ドイツのソーセージは1500種類以上!?その中で食べておきたいものを7種類解説

ドイツの国民食といえば、ソーセージ。実際にドイツを訪れると、さまざまな種類のソーセージが並んでいてびっくりするはず。あまりに種類が多すぎて、ドイツ旅行をしたときはどのソーセージを試してみるか迷ってしまうのでは......? そんな疑問を持つ方のために、実際にドイツ人の友人から、おすすめのソーセージを聞いてみました。この記事では、特におすすめしたいものを7つご紹介します(一部、特定のソーセージを指定しない料理もあります)。

目次

<1. ドイツのソーセージは約1,500種類以上もある!>

<2. ドイツのおすすめソーセージ:ヴァイスヴルスト>

<3. ドイツのおすすめソーセージ:ブラートヴルスト>

<4. ドイツのおすすめソーセージ:フランクフルター・ヴルスト>

<5. ドイツのおすすめソーセージ:カリー・ヴルスト>

<6. ドイツのおすすめソーセージ:レーゲンスブルガー>

<7. ドイツのおすすめソーセージ:ニュルンベルガー・ヴルスト>

<8. ドイツのおすすめソーセージ:メットヴルスト>

<9. ドイツのソーセージはお土産にできない!?>

1. ドイツのソーセージは約1,500種類以上もある!

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

ドイツにおける食の代名詞ともいえるソーセージ。ビールとの組み合わせもたまりませんよね。ドイツ人は国民一人当たりで、年間平均約30キロも食べているというデータもあるほどです。また、ドイツで親しまれるソーセージの種類は、なんと1500種類とも!ドイツ国内の各都市に、サイズや味、調理法が異なるご当地ソーセージがあるとされています。ソーセージパラダイスとも言えるドイツですが、なぜこれほどにバリエーションが豊富なのでしょうか。

>>>参考:swp de-1500 Sorten machen Deutschland zum Wurstparadies(ドイツ語、外部サイトへ遷移します)

1.1 なぜ、ドイツのソーセージは種類が多い?

まずは、ドイツとソーセージの歴史について少しご説明しましょう。ソーセージは最も古い保存食の一つとも言われており、約3,000年前、古代エジプト時代からあったことが壁画から分かっています。古代エジプト時代、ソーセージは主に焼いて食べられていましたが、その後のローマ時代には茹でて食べる調理法も増えていたようです。

さて、そんなソーセージですが、なぜドイツでソーセージが発展したのでしょうか。それは、ドイツを含むヨーロッパ北部は土地がやせており、天候にも恵まれないことが大きく影響しています。このような環境下では、牛はミルクやチーズを得るため長く生かされ、食肉としてはあまり消費されません。

代わりに、生育が早く雑草などもよく食べる豚が、食肉用の家畜として利用されていました。ところが、ドイツの冬は長く厳しく、豚のエサとなる雑草の確保もままなりません。そのため、冬が到来する前に豚を処理し、食材として長期保存できるようにソーセージ作りが発展しました。

豊富な種類や味付けのソーセージが生まれた背景としては、後にドイツへさまざまなスパイスが持ち込まれたこと、牛肉や羊肉も使われるようになってきたことなどが影響しています。なお、同じくドイツの有名な保存食としては、ザワークラウト(乳酸発酵させたキャベツ)などがあります。

1.2 ドイツのソーセージは大きく分けて3種類

ソーセージはドイツ語で「wurst(ヴルスト)」と言い、生産方法により主に3種類に分類されます。

生ソーセージ(Rohwurst / ロー・ヴルスト)
生ソーセージは約500種類あり、生の牛肉、豚肉、羊肉などで作られます。メットヴルスト(Mettburst)と呼ばれるスプレッドタイプは、パンに塗って食べるのが一般的。日本人からはネギトロのようだと表現されることもあります。メットヴルストについては、後ほど詳しくご紹介します。

茹で(加熱)ソーセージ(Brühwurst / ブリュー・ヴルスト)
ソーセージの中では一番種類が豊富で約800種類にものぼります。生肉(牛肉、仔牛肉、豚肉など)を細かくカッターで刻んで腸詰めにした後、70~80度の熱湯で茹でたものです。フランクフルター・ヴルスト(Frankfurter Wurst)、ミュンヘンの白ソーセージであるヴァイス・ヴルスト(Weißwurst)が代表的。

調理ソーセージ(Kochwurst / コッホ・ヴルスト)
"Koch"とは、ドイツ語で「料理をする」という意味で、調理ソーセージは、約350種類あります。すでに茹でるなどの加熱処理を施した肉に、内臓、皮、血などを混合し、スパイスを加えたものを腸詰めにします。調理ソーセージはレバーヴルスト(Leberwurst)やブルートヴルスト(Bratwurst)などが代表的です。

2. ドイツのおすすめソーセージ:ヴァイスヴルスト

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<撮影:Miho>

ドイツには、種類豊富なソーセージがあることをご説明しました。ここからは、おすすめのドイツソーセージをご紹介しましょう。ひとつめは、「ヴァイスヴルスト(Weißwurst)」です!

2.1 ヴァイスヴルストはどんなドイツのソーセージ?

ヴァイスヴルストは、南ドイツ・バイエルン州ミュンヘン名物の白ソーセージ。ぷるんとした見た目で、仔牛肉が使われているため、やわらかくてふわっとした食感が特徴です。一般的にはパセリなどの香草と混ぜて作られ、写真のようにプレッツェルと呼ばれるドイツのパンと食べるのが、バイエルンの伝統的な食べ方です。

2.2 ヴァイスヴルストをドイツで食べるときのポイント

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<Süßer Senf(ズューサー・ゼンフ)のボトル。画像提供:D&Y>

ヴァイスヴルストを食べるときは忘れずに皮をむいて、中身だけ食べましょう。皮のむき方は、皿の上でソーセージへ縦に一本線を入れるようにナイフを入れた後、皮を左右にひっぱると簡単に剥くことができます。

そしてマスタードですが、ヴァイスヴルストはSüßer Senf(ズューサー・ゼンフ)という甘いマスタードを付けて食べるのがバイエルン流。この甘いマスタードは日本ではなかなか手に入らないので、お土産として買うのもおすすめです。

3. ドイツのおすすめソーセージ:ブラートヴルスト

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<撮影:Miho>

続いて、ドイツで最も日常的に食べられるソーセージブラートと言える、ブラートヴルスト(Bratwurst)をご紹介します。

3.1 ブラートヴルストはどんなドイツのソーセージ?

ブラートヴルストの「Brat」の意味は、もともとは最古のドイツ語とされる、古高ドイツ語のBrät(細かく刻んだ肉)から派生したと言われていますが、現在は「ローストする」という意味のBratenから、グリルするソーセージの呼び方になっています。

ブラートヴルストだけでも約40種類あるドイツの代表的ソーセージで、ドイツ国内の各地域にそれぞれの製法で作られるブラートヴルストがあります。ニュルンベルクの小ぶりなニュルンベルガー・ヴルスト(Nürnberger Rostbratwurst)や、フランケンワインを使ったヴュルツブルクのヴュルツブルガーヴルスト(Würzburger Wurst) が有名です。

3.2 ブラートヴルストをドイツで食べるときのポイント

この項目で載せた先ほどの写真は、南ドイツ・バイエルンのブラートヴルスト。写真のようにパンや豆と一緒に食べたり、他の地域では屋台でケチャップをかけたりして食べられています。庶民的でシンプルな味なので、ビールのおつまみにもぴったりですよ。

4. ドイツのおすすめソーセージ:フランクフルター・ヴルスト

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<写真はイメージです。出典:写真AC

日本人にも親しみのあるフランクフルト。ドイツではフランクフルター・ヴルスト(Frankfurter Würstchen)と呼ばれ、長い歴史を持つソーセージなんです。

4.1 フランクフルター・ヴルストはどんなドイツのソーセージ?

日本では、屋台で串に刺して売られているものや、パンにはさんで食べるフランクフルトとしてお馴染みのフランクフルター・ヴルスト。単純に「フランクフルター」と呼ばれることもあります。その名の通り、13世紀にドイツ・フランクフルトで発祥し、現在はドイツ各地に広まりました。茹でソーセージの一種で、豚肉のみが使われます。

4.2 フランクフルター・ヴルストをドイツで食べるときのポイント

やわらかく、ジューシーな味わいが特徴のフランクフルター・ヴルストは、熱湯で8分茹でて食べるのがベスト。熱すぎない80度の熱湯で茹でるのが理想的です。マスタードやポテトサラダ、ザウアークラウト(酢漬けキャベツ)を添えて食べましょう。

5. ドイツのおすすめソーセージ:カリー・ヴルスト

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<写真はイメージです。出典:写真AC

次は、日本人にとっては変わり種かも?一度は試してみたい、ベルリン生まれのカリー・ヴルスト(Currywurst)を紹介します。

5.1 カリー・ヴルストはどんなドイツのソーセージ?

ドイツ首都・ベルリンの名物であるカリー・ヴルスト。カリー・ヴルストは焼いたり、揚げたりしたソーセージの上に、ケチャップとカレーパウダーが振りかけられている、いわゆる、ベルリンのB級グルメです。

1949年にベルリンでイギリス占領軍からケチャップとカレー粉を手に入れたことから生まれたと言われています。ベルリンには数え切れないほどのカリー・ヴルストを扱うお店があるので、ベルリンに行ったら食べ比べをするのも良いですね。

5.2 カリー・ヴルストをドイツで食べるときのポイント

カリー・ヴルストは、店舗によって独自のスパイス調合や特徴があります。辛さのレベルも選べるので、辛い物が好きな人はオーダーするときに伝えると良いでしょう。トッピングで小さなパンや、フライドポテトを添えて食べる人が多いです。お好みでマヨネーズも追加可能。ヴィーガンの人も楽しめる、ヴィーガン・カリーヴルストも用意している店舗もありますよ。

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6. ドイツのおすすめソーセージ:レーゲンスブルガー

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<写真はイメージです。出典:写真AC

世界遺産都市として指名されたレーゲンスブルクの有名なソーセージこと、レーゲンスブルガー (Regensburger)。レーゲンスブルクには、世界最古のソーセージ専門店もあるんです!

6.1 レーゲンスブルガーはどんなドイツのソーセージ?

ミュンヘンから北へ約140kmにあるドナウ河畔の美しい古都、レーゲンスブルク。ここには、その土地の名の付いた伝統的なボイルソーセージ「レーゲンスブルガー」があります。レーゲンスブルガーは、19世紀後半に生まれました。ダイス状(角切り)の豚肉と香草が練りこまれ、歯ごたえのある豚腸ケーシング(ソーセージを包む膜の腸詰め)が特徴。

レーゲンスブルガーは冷たいまま食べても良いですし、シンプルに焼いて、またはポトフなど茹でて調理するも良しなソーセージです。

6.2 レーゲンスブルガーをドイツで食べるときのポイント

現地ドイツでは「Regensburger mit Alles(英:Regensburger with everything)」と呼ばれる、伝統的なレーゲンスブルガーの食べ方があります。それは、Semmel(ゼンメル)という小さく丸いパンに、レーゲンスブルガーを縦半分に切って焼いたものをピクルスやマスタードと一緒にサンドする食べ方。 この食べ方は1954年ごろからの伝統なのだそう。現地では3ユーロ程度で食べられるので、ぜひ試してみてください。

また、チェコ・プラハにある有名なカレル橋のモデルにもなった、ドナウ川に架かるドイツ最古の石橋「Steinerne Brücke(シュタイネルネ・ブリュッケ)」近くには、これを建設する作業員のために建てられた、世界最古のソーセージ専門店である、「Historiche Wurstküche(ヒストーリッシェ・ヴルストキュッヘ)もあります。なんと11世紀頃からあるという、老舗中の老舗ともいえるソーセージ店、ぜひ訪れてみたいですね。

ヒストーリッシェ・ヴルストキュッヘの基本情報

  • 名前:Historiche Wurstküche(ヒストーリッシェ・ヴルストキュッヘ)
  • 住所:Thundorferstr. 3 93047 Regensburg
  • 営業時間:10:00~19:00
  • 休業日:12月25日、26日
    ※最新の営業時間、休業日については公式サイトをご確認ください

  • HP:公式HP
  • Googleマップ:

7. ドイツのおすすめソーセージ:ニュルンベルガー・ヴルスト

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

続いては、ニュルンベルクに来たら食べないわけにいかない!小ぶりな形が特徴のニュルンベルガー・ヴルスト(Nürnberger Wurst)です。

7.1 ニュルンベルガー・ヴルストはどんなドイツのソーセージ?

先にご紹介したレーゲンスブルクから、車で約1時間の距離にあるニュルンベルク。世界史にも登場する「ニュルンベルク裁判」で知られるニュルンベルクには、ご当地ソーセージとして、ニュルンベルガー・ヴルストがあります。ニュルンベルガー・ヴルストはドイツでも一番小さい部類に入るソーセージで、約7~9cm、直径約1.5cm、ハーブやスパイスの香りが特徴です。

7.2 ニュルンベルガー・ヴルストをドイツで食べるときのポイント

ニュルンベルクでは、ザウアークラウトとポテトサラダと食べるのが昔ながらの食べ方です。また、バイエルンの西洋わさび(Meerrettich / メーアレッティヒ)と食べるのが定番。このほか、ザウアー・ツィップフェル(Saure Zipfel)という、ニュルンベルガーを茹でて玉ねぎとお酢をかけるだけのシンプルな料理も人気です。脂っこい食べ方に飽きてしまったときに、試してみたいですね。

8. ドイツのおすすめソーセージ:メットヴルスト

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

最後に紹介するのは、ドイツ人も大好き! パンによく合う、ドイツ名物・生豚肉ソーセージ「メットヴルスト(Mettwurst)」です。

8.1 メットヴルストはどんなドイツのソーセージ?

この記事の最初、ソーセージの分類における「生ソーセージ」でもご紹介したメットヴルストは、「塗るソーセージ」。豚ひき肉の生ペーストで、サラミなどの非加熱食肉製品に含まれます。豚肉を生で食べるなんて、日本人にとっては驚きのひと言ですが、意外にも臭みはなく、甘いテイストでお肉を食べているとは感じさせません。

8.2 メットヴルストをドイツで食べるときのポイント

メットヴルストはドイツのスーパーで手に入りますが、精肉店で新鮮なものを買うのが安心。ドイツではスライスパンなどにバターを塗り、メットヴルストをペースト状に広げて、お好みで刻んだ玉ねぎと黒コショウをかけていただきます。メットヴルストは見た目もさることながら、食感もネギトロそっくり。そのため、ドイツ在住日本人の中には、メットヴルストでネギトロ丼を作る方もいるようですよ。

9. ドイツのソーセージはお土産にできない!?

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

これまでに紹介したおいしいドイツのソーセージ、お土産として日本に持ち帰りたいですよね。しかし、残念なことに海外から日本へ畜産物の持ち込みは、家畜の伝染性疾病の発生および蔓延を防止する目的で、「家畜伝染病予防法」によって厳しく制限されています。

9.1 ドイツのソーセージは検疫対象

海外からソーセージやハムは日本に持ち込めない、ということは大まかにご存知の方は多いと思います。しかし、2020年7月1日からは家畜伝染病予防法が厳罰化され、これまで最高100万円だった罰金が300万円に引き上げられるなど、海外からの肉製品など畜産物の違法な持ち込みは厳格化され、逮捕例も出ていることはご存じでしょうか?

お土産や個人利用であっても、輸出国の政府機関発行による検査証明書がないものは、日本への持ち込みができません。具体的には以下のものが動物検疫対象となり、肉製品以外でも持ち込み不可のものがあります。

  • ソーセージ
  • ハム
  • ジャーキー
  • バター
  • チーズ

オーストラリアやニュージーランドなどでは、検査証明書が添付されている商品もあるようですが、ドイツでは現地消費されることを想定した商品に検査証明書が付いていることは少ないです。そのため、ドイツの肉製品や乳製品の日本持ち込みは、ほぼ不可能と考えておいた方が良いでしょう。

9.2 日本でドイツならではのソーセージは食べられないの?

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<IngoBingo(インゴビンゴ)さんの立て看板。撮影:Miho>

実は、日本でもドイツならではのソーセージを楽しめるレストランがあるんです。それがこちら、東京・経堂に店を構える「IngoBingo(インゴビンゴ)」さん。

こちらのレストランの強みは、なんといってもドイツ・ミュンヘン郊外の人気レストランマイスター直伝によるソーセージを、自家製で提供されていること!

本場のソーセージを味わうことができますよ。ソーセージのオンラインショップも運営されているので、遠方にお住まいなどなかなか行く機会がない方は、ぜひオンラインショップもチェックしてみてくださいね。

インゴビンゴの基本情報

  • 名前:IngoBingo(インゴビンゴ)
  • 住所:東京都世田谷区宮坂2-18-3キャッスル経堂B1F
  • 営業時間:16:30~23:30(L.O.22:30)
  • 休業日:毎週月曜日(祝日・祝前日は営業。代休あり)、年末年始
    ※新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、営業時間及び営業形態変更があります。最新情報は公式サイトをご確認ください

  • HP:公式HP
  • Googleマップ:

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ドイツ人パートナーと国際遠距離恋愛中。スペイン・マラガへ語学留学経験があり、ラテン文化も大好き!個人ブログ「Lupo(ルポ)とわたし」を運営中。

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