たびこふれ

新年のラッキーアイテム!オーストリアの縁起物

記事投稿日:2021/12/16最終更新日:2022/01/28

Views:

シュテファン大聖堂

花火とウィンナーワルツとニューイヤーコンサートで始まる、オーストリアの新年。日本とは全く異なる祝い方をしますが、登場するイベントやアイテムには、色々な縁起の良い意味が隠されています。

今回は、オーストリアの大晦日から新年の祝い方と、新年の門出を祝うラッキーアイテムをご紹介します。

松ぼっくり

目次

花火とウィンナーワルツ

オーストリアでは、大晦日のことを「シルヴェスター」と呼びます。これは、西暦335年12月31日に亡くなった聖シルヴェスターを記念してのことですが、オーストリアで1月1日に新年が祝われるようになったのは、ずっと後のことです。1691年にローマ教皇が「1月1日が新年」と定めるまでは、12月25日や1月6日が一年の始まりとされていました。

大晦日の夜には、花火や爆竹が鳴らされますが、これはゲルマン人の風習で、大きな音や破裂音は、悪霊を退けるとされています。最近は、都市部での花火禁止等で、以前に比べてずっと静かな大晦日になりつつあります。

花火
<この時期だけスーパーでも販売している花火セット>

また、日本と似た習慣に「真夜中ピッタリに鐘を鳴らす」というものがあります。この時に鳴らされるのは、ウィーンの中心的教会、シュテファン大聖堂の「プンメリン」という愛称で呼ばれる鐘で、0時にはテレビやラジオで全国放送されます。カウントダウンの後は、シャンパン片手にこの鐘の音に耳を傾けます。

シュテファン大聖堂
<シュテファン大聖堂>

その後、「美しき青きドナウ」でウィンナーワルツを踊るのが、オーストリアの新年最初のイベントです。8分もあるこの曲ですが、夫婦や恋人、親子や友達と組み替えながら踊ると、あっという間に時間は過ぎます。

翌日はゆっくり起きて、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートをテレビで楽しまなくては一年が始まった気がしない、というのは、全世界に放送されているおかげで、世界共通になってきているかもしれませんね。

新年のラッキーアイテム

そんな大晦日から新年には、小さなラッキーアイテムのプレゼントを贈り合う習慣があります。色々変わったものが縁起が良いとされていますので、一つずつ紹介していきましょう。

ブタ

オーストリアの新年で、最も目にするのが「ブタ」のラッキーアイテムです。ブタが幸運の印とされる理由は、中世に富の象徴だったから、雌豚が豊穣の象徴だから、ゲルマン神話で聖なる動物とされたからなど、諸説あります。中世の時代、競技に負けた者に子豚が残念賞として贈られたことから、「予期しない幸運を運ぶ」という意味もあるそうです。

ブタ
<大晦日のイベントでは、屋台で豚の被り物が売られ、頭にかぶっている人も多い(2019年以前の写真)>

ブタ
<ケーキ屋では、ブタの形のマジパン細工も人気>

鉛占い

鉛の塊を熱して溶かした後、冷たい水に落として作られる形で、新年を占います。鉛が袋の形になれば、「幸運は目の前に」、花は「新しい友達」、瓶の形は「良い一年になるでしょう」など、様々な意味が読み取れます。現在はその毒性のため、鉛の使用は禁じられていて、錫が代用されています。

馬の蹄鉄

馬は、ローマ時代から力の象徴でした。蹄鉄を玄関の扉に掛けておくと、悪霊や悪魔を追い払うと言われています。Uの形に下げておくと幸運が中にたまると言われていますが、逆にすると幸運が拡散される説と、幸運が逃げていくという二説があります。

馬の蹄鉄
<ウィーンでは、本物の馬の蹄鉄が街角で売られています>

煙突掃除人

暖炉が詰まってしまうと、家には暖房もなければ、温かい食事もできませんし、火事の危険もあります。煙突掃除人は、家の危機を救ってくれる人ということで、幸運を運んできてくれる存在とされています。

また、煙突掃除人への支払いが毎年1月1日だったこともあり、一年で最初に家にあいさつに来る人でもありました。黒く炭で汚れた煙突掃除人に直接触ると、幸運がさらに増すと言われています。

煙突掃除人
<煙突掃除人などの様々なラッキーアイテムが看板になっている屋台(2019年以前の写真)>

四葉のクローバー

日本と同じく、四葉のクローバーもラッキーアイテムです。聖書で楽園を追放されたときに、エヴァが手に持っていたとも言われ、不運から守る力があるとされています。

赤いキノコ

フリーゲンピルツ(Fliegenpilz、日本語でベニテングタケ)と呼ばれるこのキノコは、毒キノコですが、幸運の象徴であり、絵本などによく登場します。このキノコを少量食べたゲルマン人の戦士は、とてつもない腕力と勇気で敵に立ち向かったという伝説もあります。

四葉のクローバーと赤いキノコ
<ガーデンセンターで売られている、四葉のクローバーと赤いキノコの飾り>

コイン

新年に贈られるコインは、ハプスブルク時代の通貨にちなんで、オーストリアでは「幸運のグロッシェン」と呼ばれています。コインは裕福さの象徴ですが、そのほかにも、小さな金属のかけらを持つことで魔女から守られる、銅は悪い魔法を無効化し、恋愛の成就を助けるなど、様々な謂れがあります。

テントウムシ

ドイツ語でマリエンケーファー(マリアの甲虫)と呼ばれるテントウムシは、その名の通り聖母マリアの名前を持つため、子供を守り、病を治すとされています。

魚は前にしか進めないことから、「前進」の象徴とされています。鯉を大晦日に食べる地方もありますが、ウィーンでは魚の形をしたビスケットを食べます。この時、魚が逃げて行かないよう、という意味を込め、ヒレから食べるのが良いとされています。

魚のビスケット
<幸運の魚のビスケット>

新年のあいさつ

日本語の「良いお年を」に当たる言葉は、ドイツ語では「グーテン・ルッチュ(Guten Rutsch)」と言います。直訳すると「うまく滑ってね」という意味なのですが、実はこのRutschは、「滑る」という意味のドイツ語ではなく、イーディッシュ語(ドイツ語圏のユダヤ人の言葉)のロッシュ(Rosch)が語源とされています。この言葉は「始まり」という意味ですので、「グーテン・ルッチュ」は、元をたどれば「良い始まりを!」という意味だったのですね。

「あけましておめでとう」に関しては、ニューイヤーコンサートでウィーンフィルのメンバーが、「プロージット・ノイヤー!(Prosit Neujahr!)と言いますが、他にもオーストリア人同士は、「フローエス・ノイエス・ヤー(Frohes neues Jahr、喜ばしい新年を)」「アレス・グーテ・ツム・ノイエス・ヤー(Alles Gute zum neues Jahr、新年おめでとう)」という表現もよく使います。

まとめ

オーストリアの大晦日と新年の習慣やラッキーアイテムをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

日本のお正月でも、鐘を鳴らしたり、おみくじで占いをしたり、縁起の良い物がたくさん登場したりすることを考えると、洋の東西を問わず、新年を良いものにするための伝統は、変わらないものですね。

関連記事

プロフィール画像
この記事を書いた人
ひょろ
  • Facebook シェア
  • twitter シェア
  • はてなブックマーク  シェア
  • LINE シェア
  • instagram

記事投稿日:2021/12/16最終更新日:2022/01/28

Views:

オーストリアのアクセスランキング

    © 2017 TabiCoffret Co.,Ltd.