【カンボジア】プノンペンのパワースポット。1万人が訪れる魔法のお寺

ワット ソムラオン アンデット

カンボジアのプノンペン国際空港から1時間ほど。週末には1万人もの人々が訪れるという地元で知らない人はいないお寺があります。お願いごとをかなえてもらうならこのお寺。その力は"魔法"とまで言われているのです。住職は仏教国カンボジア7万人の僧侶の中で3番目の地位。日本人にはほとんど知られていない穴場のパワースポット、"魔法のお寺"をご紹介します。

※この情報は2019年3月の取材に基づくものです。

目次

人々から愛される開かれたお寺

ワット ソムラオン アンデット
<大きな池にはたくさんの魚と亀>

カンボジアのプノンペン国際空港から北東へ車で1時間ほど、地域の人々に愛されるワット ソムラオン アンデットというお寺があります。小高い丘にあり、広い敷地に大きな池、開放感のあるお寺です。昔は畑しななかった場所に1980年代に建てられた比較的新しいお寺です。

ワット ソムラオン アンデット
<涅槃像のお腹のあたりには男性が添い寝>

境内に入ると20mほどのお釈迦様の涅槃像が横たわっているのですが、その真横で真っ黒に日焼けした男の人が添い寝しているのです。お釈迦様のお腹のあたり、上半身は裸、お弁当やジュースも持ってきて、毎日ここで休憩しているようです。日本のお寺だったら注意されそうですが、ここは近所の人が気軽に入りリラックスできるのでしょう。

住み込みで働く身寄りのない高齢女性が26人

住み込みの女性
<一生ここで生活させてもらうという女性>

その先にはお釈迦の誕生を表したスペースがあります。そこでお線香を整えている年配の女性に何をしているのか聞いてみました。「私には家族がいないから、住職にお願いして死ぬまでここで生活させてもらってるの。もう8年もいます。毎朝4時からお寺の掃除をして、若い人にお釈迦様のお話しもするのよ」と、こうした身寄りがない高齢者が26人も住んでいるとのことでした。

頭から水をかけられ、ずぶ濡れの人々

祈願者
<頭から水をかけられる家族連れの祈願者>

この穏やかさが一転。その先には驚かされる光景が目に入ってきます。大きな水がめの周りでは家族連れが並んで頭を下げ、二人の僧侶が頭から水をかけているのです。それは日本の神社で手や口を清めるレベルとは比較になりません。何度も水をかけられ、親も子供も上半身はびっしょり。

その次はワイシャツ姿のビジネスマン。この日は平日ですから仕事中でしょうか。途切れることなく次から次へと人々が水をかけられているのです。

週末には1万人が訪れる魔法の寺

案内をしてくれたカンボジア人の友人によれば、ここは地元では知らない人はいないという有名なお寺。なんと金土日の週末だけで1万人以上が訪れることもあるというのです。その目的は祈祷(きとう)。自分ではどうにもならないことをお願いに来るのです。そして、その力は"魔法"とまで言われているのです。

祈願者
<ずぶ濡れの中、一心に祈る祈願者>

こちらの男性は究極のお清めでしょう。僧侶がじょうろで頭からザバザバと水をかけています。何度も何度も水をかけられ、服のまま海にでも入ったかのような姿になってます。それでも足を真っ直ぐに伸ばして座り、一心に手を合わせてますからよほどのお願いごとで来ているのでしょう。

貫禄と親しみやすさを合わせ持つ住職の登場

本堂
<風景画と複数の仏像が並ぶ色鮮やかな本堂>

本堂ではそろそろ住職のお経と法話が始まる時間です。中では既に50人ほどの人たちが住職が入ってくるのを待っていました。
そして本堂の背景は色鮮やかな風景画、本尊のお釈迦様を何体もの立像が囲んでいて、これは同じ仏教でも日本の本堂とはだいぶ異なり、とても明るい印象があります。

僧侶
<若い僧侶からの説明を聞く大勢の人々>

若い僧侶がマイクで儀式の流れを説明し、いよいよ住職の入堂です。知らない人はいない寺、週末には1万人、魔法の祈祷、これだけ特別なお寺にした住職はどんな人なのだろうととても興味がわきます。

住職は数名の若い僧侶を従え、肩からはたくさんの勲章のようなバッジがかかっていて、とても貫禄があります。今まで会ったことのあるどの僧侶よりも位が高く、社会的な貢献もしていることが想像つきました。

まずは住職のご挨拶。

「昨日スリランカから帰ってきました!その前はフランスに2カ月いました。3カ月ぶりにカンボジアに帰ってきて、みんなに会えてとても嬉しいです!」と、満面の笑顔で気さくに話す様子には親しみがわきました。

そしてお経がはじまり、しばらくすると住職が立ち上がり、祈願者の方へ歩いてきます。そこで1人1人からお願いごとを聞いていくのです。

1人1人の願いを聞き、一瞬で回答

僧侶
<人々の悩みや願いに一瞬で回答>

それがとにかく大きな声で元気。さらには全ての人の悩みや願いに対して、一瞬で答えを出してくれるのです。

「子供が欲しいの?!では毎朝この花を頭に置いて祈りなさい!そして3日間お水をかけて下さい。それで子供ができるでしょう!」

「何?あなたはビジネスを成功させたいの?それならスマホを祈祷しよう!スマホをお皿の上に置いて!それでアポイントとればすぐに取引はOK!」

「結婚するの?!幸せになりたい?その砂の上に生年月日を書いて。お互いずっと好きだね?!私の顔を見て誓いなさい!」

内容も独特なのですが、この住職の元気で明るい声だけでも願いごとをかなえてくれそうです。何より評判でこれだけの人が集まっていることが、この住職の力の証しでしょう。

砂
<砂に生年月日を書く独特の作法>

カンボジア僧侶7万人中、3番目の地位

僧侶
 
そして私を見ると「日本人?嬉しいね!日本語も英語も話せないけど、ニコニコで伝わるよね?」と、楽しそうに話をしてくれました。

「ここは40年前は何もなかったんだよ。私がこのお寺を建てて、その後は、アメリカ、オーストララリア、フランス、スリランカにお寺を建てる指導をしてきたんだ」

住職は40年の間に、ここだけでなく世界中にお寺を建てる手伝いをしてきたというお話を聞かせてくれました。この功績とお人柄は仏教界でもとても大きく評価されているのです。

「このメダル分かりますか?これ以上の位はありません。カンボジアには7万人のお坊さんがいるけど、私は3番目の位ですよ。また来てね。今度は一緒にご飯を食べよう!」と、どこまでも気さくな方でした。

儀式
<イノシシの牙を通じて聖水をかける儀式>

最後に私たちも祈祷をしていただきました。手にしているのは500年から1,000年ほどまえのイノシシの牙。これは象牙より価値があるそうです。この牙を通して水をかけることで特別な力が宿るのでしょう。私たちも手と頭を清めていただき、お願いごとをさせていただきました。

ワット ソムラオン アンデット
<誰もが気軽に訪れることができる開放的なお寺>

祈祷が有名なお寺と聞くと、とても厳粛で敷居の高いお寺を想像してしまいますが、ここは全くそんなことはありません。一歩入ると、ご近所の方々が楽しそうに過ごしていたり、年配の女性がお寺のお手伝いをしていたり、とても開放的なお寺でした。日本人観光客にはほとんど知られていないお寺ですが、住職もお坊さんたちもとても喜んでくれました。悩みやお願いごとがあるならぜひこのお寺で祈祷してもらうといいでしょう。その力は魔法です。

まとめ

プノンペン国際空港から1時間ほど。週末には1万人が訪れるという地元で知らない人はいないというお寺。その目的は祈祷。自分ではどうにもできない悩みや願いことをかなえてもらうために訪れているのです。その力は"魔法"とまで言われ、カンボジア7万人中3番目の地位の住職がどんな願いにも一瞬で答えてくれるのです。プノンペン観光の際にはぜひお出かけ下さい。

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KOJI SAITO

東南アジアの子ども達を支援しているNGO代表。活動の合間に聖地を巡り、現地の人々との触れ合いから直接聞いた情報をお伝えしています。国内では会社を経営し、出張で47都道府県を制覇。

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