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【アイスランド】あなたは見たことある?"地球が生まれる場所"
こんにちは、海外添乗員のNatsukiです。
あなたは"地球が生まれる場所"って、見たことありますか?
「生まれる場所???」
厳密に言えば"大地"が生まれる場所。
それが見られる国、そうそれがアイスランドです!訪れたらきっとあなたも『地球』を感じるはず。私が行った100ヶ国以上の中でも、『地球を感じられる国』で言えばアイスランドは間違いなくナンバーワンです。その他にも温泉や魚介類を楽しんだりと、特に日本人が楽しめる要素がいっぱいの国でもあります。
アイスランドがどんな国なのか、さっそくご紹介しましょう!
目次
世界一大きな露天風呂
アイスランド、この国の有名なものの一つに、ブルーラグーンという世界一大きな露天風呂があります。以前タレントのIKKOさんがここで顔にパックをしている映像をテレビで見たことがあり、私の中のアイスランドのイメージはコレでした。
「あぁこれなら見たことある!」と思われた方も多いのではないでしょうか。
海外の温泉というと、
・水着着用での男女混浴(もはやプールの様です)
または
・飲泉
と言うのが主流ですが、このブルーラグーンは前者。
自然を感じられるゴツゴツとした岩石で囲われた大きな露天風呂には、白濁のお湯。「シリカ」と呼ばれるお肌に良いとされる白い泥の様なものもバケツに置かれており、プール内でパックし放題♡。とても開放的な雰囲気で、アイスランドでも最も人気のある観光地と言えると思います。
地球の大地が生まれる場所、とは?
では本題に戻りましょう。突然ですが、なぜ日本では地震が多いのか、そのメカニズムをご存知ですか?学生の時に習ったプレートテクトニクスの話です。日本列島のすぐ太平洋側で日本の下にプレートが沈み込んでいくため、頻繁に大地が揺れてしまう=地震となるのです。沈み込む場所があると言うことは、開いて(離れて)いく場所も地球上にはあるわけで、それは"海嶺"と呼ばれており、通常は海の底にあるものなのです。
しかし!
世界には珍しい場所があるもので、これが地上で見られる場所があります。それこそが「アイスランド」!
この地図では二重線が"開いて(離れて)いく場所"を表しています。おおよそが海に引かれている中、アイスランドだけがその二重線上に位置していることがわかります。
離れる、ということは大地が地球内部より生まれてくる場所、だからアイスランド=地球の大地が生まれる場所、というわけですね!
さぁ生まれてくる場所というのは、実際どんなところなのでしょうか?
これが"大地の裂け目=ギャウ"だ!
おぉぉぉぉぉーーーーー!!!と、思った方は少ないのではないでしょうか?笑
むしろ、「え?」と思ったのでは?
世界の自然系の観光地って、こうなんですよね。説明が無いと、ただの自然にしか見えない。笑
では、角度を変えて見ていきましょう!
世界遺産であるシンクヴェトリル国立公園。この公園は、ギャウと呼ばれる大地の裂け目(幅6キロ程)の内部にあたります。ギャウの両端は崖の様な絶壁になっていることから、ここが外側の大地より数メートル低い土地だということがわかります。
この中央部にはさらに低く裂け目になっている部分があり、ここには周囲の氷河から溶け出た水が流れ込み、川のようになっているのが見えます。こここそが、大地が少しずつ両サイドに広がっていき、プレートになっていく部分、すなわち大地が生まれている場所なのです!
このアクアブルーの水が溜まっている部分から、大地が生まれています。この裂け目に潜るツアーもあります。せっかくなので、ここをシュノーケリングをしてきました!どこまでも透き通る宝石の様なアクアブルーの世界は、今でも忘れることができません。
現地の旅行会社が催行するツアーもありますので、ご興味ある方はこちら(Arctic Adventures)をご覧ください。(英語)
国内の他の箇所でもこのギャウを間近に見ることができる場所があり、特に北アメリカプレートとユーラシアプレートにまたがったこんな写真が撮れてしまうグリョウテ・ギャウはおすすめの写真スポットです!
他にもたくさんの魅力が!
ここからはハイライトで参りましょう!
世界で3番目の大きさを誇る、ヴァトナ・ヨークトル氷河。総面積8,100平方kmは東京+埼玉+神奈川の大きさに匹敵します。
麓のヨークルスアゥルロゥン氷河湖では、ヴァトナ氷河の一部が細かくなり、大きな宝石が岸に流れ着いた様に見えます。カケラをホテルへ持って帰り、数万年前の氷でウイスキーオンザロックをいただくこともできます!
南米のイグアスの滝を思わせる、とてもダイナミックなグトル滝。
大分県別府の泥地獄を思わせる、ナゥマスカルズ。
世界で4番目のストロックルの間欠泉が見られる、ゲイシール。5分ほどの間隔で、30m程の高さまで吹き上がる間欠泉です。
北海道の層雲峡が思い出される、柱状節理のレイニス・フャーラ。
群馬県は北軽井沢の鬼押出のお兄さんのような、ディムボルギル。
日本以外で鯨を食する国は数えるほどしかありませんが、アイスランドも同じなんです!レイキャビック港にあるレストランHofninでいただいた鯨のたたき風グリルは、忘れられないほど美味でした!
ヨーロッパ史に登場するアイスランド
このアイスランドの歴史を語る上で欠かせないのが、1783年のラーキ山の大噴火です。"人類の経験した最大の噴火の一つ"と言われるその噴火の規模は、VEIという火山爆発指数では、6とされています。(ちなみに世界的な噴火に伴う遺跡観光として有名なイタリアの「ポンペイ」を埋めてしまったヴェスビオ山のAC79年の大噴火は、VEI 5と推測されています)
噴火もこれだけの規模となるとその影響は甚大で、天高く舞い上がった火山灰は異常気象をもたらします。ヨーロッパではその後数年にかけて食糧不足が続き、貧困と飢饉は1789年のフランス革命の要因のひとつとなっていったと言われています。
ちょうど同じ1783年と言えば、日本でも大きな噴火、そしてそれに続く飢饉がありましたね。浅間山の大噴火、そして天保の大飢饉です。メカニズムはヨーロッパのパターンと同じ。群馬の鬼押出園は、この時の流れ出た溶岩が固まったものです。(ちなみにVEI 4だそうです)。1783年はきっと地球が活発な年だったんですね。
さらに共通点がもう一つ!
アイスランドは地質学的にはヨーロッパでも最も若い国と言われていて、約1600万年前にできたと言われています。
では日本は?
日本海が生まれ、日本が次第にユーラシア大陸から離れていったのは、約1500万年前のこと。日本とアイスランドは凡そ同じ頃にできた国だったのです。
二つのジオロジスト・ファンタジーの国
なんだか遠くの国であるはずのアイスランドなのに、随分と日本と似た要素があることにお気づきになったと思います。温泉、間欠泉、鬼押出、柱状節理・・・。
日本もアイスランドも、地球上で言えば「プレートの動きが活発な部分に存在する」という点では同じなわけです。
そんな風に考えてみると、さすが環太平洋造山帯の一部を成す日本だな!なんて、ワクワクしながら箱根を訪れる外国人旅行客の気持ちがわからんでも無いな、という気になってきます。
私たちが日常生活でなんとなく楽しんでいた温泉も、当たり前の様に時折やってくる地震も、46億年の歴史を持つ地球の活動の産物なのだと、なんだかちょっとワクワクしてきますね♪
想像もつかないものに触れることこそ海外旅行の楽しさ!とも言えますが、実はあまりにも違うもの・環境・気候に触れ続けると、旅疲れするとでも言いましょうか、母国に帰るとちょっとホッとするのも事実です。その点、アイスランドの旅は、スケールこそ日本とは大きく違いますが、何となく身近でホッとした癒しも与えてくれます。
そんな絶景とロマンに溢れた、火と氷の国アイスランド。
ぜひ生涯で一度は、訪れてみてくださいね!
それではまた!添乗員のNatsukiでした。
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Natsuki
- 添乗員として日本全国・120カ国以上を訪れ、身も心も旅行に捧げた旅行好き。歴史系・文化系が得意ですが、自然系のツアーも大好きな信州生まれ。子育て真っ最中の中、お家から皆さんに「役立つ旅行のノウハウ」をお伝えしています!