【ラオス】カボチャ怪人!?豚人間!?奇妙な像が200体。誰もが驚く摩訶不思議な空間

展望台

ラオスの首都ビエンチャンの東部には誰もが驚く摩訶不思議な空間があります。顎が外れるほどに口を開いたカボチャの怪人、龍の口から飛び出して踊る女、巨大な人頭部の周りを魔術のように回る人々。こうした像が200体以上もあるのです。ここは「ブッダパーク」と言われ、実はお寺。そこは仏教とヒンドゥー教を独特の世界観で表した特殊な空間。ラオスに長く滞在している友人が「外国人が来た時は必ず連れて行く」というほどのおすすめの観光スポットをご紹介します。

目次

人々を窮屈な世界から解放させたい想いで建立

ブッダパーク
<堀の深い人頭部を踊りながらまわる人々>

ラオスの首都ビエンチャン中心部から東に25km、そこには誰もが驚く摩訶不思議な空間があります。そこは「ブッタパーク」と呼ばれ、正式にはワット・シェンクワンというお寺の名称を持っています。しかしお寺と言っても本堂もなければ、僧侶もいません。そこには独特の形と世界観に溢れた、仏教とヒンドゥー教の神仏の像が200体以上も建っています。

修行像
<あばら骨の浮いた僧侶を囲む修行僧>

ブッダパークの像は古代遺跡のようにも見える色合いをしていますが、これは素材のコンクリートが黒ずみ、風化しているだけなのです。実は歴史は浅く、1958年に、宗教家であり彫刻家でもあるブンルア・スリーラット氏により造られました。スリーラット氏は、独自の世界観を表し、「人々が窮屈な現世から解放され、癒されるスポットを造りたかった」そうです。確かにここにいると、癒されるかはさておき、現世を忘れて、奇妙な世界に圧倒されることにはなるでしょう。

涅槃像
<涅槃像は横から見るとペラペラの薄さ>

ジワジワと世界中に人気が広がっている珍スポット

展望台
<4階建てのビルほどの高さで屋上は展望台>

ブッダパークに入って真っ先に目に入るのは、この巨大なかぼちゃのようなドームです。4階建てのちょっとしたビルくらいの高さでしょう。目玉が飛び出し、顎が外れるほど開いた口、この口から中に入れると言うのですから驚きます。

ブッダパーク
<カボチャ怪人の中では3つの世界を表現>

この内部は静かで厳かな空間が広がっています。三階はそれぞれが地獄界、地上界、天上界となっていてて、細いはしごを使って順に上がることができます。内部の壁一面には細かい彫刻が施されていて、スリーラット氏の独自の世界観を伝えたいという意気込みを感じることができました。

ブッダパーク
<木々とメコン川に囲まれた異空間>

屋上は展望台になっていて、ブッダパーク全体を見渡すことができます。

展望台からブッダパークを見渡すと、緑の木々とその先のメコン川が外の世界との境界線となっていることに気づきます。園内の芝生や植栽はきれいに整えられていて、そこには様々な形と表情をした像が、何か謎の数式にように並べられています。ここだけが全く違う世界のようです。

ラオスに長く住んでいる友人も「外国人が来た時は必ず連れて行く」と言います。そして、始めて訪れた外国人の誰もがこの世界に圧倒されます。「・・何これ?」、「すごい独特・・」、「何でこうゆうの造ったの?」と、一般的なお寺では出てこない感想ばかりです。今や名スポットならぬ珍スポットとの呼び声も高く、ジワジワと世界中に人気が広まってきている観光スポットでもあるのです。

仏教とヒンドゥー教の神仏が200体以上

下に降りて園内を歩いてみます。像の大きさは様々で、見上げるような高さから、人と同じサイズまであり、それが200体以上のあるのですから本当に圧倒されます。

そして、いくつかの像はインド発祥のヒンドゥー教の神々であることが分かりました。仏教はヒンドゥー教の神々を取り入れていった歴史があります。梵天さま、帝釈天さま、毘沙門天さま等はヒンドゥー教の神様が姿を変えたものですから、日本人にとっても身近な存在なのです。

ドゥルガー
<10本の腕に武器を持つ女神ドゥルガー>

戦いの女神ドゥルガーは10本全ての腕に斧や弓などの武器を持っています。当時は神々が悪魔との戦いに敗れてしまったことから、神々は個々のパワーと武器を一点に集め、そこで誕生したのがこのドゥルガーです。10本の腕を同時に操り、天界を制していた悪魔の王を倒した、美しく強くとても人気のある女神です。

ナーガ
<古くから信仰されている蛇神ナーガ>

七つの頭はインドの蛇神ナーガ。ヒンドゥー教が始まる以前からインドの神様として信仰されてきました。蛇というのは脱皮をするので、生まれ変わりや不死の象徴としえて崇められているのです。東南アジアのお寺でよく見かけることがある神様で、階段や橋の欄干がナーガとなってることもあります。

軍神インドラ
<軍神インドラは日本では帝釈天>

象に乗っているのは天空を駆け抜ける軍神インドラ。生まれた時から大変強いパワーがあり、両親ですらそのパワーを恐れて近寄らなかったほど。そのパワーにより敵対する神の一族を次々と倒し、インドラは軍神となったのです。インドラは仏教にも取り入れられて、「帝釈天」という名前で親しまれています。寅さんの舞台にもなっている柴又帝釈天は有名ですね。

魔人ラーフ
<日食月食を司る魔人ラーフの全身姿>

足で太陽を掲げ、大きな口で月を飲み込もうとしているのは、日食月食を司る魔人ラーフでしょう。上半身だけのラーフはタイでもよく見かけるのですが、全身姿のラーフは初めて見ました。口から出ている月にまで顔があるのが特徴的で、こうした姿も建立者が原作にとらわれずに新たな姿で想いを表現したのでしょう。

こうして、なんとなく分かる神仏もあるのですが、多くは初めて見る姿ばかり。

現地スタッフでも分からない不思議な像の数々

ブッダパーク
<巨大な神の両手には仰向けにのけぞる女性>

ブッダパーク
<人より大きな昆虫と戦う兵士>

ブッダパーク
<豚人間に乗られて舌を出す男>

3mほどの巨大な神の両手には女性が仰向けにのけぞり、手足はダラりと垂れ下がり死んでいるかのようです。

人間よりも大きなバッタかコオロギと戦う兵士。豚人間に乗っかられた人間は、ベーっと舌を出して楽しんでいるようにも見えます。本当にこの像にどんな意味があるのか不思議でしかたありません。

ブッダパーク
<蛇の口から飛び出してポーズをとる女性>

ブッダパーク
<布袋様のようにも見える大柄な神様>

蛇の大きな口からは、ショーダンサーのような女性が飛び出してきて両手を広げてポーズを取っています。大柄な神様は中国に実在したお坊さん、日本では誰もが知っている布袋様のようにも見えます。

とにかく特徴的な神仏の数々。窮屈な世界から解放させたいとは言え、この奇妙な形にはそれぞれどんな意味があるのか分からないことだらけです。

そこでブッダパークのスタッフに聞いてみました。すると・・

「ここは、おもしろい像ばっかりでしょ。でも私たちもどんな意味なのか分からないの。私たちだって、ここ造ったスリーラットさんに聞いてみたいことばかりですよ。とにかく楽しんで下さい!」

スタッフ
<どんな意味かは私たちも分かりません>

ブッダパーク(正式名称:ワット・シェンクアーン)

住所:Deua, Thanon Tha, Vientiane, Laos

まとめ

ラオスの首都ビエンチャン東部にある摩訶不思議な空間、ブッダパーク。巨大なカボチャの怪人、豚人間、謎の踊りをする人々、こんな奇妙な像が200体以上。誰もが圧倒される摩訶不思議な空間です。今や世界中にジワジワと人気が出てきた珍スポットです。皆様もぜひお出かけ下さい。

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KOJI SAITO

東南アジアの子ども達を支援しているNGO代表。活動の合間に聖地を巡り、現地の人々との触れ合いから直接聞いた情報をお伝えしています。国内では会社を経営し、出張で47都道府県を制覇。

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