【奈良】国宝東塔の初層特別開扉が始まった薬師寺を拝観

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

奈良県奈良市の世界遺産・薬師寺。令和3年(2021年)3月1日から国宝東塔の初層特別開扉が始まりました。期間は令和4年(2022年)1月16日まで。

この特別開扉は、新型コロナウイルスの影響で延期になっていたものです。薬師寺は何度も拝観していますが、復興が終わり大伽藍がよみがえったと伺いましたので行ってきました。皆さんも一緒に境内を巡っていきましょう。

目次

今回の行き方

今回は近鉄・西ノ京駅からスタート。僕は薬師寺まで電車を利用しました。最寄駅は近畿日本鉄道(近鉄)の橿原線(かしはらせん)・西ノ京駅(にしのきょうえき)です。

薬師寺

薬師寺おすすめルート

西ノ京駅の改札を出て左に曲がり徒歩1分で與樂門(よらくもん)です。

與樂門(よらくもん)

與樂門に着きました。與樂門からは白鳳伽藍(はくほうがらん)エリアを拝観することができます。

薬師寺 與樂門

薬師寺の拝観券は、與樂門から入った北受付か、南門から入った南受付で購入します。僕は與樂門から入り北受付でを購入しました。

>>拝観料に関してはコチラをご覧ください

薬師寺 與樂門

僕は白鳳伽藍(はくほうがらん)と玄奘三蔵院伽藍(げんじょうさんぞういんがらん)を拝観できる券に、西僧坊(にしそうぼう)・食堂(じきどう)を付けた特別共通割引券を購入しました。四隅の三角券(色の付いた部分)を切り取って、各お堂で渡していくシステムです。

薬師寺 拝観券

食堂(じきどう)

食堂です。本来食堂は僧侶が斎食をするための建物です。(こちらは裏側になります)

薬師寺 食堂

不動堂(ふどうどう)

食堂から右に目を向けると不動堂が見えます。不動堂はその名の通り不動明王さまが祀られています。

薬師寺 不動堂

西僧坊と食堂の間から西塔が見えました。この構図、あまりにも素敵で何枚もシャッターを押し続けました。

薬師寺 西塔

薬師寺境内では五感を使って見ていただきたいです。ひとつひとつが計算尽くされて配されていることが見えてきますよ。

薬師寺

東僧坊(ひがしそうぼう)

東僧坊では薬師寺境内の御朱印をいただくことができます。

薬師寺 東僧坊

薬師寺でいただける御朱印

薬師寺でいただける御朱印は7体です。御朱印帳に直書きしていただけるのは金堂(こんどう)の薬師如来さま。紙での書き置きは右から東塔(とうとう)の釈迦如来さま、玄奘三蔵院伽藍(げんじょうさんぞういんがらん)の玄奘三蔵さま、食堂(じきどう)の阿弥陀如来さま、東院堂(とういんどう)の聖観世音菩薩さま、大講堂(だいこうどう)の弥勒如来さま、大講堂(だいこうどう)の仏足石です。

薬師寺 御朱印

西僧坊(にしそうぼう)

ちょうどこの時は東塔の水煙特別公開と竣工記念のご奉納品展が開催されていました。

薬師寺 西僧坊

写真撮影可能な展示物「東塔相輪水煙(とうとうそうりんすいえん)」です。東塔の最上部に位置し、4枚の板を十字型に組んだものです。

薬師寺 東塔相輪水煙

こちらは「東塔相輪檫銘(とうとうそうりんさつめい)」です。管には薬師寺の縁起が記されています。

薬師寺 東塔相輪檫銘

食堂(じきどう)【平成29年(2017年)5月再建】

ご本尊は中央に阿弥陀三尊浄土図が描かれており、周りの壁には全長約50mにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が奉納されています。大きな講堂のような内部は、薄暗いですが、中央の阿弥陀三尊浄土図の迫力に圧倒されます。14枚もの壁画には物語形式で並べられており、思わず立ち止まって見ていました。

薬師寺 食堂

鐘楼

東僧坊の南側には鐘楼があります。

薬師寺 鐘楼

大講堂(だいこうどう)【平成15年(2003年)再建】

大講堂は多くの学僧が仏教の教学を学んだところ。なので金堂よりも講堂の方が規模が大きいのがわかります。

薬師寺 大講堂

金堂から大講堂を正面から見た構図です。美しいという言葉しか出てきません...。

薬師寺 大講堂

東側の回廊です。左奥には東院堂(とういんどう)が見えてきました。

薬師寺 大講堂 回廊

東院堂(とういんどう)

鎌倉時代に再建された国宝の伽藍です。日本最古の禅堂としても知られています。中には白鳳時代の国宝・聖観世音菩薩立像が祀られています。しっかりとしたお顔から美しく伸びる胴体。堂内でじっと座っていると、自然に心が落ち着きます。

薬師寺 東院堂

東院堂前の回廊の角から見たところ。この場所にくると建物を立体的に見ることがきます。

薬師寺 東院堂

龍王社(りゅうおうしゃ)

南門へ向かうと、気づかず通り過ぎそうなところに龍王社があります。ぜひお参りしてください。

薬師寺 龍王社

このあたりから東塔と西塔がひとつのアングルに収まります。

薬師寺 東塔 西塔

勧進所(かんじんしょ)

南門横にある勧進所です。普段は法話会場として使われています。

薬師寺 勧進所

南門(なんもん)

南門から外に出ました。拝観券があれば再入場できますので、最後まで無くさないように気をつけてください。ここからだと、南門を中心に、東塔と西塔を正面に見ることができます。

薬師寺 南門

孫太郎稲荷神社(まごたろういなりじんじゃ)

南門から南へ進むと孫太郎稲荷神社が鎮座しています。木々に囲まれ静寂な雰囲気のお稲荷さんです。

薬師寺 孫太郎稲荷神社

休ヶ岡八幡宮(やすみがおかはちまんぐう)

さらに南へ進むと休ヶ岡八幡宮が鎮座しています。重要文化財に指定されている社殿は小高い石積みの壇上に建っています。

薬師寺 休ヶ岡八幡宮

中門(ちゅうもん)

再び薬師寺境内へと戻りましょう。南門を通り、中門へ。ここから正面に見ることができる金堂が素晴らしいのひとことです。

薬師寺 中門

中門には仁王さまがいらっしゃいます。迫力満点です。

薬師寺 仁王さま

薬師寺 仁王様

手水舎

南受付横にある手水舎です。

薬師寺 手水舎

弁財天社(右)と左が平木大明神社(左)

そして、これもよく注意して見ないとスキップしそうな、右が弁財天社、左が平木大明神社です。

薬師寺 弁財天社(右)と左が平木大明神社(左)

若宮社

その奥には若宮社が鎮座しています。お参りをお忘れなく。

薬師寺 若宮社

いよいよ国宝東塔の初層特別開扉へ

薬師寺 初層特別開扉

東塔は薬師寺創建当時から残る唯一の建物です。各層に裳階(もこし)をつけているため、六重に見えますが三重の塔です。

薬師寺 三重塔
<写真提供:薬師寺>

南東側から撮影。

薬師寺 三重塔

初層内部には大きく太い心柱を見ることができました。外観も初層も非の打ち所がない素晴らしい建築物。平成21年(2009年)から12年をかけて、初の全面解体大修理が行われ、さらに磨きがかかった状態。1300年前の技術の高い建築士と、現代の一寸の狂いもない建築士の競演を見たように感じました。

薬師寺 三重塔 内部
<写真提供:薬師寺>

金堂(こんどう)【昭和51年(1976年)再建】

金堂です。ご本尊の薬師三尊像は国宝。中央に薬師如来さま、向かって右が日光菩薩さま、左が月光菩薩さまが祀られています。

薬師寺 金堂

斜めから見ますと、二重屋根で各層に裳階(もこし)がついています。

薬師寺 裳階

金堂と大講堂です。まったく異なる建造物が並びます。

薬師寺 金堂 大講堂

西塔(さいとう)【昭和56年(1981年)再建】

東塔の綿密な調査に基づいて設計され、伝統的な木造建築の工法で再建されました。内陣には東塔とは異なり、釈迦八相像の内、成道・転法輪・涅槃・分舎利の四相像が祀られています。こちらは東から撮影。

薬師寺 西塔

大門(おおもん)

玄奘三蔵院伽藍へは白鳳伽藍の與樂門を出て道を渡り、大門から入ります。

薬師寺 大門

本坊寺務所とお写経道場【昭和47年(1972年)竣工】

境内に入るとすぐ右側に本坊寺務所とお写経道場があります。お写経道場は一度に180名が写経することができる大きな会場です。

薬師寺 本坊寺務所とお写経道場

慈恩殿(じおんでん)

普段は非公開です。

薬師寺 慈恩殿

まほろば会館

各種講演やイベントを開催しています。

薬師寺 まほろば会館

玄奘三蔵院伽藍(げんじょうさんぞういんがらん)【平成3年(1991年)建立】

玄奘三蔵院伽藍の正面です。玄奘三蔵院伽藍はインドに佛教の真髄を求め、17年間の求法の旅をした中国唐代の僧・玄奘三蔵(600/602~664年)の遺徳顕彰のために建立されました。

薬師寺 玄奘三蔵院伽藍

玄奘三蔵院伽藍からは白鳳伽藍を眺めることができます。

薬師寺 白鳳伽藍

玄奘三蔵院伽藍内の玄奘塔です。非常に美しい建造物です。奥は大唐西域壁画殿があり平山郁夫氏の大壁画(7場面)が納められています。

薬師寺 玄奘塔

玄奘塔も細部にわたって見応えがある建造物です。

薬師寺 玄奘塔

薬師寺の詳細

薬師寺

  • 所在地:奈良県奈良市西ノ京町457
  • 拝観時間:8:30~17:00(受付は16:30まで)
  • 拝観料:大人1,100円、中高生700円、小学生300円(白鳳伽藍、玄奘三蔵院伽藍)
  • 拝観料(特別共通割引券):大人1,600円、中高生1,200円、小学生300円(上記に加え食堂と西僧坊も拝観可)
  • 薬師寺公式HP
  • 薬師寺公式Twitter
  • アクセス ※駐車場は薬師寺の南側にあります。
  • 御朱印:東僧坊(ひがしそうぼう)内でいただけます
  • 参拝に要する時間:最低でも1時間(法話などを拝聴する場合は1時間30分以上)必要です

※境内では飲料の販売を行っていません。拝観も長時間に及ぶこともありますので飲料は必ず持参してください。
※白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍を行き来するには拝観券が必要になります。無くさないように気をつけてください。

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こちらも拝観しましょう

近接する唐招提寺(とうしょうだいじ)も一緒に拝観しましょう!

唐招提寺

  • 所在地:奈良市五条町13-46
  • 拝観時間:8:30~17:00(受付は16:30まで)
  • 拝観料:大人・大学生1,000円、高校生400円、中学生400円、小学生200円
  • 唐招提寺公式HP

※当記事は2021年4月に拝観した時のものです。記事投稿に際して薬師寺様の許可を得ております。

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中尾勝

旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。

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