【冬の低山】秀麗富嶽十二景「九鬼山(970m)」のおすすめポイント

こんにちは!低山日帰りクライマーのシンジーノです。

前回の「高川山~むすび山縦走」をやってから山梨県大月市近辺の秀麗富嶽十二景にハマってしまった私。

>>>でっかい富士山と南アルプスの山々が望める360度眺望で予想外に良かった「高川山」の記事こちら

「こんな日に山に登らない選択肢はないやろ!」とばかりに富士山の日(2月23日)に秀麗富嶽十二景・十番山頂の九鬼山(くきさん)に登ってきました。

目次

秀麗富嶽十二景とは

山梨県大月市エリアで、富士山を望む優れた景観がある場所として1992年に定められた十二山を指す。大月市から見て南南西にある富士山は三ツ峠山等の山々がその裾野を隠すことになるが、これが富士山が十二単を身につけているように見えるとして、12の数字をとって十二景が選ばれた。選定は大月市出身の山岳写真家白籏史朗を中心におこなわれ、1990年に白簱による撮影が行われた。(ウィキペディアより引用)

九鬼山の魅力とは

九鬼山は山梨百名山のひとつ。大月市の百蔵山で生まれた桃太郎が九鬼山に住む鬼を退治したという桃太郎伝説が語り継がれています。

今回私が登って感じた「九鬼山の魅力」が4つあります。

  • 駅から歩きはじめて登り、駅へ下りてこられる(バスを使う必要がない)
  • 眺望が良い箇所が多い(尾根歩きが多く、富士山が何度も顔を出し、都留や大月の町並みも見えて飽きずに歩ける)
  • 九鬼山頂から禾生駅までの下り道が歩きやすい(階段、木の根っこなど歩きにくい箇所が少ない)
  • 適度なアップダウンがあり「歩いた~」という満足感がある。

その他にも、時期的な要因もあるかと思いますが、登山者が少なく、自分のペースで歩ける。下山後、良いお風呂があるなど魅力に溢れた山でした。一方、階段がないのは良いのですが急峻な箇所もいくつかあり、雨の後などは滑りやすいので注意が必要です。またこの日は北風が強く吹き荒れ、途中で飛ばされそうなほどでした。ただそのおかげで空気が霞むことなく、くっきりと冬の青空と眺望を楽しむことができたのですが。。。

今年は暖冬なので登った2月でも積雪はありませんでしたが、例年は積雪があると思います。天気予報をチェックして必要に応じて軽アイゼンを準備した方が良いでしょう。

コースタイム

  • JR猿橋駅発(9:00発)
  • 登山口(9:10)
  • 神楽山(9:45)
  • 御前山(10:00~10:15)
  • 沢井沢ノ頭(10:35)
  • 馬立山(10:50~11:00)
  • 札金峠(11:25)
  • 九鬼山(12:15~13:30)
  • 禾生駅着(14:40)

歩行距離:8.6km / 歩行時間:約5時間 / 標高差(累計):登り951m、下り868m

登山道中レポート

それでは出発から下山~その後まで詳細をレポートしましょう。9:00出発起点はJR中央本線の猿橋駅南口(標高320m)。昨日降った雨のおかげで空は青くすみきっています。まさに登山日和です。ではレッツゴー!今回もおなじみの「チームK」の面々です。

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駅から住宅街の一般道を歩くこと10分。トンネルを抜けカーブの途中右側に登山口があります。「熊出没注意」の看板が。。。(このルートあちこちに笹も生えてました)

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このコースは方向を示す標識があちこちに設置されており、道に迷うことはありませんでした。

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登山口から縦走最初の神楽山まではしばらく急登が続きます。

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ぐんぐん登っていくので、あっという間に大月の街なみが眼下に広がります。眺望が良い登山道は気持ちよく歩けるから好きです。

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道が崩れた箇所も少なく歩きやすかったです。

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九鬼山に向かう本ルートから左に5分位それたところに神楽山があります(標識あり)。

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9:45神楽山登頂(標高673.9m)。歩き始めて45分で標高差約350mを登ったことになります。

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神楽山頂は狭く眺望もよくないのでワンタッチで引き返し、御前山(ごぜんやま)へ向かいます。

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神楽山から御前山までは15分。登り基調ですが、それほどきつくはありません。

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10:00御前山登頂です。(標高:720m)

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今回の九鬼山ルート上で1、2を争う眺望抜群の山頂です。山頂は岩だらけで断崖絶壁、さほど広くないので写真撮影に気を取られて足を滑らさないよう注意が必要です。松と富士山とのコントラストがGOODです。気持ちのよいこの場所で15分休憩をとりました。

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では御前山山頂からの眺望を動画でどうぞ~

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      御前山~沢井沢ノ頭~馬立山までの約35分間は尾根づたいのフラットで歩きやすい道が続きます。

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      うわっ!

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      木が根っこごとはがれて倒れていました。これも台風の影響なのでしょうか。。。

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      沢井沢ノ頭を通過します。

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      10:50馬立山登頂。(標高797m)

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      うんうん、順調にきているな、九鬼山山頂までこのルンルン気分のままいけそうかな。。。と思いきや、

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      馬立山から、今日これまで登った標高を帳消しにするくらい急激な下りが約30分続く。。トホホ。(下るのに一生懸命で写真撮れませんでした)

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      下りきったところが札金峠。ここは標高630mなので馬立山から一気に160m下ったことになります。

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      下ったと思ったら・・・

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      再び急登です。このルート、なかなか簡単には進ませてくれません。

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      山腹の道では崩れた箇所もあり、ロープが張ってあります。滑落しないように慎重に足を運びます。途中「紺屋の休場」という開けた広場がありました。(そこでランチをしている人もいました)

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      山道の途中ですれ違った礼儀正しい男性の足下は、地下足袋の底にわらじを組み合わせた姿でした。山岳小説「孤高の人」の加藤文太郎さんを思い起こしました。

      そして猿橋駅から登り始めて3時間15分(休憩約25分含む)で今日のピーク「九鬼山」です。

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      12:15秀麗富嶽十二景・十番山頂「九鬼山」登頂。(標高970m)

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      では九鬼山からの眺望を動画でどうぞ~

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          山の案内には九鬼山は山頂は木が茂り眺望がよくない(山頂直下の天狗岩、富士見平の方が眺望良し)と書いてありましたが、九鬼山頂からもしっかり富士山を拝むことが出来ました。

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          もしかすると山頂付近の木を伐採したのかもしれません。富士山が見える側が斜面が開けていたのでそこに腰を下ろし、昼ご飯にしました。

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          今日の私のメニューは、洋風です。ポタージュスープにフォカッチャ(テレビCMでこの組み合わせを観て一度山でやりたかったのです!)さらにチーかま、そして赤ワインです。山頂での温かい食べ物、飲み物はなによりのごちそうです。

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          私の個人的イチオシスープはポッカの「じっくりコトコト濃厚クラムチャウダー」です。

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          フォカッチャはPascoのこちらです。

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          他のメンバーのランチをのぞき見しました。

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          どうですか、この本格的料理。うにクリームパスタハンバーグ添えです。山ごはんへの並々ならぬ力の入れ具合(笑)がわかります。続いては、

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          アハハ、見た目はイマイチ(笑)ですが、カレー味のカップラーメンを先ず麺だけ食べた後、残りのスープをコッフェルにあけ、ごはんを入れてカレーリゾットに。やるじゃないですか、ラーメンとリゾットの、「一粒で二度美味しい」パターンです。一口ご相伴に預かりましたが、味は抜群でした。山では限られた食材を如何に活用するかが重要ですので、このやり方、アリです。(ダブル炭水化物なんてことは気にしなくてよいのです!)続いては・・・

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          わかりますか?鶏スープです。具は鶏皮。濃厚でコクのある熱々のスープ。これを山頂で食べることを想像してみてください。「美味しくないはずがない!」です。山でのお酒の飲みすぎはマナー違反ですが、こういうつまみ、もとい、ごはんがあればお酒が進むのも致し方ないでしょう。たっぷり1時間10分の宴会、もとい昼食休憩を取って、山頂から富士の秀麗を愛でたのでした。

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          九鬼山から富士急行の禾生(かせい)駅まで一気に下ります。

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          進むのは「杉山新道ルート」。禾生駅まで550mの標高差を下るのですが、この道はとても歩きやすかったです。馬立山~札金峠の急な下りとは段違いの歩きやすさです。道は緩やかで広く、階段や木の根っこもほとんどみられない快適な登山道でした。私は下りが苦手なので、この下りの道はとても気に入りました。

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          九鬼山頂から約1時間で里に下りてきて、更に10分程度一般道を歩いて禾生駅に到着します。(途中コンビニあり)

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          禾生駅には14:40着。ここから河口湖方面へ2駅先の都留市(つるし)駅まで乗車します。(15:03発)

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          山登りになぜかあう静かで小さな駅です。

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          なぜ都留市駅に行くかというと・・・

          下山後の風呂「より道の湯」

          それはお風呂があるからです。下山後のお風呂、それは山登り者にとってなくてはならないセットのような重要なものなのです。

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          帰り(大月方面)の時間を確認しておいて、、、

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          都留市駅から徒歩2~3分のところに今日の立ち寄り湯「より道の湯」があります。

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          スポーツジムかなにかと見まがうほど近代的で新しい施設です。

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          館内は撮影できないので、HPで確認してみてください。今回初めてこのお風呂を利用しましたが、とても優れたお風呂でした。

          露天風呂が広く、ゆったり入ることができます。珍しい「塩サウナ」や今人気の「炭酸泉」などもあり、充実したお風呂でした。たっぷり1時間、体を休めました。

          >>>「より道の湯」公式サイトはこちら

          下山後の反省会で超穴場居酒屋を発見!

          都留市駅16:56発の電車に乗り、大月駅まで戻ってきました。さて今回の山行もそろそろクロージング段階です。日帰り登山と言えば、下山後のお風呂とその後の反省会です。これらをセットで山登りというのです(断言!)大月駅には魚民などのチェーン系居酒屋もありますが、今回の反省会会場に選ばれたお店は・・・

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          居酒屋「桂川」("かつらがわ"と書いて"けいせん"と読むんだそうです)しかしどうですか、ドアを開けるのにかなり勇気が要る店構えです。しかもドアがいわゆるスナック式の重厚なドアなんです。店内の様子がわからない。店の外にあるメニューを見ると。。。

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          安っ!!!つまみが200円から600円!大丈夫???後からぼったくられるんじゃないのか!おそるおそる入店すると優しそうなママさんと美しいお嬢さん、カウンターには4人の常連さんが座っている地元の飲み屋さんという感じでした。たぶん元スナックを居抜きで居酒屋で経営されているのでしょう。この居酒屋「桂川」、結果的に大当たりでした。実際に食べたおつまみを紹介しましょう。

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          マグロぶつ500円。(ふたつ食べた後の撮影なので実際より減ってます(笑))山梨県民はまぐろ刺身が大好きで消費量が多いとテレビの「秘密のケンミンSHOW」で聞いたことがあります。

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          モツ煮込み400円。甘めの白みそで、いい感じに煮込まれていて臭みもない上品な煮込みでした。

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          厚揚げ400円。ジャンボサイズの厚揚げに乗っているのは味噌で和えたネギ。郷土料理って感じでつまみにぴったりです。

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          にらレバー炒め300円。これで300円ですよ、300円。

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          あさりバター炒めも300円。バターがかなり利いていてやや塩強めの逸品。酒に合わないわけありません。しかしこれで300円って本当?

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          でかい!ホッケのひらき400円。

          どうですか!これらの料理の数々。信じられない安さです。ちなみにお酒は焼酎1升をボトルで頼み、料理込みで総額8,500円。一人あたりなんと2,125円です。「お店の経営は大丈夫?」と心配したくなるほどの良心価格。

          常連さんも気さくな方ばかりでした。出来上がった料理をテーブルまで運んでくださったり、「山登ってきたのかい、どこの山?」「俺ならがんがっぱら(雁ヶ腹摺山)がお薦めだね」「桃太郎伝説は岡山じゃねえ、大月が本家だァ」などと面白いお話をたくさん聞くことが出来ました。よそ者だからと冷ややかな目で見ることなく、温かく受け入れてくださるところに大月の人たちの温かさを感じました。

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          地元感満載の店内の様子。くつろげます。桂川を"けいせん"と読む理由を訊いてみたところ、以前大月にあった駅弁屋さんの名前「桂川(けいせん)館」から取っているそうです。

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          秀麗富嶽十二景「九鬼山」登頂を終えて

          大月駅19:43発の電車まで約2時間半強、居酒屋「桂川」で飲んでいました。
          今日一日も充実した山行でした。九鬼山登頂ももちろんよかったですが、登る道中が尾根づたいで景色がよく眺望を楽しみながら登るのが楽しかったです。途中富士山がその秀麗を惜しげもなく何度も現わしてくれました。富士山は何度見ても飽きません。九鬼山頂で食べた熱々のクラムチャウダーにフォカッチャ。平地で食べるよりも数段美味しく感じました。山は下りが一番要注意です。山の事故のほとんどが下山途中に起こるそうです。この九鬼山~禾生駅の下りは歩きやすく、疲れず、下りが苦手の私にはありがたかったです。都留市駅の「より道の湯」失礼ながらこんな場所にこんな充実したお風呂があるなんて。。。と驚くほど素晴らしい施設でした。そして居酒屋「桂川」さん、また大月に来る時にも必ず寄りたい、気持ちも懐にも優しく温かい店、このお店に出会えてよかった。しあわせな一日を過ごせたことに感謝しながら中央本線に乗りました。

          しかしこれだけ魅力に満ちた「秀麗富嶽十二景」なのに、どうしていまひとつメジャーにならないんだろう。。。

          >>>大月市観光協会の公式サイトはこちら

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          シンジーノ

          3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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