湖上に佇むアイルランドの幻想的な修道院「Urlaur Abbey」の魅力を紹介！

夏には小さな浜辺ができて子供たちの遊び場となり、冬には白鳥の家族が訪れるピースフルなアーロアー湖 (Urlaur Lake)。湖は水草が見えるほど透き通っています。この美しい湖のほとりには、およそ600年前に建てられた修道院が廃墟となって佇んでいます。この記事では、湖上に佇むアイルランドの幻想的な修道院「Urlaur Abbey」をご紹介します。

Urlaur Abbeyの歴史

Urlaur湖のほとりに佇むUrlaur Abbeyは、1430年にドミニコ会の修道士によって建てられました。修道院の内部の壁には、この修道院に残った最後の修道士の名前が刻まれています。

当時、アングロノルマン系の有力者であるコステロ氏（Costello）の後ろ盾を得て、当時のヨーロッパの最先端の技術で造られました。そのことは、石垣の組み立て方などにもあらわれているそうです。私は専門家ではないので分かりませんが、確かに言われてみれば、このように石を３角形に切って重ねた石垣はアイルランドでは、あまり見たことがありません。

昔は異端への厳しい審問が行われていたことで知られるドミニコ会ですが、1608年と1610年にふたつの異端審問がこの場所で行われた後修道士たちは抑制され、修道院の土地はEdward Fisher卿とTheobald Dillon卿に譲渡されました。

その後も、修道士たちはこの場所で静かに暮らしていましたが、クロムウェルがアイルランドに侵攻してからは、Urlaur AbbeyにいたFr. Dominic Dillon氏と Fr. Richard Overton氏はドロヘダ（Drogheda）で処刑されたと伝わっています。

その後次第に修道士たちがこの地を離れ、最後には5人の修道士だけが残りましたが、18世紀末頃に修道院は廃墟になってしまいました。現在では、地元の名士の墓地として機能しており、夏は浜辺でピクニックする家族づれで賑わっています。また、夏には毎年お祭りも開かれ、出店なども出店します。

Urlaur Abbeyの内部を紹介

外壁に沿って作られた砂利の通路を通って正面の入口から中へ入ることができます。写真の外壁の真ん中にある入口がそれです。

この入口を初めて見たときに、なぜか別な世界に繋がっていそうな不思議な気分になりました。何とも言えない平穏な静けさと歴史の趣を感じさせます。

修道院の廃墟のなかにはいると、壁沿いにお墓がいくつかあり、踏まないように気を付けながら奥へ進むと、一番奥に屋根付きの空間があります。ここにはベンチが置かれており、訪問者がひと時の休息を楽しめるようになっています。

屋根付きの空間の奥に石段があり、屋上へ登れるようになっています。この石段は晴れているときでもたいていは表面が塗れているので、滑らないように気を付けながら登ることをおすすめします。

Urlaur Abbeyは屋上にも登れる！

屋上に登ると一気に視界が開けて爽快な気分に！ここからUrlaur湖と対岸が一望できます。300年以上前に廃墟になったことが信じがたいほど、しっかりとした作りです。もしかしたら、あちこち修繕しているのかも知れませんね。

美しい空模様を見ながら、朝の新鮮な空気で深呼吸しました。廃墟と冬景色がまるで絵画のようにしっくりと合っています。

屋上の一部には、鉄の格子が施され、下へ落ちないような安全対策がなされています。見下ろすとすぐ下は湖で、なかなか面白い光景です。

こうして屋上からみると、かなり大きな修道院だったことが分かります。

Urlaur Abbeyへのアクセス

住所： County Mayo, Urlaur（アーロアー）
入場料：無料

Urlaur AbbeyがあるUrlaur湖までは、Ireland west airportから車で10分ほどです。近くに公共交通機関はありませんが、近場の村（KilkellyまたはCharles town）のタクシーでのアクセスが可能です。

こちらの湖は、湖周辺地域の水源なっており、水道水として使われているため、看板では家畜を洗うことを禁止されています。この看板がなかったころは、おそらく家畜を洗う人がいたのでしょうね。今は、湖の水が透き通って見えるほどきれいです。たまに、泳いでいる子供も見かけますが、本来ならば飲み水なので泳ぐのもタブーですよね。ボートなどは使用可能です。