【ウクライナ】チェルノブイリ原発跡地で生きるカタチを考えよう!

こんにちは!元世界史教師のまえてぃーです。

1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ北部チェルノブイリで、史上最悪の原発事故が起こりました。大地は枯れ果て、人々は家を、街を捨てなければならなかったのです。

今回ご紹介したい場所はここチェルノブイリ。当時の事故現場を実際に見て歩いて回った現場をご紹介します。

目次

チェルノブイリ原発事故とは?

1986年4月26日。ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(当時)にあるチェルノブイリ原子力発電所の4号機で起きた事故のことを言います。

どういうことが起こったかというと、エネルギー供給がストップするのはもちろん、爆発による火災、あふれ出す放射能による人体と自然環境への被害、そして、止まらない放射能汚染により、チェルノブイリ近郊に暮らしていた人々は街を捨てなければなりませんでした。

その数はなんと数十万人以上と言われています。

そして、火災を止めるために戦った作業員や消防士たち。火災が止まったからといって、被害が終わることはありません。大量の放射能を浴びたことにより亡くなった方は数千人。ガンや甲状腺などの病気にかかり、今も苦しんでいる人たちもいます。

原発で起こる事故とは、徐々に私たちを苦しめていく事故なのです。

放射能の被害と一言で言いましたが、これは「被ばく」です。放射能は目には見えませんが、人体に取り込むと確実に身体を汚染します。空気からはもちろん、植物や大地も汚染され、そこで育った作物を食べることでまた身体には悪影響を及ぼします。だから「住み続ける」ことができないのです。

この事故ではなんと、あの広島の原爆の400倍の放射能が拡散されました。

チェルノブイリ見学ツアーに参加しよう

チェルノブイリへはウクライナの首都キエフから、バスで1時間ほどで到着することができます。チェルノブイリの中に入れるのは、ウクライナの現地ツアー会社が企画しているツアーに参加しているツアー客のみです。

まえてぃーも事前に予約し、行ってまいりました。ランチ付きですよ♪バスのドライバーさんとガイド(英語)さんが到着までの間事故についていろんな話を聞かせてくれました。

まえてぃーが参加した会社はコチラ
>>ソロイーストトラベル

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各スポットで当時の写真や資料を見せて、説明をしてくれながら回ることができますよ。

チェルノブイリ到着!

チェルノブイリに到着!と同時に驚いたのは、その規模の大きさ。恥ずかしながら、チェルノブイリは原子力発電所と作業員やその家族が住んでいた小さな町、というイメージを持っていました。

しかし違いました。チェルノブイリがあるのは、ウクライナのキエフ州プリピャチという街。このプリピャチは、街と一言では言い難い規模のとてつもなく大きな「街」だったのです。

まえてぃーは京都市出身です。京都市、と一言で言ってもそこは大きく北区、南区、伏見、などの街があり、その集合が京都市です。そう、プリピャチとはその京都市レベルの、いやもしかしたら京都府レベルの大きさの土地が被害を受けていたのです。

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写真はプリピャチにあった街の名前。遠くまで並ぶ街の数は一体いくつあるのだろう。。。街のお墓のような印象を受けました。

実際に歩いてみた

ガイドさんの案内で街を歩き、バスに乗り、また街を歩き、いくつもある建物の中に入る。

その全てが「静か」です。人の気配がない街が、これほどまでに「静けさ」を実感するものなのかという思いを持ちました。

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描きかけのスケッチ、置かれた人形、料理をしていたキッチン、スーパーやバスケットコート、プールに学校、病院。絶対に人がいたはずなのに、突如消えてしまった、いや、消えなければならなかった瞬間に思いを馳せると、何とも言えない気持ちになります。

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学校には使い終わった大量のガスマスクが投棄すててありました。処分が難しいとのことでした。

使われなかった遊園地

1986年5月1日にオープンする予定だった遊園地跡です。だれもが楽しみにしていたでしょう。けれど原発事故により一度も笑い声を聞くことはありませんでした。

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気になる放射能レベルは?

ここで気になる放射能レベルですが、日帰りや宿泊ツアーで滞在する程度であれば、人体には全く影響がないレベルまで落ち着いています。なので、みなさんも安心して、安全にチェルノブイリに入ることができます。

しかし、大気中ではなく、放射能を吸った大地や木々は放射能レベルは高いままだと教えてくれました。

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写真は大気中と大地に近づけて放射能レベルを測った違い。

後にも先にも「博物館へ」

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チェルノブイリに行く前の予習としても、行ってからの復習としても、キエフにある「チェルノブイリ博物館」は絶対に行っておいた方がいいスポットです。

実際にどのように事故が発生し、どれくらいの被害が、人体に、生活に、街に、国に、経済に、影響を及ぼしたのかということが、実際に使われていたものを見ながら知ることができます。そして、どのような人たちが事故を食い止めるために原発と戦い、散っていったのかも感じることができるのです。

また、同じ原発の被害を歴史としてもつ私たちの国、日本。この博物館には原発で苦しんだ人々を国を超えて展示してあり、あの「福島」やあの「広島」を異国で考えることができます。

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チェルノブイリ博物館 基本情報

公式HP:http://chornobylmuseum.kiev.ua/ja/mainpage-2/

おわりに

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チェルノブイリ原発は事故が起こった4号機以外は今現在も稼働し、エネルギーを供給し続けています。人の命か発展か、、、。そんな答えが明確なことすら複雑にしてしまうその恩恵。

チェルノブイリ原発跡地にぜひお越しください!

きっと、あなたの生き方を少し、広げてくれるきっかけになると思いますよ。

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