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春のモロッコ旅行とリヤド&ホテルの選び方
春休みやGWにモロッコに行きますという方がたくさんいらっしゃると思います。3月から5月のモロッコはすでに初夏の暖かさ。お天気によっては泳げますし、暑すぎず寒すぎずのベストシーズンです。
目次
春のモロッコ旅行
モロッコは、ヨーロッパの主要都市から3~4時間で到着できるとあり、欧州の人々にとっての人気の観光地です。ヨーロピアンが最もたくさんやってくるのが4月のイースター休暇。2020年は4月10日から15日ごろが最も混み合うと思われます。もちろん、宿もハイシーズン料金になりますので、できればこの時期は避けて旅行することをお勧めします。
どうしても重なってしまう、という場合はできるだけ早く宿を押さえましょう。
リヤドとホテル
モロッコの宿泊施設には大きく分けて、「ホテル」と「リヤド」があります。
リヤドとは、もともとは、モロッコの旧市街の庭や中庭のある邸宅を指す言葉ですが、2000年前後から、きれいに改装し、内装を整えられた元個人宅が宿泊施設として使われることが増え、今では「リヤド」イコールメディナの中の宿泊施設という意味で使われることがほとんどです。総部屋数4部屋の小規模リヤドから、15部屋の大型までいろいろあり、規模が小さなところはグループや家族で貸し切ることもできます。
モロッコを紹介するテレビ番組や雑誌の特集でも頻繁に取り上げられるため、リヤドに泊まってみたい、という方も多いのですが、モロッコのほとんどのリヤドは、日本でいうと旅館というよりもさらに小規模な民宿に近いところも多く、ホテルとは使い勝手が異なります。よくリサーチしてから予約してください。
モロッコのリヤドの選び方:立地条件
リヤドの最大の特徴は、旧市街の入り組んだ迷路の中にあること。
もちろんこれは素晴らしい利点でもあり、旧市街の喧騒から、ドアを一枚挟んで美しいリヤドの内部空間が広がる、そこで宿泊するという経験は得がたいものですし、場所によっては、スークで買い物や観光した後で、いちいちタクシーに乗らずにリヤドに戻って休憩したり、荷物を置いたりして、すぐにスークに戻れるのでとても便利です。
一方で、リヤドがある旧市街のほとんどの地域には、車が入ることができません。タクシーなどを降りてから、近いところで数分、遠いところでは20~30分徒歩で移動する必要があります。夜遅くまで地元の人で賑わっている通りから一歩入ってすぐのところにあるリヤドや、車を降りて数分でたどり着けるリヤドは良いのですが、モロッコ人でも迷うような入り組んだ路地の奥にあるリヤドや、地元の人も敬遠する治安の悪い地域にあるリヤドもあります。
口コミやアクセス情報をよく確認しましょう。
モロッコのリヤドの選び方:女性の一人旅、ふたり旅の場合
リヤドのお部屋は基本的にカップル仕様になっています。ベッドがツインにできないところやバスルームと部屋の仕切りがないところが多いので、必ず確認を。
小規模リヤドや部屋数が極端に少ないリヤドの場合、夜間のスタッフが男性一人ということがあります。
トラブルまで行かなくても、一人しかいない場合チェックイン・アウトの際の送り迎えができなかったり、安いリヤドの場合は、送り迎えのサービスがなかったりします。観光客が一人、または二人でスーツケースをゴロゴロ引いて、旧市街を歩くのは狙ってくださいと言わんばかりです。実際に、早朝や深夜などの移動時に、スーツケースを丸々ひったくられるなどの被害がありますので、必ず送り迎えしてもらうようにしてください。女性の一人旅、ふたり旅の場合は、一泊一部屋200ユーロ程度からの中規模以上のリヤドをお勧めします。
そのほか注意したほうが良いこと
食事
ほとんどのリヤドの食事は予約制です。
ホテルのような24時間サービスはありません。到着・出発時間が夜間や早朝になる場合は、自分で何か用意するか、事前に相談してください。
鍵
規模が小さなリヤドは、「滞在中は、滞在客・スタッフが家族のように過ごす」がコンセプトで個室の鍵や金庫がないところもあります。
暑さ寒さ
リヤドの天井高は3~4メートルということも多く、特に冬は冷えます。
暖房設備の有無について、必ず確認してください。エアコンでは温めきれないことが多いので、冬場は暖炉またはガスを使った暖房があるお部屋がお勧めです。
最低宿泊日数
本来、リヤドは夜チェックアウトして早朝チェックアウトするような宿泊施設ではなく、ゆっくりと時間の流れを感じたい旅行者のための宿泊施設です。
特に小規模のリヤドは、最低宿泊日数が決まっているところも多いので注意してください。
最後に
私がマラケシュのリヤドを選ぶとしたら、上にあげたもろもろの注意点を踏まえた上で、「朝食がおいしい」「テラスからの眺めが素晴らしい」ことをポイントに選びます。
もちろん、新市街に泊まって旧市街に観光に行きどこかのカフェやレストランのテラスから夕日を眺めることも、おいしい朝ごはんを食べに行くこともできますが、宿泊しているリヤドのテラスからゆったりと夕日を楽しむ時間や、ゆっくり起きて、時間をかけていただく朝食時間のお楽しみは格別です。
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宮本 薫
- 2001~2016までモロッコ・マラケシュ在住。2016~ドイツ・ベルリン在住。モロッコ雑貨の企画製造販売&セレクション、旅企画、ライター。