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もうひとつの湖!真冬の滋賀県余呉湖は駅から徒歩10分の秘境
滋賀県でもっとも有名な名所といえば、やはり琵琶湖でしょう。約670平方kmもの面積を持つこの古代湖は、滋賀県の象徴的な存在ともいえます。しかし、滋賀県長浜市の北部にもうひとつ巨大な湖があるということは、他府県の方にはあまり知られていないようです。
今回は、そんな「余呉湖」について現地の写真とともに解説していきます。
目次
滋賀もうひとつの湖「余呉湖」とは
<山々に囲まれた余呉湖>
先述した通り、余呉湖があるのは滋賀県長浜市。北陸福井県からも近い場所にあります。
湖の面積は約1.8平方km、水深13m。周辺には、羽柴(豊臣)秀吉と柴田勝家が激戦を繰り広げた「賤ケ岳」、そしてその戦いで命を落とした中川清秀の墓が存在します。
また、この湖は「羽衣伝説」が伝わる地のひとつでもあります。
羽衣を盗られた天女が人間の男と結婚せざるを得なくなり、やがて子どもが生まれるものの、羽衣を取り返して天に帰っていくという伝説は、この湖だけでなく日本各地に伝わっているようです。
そのほか、雨乞いのため大蛇と化した姫にまつわる「菊石姫伝説」も知られています。
駅からわずか徒歩10分の秘境
<雪が降り積もる余呉駅>
余呉湖の最寄り駅は、JR北陸本線「余呉」駅。今回の主役である余呉湖は、駅からかなり近い場所にあり、アクセス良好です。およそ徒歩10分前後で湖の手前まで行くことができます。
<駅前から余呉湖が遠くに見える>
秘境というものは人里はるか離れた場所にあり、到達すら困難なイメージがありますが、この余呉湖は比較的身近といえるでしょう。とはいえ、余呉駅まで電車で行くにあたってはそれなりの交通費が必要なので、その点は留意しておかなければなりません。
神秘的な冬の余呉湖
<真っ白な余呉の地>
この余呉湖は、非日常感あふれる特別な地です。特に場所柄ゆえ、冬は雪が積もりやすく、まさに「銀世界」ともいうべき風景を楽しみやすくなっています。真冬の余呉湖周辺の風景は寒々しくも鮮やか。都会ではまず味わうことのできない「冬の美しさ」がどういったものかをじっくり堪能できるでしょう。
<真冬の田んぼに映る青空>
周辺には田畑があり、そこにもまた積雪が。よく晴れた日には水面に青空が反射し、妙味の「映え」を見せてくれます。
<大きな湖に浮かぶ釣り堀>
対岸には民家、そして釣り堀があります。この湖はワカサギ釣りの名所としても、多くの釣り人にも親しまれているようです。
お腹が空いた時でも大丈夫。湖周辺にはいくつか食堂があり、ワカサギの天ぷらはじめさまざまなメニューが提供されています。
<素朴ながら、おいしくあたたかいラーメン>
この日は「食事処 舟戸」というお店でラーメンを食べましたが、シンプルながらとても食べやすく、冷えた身体にそのあたたかさが染みわたりました。
<真っ青な空と、そこに浮かぶ大きな雲>
この周辺の美しさは、湖だけが織りなしているものではありません。
空もまた冷たく澄み切っており、そこに浮かぶ白雲それぞれが「存在感」を持っているかのように思えます。
<山の向こうから差し込む夕陽>
陽射しも眩しく、まるでさし込むかのよう。この地で数々の神話伝承が生まれたのも納得なほど神秘性が感じられます。
<風のない時、余呉湖は巨大な鏡になる>
余呉湖もうひとつの魅力として有名なのが「鏡湖」。
風がなく波が立たない日は湖面がまるで巨大な鏡のようになり、空の風景をそのままくっきりと映し出すとされています。まさに「絶景」とも呼ぶべき見事なもので、このことから余呉湖は「日本のウユニ塩湖」とも呼ばれているようです。
条件が限られるためなかなか出会えるものではありませんが、死ぬまでに一度はこの目で見ておきたいものです。
気候の変化に注意
<雲ゆきが怪しくなりはじめたら注意>
このように魅力的な観光地である余呉湖ですが、楽しむにあたって気をつけておかなければならない点もあります。それが気候の変化です。
余呉湖はその地理的事情のため、時折激しい吹雪が発生することがあります。その勢いすさまじく、あたり一面が見えなくなり、激しい雪つぶてに身体が痛くなるほどです。
<吹雪で荒れる余呉の夜>
その光景は日常でまず出会えるものではなく、ある種の美しさは確かにあります。ただし、同時に生命の危険を感じるほど、強烈で力強いものです。
また、一旦吹雪になれば長時間その状態が続く可能性が高く、スケジュールにも大きな狂いが生じます。
ですので、雲行きが怪しくなってきたと思ったら、駅へ引き返しいつでも帰れるようにしましょう。それが難しければ、最寄りのビジターセンター等の施設へ避難してください。
まとめ
<ここにしかない絶景を見に行こう>
滋賀県長浜市にある余呉湖は、琵琶湖に勝るとも劣らない美しさを持つ名所です。
今回は冬の景色について紹介しましたが、春には湖畔に桜が咲き、また異なる美景を楽しめるとのことです。
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緑一郎
- 関西を拠点に活動するフリーランス。ライティングだけでなく、写真や動画に関する仕事も手がけています。あまり多くの人に知られていない場所を積極的に紹介していければと考えています。