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食欲の秋到来!シチリアに来たら食べて欲しい秋の味覚とは?
イタリア旅行といえば、その土地のパスタ、チーズやハム、ワインなどイタリアングルメに舌鼓を打ちたいもの。筆者が住むシチリアも、胃袋が追い付かないほど美食で溢れています。
料理ももちろんなのですが、その一方でやはりシチリアの大地とシチリアの太陽の元で育つ作物にも注目したいところ。
今回はそろそろ秋らしくなってきたので、シチリアの秋の味覚の代表格である、とあるフルーツをご紹介したいと思います。
目次
秋の味覚・サボテンの実とシチリア
皆さん、サボテンの実をご覧になったことはありますか。
「サボテン」と聞くと、まず写真のような緑の平たい大きい葉を思い浮かべるかと思います。
緑の葉の部分は食べませんが、その葉の先に生るサボテンの実が9月頃からシチリアの八百屋や市場、スーパーに並びます。逆に言えば、サボテンの実が店頭に並び始めると秋がやってきたのだなあと感じます。
サボテンはクリストファー・コロンブスがヨーロッパに持ち帰ったという説もありますが、シチリアに入ったのは800年代にサラセン人が持ち込んだのがきっかけという説が有力です。だとすると、シチリア人はもう1200年以上もサボテンと暮らしているのですね。シチリアでは非常に身近な植物なので、あちらこちらで見かけます。どれほど身近なのかは下の写真のように壁にデザインされているところからも窺えます。
サボテンの実は、イタリア語では"Fichi d'India(フィーキ・ディ・インディア)"、直訳すると「インドイチジク」という名がついています。日本語では「ウチワサボテン」と呼ばれています。
このウチワサボテンは、鉄やカルシウム、リンといった栄養素を含むだけでなく、食物繊維も豊富だとか。少々お腹が重たくなりがちなイタリア・シチリアグルメ旅行の途中に挟むのもいいですね。
さてこのサボテンの実ですが、食べ方...というより皮の剥き方を知らないと大変なことになります。
サボテンの実の食べ方
気を付けて頂きたいのが、サボテンの実の皮に無数についている小さな小さな透明のトゲです。素手で触ろうものなら、その後はピンセットでトゲと一日中格闘することになります(経験者は語る)。
まずお皿を2枚、そしてナイフとフォークを準備してください。
1. フォークを突き刺して固定し、上下を切り落とします。
2. 縦に筋を入れます。
3. 実を皮から剥がすように転がします。半分以上剥けたら、最後は手を使ってもいいでしょう。
4. 剥き終えた実は、別のお皿に盛りましょう。剥くときに使ったお皿にはトゲが残っている可能性があります。
サボテンの実ってどんな味?
一体どんな味がするのでしょうか、気になりますよね。
敢えて言うなら「スイカと柿を足して2で割ったような感じ」です。スイカのような食感と柿のような甘さを兼ね備えており、水分の少ないところでも育つサボテンとは思えないほど、とてもみずみずしいフルーツ。実の中にはたくさんの種がありますが、その種ごとまるっと全部食べましょう。
色によって味は違うの?
まるでサボテンの実たち全員でシチリアデザインを表すかのようにカラフルな色をしていますが、味は全部同じなのでしょうか?
じつは、色によってわずかに味や食感が違います。今回購入したサボテンの実の販売者の公式サイトを参考にすると...
- 黄:果肉は濃い橙色で柔らかく、甘くてジューシー
- 赤:ルビーのような鮮やかな赤色が特徴、糖度が高く、種が少なめで果肉はほろほろと崩れる
- 白:比較的しっかりめの果肉、さわやかでデリケートな甘さ
という感じでした。
今回購入したものは、すべて熟れていて甘く、大変美味しくいただきましたが、デリケートな甘さの白が私の好みでした。皆さんはどれがお好みでしょうか?
さいごに
今回はシチリアの秋の味覚、サボテンの実をご紹介しました。
イタリアングルメを食べ尽くしたい気持ちは重々承知していますが、エトナ山の恵みたっぷりの大地でシチリアの太陽を浴びて育つシチリアの野菜やフルーツは一味違います。色も味もしっかりとしていて、それを食すのはシチリアの大自然を感じられる体験の1つです。ぜひ、秋にシチリアにお越しの際は、サボテンの実も体験してみてくださいね。
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サエコ
- シチリア島に魅せられて移住。目標は地元民に間違えられるようになること。ガイドブックに載っていないような、ローカルな情報をお伝えします。