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【カンボジア】夜景もおすすめ!首都プノンペンの名前の由来になったお寺
カンボジアの首都プノンペンで最も古いお寺、ワット・プノン。
白くそびえ立つ仏塔は遠くからでも目に入り、プノンペンの象徴的な存在です。夜の豪華にライトアップされた幻想的な姿も必見!ご利益が高いことでも有名で、一般の方々だけでなく政府関係者から王族までが参拝に訪れているのです。
そしてこのワット・プノンは、あるご婦人の善行によって建てられ、プノンペンの名前の由来にもなっているのです。プノンペン観光でおすすめのお寺をそのご婦人の行いと共にご紹介いたします。
目次
巨大な白い仏塔は首都プノンペンの象徴
<木々の間にそびえ立つ白い仏塔>
カンボジアの首都プノンペン。王宮がある中心地の小高い丘の上に、木々の間から巨大な白い仏塔がそびえ立っています。
この白い仏塔は遠くからでも目に入り、首都プノンペンの中心部に来た人なら誰もが目にしたことがあるまさに首都の象徴なのです。
<芝生の時計と白い仏塔>
そのふもとにはきれいに整えられた芝生で作られた大きな時計があり、まるで遊園地かテーマパークの入り口のようなスポットです。
プノンペンの名前となったご婦人の善行
<首都プノンペンの名前の由来になった寺>
ここのお寺の名前はワット・プノン。クメール語(カンボジア語)で、ワットは寺、プノンは丘ですから、「丘の上のお寺」という意味になります。そして、このワット・プノンという名前が、首都プノンペンの名前の由来になっているのです。そのエピソードをご紹介しましょう。
<善行を行ったペン婦人の像>
その昔、この辺りにペンさんという裕福なご婦人が住んでいました。ある日、ペンさんの家の前の川に大木が流れてきます。気になったペンさんはその大木を辿り寄せると、中には五つの仏像が入っていたのです。ペンさんはこの仏像を手厚くこの丘に祀り、お寺にしました。この善行を称えるかのように、ここはいつしか「ペン婦人の丘(プノン)」と呼ばれるようになり、これが首都プノンペンという名前になったのです。
地元の人々から王族まで訪れる寺院
<巨大なナーガの欄干>
<兵士とシンハ(獅子)が護る本堂への階段>
丘の上の本堂へは正面の階段から上がります。欄干は大きなナーガ(蛇神)となっていて、兵士とシンハ(獅子)と共に寺を護ります。
これはタイやラオスも同様、仏教とヒンドゥー教が共存する東南アジアのお寺の特徴的なスタイルです。
<参拝者で賑わう本堂>
<中華系移民がお参りするお堂>
本堂は主に地元の人々や観光客がお参りをし、その脇の奥には中華系移民がお参りするお堂もあります。ペンさんが救った5つの仏像のうち、4つは本堂へ、そして1つは中華系移民のお堂の方へ祀られました。現在ある5つの仏像は複製されたもので、当時のものは王宮にあるそうです。これは1970年代の内戦の時に崩壊や盗難から守ったためでしょう。
<遠方のお寺から来たという小僧さん達>
ここはご利益があることでも知られていて、地元の人々や世界中からの観光客、そして政府の方々に加えて王族までもが訪れ祈りを捧げているのです。
この日は地方から来ている別のお寺のお坊さん達の姿も見かけました。まだ小学生くらいの小僧さんたちは、普段の厳しい修行から解放されたからかちょっと遠足気分で、いつもは見られない笑顔で楽しそうでした。
ペン婦人がもっと美しくなるように
<美しい黄金のご本尊と壁画>
本堂に入ると、鮮やかな壁画の中、まずは黄金のご本尊が目を引きます。その周囲にも数多くの仏像があり、これらのうちの1つに人だかりができていて、参拝者の1人はそこの仏像に何かを描いていていました。
<若い時のペン夫人にお化粧をする参拝者>
「これが若い時のペン婦人です。ペン婦人はとてもおしゃれな方でした。そしていつも"もっと美しくなりたい"と願っていたのです。だから私たちはここでお祈りさせていただく感謝の気持ちとして、ペン婦人がもっと美しくなるように口紅を塗ってあげるのです」
そこにはここをお寺にしたペン婦人の等身大ほどの像があり、参拝者の女性が丁寧にお化粧をしてあげていました。
<お年を召したペン婦人が祀られている祠>
さらに奥には、お年を召した頃のペン婦人が祀られている祠があり、ここは一番の人気スポットになっています。絶えることのない線香に加えて、お供え物のジャスミンやバナナの神秘的な香華に包まれます。
おしゃれなペン婦人には、洋服も毎日取り換えてあげるそうです。この日は水曜日だから緑色、日曜日には赤い服を着せるそうです。たくさんのネックレスも身に付けて、ペン婦人もとても喜んでいることでしょう。
<商売繁盛を祈る母娘>
お参りに来ていた母娘は2人で飲食店をやっているとのこと。ここには最低でも年に2回は訪れるそうです。
「健康や幸せ、そして商売繁盛をお祈りに来ました。ここでお願いするとお客さんがたくさん来てくれるんですよ」
ペン婦人からのご利益は多くの方に信仰されていて、人々に愛され、慕われていることが伝わってきました。
<夜のライトアップは絶景>
そして、こちらが夜のワット・プノン。豪華にライトアップされた姿はとても幻想的で美しいです。日本の都心と違って他にほとんど明かりのない中で、こんなにきれいにライトアップされているお寺はなかなか見ることはできません。
プノンペン国際空港からは車で40分ほど、王宮からは2kmほどという距離ですので、王宮観光やショッピングの帰り、空港までの時間にちょっと時間がある時にでも行ってみてはいかがでしょうか。1時間もあれば十分に見ることができるので、短時間で価値のある観光を楽しめるお寺です。
まとめ
カンボジアの首都プノンペンにあるワット・プノン。
首都最古のお寺であり、遠くからも見える仏塔は首都の象徴です。その昔、ペンさんというご婦人は川に流れてきた仏像を救い、この丘に祀りました。このペン婦人の善行から、ここはペン婦人の丘(プノン)と呼ばれるようになり、それが首都プノンペンの名前になったのです。参拝者は、このお寺を作ったペン婦人の像に化粧をして婦人の善行を称え続けています。夜景もとても美しいお寺へぜひお出かけください。
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KOJI SAITO
- 東南アジアの子ども達を支援しているNGO代表。活動の合間に聖地を巡り、現地の人々との触れ合いから直接聞いた情報をお伝えしています。国内では会社を経営し、出張で47都道府県を制覇。