サンパウロの目抜き通り、パウリスタ大通りは金融・ビジネス街で、東京の丸の内に当たるようなところです。オフィスばかりで、一見、観光客には見どころがないように思えるのですが、実はいろいろな楽しみ方があります。今回は、観光客が楽しめるパウリスタ大通りを紹介したいと思います。

目次

• パウリスタ大通りの歴史
• 美術館・文化センターを訪れる
• ショッピングを楽しむ
• 日曜日の歩行者天国を散歩する
• 食べる＆休憩する
• まとめ

パウリスタ大通りの歴史

パウリスタ大通りができたのは1891年のことで、同エリアの都市計画に伴い、開通。当初から20世紀前半まで、この大通りは、コーヒー農園主など、当時の富豪の豪邸が並んでいたため、「コーヒー男爵筋」という異名を持っていたそうです。今でもその面影が、僅かながら確認することができ、現在は文化センターになっている「バラの家」は、その頃に建設された豪邸の一つです。また、パウリスタ大通りに突如現れる、青々と生い茂るトリアノン公園も、高台にあるこの通りから眺める景色が、当時素晴らしかったことから建設された公園なのだそうです。

パウリスタ大通りから家が消えていくのが1950年代。そして、60年代以降は現在のパウリスタ大通りの原形となる金融・ビジネス街に代わっていき、個性的なビルが建設されていきます。そして90年代に入り、金融機関の本社が別の地域に移ると、今度は文化施設がどんどん開館されていき、現在の姿のパウリスタ大通りが誕生。

約3kmの大通りに、古い洋館があったり、森のように草木生い茂る公園があったりと、通りに統一感がないのは、住宅街からビジネス街に変貌した歴史が背景にあったからなのでした。

美術館・文化センターを訪れる

観光客にとってのパウリスタ大通りの最大の見どころはサンパウロ美術館ですが、他にもおすすめの文化施設があります。

サンパウロ美術館（MASP）

ゴッホやモネ、ルノワールなどのヨーロッパ絵画を数多く所有しており、常設展で見ることができます。企画展はブラジル近代アートから現代アートが中心。美術館ショップ、レストランなども併設

【サンパウロ美術館（MASP）】

• 住所：Av. Paulista, 1578, São Paulo, SP
• 開館時間：火10:00～20:00、水～日10:00～18:00（入館にはネットでの事前予約が必要）
• 休館日：月曜
• WEBサイト：サンパウロ美術館

モレイラ・サレス写真美術館（IMS Paulista）

2017年に開館したモレイラ・サレス協会は写真を専門にした美術館です。ブラジルの写真家の展示が中心。日本ではあまり知られていないブラジル写真家の作品を知る良い機会だと思うので、ぜひ。映画館や写真関連の本ばかりを集めた図書館、書店＆美術館ショップ、レストラン＆カフェも併設。

【モレイラ・サレス写真美術館（IMS Paulista）】

• 住所：Av. Paulista, 2424, São Paulo, SP
• 開館時間：10:00～20:00
• 休館日：月曜
• 入館料：無料
• WEBサイト：モレイラ・サレス写真美術館

ジャパンハウス

日本政府による日本文化普及プロジェクトであるジャパンハウスは、2017年にオープンしました。いろいろな分野の日本人アーティストの展示や新旧織り交ぜた日本文化が紹介されており、今やサンパウロの人気観光地の一つになっています。また、建物は隈研吾監修で、パウリスタ大通りの中でも異彩を放つ建物の一つです。

【ジャパンハウス（JAPAN HOUSE）】

• 住所：Av. Paulista, 52, São Paulo, SP
• 開館時間：火～金10:00～18:00、土9:00～19:00、日・祝日9:00～18:00
• 閉館日：月曜
• WEBサイト：ジャパンハウス

イタウ文化センター

ブラジルの銀行、イタウ銀行が運営する文化センター。演劇や音楽、文化イベントなどに無料で参加できます。音楽ホールでは、良質なブラジル音楽が聴けるので、ブラジル音楽が好きな人にはおすすめ。

【イタウ文化センター（Itau Cultural）】

• 住所：Av. Paulista, 149, São Paulo, SP
• 開館時間：火～土11:00～20:00、日・祝日11:00～19:00
• 閉館日：月曜
• WEBサイト：イタウ文化センター

セスキ（SESC Avenida Paulista）

＜イタウ文化センターとセスキは隣接している＞

セスキは、サンパウロ各地にあるカルチャーセンターで、サンパウロ市民向けの講座を提供しているところなのですが、パウリスタ大通りのセスキには展望台が設置されているので、観光客に人気があります。眺めが美しいとはいいがたいのですが、サンパウロの都市景観が眺望できます。展望台の階にあるカフェで、景色を眺めながら、休憩もできます。

＜セスキの展望台からの眺め＞

※展望台に行くには、ホームページからの事前予約が必要です。

【セスキ（SESC Avenida Paulista）】

• 住所：Av. Paulista, 119, São Paulo, SP
• 開館時間：火～金10:00～21:30、土・日・祝日10:00～18:30
• 閉館日：月曜
• WEBサイト：セスキ

ショッピングを楽しむ

パウリスタ大通りにはショッピングセンターが3店舗あり、買い物にも便利。内容は、規模の違いはあるものの、似たり寄ったりなのが残念なのですが、お土産を買ったり、メイドインブラジルものを買ったりするのなら、一番大きなショッピング・パチオ・パウリスタがおすすめ。

【ショッピング・パチオ・パウリスタ（Shopping Pátio Paulista）】

• 住所：Rua Treze de Maio, 1947, São Paulo, SP
• 営業時間：月～土10:00～22:00、日・祝日11:00～22:00
• WEBサイト：ショッピング・パチオ・パウリスタ

【ショッピング・シダージ・サンパウロ（Shopping Cidade São Paulo）】

• 住所：Av. Paulista, 1230, São Paulo, SP
• 営業時間：月～土10:00～22:00、日・祝日11:00～20:00
• WEBサイト：ショッピング・シダージ・サンパウロ

【ショッピングセンター・トレス（Shopping Center 3）】

• 住所：Av. Paulista, 2064, São Paulo, SP
• 営業時間：月～土10:00～22:00、日・祝日14:00～20:00
• WEBサイト：ショッピングセンター・トレス

日曜日の歩行者天国を散歩する

パウリスタ大通りは真っ直ぐで、その距離は3kmほどあります。しかも6車線もある大きな通りなので、毎週日曜日の8時～16時まで歩行者天国になります。日本のビジネス街と大きく違うのは、この大通りを一本外れると住宅街なので、日曜日は近所の住人から観光客まで様々な人で、とても賑わいます。歩行者天国にはかかせないストリートバンドが各地点で演奏していたり、露天商がずらりと並んでいたりして、少しお祭りっぽい感じもあり、別に特に何をするわけでもないですが、楽しく散歩できます。

また、毎日曜日の9時ごろから15時ごろまでサンパウロ美術館の入口広場ではアンティーク市も開かれており、骨董品が好きな人にはおすすめです。

＜歩行者天国のストリートバンド＞

食べる＆休憩する

最後に、パウリスタ大通りのおすすめカフェ＆レストランのご紹介。

この通りにはスターバックスなどのカフェを始めとする店がたくさんありますが、ビジネス街らしく、ゆっくり過ごせるようなカフェはほとんどありません。ですから、美術館や文化施設に入っているカフェのほうがのんびりできるので、そちらをおすすめします。ぜひ、行ってみてほしいカフェが、「バラの家」のカフェ。オープンエアで心地よく過ごせ、天気の良い日は最高です。

【カフェ・ヒストロ（Caffé Ristoro）】

• 住所：Av. Paulista, 37, São Paulo, SP
• 営業時間：月11:00～18:00、火～金11:00～19:00、土・日9:30～19:00
• WEBサイト：カフェ・ヒストロ

レストランも、残念ながらパウリスタ大通りよりも周辺の通りのほうが良い店がたくさんあります。とは言え、サンパウロの有名シェフが経営するブラジル料理レストランが2軒あるので、ここには行ってみる価値あり。両店ともに美術館併設のレストラン。

【ア・バイアネイラ（A Baianeira）】サンパウロ美術館内

• 住所：Av. Paulista, 1578, 地下2階、São Paulo, SP
• 営業時間：火～金11:30～15:00、土・日11:30～16:00
• 定休日：月
• WEBサイト：ア・バイアネイラ

【バライオ（Balaio IMS）】モレイラ・サレス写真美術館内

• 住所：Av. Paulista, 2424, São Paulo, SP
• 営業時間：火～木12:00～16:00、金・土12:00～16:00、19:00～22:00、日12:00～17:00
• 定休日：月
• WEBサイト：バライオ

まとめ

パウリスタ大通りは、時代の流れに応じて変貌してきたのですが、開通当初から変わらないのは、サンパウロの一番名の知られている通りであるということです。

市民が政治的デモを行うのも、ゲイパレードが行われるのも、新年のカウントダウンをするのも全てここ、パウリスタ大通り。とにかく、サンパウロ市民にとっては、なくてはならない大切な存在です。

平日はビジネス街の顔を持ち、週末は市民の憩いの場となる場所ですが、ご紹介した通り観光客が楽しめる場所もたくさんあります。ぜひ、行ってみてください。

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