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日本と全く違う!スイスの年末・年始はどんな感じ?

記事投稿日:2022/01/16最終更新日:2022/01/16

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クリスマス飾り

日本では、クリスマスが終わればただちに正月ムードになり、大みそかや新年へのカウントダウンが本格的に始まりますが、スイスなどヨーロッパに暮らしていると、大みそかも元旦もクリスマスの"オマケ"的な扱いなので、何となく消化不良な気分で新年を迎えることに(苦笑)。

そんな、日本とはかなり異なる欧州での年末・年始。今回は、スイスでの年末・年始がどう祝われているのかご紹介します。

目次

12月25日のクリスマス後も、クリスマスツリーと飾りはそのまま

クリスマス飾り
<クリスマス本番が終わっても、クリスマス飾りのまま>

スイスで最も大切なイベントは、多くのヨーロッパの国々同様、クリスマス。日本で元旦が大切な日であるのと同じように、スイスでもクリスマスといえば家族や親戚などが集まって、一緒に食事をしたり語らったりして過ごします。

クリスマス当日の12月25日は全国的に祝日ですが、翌日12月26日の『聖シュテファンの日』(仏語では『聖エティエンの日』)は、祝日である地域と平日である地域が混在しているので、ちょっとややこしいです。例えば、スイスのイタリア語圏及びドイツ語圏の州の多くは12月26日も祝日ですが、フランス語圏では、一部の州を除いて平日になっています。

クリスマスの日、そして翌日も祝日の地域では、町中の店が閉まってしまいます。そして12月27日から再び店は営業を始めるのですが、ここでみんなが待ちかねるのはセール!クリスマス関連の食材やグッズが半額~70%引きぐらいになり、お買い得品を求めて大勢の人々が買い物に繰り出します。

自分の欲しかった物を半額で買えて嬉しそうな人、クリスマス前に定価で購入し、同じ商品がセールで叩き売りをされているのを見てがっくり肩を落とす人など「セールあるある」はスイスでも同じよう。

さらに、大みそかや新年を祝うパーティ関連商品、花火や爆竹などを購入する人も。それに加え、幸福を呼ぶラッキーグッズも店頭に多く並びます。

ラッキーグッズとは、例えばブタやキノコ、四つ葉のクローバー、煙突掃除人、馬蹄などをかたどった縁起物の商品で、来たる年も実りある良い1年になるよう願って、人に贈ったりします。

クリスマスや大みそかの時に、スイスでよく食べられる料理

チーズフォンデュ
<スイス郷土料理の定番、チーズフォンデュ>

クリスマスや大みそかに、スイスで好んで食べられる料理はなんといってもチーズフォンデュやラクレットでしょう。チーズフォンデュは日本でもメジャーになりつつありますが、フォンデュ用チーズを白ワインとともに鍋で溶かして、とろーり溶けたらパンやポテトを細長いフォークの先に刺し、チーズにからめて食べる料理です。

同じくチーズを使った「ラクレット」も外せません。もともとはスイス南部ヴァレー州(ヴァリス州)の郷土料理で、ラクレットチーズという大きくて丸いチーズをトロトロに溶かし、茹でたジャガイモやピクルスなどにからめて食べます。

チーズフォンデュ
<本来はラクレットマシーンで大きな半径のチーズを溶かして食べるが、手軽な家庭用ラクレットグリルで楽しむ人が多い>

そして、肉が主役の「フォンデュ・シノワーズ(肉フォンデュ)」なんて料理もあります。

野菜や肉のブイヨンで薄切りの肉をさっと通して食べる、"スイス版しゃぶしゃぶ"で、鶏肉・豚肉・牛肉が良く使われますが、基本的にどんな肉でもいいようです。

私は以前、ワニ肉とカンガルー肉のフォンデュ・シノワーズを食べたことがありますが、なかなか美味しかったです(笑)。

肉フォンデュ
<フォンデュ・シノワーズ(肉フォンデュ)。数種類のソースをつけていただきます>

上記の3つの料理に共通するのは、すべて大勢でわいわいと一緒に食べられるところ。日本の鍋のように、家族や気の置けない友人たちと、料理を囲んで美味しい物を食べるのは、どの国でも同じなのですね!

大みそかと新年、スイスの人はどう過ごすのが好き?

セール
<クリスマスが明けて、一斉に始まる年末セール>

スイスでの年末年始は、「友達の家で年越しパーティーをする!」とか「年末年始はスキーをしに、アルプスのどこかにいるよ~」という人、または豪勢に「年末年始はニューヨークで過ごします」という人が私の周りでは多く、それぞれの年末年始をエンジョイしているよう。

駅
<クリスマスや年末年始を山で過ごす人々でにぎわう駅>

スイスの住宅ローン・保険会社FinanceScout24が、2021年11月から12月にかけて『大みそかの夜はどう過ごすか』という質問を18歳~79歳のスイス人1,300人にしたところ、約半分の48%の人が「自宅で」と答え、19%は「友人と」、17%が「家族で」過ごすという結果になったそうです。

その一方で、「まだどう過ごすか決めていない」と回答した人も18%いて、スイス人にとって大みそかや新年は、クリスマスに比べ重要度はやはり低くなるのだな、と思いました。

とはいえ、年が明けるまであともう少し、という時間帯になると、町の大聖堂や教会でコンサートが行われたり、ミサが行われたりすることも多いので、そういった場所へ出かける人も少なくありません。そして時計が夜中の12時を打つと、花火があちらこちらで上がり始めます。

夜中の1時を回っていてもパンパン!という賑やかな音は止まないので、なかなか寝付くことは難しそうですが、さすがにそんな伝統にも今は慣れ、新年の花火を子守歌に眠りにつく私です(笑)。

花火
<きんと冷えた空気の中で見る花火は、ささやかで神秘的>

こんな遊びで新年を占うのはいかが

チンギーセン
<『ブライギーセン』もとい『チンギーセン』。鉛ではなく、錫(すず)製のもので占い遊び>

スイスやドイツなど独語圏の国々や北欧では、年末ならではのユニークな伝統もあります。それは蝋などを溶かして水に落とし、固まった形によって新年がどんな1年になるか占う遊びです。

以前は鉛(ブライ)を溶かして占っていたので「ブライギーセン(Bleigießen)」という呼ばれ方が一般的だったのですが、有毒であるという理由により、2018年からEU圏内で鉛の使用が禁止になったため、今は蝋や錫(すず)でできた商品が販売されています。

さて、この占いのやり方は簡単。銀色の小さな蝋や錫の塊を付属のスプーンに載せて、ロウソクなどの火であぶり、鉛が溶けて液体になったところで、それを冷水に落とします。すると液体だったその塊が色々な形に変化して再び固まります。そこで、その新たな形で固まった様子を見て、新年はどういう1年になるか、なんて占って遊ぶのです。

商品にはたいてい"解読用(?)リスト"のようなものがついていて、例えば「月」の形だったら夢が叶うとか、「さいころ」の形に固まったら宝くじで賞金ゲットできる!などという感じで色々と書かれています。

とはいえ、そんなうまい具合にリスト内にある形になることはなく、強引に判断するか、自分でオリジナル解釈をしたりすることになりますが、これを友人や家族・親戚たちと、大みそかにわいわいコメントを言い合いながら遊ぶのは楽しいです。

スーパーマーケットや雑貨店で容易に購入できますので、年末にスイスへ来た際は、お土産に持ち帰るのも良い記念になるかもしれませんね!

『王様の菓子パン』とともに、クリスマスもやっとおしまい

ガレット・デ・ロワ
<スイス仏語圏でよく食べられるガレット・デ・ロワと、入っていた陶器の人形>

クリスマスツリーや飾りが全部片付けられ、公式にクリスマス終了となるのは、1月6日の『東方三博士の日(ドイツ語: ドライケーニヒスタークDreikönigstag/フランス語: エピファニー Épiphanie)』。

この日は、東方の三博士(三聖王)がイエス・キリスト生誕を祝うべく、ベツレヘムへ贈り物を持って訪ねてきた記念日になっています。地域や国によってこの日の祝い方は様々ですが、この日スイスで伝統的に食されるのがドライケーニヒスクーヘン(Dreikönigskuchen)やガレット・デ・ロワ(La galette des rois)。

スイス・ドイツ語圏では、圧倒的に菓子パン系のドライケーニヒスクーヘンを食べますが、スイス・フランス語圏ではアーモンドペーストなどが入った、ガレット・デ・ロワの方が好まれます。

フランス語圏では、ドライケーニヒスクーヘンもガレット・デ・ロワもパン屋やスーパーなどで簡単に購入できますが、ドイツ語圏ではガレット・デ・ロワは手に入りにくい傾向があります。

さて、この伝統菓子の中には小さな人形などが1つ入っていて、それが入った一切れをゲットした人は、その日1日王様になれるのだそう!そのため、ガレット・デ・ロワやドライケーニヒスクーヘンを購入したら、もれなく王様の冠がついてきます。

ちなみに、「1日王様」になった人は、その日家事をしなくてもよいのだとか。

ドライケーニヒスクーヘン
<スイス独語圏のパン屋さんに並ぶ、ドライケーニヒスクーヘン with 王冠>

まとめ

2020年のクリスマスや年末年始は、コロナ禍のため飲食店や不要不急の店が感染予防対策で強制的に営業停止となり、欝々としていました。

その一方、2021年の年末は収束を見せない新型コロナや変異種の出現にも関わらず、ほぼ新型コロナ以前のような雰囲気の年越しでした。そのため、2022年が明けた現在、スイスでも1日の感染者数が3万人を超える(政府発表。2022年1月上旬現在)など、激増しています。引き続き、個々人の感染対策が必要になりそうです。

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小島瑞生
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