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クスコの名店『レストラン・プカラ』がリニューアルオープン!
ユネスコの世界文化遺産にも登録されているインカの古都クスコ。数百年間変わらぬ大胆で緻密な石組みと、当時最先端だったスペイン建築の粋を集めて造られた重厚で優雅な建物が、訪れた人々を異空間へと誘います。
このインカの都を代表するレストランのひとつ、クスコ歴史地区にある『Restaurante Pucara(レストラン・プカラ)』は、日本人シェフの鈴木健夫さんが夫婦で経営する創業33年のペルー料理店。日本を始めとする世界中のガイドブックに必ず掲載されているので、「クスコ滞在中に通ったなぁ」「プカラで食べたあの料理は美味しかったなぁ」という旅の思い出をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンで休業を余儀なくされ、閉店に追い込まれたという飲食店は、ここペルーにもたくさんあります。『レストラン・プカラ』も同じくその扉を閉ざしていましたが、鈴木さん夫婦はパンデミック発生以降の長くつらい時間を自分たちの夢を叶えるために費やしてきました。
そして2021年10月、ついに『レストラン・プカラ』が営業を再開!クスコの重要文化財に指定されている古い建物を改装し、鈴木さん夫婦の理想を実現させた新たな『レストラン・プカラ』の誕生に、ペルー在留邦人のみならず地元クスケーニョたちも喜びに沸きました。
目次
新『レストラン・プカラ』はどこにある?
新しい『レストラン・プカラ』の住所は、Amargura 107, Cuzcoに変わりました。旧店舗から北へ徒歩で約5分、Calle Saphi(サピィ通り)とCalle Amargura(アマルグラ通り)の角になります。エントランスを囲むインカの石組みと、2階角に設けられたコロニアル時代の木造バルコニーがとても印象的。重要文化財だけあって、まさに時代の生き証人といった感じの風情ある建物です。
クスコを訪れるたびに通ったレストラン・プカラの旧店舗。看板のロゴが懐かしいですね。
さっそくお店の中を拝見!
まずはレストラン内のホールへとご案内しましょう。明るい陽射しが差し込むサロンは、天井の高さが際立っています。純白の室内に、磨き上げられた天然木の梁。壁面の凛とした質感と自然が生み出す柔らかな曲線、両者の対比がこの上なく落ち着いた空間を演出しています。
木のテーブルやソファーもゆったりとした作りです。
中庭に面したテラス席では、季節の花々を眺めながら食事を楽しむこともできますよ。
「クスコ歴史地区に中庭のある建物はたくさんあるけれど、その全面が芝で覆われているのはおそらくプカラだけだろう」と鈴木さん。なるほど、確かにクスコ歴史地区のホテルや博物館の中庭には、敷石がきっちり敷き詰められているところがほとんどです。それはそれで魅力的ですが、青々とした木々を眺めたりそよ風を感じながら食事するほうがリラックスできるに違いありませんね。
お食事はもとより、ティータイムにもぴったりのプカラのテラス席。お気に入りの一冊があれば、何時間でも過ごせそうです。
店内の家具や調度品はすべて地元クスコ産
『レストラン・プカラ』の魅力は、その歴史的な建物だけではありません。オーナーシェフの鈴木さんは料理人として活躍するかたわら、ありとあらゆるものを手作りしてしまうという根っからの職人肌。今回のリニューアルに際しては、店内の家具や調度品から厨房の什器に至るまで、ほぼすべてを自作したそうです。細部にこだわり、自分が納得いくまでとことん追求していく。そんな鈴木さんが作る料理だからこそ、33年もの間人々に支持され続けてきたんですね。
オーナーシェフの鈴木健夫さん。休みの日にはクスコ市内の骨董品市に通い、掘り出し物を見つけてくるのが趣味なんだとか。
石窯で調理した料理は最高の味です!
変わらぬ美味しさ『レストラン・プカラ』のメニュー
奇をてらわない一品と丁寧な調理が定評の『レストラン・プカラ』。華やかなトッピングやテイストの濃いソースでごまかそうとはせず、何度食べても飽きることのない料理を提供してくれます。魚介のシーフードマリネ「セビーチェ」や、牛肉と野菜の炒め物「ロモ・サルタード」といったオーソドックスなクリオージャ料理に加え、アンデスのモルモット「クイ」のオーブン焼き、クスコ風「ロコト・レジェーノ」、大地の鍋「パチャマンカ」など地元クスコらしい料理もサーブしています。
クスコに来たらぜひ「クイのオーブン焼き」にチャレンジして!また「セビーチェは好きだけど、山岳地帯で魚介類はちょっと・・・」という方も、信用と実績に裏打ちされた『レストラン・プカラ』なら安心して召し上がっていただけます。
石窯で焼き上げた大きなチキンとほくほくの野菜たち。アンデスの大地の恵みを丸ごと頂きましょう。
クスコの今は?
一時は世界最悪レベルの死者数(人口比当たり)を記録したペルーですが、今はワクチン接種が進んだこともあって以前より落ち着いてきました。政府と民間双方の努力で経済活動も再開し、国内観光はその勢いを取り戻しつつあります。鈴木さんによると、欧米からの観光客が再びクスコを訪れるようになり、団体客の姿もちらほらみかけるといいます。
「一生に一度は訪れたい遺跡」ナンバーワンと名高いマチュピチュ、遺跡観光の拠点クスコへお越しの際は、ぜひ新『レストラン・プカラ』へもお立ち寄りくださいね!
レストラン・プカラ
- 住所:Amargura 107, Cuzco(アマルグラ107、クスコ)
- 電話:084-242768(国番号51)
- 営業時間:月~土 10:30~18:00 ※感染状況により変動あり
- Facebook:レストラン・プカラ
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。