしておきましょう。

また、写真手前に写っている「川舟型読書スペース」では、好きな本を持ち込んで読むことができます。

4. 大きなイスがシンボル「ゆったりグローブ」

展示グローブ

直径14mと、グローブのなかで最も大きい「ゆったりグローブ」には、外周に沿って大きなイスが備えつけられています。このイスは、人工籐を使用し、座面が広いのが特徴。ゆったりとくつろぎながら読書を楽しむことができます。グローブに描かれた波状の模様からも、ゆったり感が伝わってくるようです。

5. 0歳から2歳の赤ちゃん専用「親子のグローブ」

ゆったりグローブ

「親子のグローブ」は、なだらかな丘をイメージさせる淡いグリーンのカーペットが目印。0歳から2歳の赤ちゃんとゆっくり過ごせるように、外周のベンチは低く、靴を脱いで利用します。赤ちゃんたちは、カーペットに寝転がったり、ハイハイしたりして過ごしています。親子のグローブは、窓から自然光がたっぷり入って明るく、六角形のモチーフで作られたかわいらしいお花の模様がちりばめられています。

6. 秘密基地っぽい読書スペースがシンボル「児童のグローブ」

親子のグローブ

「児童のグローブ」は、オレンジ色のカーペットが元気な子どもたちをイメージさせます。グローブの模様も、躍動感があふれるデザインです。こちらも靴を脱いで利用します。一般の閲覧席に比べると、机とイスは低いものが置かれています。

読書スペース「ころん」

ここでの注目は、児童専用の読書スペース「ころん」。秘密基地のような空間で読書を楽しめます。「児童のグローブ」の近くには、「ころん」によく似た相棒?の「ごろん」も置かれています。

※2023年3月現在、感染症対策のため「ころん」「ごろん」ともに利用できません。

7. 大人は入れない、ぼくらの空間「ヤングアダルトのグローブ」

児童のグローブ

丸いモチーフで市松模様をあしらった「ヤングアダルトのグローブ」は、中学生と高校生の専用スペースです。

また、周りはヤングアダルト(YA)向けの書架で囲まれています。定期テスト前や長期休暇になると、大勢の中高生が机に向かっている姿を見ることができます。

YA交流掲示板

グローブ横の壁には「心の叫びを聞け!!YA交流掲示板」が設置され、用紙に書き連ねられた中高生の心の叫びに、スタッフの機知に富んだコメントが添えられています。

8. 文学の世界へ没頭できる「文学のグローブ」

ヤングアダルトのグローブ

館内の奥には、花模様がデザインされた大きな「文学のグローブ」があります。広々とした閲覧席では、じっくりと座って文学に向き合うことができそうです。

9. 小ぶりでライトな「文庫のグローブ」

文学のグローブ

グローブにストライプ模様をあしらった「文庫のグローブ」は、一般向けの閲覧スペースのなかでは小ぶりな印象です。閲覧席はカウンター風。ちょっと腰かけて、書架から取り出した本を開いてパラパラとページをめくるのにちょうど良く、ライトユースなスタイルが似合います。

10. 岐阜の魅力あふれる「郷土のグローブ」

文庫のグローブ

郷土資料の書架に囲まれた「郷土のグローブ」は、館内の奥にあります。地元で根強い人気の戦国武将、織田信長にまつわる資料や岐阜市が発行する行政資料が書架に収められています。

郷土のグローブの窓の外には、岐阜市のシンボル「金華山」の美しい姿を見ることができます。グローブにデザインされた模様も、まるで山をイメージしたような三角形が連なっています。

11. 調べものは「レファレンスグローブ」へ

郷土のグローブ

「レファレンスグローブ」は、調べたいことや資料の案内などについて、司書が対応する「レファレンスカウンター」です。グローブには、四つ葉のクローバーに似た模様があしらわれています。

4. 岐阜市立中央図書館には3か所のテラスがある

岐阜市のシンボルが目の前に!「金華山テラス」

岐阜市立中央図書館のテラス

「郷土のグローブ」の隣にある「金華山テラス」からは、岐阜市のシンボル「金華山」を真正面に見ることができます。天気が良ければ、その頂に岐阜城も見えるでしょう。かつて織田信長が天下布武を掲げて天下統一を目指した時代に思いを馳せながら、のんびり過ごせます。

本を片手にひと息「ひだまりテラス」

金華山テラス

「ひだまりテラス」は、ぎふメディアコスモスの正面にあり、向かいには岐阜市役所が建っています。ひだまりテラスを含めどのテラスも2階にあり、館内の本を持ち出して読むことができます。

夏は午前、冬は午後がおすすめ「並木テラス」

ひだまりテラス

図書館の西側に長く伸びる「並木テラス」は、出入口が「児童のグローブ」に面しているためか、子ども連れの姿をよく見かけます。夏は午前の涼しさを、冬は午後の日差しで暖かさを。季節に合わせて快適に過ごすことができます。

5. ぎふメディアコスモスの1階には何がある?

オリジナル観光マップをつくれる「シビックプライドプレイス」

ぎふメディアコスモスの1階

岐阜市が力を入れて進めている「市民のシビックプライドの醸成」の一環で、2022年にシビックプライドプレイス(愛称:ぎふ古今)がオープンしました。ふたつのコクーンと長良川の流れを模したカウンターに、岐阜の歴史や文化、ひとの紹介が展示されています。

ぜひ試していただきたいのは「まち歩きステーション」でのオリジナルマップ作成。岐阜市のおすすめスポット約200か所からお好みで情報をピックアップして、自分だけのオリジナルマップを作ることができます。

展示会やイベントが催される「ドキドキテラス」

シビックプライドプレイス

正面入口から向かって右手には、円型のフリースペース「ドキドキテラス」があります。作品展やトークイベント、マルシェなど、市が主催または共催するさまざまなイベントに使われています。イベントが開催されない日には、ベンチで飲食をすることもできます。

腰を下ろしてひと休み「ワイワイ畳」

ドキドキテラス

キャスター付きの畳が16個並んだフリースペースです。ベンチやイスでは得られない、畳ならではのほっとする安心感がうれしい「ワイワイ畳」でひと休みして、旅の疲れを癒してください。

6. 図書館のグローブによく似たスタバもある

スターバックスコーヒー ぎふメディアコスモス店

ぎふメディアコスモスの館外へ出ると、図書館で見たグローブとよく似ている屋根の建物があります。この中では、スターバックスコーヒー ぎふメディアコスモス店が営業しています。

ぎふメディアコスモスの休館日(毎月の最終火曜日)も営業しているので、万が一、休館日に訪れてもグローブの雰囲気を味わうことができます。

※例年、年末年始の休館日には営業していませんのでご注意ください。

7. 岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)周辺の観光スポット

岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)から東に位置する金華山にかけては歴史的な見どころがいっぱいです。ここでは図書館周辺の観光スポットに注目してみましょう。

岐阜城

岐阜城はかつて稲葉山城とよばれ、戦国時代には「美濃のマムシ」と呼ばれた斎藤道三が居城していました。その後、ここに攻め込んだ織田信長が「岐阜城」と名前を改めました。彼が「天下布武」を掲げ、天下統一を目指す拠点になったことでも有名です。

天守閣からの眺めは、一見の価値あり。北にアルプスの山々がそびえ、緩やかに流れる長良川と木曽川の南には、濃尾平野がどこまでも続きます。

金華山

岐阜市の中心部にあり、頂に岐阜城がそびえる標高329メートルの山です。

山頂へは、ふもとの岐阜公園から「金華山ロープウェイ」で目指すことができます。また、さまざまな難易度の登山道が10コースもあり、大人から子どもまでそれぞれの体力に合わせて登山を楽しめます。

伊奈波神社

1900年以上もの歴史を誇る、由緒ある神社で、1539年に、斎藤道三が稲葉山を居城とした際、今の場所へ伊奈波神社を奉遷したと伝えられています。

4月の第1土曜日に行われる「岐阜まつり」では、いくつもの山車や神輿が岐阜のまちを練り歩き、伊奈波神社を目指して集まってきます。

岐阜市歴史博物館

金華山のふもと「岐阜公園」の一角にある岐阜市歴史博物館では、岐阜市の歴史を体感しながら楽しく学べます。

2階の総合展示室の中央あたりには「楽市立体絵巻」と称したジオラマがあり、戦国時代の楽市を歩いている気分を味わえます。近世のコーナーでは鵜飼をモチーフにした浮世絵の多色刷りを体験できるので、来館の記念にトライしてみてください。

岐阜市役所の展望スペース

令和3(2021)年5月、ぎふメディアコスモスの南に岐阜市役所が移転しました。

新庁舎の15階と17階に設けられた、「つかさデッキ15」と「つかさデッキ17」の展望スペースには、多くの人が訪れて岐阜のまちの眺望を楽しんでいます。

8時から20時まで一般開放され、平日はもちろん土日祝日も利用できるため、お手軽な観光スポットとしておすすめです。

8. 岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)へのアクセス方法

岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)は、最寄り駅から徒歩またはバスでアクセスできます。車で来館する場合、館内で手続きすれば、併設されている駐車場の利用料が2時間無料になります。

また、岐阜市が運営するシェアサイクル「Gifu-ride」のサイクルポート(駐輪場)が敷地内にあります。岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)と併せて、付近の観光スポットを自転車で巡るのに便利です。

電車でのアクセス

  • JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から徒歩で約25分

バスでのアクセス

  • 「岐阜市役所・メディアコスモス」バス停下車すぐ
  • 「市役所・メディアコスモス西」バス停下車すぐ
  • 「市民会館・裁判所前」バス停下車すぐ
  • 「市役所・鶯谷高校口」バス停より徒歩3分

JR岐阜駅または名鉄岐阜駅からの所要時間は約15分。最寄りバス停の場所は、岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)公式サイトでも確認できます。

車でのアクセス

  • 東海北陸自動車道・岐阜各務原ICから車で約20分
  • 名神高速道路・岐阜羽島ICから車で約30分

自転車でのアクセス

  • ぎふメディアコスモス北側および立体駐車場内に無料駐輪場
  • 岐阜市シェアサイクル「Gifu-ride」の利用可能

9. 「岐阜市立中央図書館」の基本情報

最後に、岐阜市立中央図書館の基本情報です。

  • 住所:〒500-8076 岐阜市司町40番地5
  • 電話番号:058-262-2924
  • 開館時間:9:00~20:00(1階は9:00~21:00)
  • 休館日:毎月最終火曜日、年末年始(12月31日~1月3日)、蔵書点検等による臨時休館
  • 駐車場:有料、約300台、30分100円(ぎふメディアコスモス館内の駐車料割引機で手続きすると2時間無料)
  • 公式サイト:岐阜市立中央図書館

岐阜市立中央図書館のキャッチコピーは、「ここにいることが気持ちいい」「ずっとここにいたくなる」「何度でも来てみたくなる」の3つ。岐阜城や長良川鵜飼にも近いロケーションなので、岐阜の観光スポット候補のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

~観光できる図書館シリーズ~

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高橋尚美

愛知県生まれ。大学進学をきっかけに上京し、卒業後はIT系雑誌の広告営業やWebメディアの広告企画の仕事に就く。結婚・出産を経て、2009年に岐阜市へ移住し、2017年からフリーランスライターとして活動を始める。現在、フリーペーパーやWebメディアでインタビュー記事を中心に執筆し、子育て・教育・食・健康・住まいなどの分野を得意とする。

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