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ボヘミアンの街に相応しいアートなお宿 セカンド・ホーム・ペルー
"アートの街" "ボヘミアンの街"として知られるリマ市バランコ区は、古き良き時代の瀟洒な屋敷や、壁にカラフルで前衛的なアートを施した家並が目を引くオシャレなエリア。リマで人気のレストランやカフェを始め、若手アーティストのショップや工房も多く、外国人観光客はもとより、地元リマっ子にも人気の地区です。
そのバランコで、旅行口コミサイトの総合評価が9.3(2022年9月現在)という人気のお宿が「Second Home Peru(セカンド・ホーム・ペルー)」。ペルーを代表する画家兼彫刻家のVíctor Delfín(ヴィクトル・デルフィン)氏の娘リリアンさんが経営するゲストハウスで、ヴィクトル氏の絵画やオブジェをふんだんに配置した館内はまるで美術館のよう。
また、太平洋に臨む崖の上に建っているため、ホテルからの眺めは最高!今回はアート好きにはたまらない人気のゲストハウス、セカンド・ホーム・ペルーをご紹介します。
目次
- ヴィクトル・デルフィン氏とは?
- 私設ミュージアムといっても過言ではないアート三昧のゲストハウス
- 緑あふれる庭でゆったりとした時間を過ごそう
- こんなお部屋でくつろぎたい!
- ヴィクトル氏のアトリエ見学もお忘れなく
ヴィクトル・デルフィン氏とは?
ゲストハウスをご案内する前に、まずはリリアンさんの御父上、ヴィクトル・デルフィン氏を簡単にご紹介しましょう。
1927年にペルー北部のピウラで生まれたヴィクトル氏は、国立美術学校で学んだ後チリの文化研究所で教鞭を取りました。1965年バランコに工房を設立、その2年後にはリマの現代アート・ビエンナーレで一位に選ばれました。1993年には高さ3m、幅12mの大作「El Beso(エル・ベソ)」を制作。El Besoはリマ市ミラフローレス区のParque del Amor(恋人たちの公園)に鎮座する、あの巨大な接吻像です。
<恋人たちの公園にある巨大な接吻像「El Beso」>
パラカス文化の影響を受けたという彼の作品には木材や布を始め、アクリルやアルミニウムなどの金属類など幅広い素材が使われています。数々の賞に輝くヴィクトル氏は、2001年に国家文化委員会の委員長となり、20世紀後半におけるペルー芸術の発展に大きな影響を与えました。御年95歳になる現在も、精力的に創作活動を行っています。
私設ミュージアムといっても過言ではないアート三昧のゲストハウス
前置きが長くなりましたが、さっそくホテルの中へ入ってみましょう。セカンド・ホーム・ペルーはバランコ区の中心部、溜息橋からも歩いてすぐの場所にあります。看板などは出ていないので、住所をしっかり確かめてから行きましょう。
青々とした木々に囲まれたゲストハウスの入り口。隠れ家的魅力もたまりません。
ロビー付近の様子。壁の至るところに、ヴィクトル氏の油絵が飾られています。
絵画や彫刻だけでなく、家具や調度品も一級品ぞろい。正面のガラスケースにはアンデス文明の土器も飾られていました。
1階の奥はギャラリーになっていて、ヴィクトル氏の作品が多数展示されています。これらの作品を見て回るだけでも、ここを訪れる価値がありますね。
緑あふれる庭でゆったりとした時間を過ごそう
手入れの行き届いた芝が美しいセカンド・ホーム・ペルーの庭。テラスでお茶をいただいたり、子どもと一緒にサッカーしたり、この空間だけで一日過ごせそうです。
青い空と青い海、遠くにはチョリージョス区も見えます。
庭の隅から下の敷地に降りる階段が見えました。セカンド・ホーム・ペルーは海岸へと続く崖の上に建てられているため、ちょっと複雑な造りになっている模様。それにしても敷地の至るところにオブジェが飾られていて、ちょっとしたテーマパークのようですね。
こんなお部屋でくつろぎたい!
「Mirador(展望台)」と命名されたこの客室は、8室あるセカンド・ホーム・ペルーの中でも特に人気。シンプルで清潔な室内は、太平洋を望む大きな窓と高い天井のおかげでとても開放的。寝心地のいいベッドと真っ白ですべすべのベッドリネンは、口コミサイトでも高評価を獲得しています。Wi-Fiも完備され、もうここから一歩も出たくなくなりそうです。
客室に入ってすぐのところにパウダールーム&バスルームがあり、その横にある階段を降りた先に寝室があるというメゾネット風の造り。パウダールームからも青い海を眺めることができるって、いいですよね。
まさに"展望台"の名にふさわしい贅沢な景色!西向きのバルコニーなので、夕刻になればさらに素晴らしい景色を堪能することができるでしょう。
ヴィクトル氏のアトリエ見学もお忘れなく
ホテルの敷地内にはヴィクトル氏のアトリエもあり、事前予約すれば見学することができます。ペルーを代表する巨匠の作品は、どんな空間から生まれるのでしょうか?
レンガと木材製の広々としたアトリエ。ここから数々の賞を受賞した名作たちが誕生したんですね。
南国の楽園を思わせる大作。この作品の前で記念撮影する人が多いのだとか。
「アトリエのパウダールームも素敵だからぜひ見てちょうだい」とリリアンさんに言われ、洗面所に行ってみると・・・可愛らしい花や鳥のモザイクが壁から天井までぎっしり!これは一見の価値ありです。
アトリエのバルコニーには、El Besoの試作品がありました。男性像のモデルはデルフィン氏自身、女性はパートナーのアナ・マリア・オルティスさんだそう。
リリアンさんの説明によると、デルフィン氏が彫刻制作を依頼された当時は、ラテンの国ペルーでさえまだ人前でキスをするのは憚られていたのだとか。「カップルはもっと自由になるべきだ」と思ったヴィクトル氏は、愛情表現のひとつである接吻を恥ずかしがるべきではないとしてこの像を作ったといいます。でも設置当初は、地元市民の間に大論争を巻き起こしたそうですよ。El Beso像の誕生秘話が聞けて面白かったです。
リリアンさんのホスピタリティあふれるおもてなしと居心地のよさから、「まるで第二の我が家のようにくつろげる」と口コミサイトで高評価のセカンド・ホーム・ペルー。リマに来たらぜひ宿泊してほしい、アート三昧なホテルです。
Second Home Peru/セカンド・ホーム・ペルー
- 住所:Domeyer 366, Barranco, Lima
- 公式サイト:Second Home Peru
- Facebook:Second Home Peru
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。