【世界遺産】ジャマ・エル・フナの昼と夜モロッコ・マラケシュ

モロッコに行ってみたい。
そんな憧れを抱いたとき、どんな風景が浮かびましたか?

私は数年前まで、モロッコのマラケシュで暮らしていました。今でも年に何度も訪れますが、離れていると無性に懐かしくなることがあります。

目次

マラケシュのジャマ・エル・フナのアザーン

広大なサハラ砂漠、隠れ家リヤド、フェズ旧市街の迷路....。

様々なイメージが頭をよぎりますが、一番懐かしいのは、マラケシュの広場、ジャマ・エル・フナのアザーンです。

アザーンとは、イスラム教徒に1日5回の祈りの時間を伝えるための呼びかけで、町中にあるモスクの尖塔、ミナレットから聞こえてきます。今では拡声器が使われることが多いのですが、少し前までは生の声でした。なので、街一番、村一番のよく通る美声の持ち主がアザーン係に選ばれていたそうです。

ジャマ・エル・フナの周辺には、数多くのモスクがありますが、マラケシュのアザーンは、広場のすぐお隣の、クトゥビア・モスクから始まると決まっており、一息おいて周りのモスクから、また一息おいてその周りのモスクから・・・輪唱のように重なり合って聞こえてきます。

特におすすめなのは、広場を見下ろすカフェのテラスから聞く夕暮れ時のマグレブのアザーンです。

広場の屋台に明かりが点り始めた頃、ジャマ・エル・フナを満たす活気に満ちた大道芸や音楽の音がアザーンの直前にピタッと止まり、一瞬の静寂の後、クトゥビアのアザーンが聞こえます。言葉に言い表せない美しさです。

アザーンの時間は毎日変わります。下記サイトで確認できます。"Maghrib"がマグレブのアザーンの時間です。

ジャマ・エル・フナの屋台で食べる

アザーンが終わり、またどこからともなく太鼓のリズムが聞こえてきます。煙に乗っておいしそうな香りが漂ってきてお腹もすいてきました。

どこで食べようか・・・屋台で食べてみたいけれど、大丈夫?

ちょっと不安ですね。

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マラケシュっ子のモロッコ人と一緒の場合は、行きつけの屋台に連れて行ってもらえばいいのですが、右も左も分からない場合は、とりあえず14番の屋台へ。

ここは、白身の魚のフライ専門で、ジャマ・エル・フナの屋台といえばここが一番人気です。

マラケシュ以外の地方から来たモロッコ人も多く訪れますし、SPを連れたセレブが訪れることも・・・。

とにかく人気で回転が良いので、わざと計算をごまかされることも、古い食材を食べてお腹を壊すこともありません。何よりも美味しいので是非お試しを!

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いつも混んでいて、行ってすぐに座れることはほとんどありません。また、モロッコではきちんと列を作って並ぶという習慣がありません。

後ろで遠慮していたらいつまでたっても座れないので、笑顔でお店のお兄さんにアピールして、席を作ってもらってください。(帰りに少しチップを多めにおいてください)

野菜数種類、フライ2種類、パンとソフトドリンクで一人50DH程度。忙しいと暗算を間違えることもあるので、高いなと思ったら、笑顔で(大切です)紙に書いて計算し直してもらいましょう。

ジャマ・エル・フナの音楽

お腹がいっぱいになったら、太鼓の音を目指して歩いてみましょう。

あちらこちらに輪ができていて、音楽が聞こえて来ます。

南モロッコのタムタムという伝統的な太鼓、モロッコの国民的バンドのコピー音楽や、ブラックアフリカ発祥のグナワ音楽が人気です。

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投げ銭式です。大抵、お金が集まってから演奏が始まります。

女性や外国人観光客は、安全のために前の方に入れてもらえることが多いですが、モロッコ人よりも多めのチップを期待されます。5DH、10DH程度。

昼のジャマ・エル・フナ

昨夜の興奮が幻のように、昼間の広場は静かです。

飲食系の屋台は毎日片付けられ、きれいに掃除され、怪しげな占い師、猿回し、蛇使い、ヘナ・タトゥー、伝統的な衣装の水売りなどが軒を並べ、観光客に声をかけています。昼のジャマ・エル・フナのオススメは、オレンジジュース屋台。目の前で搾りたてのジュースが一杯4DH。必ず目の前で搾ってもらいましょう。また、氷でお腹を壊すことがあるので、氷は断りましょう。

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ジャマ・エル・フナで写真を撮るときは

ジャマ・エル・フナにいる水売り、大道芸人、ヘナ職人などはチップと引き換えに観光客に写真を撮ってもらい生活している人々です。それが彼らの生活手段ですから、無断で写真を撮らないように気をつけてください。必ず、チップを払い断ってから撮影しましょう。

ジャマ・エル・フナで気をつけること

マラケシュ中で最も観光客が多いスポットですから、すり、ひったくりも多いです。特に屋台での食事中、屋台が並んでいる通りを歩いているとき、大道芸に夢中になっているときに狙われやすいので、貴重品・カメラ・スマートフォンには常に注意してください。

また、ジャマ・エル・フナの屋台、音楽は夜中まで続きますが、特に旧市街に滞在している場合は、早めに切り上げ帰り道に注意してください。

猿回しの猿、蛇使いの蛇は病気を持っていることがあるので近づかないでください。また、広場のヘナ・タトゥーの「ブラックタトゥー」には人工的なヘアダイ剤が含まれており、腫れ上がることがあります。絶対に試さないでください。

アクセス情報

タクシーの場合:午後1時以降、旧市街の一部が車両通行止めになるため、ジャマ・エル・フナまで車で行くことができません。地図左下の「Jamaa el Fna」バス停あたりで下されます。旧市街の中から歩いていく場合は、あちらこちらに標識があるので、従って歩けばたどり着けます。

ジャマ・エル・フナ(Jamaa el Fna)

  • 住所:Jamaa el Fna Marrakech 40000 Morocco
  • 建造:10世紀ごろ。
  • 名称の由来:「死者が集まるところ」という意味。かつて公開処刑場だった。
  • 1985年:ユネスコ世界遺産
  • 2009年:ユネスコ無形世界遺産

※1DH(モロッコディルハム)=11.02円(2019年10月現在)

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宮本 薫

2001~2016までモロッコ・マラケシュ在住。2016~ドイツ・ベルリン在住。モロッコ雑貨の企画製造販売&セレクション、旅企画、ライター。

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