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イタリア3大チョコレートの街のひとつ「モディカ」へ行こう!
「イタリア3大チョコレートの街」って、どこかご存知ですか。1つ目はVenchi(ヴェンキ)やCaffarel(カファレル)で有名なトリノ、2つ目はPERUGINA(ペルジーナ)で有名なペルージャ。そして3つ目は南イタリア、地中海に浮かぶシチリア島にあります。
街の名前はモディカ。近年注目を集めているユニークなチョコレートはもちろんのこと、見どころ満載のモディカの街の魅力をご紹介します。
目次
世界遺産の街モディカ
チョコレートの街として紹介されることが多いモディカですが、実は世界遺産の街。2002年に『ヴァ―ル・ディ・ノート後期バロック様式の街々』として、シチリア島南東部の8つの街が世界遺産に登録されましたが、モディカはその1つです。
メインストリートを中心にV字の渓谷となっており、その地形から、街の至るところでバロック様式の建築や美しい街並みを見ることができます。
<モディカの街並み>
名物モディカのチョコレート
シチリアのチョコレートと言えば、モディカのチョコレート(Cioccolato di Modica)。ザクザクッとした食感とカカオの強い風味が特徴で、素朴ながら一度食べたら病みつきになる味です。
その独特の食感を生み出しているのが、1700年代からチョコレート職人たちが代々受け継ぎ、大切に守ってきた伝統的な製法。もともとはアステカ帝国で生まれた製法で、シチリア島にはスペイン支配時代に伝わりましたが、歴史的にたくさんの文化の影響を受けたシチリアを象徴するお菓子の一つと言えます。ザクザクという食感が表すように、非常に溶けにくいチョコレートなので、日本へのお土産にもぴったりです。
<モディカのチョコレート>
モディカの街中にこのチョコレートを扱うお菓子屋さんがたくさんあり、まるで街全体がチョコレートの美術館のようです。とりわけ有名なのが1880年創業の老舗「ボンアユート」。シチリアで最も古いチョコレート屋さんと言われています。アンティークな店内は、いつもモディカのチョコレートを求める人でいっぱいです。
<老舗「ボンアユート」店内>
店舗情報
- Antica Dolceria Bonajuto/アンティカ・ドルチェリア・ボンアユート
- 住所:Corso Umberto I, 159, 97015 Modica RG
- HP:https://www.bonajuto.it/
名物スカッチャ
モディカで美味しいのはチョコレートだけではありません。「スカッチャ」というストリートフードが有名です。セモリナ粉を使った薄い生地に、トマトソースをたっぷり塗り、チーズやハムなどを敷き詰め何回か折りたたんで焼いたもの。これがシンプルなのに絶品です。チーズやハム以外にも、アンチョビやなす、玉ねぎなどたくさん種類があります。
<定番のスカッチャ>
ノーベル文学賞受賞者を生んだ街
1959年にノーベル文学賞を受賞し、20世紀イタリアで最も優れた詩人の一人と言われている、サルヴァトーレ・クァジモドはモディカの生まれ。現在、街にあるクァジモドの生家を訪ねることができます。家の窓から見えるモディカの街並みは、そのまま絵葉書にできるほどの美しさです。
<サルヴァトーレ・クァジモドの生家>
施設情報
- Museo Casa natale Salvatore Quasimodo
- 住所:Via Posterla, 84, Modica RG
- 開館時間:10:00~13:00(午後は予約のみ)
- HP:http://www.casaquasimodo.it/
(※2019年12月時点の情報です)
モディカへの行き方
モディカへは空港のあるカターニアからが便利です。A.S.T.というバス会社がカターニアとモディカをつないでおり、約2時間半で移動できます。イタリアの国鉄トレニタリア(Trenitalia)でも行くことができますが、3時間半~4時間半かかる上、遅延も多いのでバスがおすすめ。言葉に不安がある方や、あまり移動にかける時間がない方は、専用車を手配するのも一つでしょう。
また、モディカの街の中はかなり階段が多いため、歩きやすい靴を履いて行くことをおすすめします。
さいごに
グルメ、景色、歴史、芸術、文学、世界遺産...あらゆるエッセンスがつまった街モディカ。昼間に見るバロック様式の街並みは言うまでもなく、明かりが灯り始める夕暮れ時の景色もうっとりするほどきれいです。ぜひとも一泊して、五感をフルに使って、モディカを感じてみてください。
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サエコ
- シチリア島に魅せられて移住。目標は地元民に間違えられるようになること。ガイドブックに載っていないような、ローカルな情報をお伝えします。