弾丸2泊5日の旅!地中海の小さな島国で見つけたマルタ色

目次

夜発便で仕事あがりにいけちゃいます!

中東系キャリアのカタール航空さんを利用し、マルタ共和国へ2泊5日の弾丸旅行に行ってきました。

ドーハ上空.jpg

カタール機影.jpg

羽田便は23:50頃、成田便は22:20頃の出発なので首都圏近郊の方なら仕事上がりにそのまま出発することも可能です。行きは羽田発QR813便を利用しましたが、使用機材のA350はとにかくエンジン音が静かで感動しました。ドーハで約3時間のトランジットを挟み、翌13時頃に目的地のマルタ島へ到着です。

ランプベア.JPG

ドーハ空港のシンボルにもなっている黄色いくま(ランプベア)は、アーティストのウルス・フィッシャー氏の作品で落札価格はなんと680万ドル!

多彩なマルタ

さて、マルタ共和国と聞いてみなさんは何をイメージしますか?地中海に浮かぶ島国?イタリアに近い?語学留学?正直私もマルタを訪れるまではこのくらいの印象しかありませんでした。ですがこの国の起源は今から約7000年前とかなり古く、紀元前3500年頃に作られた巨石神殿跡や16世紀頃に聖ヨハネ騎士団によって建設された要塞都市が今現在も残っていたり、はたまた近代的な高層ビルがたっていたり、かと思えば大自然が作り出した絶景に出会えたりと多彩な国なのです。

このブログではマルチカラーならぬ"マルタカラー"をご紹介していきます。

ハジャーイム神殿.JPG

ブルーグロット 崖.JPG

大砲から覗くマルタ.JPG

スリーシティーズ ハーバー.JPG

蜂蜜色に彩られたマルタの街並み

モスタの街なみ.JPG
<モスタドームから見下ろすモスタ>

イムディーナ 裏通り.JPG
<要塞都市イムディーナの路地>

スリーシティーズから覗くヴァレッタ.JPG
<対岸のスリーシティーズから眺める世界遺産都市ヴァレッタ>

こちらはマルタの街並みや風景を写したものですが、蜂蜜のような色をしたこれら石造りの建物はこの国の唯一の資源である石灰岩、別名マルタストーンで造られています。先述した巨石神殿や要塞都市にもこのマルタストーンが使われていますが、この石は年月が経つと元の白色から写真のような色へと変化していきます。石造りの建物は頑丈なうえにマルタは昔から地震等の天災も少なかったそうです。そのため今現在も多くのマルタストーン造りの建物が残されていて、このように街全体が蜂蜜色に染められています。はるか昔から人々の生活を支えてきたこのマルタストーンですが、最近ではめっきり採掘量が減ってしまったそうです。また近年建築ラッシュのマルタでは古い石造りの建物は取り壊され、鉄筋コンクリートの建築物が増えてきたため、趣のある"マルタカラー"の街並みを楽しめるのは今のうちかもしれません。

マルタストーンに施された彫刻達

街角のモチーフ.JPG
<細やかな彫刻が施された街角のモチーフ>

モスタドームの外観.JPG
<世界三大ドーム型教会の一つ、モスタドームのエントランスに彫られた彫刻>

マルタストーンの切り出したばかりの断面は柔らかく削りやすいため、教会や要塞の門など至るところに細かな彫刻が彫られています。風化してしまうのでは?と心配になりますが月日とともに表面は硬くなっていくそうです。

蜂蜜色の街をトッピングするガラリア

コラッキオのガラリア④.JPG
<代表的なカラーリングは赤・青・緑>

コラッキオのガラリア.JPG
<騎士団の居住エリアだったコラッキオのガラリア>

マルタストーンで造られた住宅には"ガラリア"と呼ばれる木製の出窓が多く見受けられます。このガラリアは各家庭ごとに色が異なるのですが、大体のお宅は赤・青・緑・黄でまとめられているため、程よいバランスで蜂蜜色の街に差し色を与えています。このガラリアのある街並みもマルタらしさの一つです。

黄金の聖ヨハネ大聖堂

豪華絢爛 他国とは一味違う大聖堂

マルタ共和国の首都でもある城塞都市のヴァレッタ(マルタ語でイル=ベルト「都市の意味」)は町全体が世界文化遺産に登録されています。そんなヴァレッタで絶対に外せないスポットが聖ヨハネ准司教座聖堂(通称:聖ヨハネ大聖堂)です。

大聖堂 内部全体.JPG

外観は地味ですが、一歩聖堂内に足を踏み入れるとそのあまりの豪華さに思わず息をのんでしまいます。聖堂内はそこかしこが黄金の装飾で施されておりまさに"豪華絢爛"の一言。なぜこんなにも豪華なのかというと、この聖堂を建てたマルタ騎士団の多くが有力貴族出身だったこと、また、騎士団のこれまでの功績により莫大な寄付が集まったこと、それに加えこの聖堂が建築された当時はバロック様式が盛んな時代だったこと、これらの要因が重なり一段と豪華な装飾が施された聖堂が出来上がったそうです。

聖ヨハネ大聖堂 入口すぐ.JPG

祭壇.JPG

2階からみる聖堂内.JPG
<煌びやかな聖堂内>

天井画.JPG

イタリアの芸術家、マティア・プレッティによって描かれた天井画には騎士団の守護聖人でもある聖ヨハネの生涯が描かれています。

影のある絵.JPG

マティアは金粉が施された柱に色を塗り、それを影に見せることで絵に立体感をだした。

騎士達が眠る場所

この聖堂の床には大理石でできたモザイク画の墓碑が一面に敷き詰められています。これらは大きな功績をあげた団員たちのもので、前方の祭壇に近づくほど重要な人物の墓碑になっているそうです。実際にこの聖堂の地下にはたくさんの団員たちが今もなお眠っています。マルタ騎士団はオーベルニュ、プロヴァンス、フランス、アラゴン、カスティリヤ、イングランド、ドイツ、イタリアの8つの言語を話すもの達で構成されていましたが、聖堂の側面にはその8つの言語ごとの礼拝堂があり、そこには各騎士団所長も眠っています。

墓碑.JPG
<骸骨や天使が描かれた墓碑。>

礼拝堂.JPG

カスティリヤ(スペイン語)団員の礼拝堂。ここに騎士団長も眠っている。

銀の糸で作られた、伝統工芸フィリグリー

エジプトからマルタへやってきたフィリグリー

聖ヨハネ大聖堂に面したSt.Lucia's Streetにはマルタの工芸品である"フィリグリー"のお店が軒を連ねています。フィリグリーとは細い銀の糸を使ってできた銀細工のことで細かなデザインが特徴的です。元々エジプト発祥のフィリグリーはフェニキア人によってマルタ諸島へ持ち込まれ、そこから他国とは大きく異なるユニークな工芸品へと進化していきマルタの伝統の一部となりました。指輪やピアス、ネックレスなどがありますが、大体が1つ10~20€とお値段もお手頃です。あまりの可愛さに私は3つも買ってしまいました!

St.lucia通り.jpg
<たくさんのフィリグリーショップが軒を連ねるSt.Lucia's Street>

フィリグリー.JPG
<フィリグリー職人のつくる指輪やピアス。どれも一つ€10前後>

伝統を受け継ぐものの減少

この繊細で美しいフィリグリーを作り上げるには、やはりかなりの手間と時間がかかるそうです。銀の糸である程度の形を作ったら一度表面を溶かし、削ってはまた表面を溶かし、さらに形を整えて...と沢山の工程が必要なのですが、手間のわりに値段が安く利益がでにくいため年々継承者が減少しているそうです。私がフィリグリーを購入したお店の店主も老夫婦でしたが、こんなに素敵な伝統工芸が途絶えてしまうなんてもったいない!

地中海が映えるブルーグロット

おすすめは太陽の陽がよく差し込む午前中!

崖の上から望むブルーグロット.JPG
<崖の上から望むブルーグロット>

洞門内②.JPG
<ブルーグロットの洞穴内>

マルタ諸島で海というとコミノ島のブルーラグーンが綺麗で人気ですが、マルタ島の海も負けず劣らずなんです。マルタ島の美しい海の青をボートから存分に楽しめる場所がマルタ島の南側にあります。名前は「ブルーグロット」、別名「青の洞門」。石灰岩の崖には波に侵食されて出来たいくつもの洞穴があるのですが、その洞穴を小型ボートで巡ることができます。この洞穴に太陽の光が差し込むと、海底の白い砂に光が反射し海中をクリアブルーに染めあげます。このクリアブルーが本当に綺麗で、まるで青々と透き通った宝石の絨毯が目の前に敷かれているようでした。冬は海が荒れやすく運航していない日もあるので事前に確認が必要ですが、その分夏に比べて人が少ないのでのんびりと楽しむことができます。また太陽の光が綺麗に差し込む午前中がお勧めですよ。

チケット.JPG

所要時間は約25分程で料金は大人一人8€。

ボートからの眺め.JPG

小型ボートに乗って洞穴を目指します。

洞穴手前.JPG

青の洞門手前.JPG

いよいよ洞門へ。

海面②.JPG

海面.JPG

海面からでも海底がくっきり見える。

海底.JPG

この海底の白い砂に反射した陽が、海を海中から照らしだす。

洞門内.JPG

おわりに

まだまだ日本ではマイナーなマルタ

マルタカラーの車とベンチ.JPG

釣り人と街並み.JPG

ゴゾ島やコミノ島のビーチも魅力的ですが、私が訪れた12月上旬は海に入るには少し寒い時期だったので、2泊5日でもマルタ島だけなら十分に堪能出来ました。またこの時期は観光客も少ないので、教会などもそんなに混雑しておらず自分のペースで楽しめるかと思います。今回はマルタ島弾丸トリップの中で私が気に入ったものや感動した場所を"色"に例えて紹介してみましたが、ここでご紹介した他にもマルタ島にはまだまだたくさんの"色"があります。是非皆さんもマルタを訪れて自分のお気に入りの"色"を見つけて下さいね。

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