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全米スペシャルティコーヒー協会も認めたペルー産コーヒーはいかが?
ペルー産のコーヒーを飲んだことはありますか?
ペルーの国土は、コーヒー栽培最適地とされる北緯25度から南緯25度のコーヒーベルト内に位置し、国内17州67郡338地区もの広い範囲で栽培が行われています。また世界の主要輸出国10か国に入っており、オーガニックコーヒーに至ってはメキシコに次ぐ世界第2位。特に全米スペシャルティコーヒー協会(SCAA)の品評会でペルー産コーヒーが2010年に1位を獲得して以来、ペルーのスペシャルティ―コーヒーに注目が集まるようになりました。
地域ごとに様々な特徴のあるペルーのコーヒー産地の様子を見てみたい!という方に、今回は国内主要産地のひとつであるVilla Rica(ビジャ・リカ)のコーヒー農家の様子をご紹介します。
目次
高地アマゾンの町ビジャ・リカ
ペルーのちょうど中央に位置するパスコ州の東側、標高は1,467mの高地アマゾンと呼ばれるエリアにあるビジャ・リカ。平均気温21度、その標高の高さゆえに朝晩の気温差が大きく、コーヒー栽培に理想的な条件が揃っています。ビジャ・リカとはスペイン語で "豊かな町" のこと。その名の通り、肥沃な土壌と豊かな水源を有するとても恵まれた町です。
ビジャ・リカの中心地。この辺りはもともとアマゾン先住民ヤネーシャ族の居住地でしたが、20世紀前半にドイツ人移民が入植したことで、とんがり屋根が特徴のチロル風家屋が建てられるようになりました。
町の南に広がる「Laguna El Oconal(エル・オコナル湖)」は、ボート遊びや釣りが楽しめる市民の憩いの場。周辺は「オクサパンパ - アシャニンカ・ヤネーシャ生物圏保護区」になっており、豊かな自然と生物多様性を誇っています。
コーヒー栽培の町だけあって、モニュメントはモカポット!恵まれた自然環境と、経験を積んだコーヒー農家の高度な栽培技術によって生まれるビジャ・リカのコーヒー豆は、ペルー政府がその品質や価値を保証する「原産地呼称制度」の適用を受けています。それほどビジャ・リカのコーヒーは特別なんですね。
地元のコーヒー農家を訪問!
ビジャ・リカの周辺にはFinca(フィンカ)と呼ばれるコーヒー農家がいくつもあります。観光客を受け入れているところもあり、ツアーに参加すればコーヒー栽培の様子を見学したり、挽きたてのコーヒー豆を購入することができます。
きれいに植えられたコーヒーの若木。水はけのよい傾斜地に植えることは、良質なコーヒーを栽培するための基本です。日中の強い日差しがコーヒーの木に直接当たるのを防ぐため、周囲には背の高い木々が植えられています。
勾配がきつく機械を導入することができないため、コーヒーの木の世話や収穫はすべて手作業。先住民の女性たちが、真っ赤に熟したコーヒーの実をひとつひとつ丁寧に摘み取っていきます。時間も手間もかかる大変な作業ですが、だからこそ品質を保つことができるんですね。
農園を見学する観光客も、その急な斜面には辟易・・・。ほんの少しではありますが、コーヒー農家さんの苦労を体験することができました。
まるでサクランボのように赤いことから、コーヒーチェリーと呼ばれる完熟したコーヒーの実。きれいですね!
リマで開催されるコーヒーフェア
コーヒー農家を訪問してみたいけれど、限られた旅程の中ではちょっと難しい。でも店に並んだ商品をパッケージだけで選ぶより、自分で香りを確かめたり、試飲して気に入ったものを選びたい人は多いでしょう。リマ市内ではコーヒーフェスティバル(コーヒー祭り)が定期的に開催されているので、もし滞在中に見かけたらぜひ立ち寄ってみて!大きな公園や広場で開催されており、すぐ目につくと思います。
ペルーを代表するスペシャルティコーヒーのひとつ「Tunki(トゥンキ)」。2010年にSCAAの品評会で、最優秀スペシャルティコーヒーとして「ピープルズチョイス賞」を受賞。2011年には、レインフォレスト・アライアンスの「コーヒー・カッピング・フォー・クオリティ」部門で1位を獲得しています。その後も数々の賞を受賞しています。
こちらはワヌコ州レオンシオ・パルド郡の「Q'ulto(クルト)」コーヒー。卓越したグルメコーヒーであると評価され、SCAAによってカッピングスコア80ポイント以上を付与されています。クルトコーヒーは80、85、90ポイントの3種類。パッケージも可愛らしく、お土産にもぴったりです。(SCAAの評価基準では、80ポイント以上をスペシャルティコーヒーと呼びます。90ポイント以上はトップ・オブ・トップと呼ばれ、オークションで扱われるほど希少価値が高いそうです)
こうしてお店の人から直接話を聞けるのが、イベント販売の醍醐味ですね。
一通りお店を見て回ったら、淹れたてのコーヒーでひとまず休憩。いただいたのはスペシャルティコーヒーではありませんでしたが、挽きたての豆は薫り高くコクがあり、酸味も控えめでとても飲みやすかったです。ペルー産コーヒーのレベルの高さを感じました。
オーガニックチョコレートのお店も発見!ペルーでもカカオ70%以上のハイカカオチョコレートが人気です。ペルーの国土はコーヒーベルトだけでなくカカオベルトにも入っており、良質なカカオが栽培されることでも有名。なのでコーヒーとあわせてカカオを栽培する農家も少なくはないんです。コーヒーとチョコレートの相性は抜群!どちらもお気に入りのものを選びたいですね。
コーヒーだけでなく、その他の商品も一緒に販売されてのがイベントのいいところ。ほかにもコーヒーを使ったリキュールや、コーヒー風味のクラフトビールなんかも売られていました。日本でも注目が集まりつつあるペルー産コーヒー、ぜひ地元ペルーで味わってみてください。
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。