カラスミやフカヒレ三昧!港町高雄の穴場漁港3選

漁港

台湾南部の都市高雄市は、台湾を代表する港町で、16もの漁港があります。

漁港のなかで、フェリーで行く「旗津」などはよく知られていますが、まだあまり観光で訪れることがない漁港にも魅力がたくさんあります。今回は、台湾観光でぜひ味わいたい人気の「烏魚子(カラスミ)」「魚翅(フカヒレ)」「虱目魚(サバヒー)」の産地として知られる3つの漁港をご紹介します。

漁港で味わう安くておいしい地元のグルメや周辺の見どころなどもあわせてご紹介します。

目次

1. 蚵仔寮漁港

蚵仔寮漁港
<高雄一の漁獲量を誇る漁港>

まずご紹介するのは、高雄市中心部から見て北方「梓官區」にある蚵仔寮漁港です。

台湾有数の漁獲高を誇る蚵仔寮はもとは伝統的な漁村でしたが、近年魚市場を兼ねた観光漁港、蚵仔寮漁港として知られる観光地になりました。この漁港は、当日水揚げされた新鮮な魚介が数多く並んでいるのが特徴。蚵仔寮漁港の漁船は深夜3~4時に出港し、近海で獲れた魚が水揚げを終えて昼12時からセリにかけられるので、時間によっては、魚市場でセリが行われている様子も見られます。

蚵仔寮漁港
<12時からセリの様子が見学できます>

魚市場
<魚市場は、18時頃まで営業しています>

屋台
<土日祝日の12~19時には道に屋台が出ています>

港町高雄では、新鮮な魚介がリーズナブルに味わえるので、観光に来たらぜひ味わいたいのがシーフード。周りにある「代客料理」と書かれたレストランでは、魚市場で購入したものを持っていき調理代を払うとその場で料理してもらえるので、好きなものを購入してその場で味わうことができます。

代客料理
<「代客料理」のレストランが数軒立ち並んでいます>

蚵仔寮漁港のそばにある「朝天宮」は、漁の安全を祈願してお参りをする場所として知られています。ここに祀られている「天上聖母船仔媽」は、清の時代に船の上で媽祖に似たご神体が見つかったことから「船仔媽」と言われ、蚵仔寮地域で最も早く祀られた神です。「朝天宮」へもぜひ行ってみてくださいね。

朝天宮
<「朝天宮」>

廟の中
<廟の中の様子>

朝天宮

  • 住所:高雄市梓官區廣澤路55-1號
  • 電話:+886-7-617-4807
  • 入場時間:5:00~21:30
  • 公式SNS:Facebook

「蚵仔寮漁港」へのアクセス

台湾新幹線左営駅(高鐵左營站)からバス「梓官幹線 紅53」に乗り「蚵仔寮漁港」で下車します。乗車時間は30分ほどです。

蚵仔寮漁港の「烏魚子(カラスミ)」

カラスミは台湾へ旅行にきたら買われる方が多い人気のお土産です。空港やデパート、乾物街などでも手に入りますが、種類も多くて質の高いカラスミの産地で買うのがおすすめです。蚵仔寮漁港のカラスミは養殖のカラスミではなく、ここで獲れた天然のカラスミです。天然のカラスミは、養殖のカラスミと比べると味が全く異なり、濃厚です。

カラスミのオブジェ
<コンビニエンスストアの天井にもカラスミのオブジェが飾られています>

蚵仔寮魚貨直銷中心
<新鮮なシーフードが並ぶ魚市場「蚵仔寮魚貨直銷中心」>

カラスミ
<魚市場で売られているカラスミ>

「蚵仔寮魚貨直銷中心」の魚市場エリアや外側の店舗でも販売されていますが、この建物の南東口にある「梓官區臨時展售中心」でも手に入ります。

カラスミは重さによって値段が違いますが、こちらではグラムによって一腹320元~1,600元のものが販売されています。「一口烏魚子(1パック約110グラム750元~)は、炭で焼いてあるので、袋を開けるだけでそのまま食べられるカラスミ。皆で分けるのに便利です。こちらには、お買い得品が置いてあることもあるので、チェックしてみてくださいね。

梓官區臨時展售中心
<「梓官區臨時展售中心」>

カラスミ
<カラスミは冷蔵ショーケースに入っています。>

梓官區臨時展售中心

  • 住所:高雄市梓官區漁港二路13號1樓(直銷中心入口)
  • 電話:+886-7-617-7161
  • 営業時間:平日 9:00~18:00 /土日祝日 9:30~18:30

2. 興達港觀光漁市

興達港
<興達港>

興達港は、高雄で一番北にある漁港で、蚵仔寮漁港より更に北側「茄萣區」に位置しています。興達港では、漁船の荷下ろしやセリを見学することができます。セリは毎日昼12:30から行われています。

興達港觀光漁市
<興達港觀光漁市>

興達港漁会ビルの前にある観光魚市場「興達港觀光漁市」には、屋台のようなお店がたくさん並んでいます。

ここでは、獲れたての魚介類だけでなく、その場で味わえる牡蠣入りの麺線「蚵仔麵線」や牡蠣のオムレツ「蚵仔煎」、イカ団子「花枝丸」などなどB級グルメも販売されているのが特徴。その場で揚げてあつあつをいただける魚介の揚げ物などもあります。観光魚市場といっても、地元の人たちが行く屋台と同じぐらいの値段なので、リーズナブルにシーフードを味わうことができます。

興達港觀光漁市
<揚げ物の量り売り。その場で二度揚げしてもらえるので、揚げたてをいただけます>

「興達港觀光漁市」へのアクセス

台湾鉄道岡山駅で下車、バスターミナル「岡山轉運站」から「紅71A」のバスに乗り、「興達港觀光漁市」で下車します。乗車時間は1時間ほどです。

  • 住所:高雄市茄萣區大發路88號
  • 電話:+886-963-563-779
  • 営業時間:平日 11:00~18:00/金~日 11:00~19:00
  • 公式SNS:Facebook

興達港名産「魚翅(フカヒレ)」

フカヒレ
<お店の前に掲げられたフカヒレ>

興達港のある茄萣地域も蚵仔寮漁港同様高雄のカラスミの産地として有名で、「興達港觀光漁市」では屋台でたくさんのカラスミが売られていますが、実はあまり知られていない興達港の名産が「魚翅(フカヒレ)」です。

フカヒレはサメのヒレを乾燥させたもので、水やお湯で戻してから調理します。コラーゲン、コンドロイチンなどの栄養素が豊富なので、美肌効果や疲労回復効果などがあると言われている高級食材フカヒレ。興達港は台湾でも主なフカヒレの産地なので、「興達港觀光漁市」には、フカヒレスープやフカヒレがわさび醤油で味わえるお店もあります。高級食材なのに、ここでは値段も60元~150元と、とってもリーズナブルです!

フカヒレ鍋
<フカヒレ鍋のベースのスープと具>

フカヒレ
<フカヒレはすでに戻してあるので、そのまま鍋に入れられます>

フカヒレ
<オーダーはメニューが書かれた紙に書き込むだけなので簡単です>

興達港の近くで、安くておいしいフカヒレ鍋が味わえるレストランが「長鱻魚翅火鍋」。

鍋のベースになるスープは、新鮮な野菜と梨やリンゴなどを入れて、大鍋でじっくり煮込んでいます。スープの味は看板メニューの鍋「招牌鍋」と昆布鍋の2種類で、野菜やきのこなど基本的な具と豚肉が入ったものが280元、牛肉が入ったものが300元です。フカヒレなどの具は別にプラスしていくシステムですが、フカヒレ(魚翅)は1皿650元、尾びれの部分(魚翅尾)は1皿420元、サメの皮(魚翅皮)は1皿400元、フカヒレ団子(魚翅丸)は1皿260元とリーズナブル。このほか、肉類、きのこ類、野菜、豆腐やつみれ、ミニ餃子などの具は別料金で追加できます。

長鱻魚翅火鍋

  • 住所:高雄市茄萣區濱海路三段199號
  • アクセス:興達港からバス「紅71 B1」線に乗り、「茄萣區公所」で降りて徒歩10分ほど
  • 電話番号:+886-7-690-1666
  • 営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00
  • 公式SNS:Facebook

興達港周辺のお店とスポット

「興達港觀光漁市」から徒歩1分ほどの距離にある「郭常喜興達刀舗」は、店頭にずらりと包丁などの刃物が並ぶ刃物専門店です。小さなナイフから武器のような大きなものまで様々なものを作り出しているのが郭常喜さん。1958年から50年以上の経験のある刀匠です。1990年に「郭常喜興達刀舗」をオープン。

政府から傑出した工芸家として「臺灣工藝之家」に登録されています。

郭常喜興達刀舗
<刀以外にもストラップなども販売されています>

2002年には近くに「郭常喜藝術兵器文物館」を設立。こちらの文物館では、1階の特別展で伝統的な古代の鉄製農具が展示されていたり、2階の常設展で歴代の兵器などのさまざまな武器が展示されています。「郭常喜興達刀舗」からは徒歩15分程なので、お時間がある方はこちらにも立ち寄ってみてくださいね。

郭常喜藝術兵器文物館
<館内には日本語のキャプションがある展示ボードもあります>

郭常喜興達刀舗

  • 住所:高雄市茄萣區大發路103號
  • 電話:+886-7-698-9595
  • 営業時間:8:00~18:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式SNS:Facebook

郭常喜藝術兵器文物館

  • 住所:高雄市茄萣區民生路226號
  • 電話:+886-7-698-9090
  • 営業時間:8:30~11:00/14:00~18:00
  • 入館料:50元
  • 公式SNS:Facebook

3 彌陀(南寮)漁港

彌陀(南寮)漁港
<週末には海岸に多くの人が訪れます>

最後にご紹介するのは、高雄市中心部から見て北方にある「彌陀(南寮)漁港」です。

前述した蚵仔寮漁港、興達港より更に北で、台南との境「彌陀區」に位置しています。漁船は午後出港し、翌日の朝に戻り、早朝にセリが行われるので、見学したい場合には4時、5時頃(日の出前の一時間)には港に到着していた方がよいでしょう。

彌陀(南寮)漁港
<週末には海岸でイベントが行われたり、週末限定の「假日漁市」という市も近くで開かれています>

屋台
<海岸のイベントでは食べ物や飲み物、手作り雑貨などの屋台が並びます>

「南寮海岸光廊」は、敷地面積約1.5haの海沿いのリクリエーションエリアで、ここには展望台やあずま屋、遊び場などがあり、海に入っていくように作られた遊歩道「水中廊道」は特に人気のスポットです。夕日などの景色が美しいことからウェディング写真を撮るカップルも多いスポットです。

水中廊道
<遊歩道「水中廊道」>

夕日
<海岸からの夕日>

「彌陀(南寮)漁港」へのアクセス

台湾鉄道岡山駅で下車、バスターミナル「岡山轉運站」から「紅78」のバスに乗り、「南寮」で下車します。乗車時間は35分ほどです。「南寮」から「彌陀(南寮)漁港」までは徒歩4~5分です。

  • 住所:高雄市彌陀區南寮路96號
  • 電話:+886-7-619-1216
  • 営業時間:平日11:00~22:00・土日祝祭日10:30~22:00
  • 彌陀區公所の公式サイト:彌陀區公所
  • 彌陀區漁會の公式サイト:彌陀區漁會

「彌陀(南寮)漁港」と「虱目魚(サバヒー)」

パネル展示
<「彌陀社區活動中心」の2階には特産のサバヒーや彌陀地域の歴史、文化についてなどのパネル展示があります>

「彌陀區」は、台湾の「虱目魚(サバヒー)」の主な産地で、この地域の養殖地の2/3はサバヒーを養殖しています。硬骨魚類のネズミギス目に属する「虱目魚」は、白身で身がミルクのように白いため、英語ではミルクフィッシュ(Milkfish)と呼ばれています。

「サバヒー」という名前は台湾語の「Sat-ba̍k-hî」からきています。台湾では17世紀頃から、産卵期になり、南部にやって来るサバヒーの稚魚を捕獲し、養殖するようになったと言われ、漁獲量も世界で上位を占めています。サバヒーはお粥、スープや焼き魚、「魚丸(魚団子)」などでいただきます。

スープ
<スープの中の虱目魚丸>

「虱目魚丸(サバヒーの魚団子)」は、一般的にスープの具として使われます。冷蔵の場合は2~3分、冷凍の場合は5分ゆでるだけでいただけます。サバヒーは淡白なあっさりとした味ですが、売られている魚団子にはしっかり味がついているので、醤油などを少しつけてそのまま食べてもおいしいです。

サバヒー
<冷凍されて売られているサバヒー>

彌陀漁民活動中心
<「南寮海岸光廊」にある彌陀漁民活動中心では、冷凍されたサバヒーや魚団子、魚でんぶなどが売られています>

スナック
<サバヒーのスナック菓子や魚でんぶなど>

「彌陀(南寮)漁港」周辺スポット

漁村にあるカフェ「餘香咖啡」は、もともと違う仕事をしていたオーナーが、この土地に戻り2代目として養殖業に携わりながら、美しい漁村の風景を楽しんでもらいたいと2018年にオープンしたカフェです。敷地内には見学できる養殖地や売店スペースなどがあり、生産、観光、リクリエーションを結びつけて、地元の活性化や若者の育成を目指しています。

餘香咖啡
<「南寮海岸光廊」からは徒歩6分ほどです>

コンテナハウス
<コンテナハウス1階と2階のほか、庭にも席があります>

店内
<ドリンクは1杯120元~180元Cap>

夕日
<2階の座席からの夕日>

コンテナハウスのような建物の2階の座席からは海を眺めながらコーヒーや軽食がいただけます。

ドリンクメニューでおすすめは「カスカラソーダ(160元)」。コーヒー豆の皮と果実を乾燥させたカスカラを使ったさっぱりした飲み物です。軽食にはトーストやサバヒーのピザ、サバヒーのポップコーンフィッシュなどがあります。揚げ物やトーストに付いてくるサバヒーを使ったソースは、ここだけのオリジナルです。ソースは臭みがなく、小さな子どもでも食べられるクリーミーなソースなので、ぜひ味わってみてください。

トースト「魚池吐司」とサバヒーを使ったソース
<トースト「魚池吐司」とサバヒーを使ったソース(100元)>

養殖地
<敷地内の養殖地>

餘香咖啡

  • 住所:高雄市彌陀區南寮路光明巷31-1號
  • 電話:886-925-899-091
  • 営業時間:平日 11:30~17:30/土 10:30~20:00/日 10:30~17:30
  • 公式SNS:Facebook

漯底山自然公園は標高約53mの山で、岡山空軍基地から約1kmの距離にあります。1938年日本統治時代に日本が岡山空軍飛行場を設置し、軍用地となった場所で、砲台や日本時代の防空壕なども残っています。2006年以降、漯底山自然公園となるまでは長期にわたり軍事管制が敷かれ、非公開の場所でした。

吊り橋
<公園入り口近くにある吊り橋>

現在漯底山自然公園には、80mある吊り橋や展望台などがあるほか、泥火山や悪地地形の景観が楽しめる場所もあります。

泥火山
<泥火山>

悪地地形
<悪地地形の景観>

漯底山自然公園

  • 住所:高雄市彌陀區漯底里山頂路
  • 電話:886-7-619-1216
  • 開園時間:24時間
  • 公式サイト:漯底山自然公園

まとめ

今回は、穴場の漁港として「蚵仔寮漁港」、「興達港」、「彌陀(南寮)漁港」の3か所をご紹介しました。「烏魚子(カラスミ)」「魚翅(フカヒレ)」「虱目魚(サバヒー)」の産地を訪れて、台湾の高級食材や新鮮なシーフードを思う存分味わってみてください!

台湾」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『台湾』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Ranking台湾記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

千里

静岡県出身、台湾の高雄在住。現在、日本語・中国語教室を開きながら、ガイド、特約翻訳、通訳、ライター等に従事しています。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!