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ペルー・アヤクーチョで工芸品レタブロ巡りをしよう
ペルーの24県の一つで南部に位置するアヤクーチョ県は、80年から90年初めにかけて左翼ゲリラ組織の拠点地で、とても危険な地域でした。その後、平和を取り戻しその県都アヤクーチョ市は教会と工芸の町として観光に力を入れています。4月の復活祭のお祭りは特に有名でペルー人なら生涯に一度は見ておかなければ、と言われるほどのお祭りなのです。
この町にはいろいろな伝統工芸がありますが、その中でもアヤクーチョのレタブロは、ペルーを代表する工芸と言っても過言ではありません。それではレタブロをキーワードにアヤクーチョを観光してみましょう。
目次
アヤクーチョへのアクセス
ペルーの首都、リマから飛行機で45分で行けます。バスだと10時間もかかるそうです。
空港から市内への移動はタクシーです。20分ぐらいで行けますが、ここで要注意。この町のタクシーにはメーターがありません!ですから、最初に目的地を言って、いくらかかるか聞いたほうがいいでしょう。
空港で巨大レタブロがお迎え
アヤクーチョの空港のターンテーブル横に巨大レタブロが設置されてあり、訪問客を迎えてくれます。さっきからレタブロ、レタブロと書いていますが、どのような工芸なのでしょうか。
レタブロとは箱型祭壇で、その中には、アヤクーチョのお祭りや日常からイエスの誕生シーンなど宗教的なテーマなどが人形で現わされています。ちなみにこのレタブロは、ペルー全国で知られているアヤクーチョのお祭り、復活祭の様子が再現されています。
プラサ・デ・アルマ
プラサ・デ・アルマは、アヤクーチョ市の中央広場で、ここには大聖堂もあります。周囲の建物は16~17世紀に建てられたものばかりだそうです。この広場にも、キヨスクや週末にだけ立つ地方菓子の市など、いたるところにレタブロのシンボルともいえる、祭壇の扉の柄が使用されています。この町のトレードマークと言ってもいいほど、住民にとって馴染みのある柄なのです。
ホアキン・ロペス・アンタイ記念館
まずはレタブロがどのようにして有名な工芸になったか、その歴史を知ることができるホアキン・ロペス・アンタイ記念館に行ってみましょう。
ここは、レタブロ作家、ホアキン・ロペス・アンタイ氏(1897年8月23日~1981年5月28日)の住まい兼仕事場だったところです。同氏の作品は国内外で絶賛され、1975年、ペルーの偉大な造形作家に贈られる文化大賞を受賞しました。レタブロの知名度がこれほどまで上がったのも、彼の貢献が大きいでしょう。この記念館は、その賞の受賞から40年を記念し、親族によって2016年にオープンされました。
公開しているのは一階の3部屋で、作業場、ホアキン氏の略歴を紹介している部屋、そして最後の部屋は、リマの芸術家や文豪との交流や受賞した賞について説明をしています。入場料は4ソーレス。スペイン語ですが、ガイド付きです。レタブロの歴史を知った後は、同館附属のレタブロ売り場で、今の作家さんの作品を見つつ、気に入ったものがあれば、買い求めることもできます。ホアキン氏の孫、アルフレッド氏のレタブロが買える場所でもあります。
基本情報
- 施設名:ホアキン・ロペス・アンタイ記念館(CASA MUSEU JOAQUIN LOPEZ ANTAY)
- 住所:JIRON CUSCO 424, AYACUCHO
- 営業時間:15時~18時
- 定休日:日曜
- Facebook:https://www.facebook.com/cmjoaquinlopezantay/
ショウサク・ナガセ工芸市場
次はアヤクーチョの工芸品なら何でも揃っている工芸市場に足をのばします。市場の名前は、ショウサク・ナガセ工芸市場。なぜか日本人名です。とにかく、小さいお店がいっぱい入ったところで、数えてはいませんが、80ぐらい店舗があるのではないでしょうか。ただし、全部が全部営業しているわけではなく、閉まっている店も多く、3時ぐらいになってやっと、3分の2ほどの店が開いていました(市場自体は9時から夜8時半まで営業)。
この市場ではレタブロは当然ながら、アヤクーチョの工芸品として有名な織物、刺繍、石の彫刻、ブリキ製品、皮製品、陶芸など購入することができます。たくさんありすぎて目移りしてしまい、迷ってしまいますが、一軒一軒、扱っている商品が違うので、ゆっくり見ながら選ぶのは楽しいです。同じ商品でも店によって値段が違うので、注意してください。
基本情報
- 施設名:ショウサク・ナガセ工芸市場(MERCADO ARTESANAL SHOSAKU NAGASE)
- 住所:AV. MARAVILLAS, 103, AYACUCHO
- 営業時間:9時~20時30分
- Facebook:https://www.facebook.com/Mercado-Artesanal-Shosaku-Nagase-Ayacucho-179515285530369/
サンタ・クララ市場
上で紹介した工芸市場は、どちらかというと観光客向けで、アヤクーチョの住民が普段使用する工芸品が見たい人には、サンタ・クララ市場へ行くのをお勧めします。ここは、アヤクーチョ市民の台所であるだけではなく、衣類から日用品まで生活に必要な物が全て揃っている市場です。ここにも工芸品が売っており、値段も工芸市場より少し安かったです。
基本情報
- 施設名:サンタ・クララ市場(MERCADO SANTA CLARA)
- 住所:JIRON 28 DE JULIO, AYACUCHO
- 営業時間:6時30分~19時
シティーツアー
最初に話した通り、この町のタクシーは、メーターがないので、ぼったくりにあわないかと不安になり、ちょっと乗るのに勇気がいります。バスもバス停に行先の標示があるわけではないので、いちいち誰かに聞かないと、情報が入ってきません。モトタクシーと呼ばれている三輪タクシーもあるのですが、これまた不明。中心街から離れた別の地区に行こうと思っても、最適で安心できる交通手段がないので、これには頭を悩まされました(もちろんこれら3つとも乗ってみましたが、乗っている間、ずっとハラハラしました)。
そこでお勧めは、旅行会社のツアーです。シティーツアーももちろんあり、これに参加すれば、ワゴン車で移動するので、分散している観光スポットへのアクセスも容易になり、安心して観光することができます。人数さえ集まれば、中心街から離れた地区にあるレタブロの工房などにも行くことができます。
まとめ
レタブロの可愛さが通じたでしょうか。リマなどの大都市でももちろん見ることも買うこともできますが、産地を訪ねて、なぜこのような工芸品が誕生したのか、アヤクーチョの町を散策しながら、考えてみるのも楽しいです。ぜひ、行ってみて下さい。
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オシャラ
- ブラジル在住19年。今はサンパウロに住んでいます。現地ならではの旅情報を発信していけたらと思います。