【新型コロナウイルス】台湾南部の街、台南の現状(2020年4月23日現在)

今年に入ってから、世界中で感染の拡大が深刻になってきた新型コロナウイルス。台湾では、2003年に猛威を振るったSARSの教訓から、早め早めの対策がとられ、今のところロックダウンは行われていませんが、観光地やサービス業には大きな影響が出ています。毎年ゴールデンウイークには、たくさんの日本人観光客も訪れる台湾南部の街、台南の今をレポートします。

目次

新型コロナウイルスをめぐる台湾のこれまでの動き

台湾で最初に新型コロナウイルスの感染者が確認されのは1月21日のことですが、感染症の恐ろしさを身をもって知っている台湾では、それ以前からスピーディーな対策がとられてきました。まずは、今年に入ってからこれまでの現状と対策を大まかにまとめてみます。

  • 12月31日 武漢で発生している肺炎についての情報を察知しWHOに報告。
  • 年明けすぐに、武漢からの直行便の乗員と乗客に対し、検疫を実施。
  • 1月7日 武漢への渡航警戒レベルを1に引き上げ。
  • 1月16日 武漢への渡航警戒レベルをレベル2に引き上げ。
  • 1月21日 台湾で初の感染者が確認、武漢への渡航警戒レベルを3へ引き上げ。
  • 1月22日 同時に武漢からの団体客の受け入れを停止。
  • 1月23日(春節の前日)武漢を封鎖、台湾では水際対策を強化。
  • 2月2日、高校以下の冬休みを2週間延長し、2月25日に始業を発表。
  • 2月6日 中国全域の中国人の入境を禁止。
  • 3月16日 台湾全国小中高校の教職員および生徒の海外渡航を、7月14日(今学期終了)まで禁止を発表。
  • 3月19日、居留證などの許可証を持つ人を除くすべての外国人の入境を禁止。
  • 4月9日、酒場、ダンスホールの営業停止。
  • 4月16、17日 2日連続で新規感染確認0。

現在の生活や街の様子

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4月23日現在、台湾では感染の大きな拡大は見られないことから、ロックダウンは行われておらず日常生活に支障はありません。筆者の住む台湾南部の街、台南も通りや市場など人々の生活圏は、特にいつも通り変わった様子はありませんが、大きなイベントは自粛されたり、図書館や郵便局、デパートなどたくさんの人々が出入りする場所では体温検査が徹底されています。身勝手な行動を起こす人もときどきいますが、SARSの教訓から意識を高く持っている人の方が圧倒的に多いです。

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台南は、最近人気を集めつつある観光地なのですが、観光スポットにはやはり人の姿はほとんどなくなりました。普段、団体ツアーのバスも多く停まっている台南のランドマーク「赤崁樓」も、今はガラーンとしていて、入り口では氏名や連絡先などの個人情報の記入と体温検査が行われていました。

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お客さんのほとんどが外国人観光客である、台南のレトロデパート「林百貨」も、以前の賑わいが嘘のように寂しい状況です。ここでも発熱者のスクリーニングが行われていました。

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スーパーマーケットは、人々の不安な気持ちをいちばん反映する場所だと思います。香港、マカオ、シンガポールなどの近隣地域の危険レベルが上がるなど、市民の不安が高まることが起こった時に、台南でもトイレットペーパーがなくなるという現象が起こりました。ですが、誰かが転売のために買い占めたというよりは、消耗品を少し多めに持っておきたいという個人個人の気持ちが重なったようで、すぐに解消されました。

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マスクは、新型コロナウイルスの噂が広まり始めたころから、日本と同様にスーパーや薬局の棚から消えました。そこで買い占めや値段のつり上げを防ぐために、1月末に政府はマスクを買い上げ、2月6日から国民健康保険カードを使った実名制での販売態勢を整えました。当初は、一週間にいちど大人2枚、子供3枚だけ購入できるシステムで、薬局のマスクのストックを確認できる、専用のアプリも開発されました。

その後、段階を踏み4月9日からは、2週間にいちど大人9枚、子供10枚が購入可能となり、ネット予約やコンビニ受け取りのシステムも構築されていきました。4月12日から、台北市ではマスクの自動販売機も導入されましたが、発売開始時には、行列ができてしまうという問題も発生しました。台南では(少なくとも私の近所では)、システムの変更当初は、マスクを買うための行列を見かけましたが、落ち着くと予約をしなくても普通に買うことができました。

まとめ、そしてこれから

台湾の素早い対応は、ロックダウンすることなくコロナウイルスの封じ込めに成功した例として、海外からも評価されています。過去の経験から個人個人の意識も高く、医療のスペシャリストたちが指揮をとっていることは、とてもいいことだと思います。

ただ、最近ではその環境に「安心感」が生まれ、連休には観光スポットに多くの人々が詰めかけ、密集してしまうという出来事がありました。また、つい先日には、パラオに寄港し4月15日に下船した台湾の海軍軍艦でクラスターが発生したというニュースがありました。18日に3人の感染を確認し、その後の検査で新たな感染者も確認され、現在はロックダウンの可能性も噂されている状況です。コロナウイルスは、世界中で終息しない以上、安心できる場所はないんだと改めて考えさせられました。

終息後も課題は山済みですが、まずは一人一人が同じ方向を向いて、この非常事態を乗り切ることが大切だと思います。そして一日も早く、この台南に以前のような活気が戻ってくることを祈っています。

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ロータス

ニーハオ!!2007年より台湾在住! 台湾の老街(ラオジエ)での雑貨散策とB級グルメ食べ歩きが得意。 南国のんびり暮らしのブログを発信中。

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