【新型コロナウイルス】トルコにおける状況(2020年5月1日現在)

トルコでは2020年3月11日に初めて国内で新型コロナウイルスの感染者が出たと発表されました。トルコで現在人々がどのように暮らしているのか、日々のニュースや筆者のトルコ人の友人の暮らし方を元に、ご紹介します。

目次

「エヴデカル」と政府が呼びかける

トルコ国内で初めての新型コロナウイルスの感染者がニュースで発表されるまで、イスタンブールを歩いていても人々はそれほど関心がなさそうでした。「コロナはトルコに来ても僕たちは大丈夫だよ!」と、いまでは考えられないですが陽気な発言をする友人も多かったです。マスクをしている人も本当に少なく、逆に目立ってしまうほどでした。
しかしトルコで初の感染者拡大のニュースがあった次の日、朝から薬局の前に行列ができてマスク買占めが起きたり、食料を備蓄しようとスーパーのマカルナ(パスタ麺などの小麦粉製品)が一気に売れたりするなど、人々が一転してパニックに陥り、こういった行動もニュースで放送されたりしました。
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また、コロナウイルスにはアルコール消毒が効くということで、80度のエチルアルコールに香料が入ったコロンヤが品薄になるほどでした。5トルコリラのコロンヤに30トルコリラの値が付いていると、友人が話していました。
トルコで初めての感染者が認められてから約一週間後、政府はレストラン、カフェ、バー、スポーツジム、ハマムなどの施設の営業停止を要請し、「エヴデカル(Evde kal)」つまり「家にいてください」と国民に呼びかけました。

地方の出身地に帰る人が続出

「エヴデカル」と政府が呼びかけたことにより、人々はお店を一時休業にし、各自の家にとどまっています。イスタンブールには地方の各都市から出稼ぎに来ている人がとても多いため、イスタンブールにいても仕事がないなら実家に帰ろう、と考えた人が一斉にトルコ各地の都市に帰っていきました。
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また大学の授業も休校になったので、私の友人の学生たちもイスタンブールの寮を出て実家に帰りました。イスタンブールなどの大都市から地方の出身地に帰る人がとても多かったので、バスターミナルは一時大変混雑し、バスのチケットが買えない!と嘆いていた友人もいました。

都会と田舎で過ごし方が違う?

イスタンブールのように人口が多い街ではむやみに外に出ると人と接触し感染してしまう可能性があります。スーパーなどは開いているので、食料を買いに行くときだけ外出し、家では寝たりテレビを見たり本を読んだりしているという友人が多いです。
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また多くの人が礼拝の時間ごとに集うモスクにも「行かないように」と政府から呼びかけがあったため、これを機に家でじっくりクルアーン(コーラン)を読んでいるという友人もいます。
イスタンブールのとある大学に通う学生の友人は、しばらく授業再開のめどが立っていないので自宅でオンラインの授業を受けていると話しています。
政府が呼びかけているように、自宅でそれぞれの時間を過ごす大半のイスタンブールの人々に対し、地方の都市、それも家の周りに牛舎や畑くらいしかない村の実家に帰った友人は一日中外でチャイ(トルコの紅茶)飲みながらイスタンブールにはない大自然を眺めて過ごしているとのことです。
同じトルコ人でも、住む場所によってこの時期の過ごし方も様々なようです。

イスタンブールならでは?街の猫や犬のエサやり

SNSでは、しばらく会えなくなってしまった友達と間接的に繋がれるという利点もありますが、新型ウイルスに関する間違った情報が流され拡散しやすいこともあり、正しい情報を取り入れようと呼びかけられていますが、こうした中でも、心和むようなSNSの投稿が見受けられました。
イスタンブール歴史地区(旧市街)の大部分を占めるファーティフ地区の行政が運営しているSNSで、街の猫や犬たちに毎日エサをあげている職員たちの様子が投稿されました。イスタンブールの街で歩いている猫や犬は特定の誰かに飼われているのではなく、そこに住む人たちがエサをあげることによって生活しているのです。しかし人々が家から出なくなったり地方に帰ってしまったことで、街猫や犬の生活が危ぶまれました。
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行政の目はそういったところにも行き届いており、こういった事態に陥ったときでも動物に対する愛を忘れていないのが、さすがイスタンブール、さすがトルコ!と思わず心が温まりました。

早い収束を祈って

この記事を書いている4月30日の時点で、ファフレッティン・コジャ保健大臣が発表している情報によれば、4月28日の時点でのトルコにおける感染者数は114,653人、死者は2,992人となっています。初めての感染者発表から約1ヵ月半、感染者も死者もどんどん増え続けています。とにかく感染しない、させないように、むやみな外出はもちろん、スーパーに行く頻度もなるべく少なくなるよう心掛け、来年の今頃には、またいつものように賑やかで混沌としたイスタンブールらしい雰囲気を取り戻すことができるよう祈っています。

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トルコ・イスタンブルについて書いています。旧市街、モスク、マルマラ海、ケバブ、バクラヴァ、アザーン、ハマムが大好き。

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