公開日:
最終更新日:
「神様がハネムーンを楽しんだまち」とは?
南阿蘇の奥座敷と呼ばれる高森町。緑豊かな地域で、阿蘇五岳でもある根子岳がとても印象的な田舎まちです。ほっこり癒されるような穏やかな場所なのですが、その奥には神話や伝説、縁結びといった沢山のキーワードが隠されています。そんな中で目を引くのが「神様がハネムーンを楽しんだまち」という言葉。一体これは、どういう意味なのでしょうか...?
目次
神様たちの出会いの聖地
神様がハネムーンって...?ちょっと不思議な響きですよね。これからご紹介する「草部吉見神社」、実は遠方から阿蘇にやって来た健磐龍命(タケイワタツノミコト)と、阿蘇都姫が出会い結ばれた場所なのです。阿蘇神社にも祀られている健磐龍命は、阿蘇山の火山神「阿蘇大明神」でもあります。
つまり阿蘇中岳の山頂で煙(湯気)を上げている有名な神様こそが、健磐龍命なのです。よそ者だった健磐龍命が阿蘇の神として受け入れられたのが草部吉見神社ということであれば、阿蘇にとってかなり重要な場所とも言えますよね。因みに健磐龍命はかなりの大男で、高崎山に腰をかけて別府湾で顔を洗っていたそうですよ、驚き!
阿蘇の山々は昔、「37坊51庵」が立ち並ぶ一大霊山だったというお話です。14~16世紀の時代には、その霊場でお坊さんや山伏が阿蘇の山々に日々ご祈祷をしていたそうで、それだけ阿蘇の噴火というものは国家的にも多大な影響を及ぼすものであったと言います。阿蘇神社をはじめ、あちこちの神社で健磐龍命が祀られている意味がよく分かりますよね。
神話では、ちょっと怖い場所?
さてさて、そんな健磐龍命が祀られている草部吉見神社に到着しました。入り口でまず目の前に現れたのが、何と驚きの下り階段(130段)!普通はご神殿に行くには階段を上りませんか?だけどここは、鳥居を入ってすぐからどんどんと下っていくんです。
少し違和感を覚えてしまいますが、秘密の場所へ入っていくようなドキドキした感覚も湧いてきます。実はここは、日本三大下り宮のうちのひとつということ。それにはどうやら理由があるようなのですが、ちょっと怖いようなお話もあるんです。
神話の中の出来事ですが、主祭神の日子八井命(ヒコヤイノミコト)悪い大蛇をやっつけた池がここにあると言うのです。そういえば確かに階段を下りきった右側に、何だか雰囲気の濃い空間があるというか...小心者の私は、結局そちら方面には行かずにそそくさと拝殿の方へ向かいました。勇気ある方はどうぞ覗いて見て下さいね。
因みに後日確認したところ、実はそこにある池は神聖なものだということでした。御塩井という湧き水だそうです。一度も水が枯れることがないことからこちらの祭祀の本体という言われもあり、下り宮なのもその為だという一節もあるようですよ。荒ぶる大蛇の魂は、その清らかな水の中に鎮められているのでしょうか...長い時を経た今でも気配をどこかで感じられるような空間って凄いですよね。さすが神話の里です。
「あか牛」のメガ盛り丼!いっときましょう
探検したらお腹が減った~ということで、今度は美味しいものを探して移動します。熊本と言えば、有名なのが赤牛。「やま康」はあか牛料理専門店で、素材にとことんこだわったお店です。鮮度の高さを大切にしながら厳選されたものだけを提供しているので、その日の仕入れたお肉がなくなり次第閉店というスタイルです。ここでしか食べることができないようなプレミア感がありますよね。
こちらのおすすめメニューは「メガあか牛丼」、その見た目からしてとにかくヤバいです。赤身が残るミディアムレアな焼き加減のあか牛を、ご飯の上にこれでもかという程に乗せた丼ぶり。真ん中には温泉卵が2個乗っていて、甘辛いタレを絡めてお肉と一緒に頬ばると...思わずう~んと唸ってしまう逸品です。こちらは営業時間が売り切れるまでともあって、事前に電話確認をしてからの来店をおすすめします。
あか牛料理専門店 やま康
- 住所:熊本県阿蘇郡高森町3191
- TEL:0967-62-0888
- 営業時間:11:00~赤牛在庫終了まで
- 定休日:水曜日
- 公式HP:http://www.hanakougen.jp/
癒しの「月廻り温泉」は源泉かけ流し!
<画像提供:月廻り温泉館>
月廻り温泉の露天風呂では、ギザギザとがった頭が可愛い「根子岳」の、ダイナミックな姿を目前にゆったりと温泉に浸かることができます。広々とした景色を眺めながらのリラックスタイムで、身も心もほぐれること間違いなしです。
日帰りで遊びに出かける方も、ワンコインで入れる手軽さなのでぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
月廻り温泉館
- 住所:熊本県阿蘇郡高森町3015
- TEL:0967-62-0141
- 営業時間:12:00~19:00
- 定休日:火曜日
- 公式HP:http://tsukimawari.com/
歩いて観光スポットまでいけるお宿なんです
せっかく行くのであれば日帰りではもったいない、という方には天然温泉付きのお宿をご紹介します。国内の自然豊かな国立公園・国定公園などにある「休暇村」というリゾートホテルです。熊本では阿蘇くじゅう国立公園内の素晴らしい環境の中にあって、先ほどの「やま康」「月廻り温泉」や以前ご紹介したパワースポット「上色見熊野坐神社」なども徒歩圏内にあります。
>>以前の記事:鬼八方師が蹴破ったというパワースポット、その神代的空間とは!?
ホテル内の温泉「しきみの湯」の露天風呂(女性側)やロビー、2階のテラスなど色んな場所から根子岳が真正面に眺められ、時期などタイミングが合えば早朝の山が真っ赤に染まる「赤阿蘇」を拝むことができます。
ここでは、阿蘇側に面したお部屋からも雄大な風景に出会えますし、どこにいても山に包まれているような安心感があります。すぐ近くには手ぶらで行ける大きなキャンプ場もあるので、お子さん達とワイワイ楽しみたい方にはそちらもおすすめですよ。
休暇村南阿蘇
- 住所:阿蘇郡高森町高森3219
- TEL:0967-62-2111
- 公式HP:https://www.qkamura.or.jp/aso/
最後に
他にも縁結びの木として一躍有名になった「高森殿(たかもりどん)の杉」やヤマメなどの渓流釣りが楽しめる「木郷滝自然つりセンター」、春には「高森峠の千本桜」など沢山の観光スポットがあります。
丸一日遊んでも時間が足りないくらいのアクティビティー目白押しの高森町。ぜひお友達やご家族と一緒にお出掛けくださいね。
関連記事
Ranking熊本記事ランキング
-
Hinata J.Yoshioka
- フォト&ライター。国内を転々と旅した後、沖縄にたどり着き12年を過ごす。現在は神戸を中心に活動中。ハワイ好きでフラ歴もあり、ロミロミマッサージのセラピストとしての一面も持つ。好きなことは料理・物作り・音楽・読書・写真・旅などあらゆることに興味はつきない。世界を船でぐるり2周した物語もWebで掲載中!!