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【初秋の登山】花と日本の百名山 苗場山と谷川岳へ!上信越山旅
<トップの画像:トマノ耳とオキノ耳をつなぐ稜線>
こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」がキャッチフレーズの倉山(くらさん)です。
"日本百名山"と言えば「深田久弥」先生が随筆で1964年(昭和39年)に発表されました。
"花の百名山"と言えば「田中澄江」先生が随筆で1980年(昭和55年)に発表されました。
おふたりがなさったことは、山を歩くことが好きな方、山に咲く花が好きな方にはおなじみだと思います。
今回、その百名山として紹介された山の中から、夏は登山、冬はスキーで有名な「苗場山(標高2,145m)」と「谷川岳(1,963m)」の二座に登ってきましたのでご紹介します。季節は高山植物がまだ見られる2021年9月上旬、1泊2日の行程です。
どちらの山も、長野、新潟、群馬の県境に位置する上信越高原国立公園内にある大きな山です。どうぞお楽しみください!
>>日本百名山を紹介するサイトはこちら(全頂制覇百名山)
>>花の百名山を紹介するサイトはこちら(日本百名山)
<苗場山>
<谷川岳>
目次
1. 苗場山、谷川岳までのアクセスは?登山口はどこ?そこまでどうやって行くの??
電車の場合も車の場合も、使う駅やインターチェンジが違いますので分けてご紹介します。
できれば車で移動した方が、現地に着いてから便利だと思います。二つの山を縦走するには離れ過ぎているので、一度下山し車で移動して、2日間に分けて登りました。
<苗場山の登山口>
最もアクセスの良いメジャーな苗場山秡川(はらいがわ)コースの登山口をご案内します。
- 車の場合:東京方面から関越自動車道利用が一般的で、湯沢インターを降りて約30分走れば秡川登山コース登山口のかぐらスキー場町営駐車場に到着します
- 電車の場合:JR新幹線の越後湯沢駅で下車、秡川登山コース登山口まではタクシーで約30分(7,000円くらい)です
<谷川岳の登山口>
谷川岳ロープウェイを使って登山する天神尾根コースの登山口をご紹介します。
- 車の場合:東京方面から関越自動車道利用が一般的で、水上インターを降ります。標識に従ってR291をロープウェイ駐車場まで約30分走れば到着します
- 電車の場合:JR(1)上毛高原駅、(2)水上駅、(3)土合駅で下車し、関越交通のバスに乗車して、谷川岳ロープウェイ駅まで移動します(各駅からの乗車時間はおよそ(1)45分、(2)20分、(3)7分)
2. 「苗場山」登山ルート
「苗場」と聞けばスキー場を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。苗場山山麓には田代やかぐらなど複数のスキーゲレンデが造成され、登山よりもスキーリゾートとして有名な所ですね。
※その昔、テレビ番組で芸能人の雪上運動会が行われた(古い!笑)苗場スキー場は今回ご紹介する登山口ではありません。
ちなみに、苗場には登山コースも多く三俣コース、赤湯温泉コース、中津川を遡った秋山郷の金城山・小松原コース、小赤沢コースなどがあって、それぞれに苗場山の多様な面を見せています。
特別保護地域にも指定された山頂周辺は広大なシラビソの樹林帯で覆われ、頂上部分は周囲約4kmにも及び、東京ドーム約130個分と言いますからその広さが想像いただけるでしょう。
こんな高所にこれほど景観の美しい高層湿原の広がりが見られるとは知りませんでした。たくさんの池塘が展開していることも稀有な経験でした。(正直その広大さにびっくりしました!)
高山植物の宝庫でもあるので、初夏から紅葉シーズンまで多種多様な植物群が生育しています。
素晴らしい景色を眺めながら、平地では見られない珍しい植物を見る事ができますから、季節を変えて何度でも訪れたい場所です。
今回歩いた祓川コースの登山行程です
かぐらスキー場町営駐車場(09:00スタート)・・・和田小屋・・・下ノ芝・・・上ノ芝・・・神楽ヶ峰・・・苗場山山頂[昼食休憩 60分]・・・(登りと同じルートを下山)・・・町営駐車場(17:00ゴール)≪今回の歩行距離は約15km、登山時間は昼食休憩を含めて8時間≫
<和田小屋>
駐車場から歩いて20分位にある和田小屋。基礎のコンクリート部分が豪雪地帯の備えを感じさせますね。間もなくスキーシーズになりますが、スキー客で賑やかになる場所です。
緩やかな傾斜の登山口をスタート。お花畑の様な湿地帯には木道が続いています。
登ったのは9月中旬でしたが、高山植物が綺麗に咲いていました!紅葉にはまだ早い感じでした。花の名前はまだ勉強中のため、道中撮影した花の写真をご覧ください。
<これはわかります。トリカブトです>
歩き始めて約2時間半。上ノ芝の休憩所まで来ました。湿地帯のため木道が整備されています。ただし雨の日には木道は滑りやすいので慎重に歩きたい所です!
八合目の神楽ケ峰まで歩き始めて約3時間。山頂までもうひと踏ん張りです。
冷たくて美味しい湧き水の「雷清水」でしばし休憩します。
穴の中でひときわ光る物を発見!「ヒカリゴケ」でした。写真だとその感動が伝え切れないのが残念!
山頂部が近くに見えて来ました。もう少しです。ガスが掛かっていますが雨は降りませんでした。
こんなガレ場みたいな道もありますが、全般的には比較的歩きやすい登山道です。
来た~!感動~!山頂に広がる大湿原です。池塘(※)も点在して天空の楽園と化していました。
※池塘(ちとう)とは、湿原の泥炭地にある池沼です。大小も池の形も水深もさまざまで、周囲から水が流れ込む、あるいは湧き水によって池が形成されたものです。池塘は湿原があれば見ることができますが、苗場山の他有名なのは尾瀬ヶ原です。
<池塘>
あまりにも広大で、東京ドーム約130個分の台地はとても山の頂のものとは思えませんでした。他の山では味わえない苗場山の特筆すべき魅力とも言えるでしょう。
10月になると苗場山でも紅葉が始まり、山頂の湿原には一面黄金色の草紅葉が広がります。この辺りもきっと素晴らしい秋の季節を映し出すことでしょう。
苗場山山頂の碑(標高2,145m)が頑丈に傾いていました。
ず~っと見ていても飽きない風景です。苗場山は次回はテント泊でゆっくり来たい山の一つです。
日本百名山の一つでもありますが、国立公園としてしっかり保護されている高原です。登山者はルールを守りましょう。
今回は一泊二日の山旅なので、泊まりは谷川岳山麓の土合駅近く「土合山の家」にお世話になりました。料理も豪華で美味しい。かつリーズナブルで清潔感のある宿でした。
「土合山の家」の登山シーズン料金は、1泊夕食付きでお一人7,150円(税込み)でした。早朝出発のため、朝食は自前で準備して食事を取りました。
土合山の家
- 住所:群馬県利根郡水上町湯檜曽土合220
- TEL:0278-72-5522
- HP:土合山の家
3.「谷川岳」登山ルート
谷川岳は、谷川連峰の中心にそびえる、急峻な岩壁に囲まれた、日本百名山の一つです。
標高は1,963mと2,000mには及びませんが、その地理的特性から、北西の季節風による多くの積雪をもたらし、群馬県内でも有数の豪雪地域です。厳しい気候と豊かな自然に恵まれ、比較的低い標高ながら高山植物が観察できる魅力的な山でもあります。
また、谷川岳の北側に刻まれた渓谷「一ノ倉沢」は、日本有数の大岩壁で、日本三大岩場の一つとされ、ベテランでも時々滑落事故を起こす、初心者は近づけない場所です。
とは言っても、恐れるなかれ、谷川岳はトマノ耳(標高1,963m)とオキノ耳(標高1,977m)と呼ばれる2つの頂きをもつ「双耳峰」で、豊富な登山コースを持っているので、初級者から上級者でも楽しめる、日帰りもできる人気の山です。
今回私たちはロープウェイを使って天神平まで上がりそこから歩く、最も人気が高く体力の消耗が少ない「天神尾根コース」を歩きました。快晴に恵まれ大パノラマを堪能しましたのでご紹介します。
今回歩いた天神尾根コースの登山行程です
ロープウェイ利用で天神平駅(07:30スタート)・・・<全て徒歩>・・・天狗のトマリ場・・・天神のザンゲ岩・・・肩ノ小屋(WCあり)・・・一つ目の山頂「トマノ耳」・・・二つ目の山頂「オキノ耳」[昼食休憩 60分]・・・(同じルートを下山)・・・天神平駅(13:00ゴール)・・・ロープウェイ利用で土合の駐車場へ ≪今回の歩行距離は約6km、登山時間は昼食休憩を含めて5時間半≫
楽々ロープウェイで標高1,319mの天神平駅まで移動。眺望もよく快適な移動でした。
天神平からリフトを利用して天神峠まで上がれます。ここもスキーシーズンになればスキー客で賑やかになる場所です。私たちはここから徒歩で登山道を登り始めました。
「展望の頂」の看板がデカ過ぎてすみません笑! ここに説明されている山々の全てを望むことができました。日本百名山の朝日岳、至仏山、武尊山の雄姿は流石にかっこ良過ぎます。
苗場山と同様、高山植物が所々に見られました。こちらの花の名前も勉強中のため、道中撮影した花の写真をご覧ください。
とても小さな花ですが存在感があり、しっかり咲いていました。
道標の後ろに望む「万太郎山 標高1,954m」には今回登りませんでしたが谷川連峰の一つです。
苗場山と比べると歩く距離は短いのですがこんな岩場の急登もありなかなか楽しめます。
刺激的な岩場が続きますが初心者でも注意して登れば大丈夫です。
岩場は雨が降ると滑って危険ですが、天気が良ければこの通りスイスイと登って行けます。
山頂部分が見えて来ました。あと一息ってところですね。
どうですか!何とも伝えきれているとは言い難いこの尾根の素晴らしさ。圧巻です。
山頂直下の最後の岩場を慎重に進めます。
一つ目の山頂「トマノ耳」標高1,963mに登頂!
双耳峰をつなぐ稜線の美しさ。ここを歩いてきたなんてしあわせです。
二つ目の山頂「オキノ耳」標高1,977mに登頂!
ここが日本有数の大岩壁で、日本三大岩場の一つ「一ノ倉沢」渓谷です。
この日もロープを繋いで岸壁を登っている強者パーティーがいました!
私たち安心安全組は歩いてきた天神尾根を引き返し下山します。
万太郎山まで続く谷川連邦の尾根です。なんて素晴らしい稜線でしょうか。言葉になりません。
無事に天神平まで下山しました。後はロープウェイで下るだけなので楽々です。
谷川岳山頂「トマノ耳」からのパノラマ動画です。昨日登った苗場山頂の台地も良く見えました。
4. 雑談とワンポイントアドバイス
今回ご紹介した苗場山と谷川岳の上信越一泊二日はマイカーを利用しての山旅でしたが、テント泊でも山小屋泊でもなく山麓の温泉地に一泊して二座を登って来ました。
私は泊り登山の時はテント泊が殆どですが、標高2,000m級の山を軽荷で歩くのはやはり快適です。山の高所で過ごす縦走登山とはひと味違い、これはこれでとても楽しい登山でした。
どちらの山も豪雪地帯で冬はスキーが楽しめる場所なので過去にはスキーで出かけたことはありましたが、今回歩いてみて夫々の山の素晴らしさを改めて感じました。
しかし今回、身の引き締まる事故が目前で発生しました。天神尾根を歩き始めて数十分、何の変哲もない道で前方を歩く女性が突如滑落してしまいました。運よく藪にしがみ付くことができて、周りの方が助け上げ、大事には至りませんでしたが、余りにも瞬間的な状況に一瞬言葉を失いました。
どうみてもベテランそうな方でしたので、その時の状況をお伺いすると、安定しない小石と木の根っ子の組み合わせに足が取られてしまい、谷側へバランスを崩して落ちたとのことでした。一部荷物はそのまま落下しましたが、あっけらかんと話をされて胆が据わった強い方に見えました。
そんな登りなれた方でも起こり得る滑落、登山中は「気を緩めることなく歩く!」を自分に言い聞かせました。
苗場山はちょっと体力が必要なコースですが、山頂に広がる大湿原は一見の価値が絶対にありますのでおすすめです。機会があれば、山頂部に泊まって満天の星も合わせて楽しみたいと思っています。
谷川岳は日本三大岩場のある山とご紹介しましたが、群馬県には他にも「スリルと絶景を堪能出来る日本三奇勝の妙義山」が有ります。
この山頂部を目指すには上級者並みの経験が必要ですが、以前私が書いた上毛三山の記事がありますので併せてご覧ください。
>>「【紅葉登山】上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)晩秋の山旅」はこちら
群馬県と言えば、日本有数の温泉県です。
下山後には一汗流しさっぱりしますので、ぜひお立ち寄りください。
こんなに素晴らしい山々へ、私と一緒に登ってみませんか?
登山の紹介はまだまだ続く。
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倉山(くらさん)
- 2013年富士山が世界文化遺産登録の夏、50歳を迎えるこの年に富士山登頂を人生の思い出にしようと体力作りに近郊の山を歩き始めました。最初は息切れ筋肉痛や転倒など情けない状態でしたが、大自然に抱かれる心地よさに魅了されてしまい今では低山から日本アルプスまで登山なしではいられない生活になりました。仲間でお弁当持ってく歩く山が楽しくて大好きです。単独行でストイックに歩く山も好きです。素晴らしい景色、美味しい空気、そして大自然のありがたさを仲間の皆さまに感じて頂きたいと思う毎日です。目の疲れもストレスも景色を見ると癒されます。体調がとても良くなり食事が美味しくなります。きっと良いことが待っている山歩きを私と一緒に始めてみませんか。