台南歴史さんぽ!台湾で最も有名な日本人の足跡を探して

みなさんは、八田與一氏という人物をご存知ですか?

不毛の地であった嘉南平野を潤す偉業を成し遂げた、歴史上の人物です。台湾では神様とまで崇められる彼の足跡をたどって、台南の郊外、烏山頭ダムへやってきました。

目次

八田ダムとも呼ばれる烏山頭ダムとは?

歴史の街として知られる台湾南部の街、台南。清の時代に建造された色鮮やかな廟や、日本時代の面影を残す歴史的建築物が、今もなお街の至る所に残されています。 以前は、寄り道程度の観光スポットであった台南ですが、最近では数日滞在し、郊外へ足を伸ばすリピーターも増えつつあります。

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烏山頭ダムは、台湾南西部に広がる広大な嘉南平野の農業灌漑を目的として建設されました。入り組んだダム湖は、上空から見るとその形状がまるでサンゴのように見えるため、珊瑚潭とも呼ばれています。工事に約10年の歳月を費やした烏山頭ダムは、当時世界最大級の規模を誇りました。このダムの建設に関わり、台湾に一生を捧げた人物、それこそが八田與一氏です。

台南で最も有名な日本人、八田與一氏とは?

石川県出身の八田氏は、東京帝国大学で土木を学び、卒業後に台湾に赴任します。そこで、色々な農業水利事業に携わり、あるとき烏山頭ダムの建設話が持ち上がります。いまだかつてない規模の事業に、情熱を燃やす八田氏でしたが、工事は一筋縄にはいきませんでした。不慮の爆発事故により従業員が死傷したり、関東大震災により補助金が半減されるという事態に陥ったのです。ですが八田氏は、従業員の解雇を迫られた時に、優秀な人間を先に解雇したといいます。
それには、優秀な人間は次の就職口がすぐに見つかりますが、そうでない人は路頭に迷ってしまうからという、彼なりの思いやりがありました。また、従業員が安心して働ける環境づくりにも力を入れ、宿舎や学校、病院や テニスコートなどを作り、従業員の家族も迎え入れました。

世界に類を見ない規模のダムを造りあげた彼の偉業もさることながら、彼自身の人間性も、長年たくさんの人々から愛され続ける理由となっているのです。

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烏山頭水庫風景区の歩き方

自然豊かなダム湖周辺は、「烏山頭水庫風景區」という観光スポットになっています。広々とした園内には、ダムと八田氏を紀念した石碑や史料館が点在するほか、キャンプやバーベキューを楽しめるエリアレジャースポットもあります。見どころのいくつかをご紹介しまします。

遊覧船(水上観光遊艇)

珊瑚潭と呼ばれる広々としたダム湖を、ソーラーパネル付きの船で遊覧することができます。 約30分の船の旅、料金は250元です。

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八田與一氏の銅像

八田技師の同僚達と現地の農民たちが共同出資をし鑄造した像。

髪をさわりながら遠くを見つめる姿は、八田氏が考え事をするときの癖なのだそう。その後ろには八田氏と妻である外代樹さんのお墓があります。毎年5月8日の八田氏の命日には、ここにたくさんの人が集まり盛大なセレモニーが行われます。

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火車頭

ダム建設の時に、大量の土砂や資材を運んだ蒸気機関車。

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八田興一紀念園区

ダム建設中に利用した宿舎群を再現したエリア。2011年に正式に一般開放されました。園内には4棟の和風建築の建物が並び、建物はショップやお茶処として開放されています。

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烏山頭ダムへの行き方

台南市中心部からタクシーで約40分。鉄道とバスを利用する場合は、台鉄台南駅から鉄道で隆田駅へ。そこから橘10(オレンジ色10番 )バスに乗り、烏山頭水庫バス停で下車します。

園内はとても広いので、周辺ホテルに宿泊し、自転車を借りたり、タクシーをチャーターするのもひとつの手です。(8時間3,500〜4,000元ほど)

台南中心部からの、ショートトリップにもおすすめです。緑豊かな自然と歴史を感じる旅を楽しんでみては?

烏山頭水庫風景區

  • 住所:台南市官田區嘉南里68-2號
  • 時間:8:00~17:30
  • 電話:06-6982-103
  • 入場料:200元(八田興一紀念園区共通)

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ロータス

ニーハオ!!2007年より台湾在住! 台湾の老街(ラオジエ)での雑貨散策とB級グルメ食べ歩きが得意。 南国のんびり暮らしのブログを発信中。

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