ハワイのローカルヌードル「サイミン」とは?味やバリエーションを紹介

筆者が「サイミン」を初めて食べたのは、ハワイ大学があるマノア地区のマクドナルド。メニューにサイミンを見つけて、思わずオーダーしました。カップに入って出てきたサイミンは、具入りのスープという感じ。日本のラーメンは主食ですが、ハワイのサイミンはサイドメニューなのかなと思ったのを覚えています。

その後何回か、ダイナー(いわゆるファミレス)で見かけるたびに意識せずサイミンを食べていたのですが......先日、サイミンのルーツは、日系移民の食生活にあると聞き、「だから日本人の口に合うのか!」と合点がいって、この記事を書き始めました。

目次

1. ハワイのローカルグルメ「サイミン」とは

2. まだまだ進化中。いろんなサイミンを楽しもう

3. サイミンは、ハワイのあちこちで食べられる!

1. ハワイのローカルグルメ「サイミン」とは

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<筆者が初めて食べたのは、マクドナルドのサイミン。撮影:たなかみえ>

そもそもサイミンとは、どのような食べ物なのでしょうか?この項目ではサイミンの成り立ちや味について紹介します。

1.1 サイミンはハワイで生まれたローカルヌードル

今では、ハワイの人々にとってポピュラーとなったサイミン 。20世紀初頭に、プランテーションで働く日系移民たちが故郷の味を懐かしみ、日本のだし汁に中華麺を入れて食べたのが始まりだといわれています。 しかし、当時の資料が残っているわけではなく、あくまでも推測の域を出ることはできません。サイミンの語源も「中国語」や「沖縄」語などさまざまな説がありますが、何語が語源なのかははっきりしていません。

ただ、今でも「シゲズ・サイミン・スタンド 」や「シローズ・サイミン・ヘブン」、「ハムラ・サイミンスタンド」など、ハワイの人気店名に日系人の名前があることからもわかるように、サイミンは、日系人とその子孫によってそのスタイルを確立、ローカルフードとしてハワイに浸透していったのだと考えられています。

1.2 サイミンってどんな味?

前述のとおり、サイミンのルーツは諸説あり定かではありませんが、一説によると日系移民たちは、日本で使われるだしの材料であるかつお節やコブ、ソバなどが手に入らなかったため、その代用としてスープのだしにエビを、ソバには中華麺を使っていたそうです。

しかし、サイミンスタンドなどができ、一般にも広まるようになると、サイミン独特の臭みのあるエビのだしは苦手だという人も増え、今では、臭みの少ない干しエビとかつお節の合わせだしを用いる、あっさりした和風のスープのサイミンがほとんどです。また、鶏肉や豚骨などを使わないため、油が浮くことなくスープが透き通っているのも特徴。 麺はかん水を使った中華麺。店によって太さやコシは異なります。多くは自家製麺を使っています。

日本のラーメン は、具にチャーシューやナルト、シナチク、ネギなどがトッピングされているのが一般的。一方のサイミンは周りが赤いナルトを用いるほか、白ネギではなく青ネギ、またナルトやチャーシューは細切りにされていることも多く、日本のラーメンとは近いようで異なります。チャーシューの代わりに、スパムが乗っていることもありますよ。
※編集部註:具を細切りで提供するパターンは、ちゃんぽんにも近いと言えるでしょう。

1.3 サイミンの食べ方

筆者が、あるダイナーでサイミンを注文したときのことです。テーブルの上に、小皿と醤油 、練りからしが用意されました。何に使うのかわからずに戸惑っていると、隣のテーブルのロコが、小皿にのせた練りからしを醤油で溶き、麺につけて食べているではないですか。 サイミンのスープはあっさりとしているので、からし醤油をつけてもしょっぱさは感じません。ただ、麺を醤油皿につけて食べることに驚き、著者は「日本ならスープに直接醤油を入れるのになぁ」と、文化の違いを感じました。

1.4 ロコにとってのサイミンは?

さらにダイナーで周りを見渡していると、もうひとつ気付いたことがあります。テーブルの上には、サイミンと並んで、焼き鳥風の串肉 (チキンまたはビーフ)やハンバーガーがあり、ロコたちは交互に口にしているのです。

現地の友人に聞いてみると、これがロコのスタンダードなのだそう。サイミンがラーメンのような主食で串肉やハンバーガーが餃子のようなサイドという風に見えますが、実際のところは串肉やハンバーガーがメインで、サイミンはスープ的な存在といったところでしょうか。

1.5 サイミンは高い?安い?

例えば有名店の「シローズ・サイミン・ヘブン」のHPに記載されているメニューを見ると、4.6ドル(約490円)から12.45ドル(約1,340円)まで。メニューはなんと64種類に及びます。ワヒアワの名店「シゲズ・サイミン・スタンド」のサイミンは、6.75ドル〜9.25ドル(約730円~約990円)でした。 1品あたりの値段はリーズナブル。でも、がっつり食べたいときにはプラスで何か欲しくなるので、ちょっと小腹が空いたとき用におすすめです。

>>>シローズ・サイミン・ヘブンのHPはこちら(英語、外部サイトへ遷移します)

>>>シゲズ・サイミン・スタンドの公式Facebookページはこちら(外部サイトへ遷移します)

2. まだまだ進化中。いろんなサイミンを楽しもう

先ほどお伝えしたようにサイミンは、干しエビをだしに使った澄んだスープにちぢれ麺、チャーシューとナルト、青ネギのトッピングが一般的。そして、麺や具をカラシ醤油につけて食べます。 ですが、味付けやスープの色、麺の太さやちぢれ具合にこだわったり、チャーシューやナルトを細切りにしたり、さまざまな工夫をしているお店もあります。最近ではさらにバリエーションが増えて、サイミンはますます進化しています。

2.1 自分だけのサイミントッピングや焼きそば風サイミンも!?

例えば先ほど挙げた「シローズ・サイミン・ヘブン」のサイミンは、64種類ものメニューがあるだけでなく、キムチやモチ、タマゴ、カルーアポークなどのトッピングメニューも豊富。一人ひとりの好みに合わせたサイミンを作ることができますよ。

また、最近はスープのないフライドサイミンもよく見かけます。日本でいうところの焼きそばに近い感じでしょうか。ですが、サイミンがラーメンに似ているけれど別物のように、フライドサイミンも焼きそばとは似て非なる料理。個人的には、単品ならフライドサイミン、サイドメニューを一緒に頼むならスープの入ったサイミンがオススメです。

この記事を書くにあたっていろいろなお店のHPを見ていたら、フライドサイミンのほかに、「ディリンハム・サイミン 」というお店で、コールドサイミンを見つけました。こちらは冷やし中華?それともつけ麺?どんな味か興味津々です。

さらに、「パレス・サイミン 」というお店に関する情報を調べてみると、うどんとサイミンが一度に食べられる「サイドン」なるものを発見!うどん好きな方に食べていただいて、ぜひ感想をお聞きしたいですね。

3. サイミンは、ハワイのあちこちで食べられる!

サイミンは、ハワイのさまざまなお店で食べられることがご理解いただけたかと思います。最後の項目では、より手軽にサイミンを食べる方法を紹介しましょう。ホテルでの夜食や、ちょっと小腹が空いたときのために覚えておくといいかもしれません。

3.1 手軽に食べるなら、インスタントのサイミン

ハワイのスーパーマーケットでは、冷凍のサイミンや袋入りの乾麺、生麺、エビだしが売られていて、家庭で手軽にサイミンが作れます。ハワイ在住の友人は、「仕上げにちょっと甘めのアロハ醤油をたらすとおいしいよ」と教えてくれました。サイミン の乾麺やエビだしをおみやげに買ってくるのもいいかもしれませんね。

3.2 ハワイのマクドナルドでサイミン

ハワイのマクドナルドでしか食べられない限定メニューに、なんとサイミンがあります。手軽に食べられるカップ入り。オーダーすると、小袋入りのシオとコショウが付いてきました。どうしてマクドナルドにサイミンがあるのだろうと不思議でしたが、ハワイのロコたちがサイミンと一緒にハンバーガーも頼んでいるのを見て、納得しました。

3.3 ローカルファミレス「ジッピーズ」でサイミン!

ローカルファミレスのジッピーズでは、サイミンと白飯の上に焼き肉やフライが乗ったジップパック(ミニまたはレギュラー)が人気。セットで注文するロコが多いそうですよ。他にも、L&Lハワイアンバーベキューやレインボードライブイン、リケリケドライブインなど、ロコに人気のファミレスのほとんどでサイミンが食べられます。

>>>Zippy's公式サイト|Noodles&Soupはこちら(英語、外部サイトへ遷移します)

3.4 ちょっと豪華なサイミンも

ワイキキにあるアロハテーブルには、フライドサイミンを現代風にアレンジした「ローカルポークとアロハ醤油のフライドサイミン($15.00=約1,610円)」があります。本来のサイミンとはちょっと異なりますが、味もお腹も十分に満たされますよ。

>>>アロハテーブル公式サイト|メニューはこちら(英語、外部サイトへ遷移します)

▼関連記事:

サイミンのお店の名前やメニューを見ていくと、あちこちに日本が感じられ、「ルーツはやっぱり日本にあるのかなぁ」と感じました。いわゆる名店と呼ばれるサイミンのお店の多くは、カリヒやワヒアワ などの日系人が多く暮らしていた地域にあります。 今までそちらの方まで行ったことは無かったのですが、これを機会に足を運んでみようと思います。どんなやさしい味に出会えるのか、とても楽しみです。


※編集部註:ハワイのカリヒ地区については、治安が悪いとされる情報を複数確認しています。一人では行かない、夜間に行かない、タクシーで行くなど防犯対策をしっかり行い、最新情報を収集の上ご検討ください。

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たなかみえ

東京生まれの東京育ち、書くことを生業としています。インタビュー、取材でお会いした100人を超える有名、無名の方々に伺ったお話が私の財産です。大好きなハワイの風、匂い、人、場所。読んでくださる皆さんと共有できたらいいな。ハワイ州観光局公認ハワイスペシャル検定上級取得。

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