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今年は暑かった!スイスで手軽に涼める観光地3選
スイスは年間を通して世界中からの観光客でにぎわいます。春から夏は、アルプスの牧草地や野花が咲き乱れる景色の中ハイキング、冬は白銀の世界でスキーなどのウィンタースポーツに熱中する人が集まります。
2020年からのコロナ禍で、この国の観光業や飲食業もかなり痛手を受けましたが、2022年に入って少しずつ国外からのツーリストが戻ってきています。
目次
- アルプスの国スイスも、温暖化で酷暑に
- 夏のスイス、どこで涼むか
- 涼める観光地1:小舟で行く欧州最大の地底湖「サン・レオナール」
- 涼める観光地2:スイスの美しい峡谷でヒンヤリ「アーレ渓谷」
- 涼める観光地3:地下でアルプスの塩体験「ベー塩採掘所」
- まとめ
アルプスの国スイスも、温暖化で酷暑に
<氷の彫刻が涼しげ!ユングフラウヨッホの『氷の宮殿(アイスパレス)』にて>
さて、そんな海外からの観光客たちも、昨今の欧州の夏の暑さには驚くかもしれません。
特にスイスなどヨーロッパの夏は、高温多湿な日本の夏に比べ、爽やかで過ごしやすいと言われていますが、ここ数年は毎年30℃~40℃など今まで経験したことがないような暑い日が続くようになっています。
2022年も例外ではなく、スイスでも30℃を超える日が続きました。
真夏日を通り越して猛暑日もざら。特にスイスで一番気温が高くなりやすいジュネーブでは、気温が38℃ぐらいに上がったことも。一般家庭では扇風機はあってもクーラーがない家が多いので、住民たちも大変です。
夏のスイス、どこで涼むか
<ユングフラウヨッホ駅は、欧州で最も高い場所にある鉄道駅(標高3,454m)>
一般的に、夏の時期は日本だと午後2時~3時頃に気温が一番高くなることが多いですが、スイスの場合、午後4時~6時ぐらいが一番暑い時間帯になります。もし町歩きやショッピングをするなら、涼しめの午前中に済ませるのが良いかもしれません。
スイスのショッピングセンターや店、レストラン・カフェにいれば暑さから逃れられますが、店内であまり空調がきいていないところも多いので、店内にいても暑い!と感じることも。
また、標高3,466mあるユングフラウヨッホの展望台や店、『氷の宮殿(アイスパレス)』などがあるアトラクション施設へ行ったり、他のアルプスの山へ登ればもちろん最高に涼しいですが、そこへ行くまでにかなりの時間とお金がかかるため、気軽にちょっと涼をとりたい!というわけにはいかなさそう。
そんなわけで、時間とお金をそこまでかけなくてもヒンヤリできるスイスの観光地を、今回3か所ピックアックしてみました。
涼める観光地1:小舟で行く欧州最大の地底湖「サン・レオナール」
<地底湖へ降りる階段の先は真っ暗>
ヴァレー州(Valais)のサン・レオナール(St.Leonard)という村にある地底湖は、なかなかユニークな場所です。広さが6,000平方m、奥行きは300mほどあり、小舟で行くことができる地下の自然湖としては欧州最大なのだとか。
入り口にチケット売り場と小さなショップ、休憩所がありましたが、ここからすでに何となく涼しくなります。
階段を降りていくとそこは真っ暗な地底湖。そしてそこにぼんやりと浮かぶように待つ小舟たち。ここから地底湖ツアーへ出発です。
この地底湖の上はワイン畑になっているそう。ガイドさんが、フランス語、ドイツ語、そして英語の3か国語で舟を漕ぎながら分かりやすく説明してくれました。
<暗い地底湖をぼんやりと照らすライトが、どことなく神秘的>
舟はどんどん奥へ進んでいきます。水がとても澄んでいてきれい!一番深いところでは9mもあるのだそうですよ!それにしても神秘的というか、幻想的というか、何とも言えない不思議な気分になります。
一番奥の行き止まりからは徒歩で歩いていくこともできるそうですが、安全面上の理由から上陸して進むことはできませんでした。この辺りにマスもたくさん泳いでおり、しかもみんなおいしそうによく育っています(笑)。
小舟が進むと、マスの大群が一緒に舟にぴったりついてくるので、「ずいぶん人懐っこいなあ」と思っていたら、それもそのはず、マスは餌付けされているのだとか。
なんでも、湖の純度が高すぎて餌となるプランクトンが育たず、魚のエサになるものが湖水中に何もないから、とのことでした。
<澄んだ湖水の中を、気持ちよさそうに泳ぐマスたち>
30分ほどの短いツアーではありましたが、何だかとても癒されて良い気分。この地底湖では、コンサートも行われているので、ギターやバイオリンなどのコンサートを地底湖で聞くのもなかなか貴重な体験となりそうです。
サン・レオナール地底湖(Lac Souterrain de St-Léonard)※要予約
- 住所:Lac Souterrain de Saint-Léonard, CP 75, Rue du Lac 21, 1958 Saint-Léonard, Switzerland
- 電話:+41(0)27 203 22 66
- 営業時間:10:00~17:00(7~8月は9:00~17:30)※2022年の営業は3月19日~11月1日まで
- 料金:おとな(16歳以上)12スイスフラン、こども(5~15歳)7スイスフラン
- 公式サイト:サン・レオナール地底湖
涼める観光地2:スイスの美しい峡谷でヒンヤリ「アーレ渓谷」
<アーレ渓谷の入り口>
ベルン州(Bern)はマイリンゲン(Meiringen)にある、アーレ渓谷(Aareschlucht)もおススメのヒンヤリ観光地の一つといえるでしょう。
峡谷に沿って延々と続く、狭くて細い通路は、800年前まで行われていた伝統的なやり方で作られ、1888年に一般公開されました。長さは1,400mほどあり、石灰岩でできています。
それにしても、ヒヤッと涼しいどころか寒い洞窟のような場所を歩いていると、上からぴちょん、ぴちょんと首筋に水がしたたり落ちてくるし、川側を歩けばごうごうと轟きながら流れる水の勢いで、ふらっと通路から落ちてしまいそうな感覚(通路も濡れている)に陥るしで、怖々とへっぴり腰でゆっくり進んでいきました(笑)。
30~40分ほどでもう一つの出入り口に到達した後、車を駐車していたため、もとの入り口へ戻ってきました。
暑い夏にちょっと涼むには本当にちょうど良い観光地だと思います。夏季は、18時半から22時までライトアップもされているそうです。
<轟々と流れる川の横にある、細い通路を歩く>
アーレ峡谷(Aareschulucht)
- 住所:Aareschlucht, CH-3860 Meiringen, Switzerland
- 電話:+41 (0)33 971 40 48
- 営業時間:8:30~17:30(夏期は18:30まで)、7~8月の毎週金・土曜は22:00まで ※2022年の営業は4月2日~11月1日まで
- 料金:おとな(16歳以上)10スイスフラン、こども(6~16歳)6.50スイスフラン
- 公式サイト:アーレ峡谷
涼める観光地3:地下でアルプスの塩体験「ベー塩採掘所」
<地下の塩採掘所から、ミニ列車が地上へ戻ってきた>
最後にご紹介するのは、ヴォー州(Vaud)に位置するベー(Bex)にある塩鉱山です。15世紀、ここのアルプスで塩の源泉が見つかり、その後塩産業が発達していったのだとか。ベー塩採掘所は17紀から創業を開始し、1984年からは一般公開されています。
海に囲まれた日本で生まれ育った私にすれば、塩といえば海塩のイメージが大きいのですが、スイスはさすが、アルプスの塩なのですね!
<ショップでアルプスの塩を買うこともできます。小さいしお手頃価格でお土産に最適!>
さて、ツアーでこの塩鉱山の中へ入っていくわけですが、私が訪れた時はフランス語によるツアーでした。英語やドイツ語も話せるマルチリンガルなガイドさんも多く、ショップ内カウンターでオーディオガイドを貸してもらえるので、自分のペースでゆっくり見学することもできます。
いよいよ鉱山内へ!内部は18℃ぐらいで、いい具合に冷えていました。
数分暗いトンネルを歩いていくと、旧貯蔵庫に出ます。ここで10分ぐらいのイントロが上映されました。それを見終わったら、水溜まりのあるエリアを通り抜けていきます。すると今度はトロッコ列車風のミニトレインで奥まで進んでいきます。
<トロッコ風列車でGo!>
列車内はその見た目よりは広く、窓も大きいのでトンネル内が良く見えました。ただ、この列車で延々10~15分ぐらい真っ暗なトンネルをひたすら進んでいくため、「本当にちゃんと目的地に到着するんだろうか」と少し心配になりました(笑)。
<岩塩でできたランプがところどころ置かれており、幻想的な雰囲気を醸し出していました>
列車が到着した後は、暗い鉱山内を歩いて展示されている昔の道具やランプを見ていきました。
「こんな日光の入らないところで一日仕事をしてウツにならなかったのかな」とか、「もしなんらかの事故に遭った時、すぐに外に出られる非常口はあったのだろうか」など、当時の労働者たちの仕事の様子を想像しながら見学していました。
ツアー時間は2時間!最初は「2時間のツアーって長いなァ」と思ったのですが、実際はあっという間でした。
<薄暗い塩鉱山内には多くの展示や説明があり、勉強になります>
ベーの塩鉱山(Mines de Sel de Bex)
- 住所:Route des Mines de Sel 55, 1880 Bex - Le Bouillet, Switzerland
- 電話:+41 24 463 03 30
- 営業日・ツアー回数
1~3月+11~12月:水曜(午後)、土・日曜(1日1~4回)
4~5月+9~10月:火~日曜(1日2~4回)
6~8月:毎日(1日4~10回) - 休業日:12月25日、1月1日
- 料金:おとな(16歳以上)24スイスフラン、こども(5~15歳)13スイスフラン ※オンラインで購入すると少し安くなります
- 公式サイト:ペーの塩鉱山
<塩の結晶やアンモナイトなどの化石も出るそうです>
まとめ
駆け足で、スイスのヒンヤリできるお手軽な観光地についてご紹介しましたが、その他にも鍾乳洞など、暑い日に避難できそうな涼しい観光地は各地に多くあります。
夏の暑い時期にスイスへお越しになる予定のある方は、ぜひこういった所へも足を運んでみてくださいね!
※本記事の情報は2022年9月現在のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください
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小島瑞生
- 1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。