【冬の低山】<秀麗富獄十二景>富士山が近くに見える「高川山~むすび山」縦走コース

高川山縦走

こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

私は"冬山"を登るのが好きです。「冬山~!そんな危ないところを・・・」とよく言われてしまうのですが、私が登るのは凡そ標高1,000メートル程度の低山で1年中登ることが出来る山です。先週、山梨県大月市の高川(たかがわ)山に登ってきました。「高川山はいいよ~」と知人に薦められたのですが「高川山?どこそれ?」私はその山のことを知りませんでした。あまり知名度は高くない山かもしれませんが、これが本当に素晴らしい山でしたのでレポートします。

※高川山を1分でサクっと知りたい方は、こちらのダイジェスト動画をご覧ください >>【ショート動画】姿の良い富士山を眺めたいなら「高川山」が一番おすすめ!!!

目次

なぜ「冬の低山」はおすすめなのか?

私が独断と偏見を持って語る冬の低山の魅力は次の5つです。

  • 1. 空気が澄んでいて眺望がいい
  • 2. 山に登ると汗が出るが、冬のピンと張りつめた冷気が気持ちいい
  • 3. 山頂で摂る温かい飲み物/食べ物が体に沁みる
  • 4. 下山後のお風呂が気持ちいい
  • 5. 登山客が少なく空いているので自分のペースでゆっくり山を楽しむことができる

1. 空気が澄んでいて眺望がいい

春~秋と冬で登りくらべてみると一目瞭然なのですが、東京近郊の冬は気候が安定していて雨が少なく、空気が乾燥して澄んでいます。山頂からの景色が透き通るほど視界がいいのです。冬以外の季節は晴れていても霞んでいて遠くまで見渡せないことが多いのです。景色、眺望を重視するなら冬が断然おすすめです。

環八州見晴台
<奥武蔵の環八州見晴台(標高771m)からの冬晴れの日の眺望>

2. 山に登ると汗が出るが、冬のピンと張りつめた冷気が気持ちいい

いつの時期でも山に登ると汗が吹き出します。夏暑い時はまさに苦行です。バテます。ところが冬は汗が出た時、ひんやりと冷気が頬をなでて気持ち良いのです。(強い北風が吹き荒れる時には心地よいという感触を通り越してしまいますが(笑))

3. 山頂で摂る温かい飲み物/食べ物が体に沁みる

もしかすると私はこのために山に登るのかもしれません。山頂で温かいものを摂る。カフェオレ、ポタージュスープ、みそ汁、おでんなどなど。カップラーメンも山頂で食べると「どうしてこんなに美味しいの~」と悶絶するくらい美味しい。それは麓から汗をかき、息をはずませ、登頂する。そこには登り切ったという達成感と適度な疲労感、そして美しい風景という代えがたいご褒美がもらえる。そしてそこに温かいものがあれば体が悦ぶんです。「山に登ると人は優しくなる」なんて言われますが、わかるような気がします。

4. 下山後のお風呂が気持ちいい

これは言わずもがなですね。私は山に登る時はまず下山後に入れるお風呂があるかどうかを探します。5~6時間くらい歩いて「あ~下りてきたぁ」と重い足取りで靴、服を脱ぎ、湯船に浸かった時のあの至福の瞬間といったら・・・「ぐぁぁぁぁぁ~ 生きててよかったぁ!」

5. 登山客が少なく空いているので自分のペースでゆっくり山を楽しむことができる

最近山ブームで多くの人が山に登られるのは本当に喜ばしいことですが・・・紅葉、桜のベストシーズンの週末はおぞましいほど(笑)の人混みです。電車はすし詰め、登山路が渋滞、山頂は座る場所もない、人、人、人です。都会での疲れを癒しに自然に触れに来ているのに逆に人に疲れてしまいます。

それが冬は違います。春、秋に比べると人出はずいぶん少ない。往復の電車内も少ない、登山口の人影もまばら、登山道も前後誰にも会わない、聞こえるのは、木の葉のざわめきと鳥のさえずりだけ、といった山登り気分が満喫できるのです。(誰もいない登山道は時に怖く淋しくなることもありますが(笑))

もちろん良いことばかりではなく天候が悪く、北風が吹き荒れる時の冬山はクライマーにとって厳しい存在ですが、そういう時は登るのを止めれば良いのです。日帰り圏内の低山ならそれも可能です。概ね関東の冬は気候が落ち着いており、晴天率も高いので山登りには向いています。

高川(たかがわ)山とは?

山梨県の大月市と都留(つる)市の境にある山で標高976m。「秀麗富嶽十二景」のひとつ。多くの山が鉄道駅からバス便を使わなければ登れない中、最大の魅力はJR初狩駅から歩いて2時間程度で登頂できるところ。山頂から富士山をはじめ南アルプスの山々を見渡し、ほぼ360度の大展望を楽しめる。富士山は間に遮るものが無く、麓から見られることも嬉しい。高川山の名の由来は、昔は「高尾山」と呼ばれていたのが高尾山→高尾ヶ山→高ヶ山→高川山になったとか。

>>>「秀麗富嶽十二景」について詳しくはこちらから(大月市)

今回のコースタイム

案内板

  • JR中央本線 初狩駅(9:00発)
  • 高川山登山口(9:20着)
  • 高川山頂(10:30着)
  • 休憩
  • 高川山山頂(10:50発)
  • 途中ランチ宴会休憩(約45分)
  • むすび山(14:10頃着)
  • 国道20号(14:30頃着)
  • 大月市総合福祉センター(14:45頃着)
  • 入浴
  • 大月市総合福祉センター前バス停(16:17発)
  • ~バス移動~
  • JR大月駅(16:30頃着)

JR初狩駅~高川山頂

初狩駅はJR中央本線、新宿から見て大月駅のひとつ向こうの小さな駅です。高尾駅から各駅停車で約50分。駅にはトイレと自動販売機があり、駅前を少し歩けばコンビニもあります。この日初狩駅に降り立った登山客は私たち山登り同好会「チームK」のメンバー以外に3名のご婦人グループだけでした。

JR初狩駅

駅からバスに乗らなければ登山口まで遠い山が多い中、高川山は駅から歩き始められる、これが魅力のひとつでもあります。初狩駅から登山口まで緩やかな坂道を登っていくと20分程度で登山道に着きます。

登山道入り口

登山道を登り始めてほどなく分岐があります。まず「男坂、女坂」方面と「沢コース」方面に分岐し、さらに男坂、女坂コースは途中から左右に分かれます。今回私たちは一応男の子なので一番急峻な男坂コースを選びました。

男坂コース

急な道にはロープが張ってあります。コース全体を通して道は整備されて歩きやすかったです。

男坂コース

カラカラと乾いた落ち葉のじゅうたんの上をザクッザクッと登ってゆきます。雨が降って濡れている時は滑りやすいので注意が必要です。

男坂コース

高川山の山頂までは林の中を歩くので、展望はあまりよくはありません。

男坂コース

そして初狩駅から歩き始めて約1時間半で高川山 山頂へ到着!

山頂

イェーイ!道中急な登り坂もありましたが、距離は長くないので正直「あれっ、もう着いちゃったの?」という感想でした。

それではお待たせしました。高川山の山頂からのほぼ360度展望を動画でご覧ください。

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      富士山

      想像以上に大きく富士山が見えましたよ。稜線までよく見えます。さらにズーム!

      富士山

      日本のあちこちの山頂から富士山は見えますが、遮るものがなく、麓から全容が見える富士山は珍しいのではないでしょうか?富士山の他にも奥秩父、奥多摩、南アルプスの秀峰、大月市や都留市の街が見下ろせます。標高976mでちょうどよい目線です。リニアモーターカーの実験線路も見えます。

      高川山 山頂

      むすび山へ縦走

      高川山の山頂は素晴らしいのですが、それほど広くはありません。冬ということもあり、山頂に居る人は10人程度で空いてはいるのですが、時間もランチにはまだ早いので、小休憩の後、むすび山への縦走路を進みました。山頂にある標識では高川山~むすび山~大月駅までのコースタイムは160分と書いてありました。縦走とは、単独峰登山ではなく、複数の山々の尾根を歩くことです。尾根歩きは景色がよく風も通るので、気持ちよく歩けて大好きです。

      縦走

      どうですか、冬らしい山の清々しさが画像から伝わるでしょうか?冬には虫ややぶ蚊などもおらず、草も繁っていないのでとても歩きやすいのです。

      縦走

      標高的には高川山を頂点に下り基調のルートになるのですが、実際には小さなアップダウンがありました。ずっと下りっぱなしだと逆に膝や太ももが疲れるので、多少アップダウンがあった方が変化もあり、飽きないのでいいですね。

      縦走

      途中の尾根の少し広いところでお待ちかね、お昼ごはんです。この日はメンバーのIさんが持ってきてくれたおでんをコッヘルで温めて食べました。そしてそれぞれが持参したお酒を手に山の大宴会に突入です。

      おでん

      おでんを食べ終わった出汁にきしめん、最後にパックごはんを入れ雑炊で〆るというなんとも贅沢な山ごはん。温かいのが何よりのごちそうです。私、日本酒を3合近く飲んでしまいました。ただ山での飲みすぎは命取りとなりますので、酒量はほどほどに。

      縦走コース

      行程も半分くらい来たでしょうか。高川山を起点にしたコースは今回の大月駅に下る以外にも富士急行の田野倉駅や生(かせい)駅へ下りるルートもあります。こちらは天神峠の標識です。

      天神峠の標識

      再び尾根を登ります。

      尾根

      初狩駅から高川山までがあっけなく着いたので正直なめていましたが、このむすび山への縦走コース、意外に歩かせます(笑)

      縦走コース

      このコース、途中で峯山という山をひとつ越えるのですが、峯山の山頂は広さがなく表示もないのでどこが山頂かはわかりませんでした。

      縦走コース

      縦走コース

      むすび山

      そして「むすび山」に到着です。(標高463m)

      むすび山の由来

      高川山からの縦走路の結びにあるからとか、おむすびの形に似ているからなど諸説あるそうです。山頂にはベンチと大月防空監視硝跡がありました。

      むすび山 山頂

      むすび山からは大月市が一望できます。ここから約20分で平地に出ます。

      大月市

      大月市民病院を左に見ながら下り、国道20号線(甲州街道)にぶつかったら左(初狩駅方面)に曲がって15分くらい歩くと、待望のお風呂に到着します。

      大月市総合福祉センターで入浴

      国道20号線沿いに明治天皇花咲御小休所跡(本陣)があります。立派な建物でした。

      明治天皇花咲御小休所跡

      また歩いているとこんな昭和レトロな食堂を見つけました。

      食堂

      もう絶対に旨いに違いない食堂です。残念ながら閉店中でした。食べログみたら人気のお店のようでした。

      >>>お食事処 ひろさとの情報(食べログ)はこちら

      そうこうしている内に道路の左側に本日の入浴場所「大月総合福祉センター」を見つけました。

      大月総合福祉センター

      ひなびた温泉などという風情はまったくない近代的なビルです。この大月総合福祉センターは地元の方々の介護予防の目的で造られた温浴施設です。そういう施設であっても私たち山登りの人間も温かく迎え入れて頂いたのは嬉しかったです。

      入浴料は大人520円。タオルも石鹸、シャンプー、リンスもありませんが購入できます。私たちはタオルは持っていたのでシャンプー、リンス、ボディシャンプーのセット80円を買いました(なんと良心的!)。

      お風呂は5階にあり、内風呂ふたつ(内ひとつは薬草風呂)に半露天風呂。登山後の疲れた体に半露天風呂でひんやりした風を浴びるとこれ以上の幸せはありません。

      施設内には畳敷きのお休み処もあります。あくまで地元の方用の施設なので、おじゃましないようにしたいものです。

      大月総合福祉センターは毎週月曜日と祝日の翌日はお休み。年末年始12/29-1/3もお休み。入浴時間は16時30分までですが、団体予約が入っている場合、日帰り入浴できない日もあるようですので事前に確認しておいた方がよさそうです。

      >>>大月市総合福祉センターのサイトはこちら

      高川山

      福祉センターに向かって右側に今日登ってきた高川山の雄姿を望むことができます。

      バス停

      福祉センター前から大月駅に向かうバス便があります。乗車時間は約5分です。大月駅まで歩いても25分くらいでしょうか。

      バス時刻表

      私たちは16:17分発のバスに乗りました。

      バスからの眺め

      バスから大月市民病院が見え、その後ろが「むすび山」です。たしかにおむすびのような形をしているような気が。。。

      大月駅 駅前

      大月駅前にはいくつかの居酒屋やお食事処があります。下山後の反省会(?)も山登りのお約束です。

      濱野屋

      今宵の反省会会場は濱野屋さん。こちらでチームKメンバーの3名は、大月駅始発19:43発東京行直通電車発車まで、甲州名物を堪能しながらああだこうだと山談義に浸ったのでした。

      高川山~むすび山 縦走を終えて

      初めて登りましたが、想像以上に素晴らしいコースでした。

      高川山~むすび山縦走コースの良いところは

      • 駅からバスに乗らなくても登り始められる
      • 駅から1時間半程度で登頂できる
      • 富士山が近くに大きく見ることができる(たぶん想像している以上に大きく見えるでしょう)
      • 展望はほぼ360度
      • むすび山縦走コースは意外に骨があり、アップダウンを楽しめる
      • お風呂もリーズナブルで充分楽しめる

      注意事項としては初心者でも登れる山ですが、雨が降った後は滑りやすい箇所もあるので、軽登山靴をおススメします。また途中トイレはありませんので、登る前に済ませておきましょう。

      高川山の他にも富士山を楽しめる秀麗富嶽十二景という山があります。ぜひ制覇してみたいものです。あなたもぜひどうぞ!

      秀麗富嶽十二景

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      シンジーノ

      3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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